【完結】平民として慎ましやかに生きようとするあいつと僕の関係。〜平民シリーズ③ライリー編〜

華抹茶

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17※ 好きだから

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ヴィンを包んでいた毛布を外す。今度は抵抗せず簡単に取り外す事が出来た。

初めてヴィンの体を見た。細すぎるくらい細くて痛々しいくらいだ。それでも嫌悪感とかはなくて、むしろ興奮する。

僕も服を脱ぎ捨てて裸になった。

「ヴィン、好きだよ。…本当はこんな形じゃなくてロマンチックにしたかったのに。ごめん。」

「なぜ、ライリーさんが、謝るのですか?」

「守れなかったから。怖い思いをさせてしまったから。…本当にごめん。」

「…ライリーさんは、何も…ん…悪くない、です。」

「……ごめん、また後でゆっくり話そう。今はヴィンを楽にしてあげないとね。」

ヴィンの頭を優しく撫でて、涙を指で軽く拭いてあげる。おでこに、目元に、鼻に、頬に、唇に。順番にキスを落として怖くないよって伝えていく。

その軽いキス1つでも刺激になるのか「ん…」と蕩けた声をあげる。


本当はゆっくりゆっくり時間をかけて全てを堪能したいけど、薬で苦しんでるヴィンを早く解放してあげたい。

固くなったヴィンを優しく扱いていく。すると「ああっ!」と艶めいた声をあげる。
 
「我慢しないで出して。出さないとずっと辛いままだから。」

何度か扱いていくと「あっ!」と仰け反り早々に精液を吐き出した。

でもまだヴィンのは固いまま。薬の影響はそう簡単になくならない。

もう一度扱いてあげると再び精液を吐き出した。
でもここばかり弄られるのも辛いよね。



ヴィンの蕾に指を這わせると既に香油で解されて蕩けていた。

あの男達への怒りが再燃する。絶対に許さない。でも今はヴィンの事だけを考えないと。

何度か指を出し入れするとヴィンはどんどん乱れていった。
その姿が可愛くて綺麗で僕の股間に熱が溜まっていく。


「…もう挿れるね。」

そっと当てがってゆっくりとヴィンの中へ侵入する。

「んんんっ!あああ!!」

「辛いよね?ごめんね、ヴィン。」

「んんっ…あっ!…はぁ…いえ、気にしないで、くださいっ…んぅっ…私は嬉しいんです…。」

嬉しいって本当に?僕にこうされて、嬉しい?

