災厄に愛を

怪異に支配されていた世界は、かつて“六柱”と呼ばれる力ある者たちによって救われた。
しかし一柱が失われ、今や世界を統べるのは“五柱”のみ。

その一人、『創造』を司る青年・アカシは、五柱の中でも異端だった。
一族は何者かに皆殺しにされ、彼だけが生き残った。
本来は万物を生み出す力を持つはずの彼は、その能力をほとんど使えず、探偵として怪異の後始末を請け負う日々を送っている。

アカシの傍らにいるのは、白髪の幼い少女・お厄。
呪いを感知する不思議な力を持ち、彼にとって唯一無二の存在だ。

ある日、アカシのもとに「腕に口を持つ」少年が助けを求めて現れる。
それは周囲に災厄を呼び寄せる、異質で古い呪いだった。
調査の最中、呪いに引き寄