ゆっくりゆっくり奥へ進んで、やがて全部入った。
馴染ませるためにしばらくそのままにする。

その間にヴィンに沢山のキスを。

「このキスは親愛のキスじゃないよ。もちろん親愛もあるけど、愛してるって意味のキス。」

「ん…。本当に?…私を?」

「うん、嘘じゃない。信じて。…動くよ。」

ヴィンを気遣って初めはゆっくり抽送を始める。するとヴィンは嬌声を上げてシーツを握りしめていた。

僕も強い快感が襲ってきて段々と激しく腰を打ち付けていく。

「あ!気持ち、いいっ!んんっ!」

「それでいいよ。快感だけ感じてっ。」

僕も気持ちよくてヴィンの中があったかくて、気が狂いそうになる。

「あっ!だめっ!んああっ!」

「イッて!何度でも!僕に見せてっヴィン!」

またヴィンは白濁液を吐き出していく。それでも僕は動きを止める事なくパンパンと打ち付けていった。

ヴィンは強すぎる快感で仰け反りピクピク体を震わせる。その細い体を抱きしめて更に動きを早める。

「ヴィン!ヴィン!」

愛しすぎて腰が止まらない。僕がヴィンをこうさせている。ヴィンの恍惚とした表情が僕の気持ちを昂らせる。

「あっ!ライリーさんっ!もっと!もっと、くださいっ!」

僕の体にしがみついて懇願する。その姿がいじらしくて望み通りに腰を打ち付けた。

するとヴィンが勢いよく僕に口付けてきた。舌を入れ込んで舐め回して行く。僕もそれに応えて舌を絡めていく。

「んっ…んんぅ…。」

激しく口付けるせいでぴちゃぴちゃと音が鳴る。その音が酷く淫猥で脳が蕩けていく。

「んあっ!またっ!あぁぁぁぁっ!!」

「イッて!僕も、イクっ!」

ヴィンが吐き出すのと同時に僕もヴィンの中に解放した。

「はぁはぁ…ヴィン、大丈夫?」

「はぁ、はぁ…はい…大丈夫、です。」

ずるりとヴィンの中から抜き出して、ヴィンをしっかり抱きしめる。

しばらくはただ抱きしめてヴィンとキスをする。

呼吸も落ち着いてきた所にヴィンが徐に口を開いた。

「ライリーさん。私は、貴方の事が好きです。きっとこの気持ちが『好き』や『愛しい』や『愛している』って事なんでしょうね。」

「…本当に?」

ヴィンが僕のことを好きって言ってくれた。その瞬間ぶわっと感動が広がる。

「だからを見られた事がとても嫌で悲しかった。死にたいと思いました。」

「そんな事許さない。勝手に死ぬなんて許さないから。」

「はい。私も死にたくはありません。ライリーさんとずっと生きていきたいと思いました。」

その言葉を聞いて抱きしめる腕に力を込める。もう離さない。僕のヴィンだ。

「……ねぇ、ヴィン。言いづらいと思うけど教えて。あの時、あの男に最後までされたの?」

「……いいえ。入れられる寸前でした。もうダメだと思った時、ライリーさんが助けてくださいました。ありがとうございます。」

良かった。最後まではされてなかった。途中まででも許し難いことだけど、本当に良かった。


それから薬も抜けたヴィンと一緒にゆっくりお風呂に入った。

「…あの時は薬の影響もあって平気だったのですが、流石に今は恥ずかしいです。」

「うん?そう?僕は恥ずかしくないよ。こう出来るのが幸せだから。」

「…あっ!まっ!えぇ!?」

「…ん?どうしたの?」

「待って、ください!あんっ!ダメ、ダメです!」

「待たない。…嫌?嫌じゃないでしょ?」

可愛くて可愛くてついつい意地悪してしまう。ダメだって言いながらも、蕩けた顔が良いって言ってる。

「ねぇ、またヴィンを抱いてもいい?」

「…んぅっ!…あ、あん…。……はい、抱いてください。」

もう何なんだよ。可愛すぎかよ。可愛すぎて苦しい…。


その後はまためちゃめちゃ抱いた。あんあん鳴くヴィンが可愛くて抱き潰してしまった…。ごめん。本当にごめん。



今日はそのまま宿に泊まって翌日家に帰った。


「2人ともお帰り。ヴィンセント、体は大丈夫か?」

「はい。ポーションのお陰で怪我もすっかり良くなりました。改めて皆さん、助けていただいてありがとうございました。」

「当然のことをしたまでだ。本当に無事で良かった。」


それから全員でギルドに行ってその後の事を聞きに行った。


クリスの弟が人質になっていたと言うのは本当のことだった様で、そっちも無事に保護されたそうだ。

だがクリスはヴィンを誘拐するために手引きした事は間違いない為、憲兵へと預けられたそうだ。だが弟が人質になっていたこともあってそこまで重い罪にはならないだろうと言われた。

「クリスさん…。なんだか様子が変だったのには気づいていたんです。早く声を掛けてあげていれば…。」

ヴィンはその事を後悔していた。

「ヴィンセントを誘拐した奴らだがな、ライリーに腕や足を切られた事で戦意喪失したのか、ガンドヴァの奴らだったがベラベラと簡単に口を割ったぞ。」


アイツらの狙いは僕たちだった。

『ドラゴン討伐の英雄』を『ガンドヴァの英雄』にしてリッヒハイムに戦争を仕掛けるため。

そのために、僕たちと一緒に生活しているヴィンに目を付けた。ヴィンを人質にガンドヴァへと連れてきて戦争の道具にするつもりだった。

だからまずはヴィンを捕まえるために僕たちをこの街から出す必要があった。
魔物を引き寄せる魔法薬を使い魔物を集めておく。僕たちが討伐へ出かけた間に、クリスを使いヴィンをギルドの外へ連れ出す。そして誘拐した。

だがそれは失敗した。クリスが迷ってなかなか直ぐに動かなかったから。

この辺じゃ見ない魔物がいたのも、魔物の数が多かったのもそのガンドヴァの奴らのせいだった。


今回ソルズに入ってきたのは5人居たらしいが、実行犯は3人で後の2人は門の外で待機していたらしい。薬で眠らせた僕たちを運ぶために馬車を用意していて、そこに押し込んだらガンドヴァへと行くつもりだった。

もうその2人は作戦失敗と分かり何処かへと消えたそうだ。

「今回の件は国に報告をあげておく。おそらくまたガンドヴァはリッヒハイムを狙ってくる。お前達も今まで以上に注意しといてくれ。」

「ああ、わかった。でもギルドも気をつけてくれよ。今回のクリスの様な事がまたないとは限らないからな。」

ヴィンをこんな目に合わせたんだ。次また何かあったら今度こそ容赦しない。

「アシェル達にも伝えておこう。今妊娠中だからな。無理はさせられない。ま、王都にいるし騎士団や魔法師団も動いてくれるとは思うから多分大丈夫だとは思うけど。」

「ですが油断は出来ませんからね。すぐに連絡を入れましょう。」


それから数日は家でゆっくり休んで、またいつもの日常に戻った。
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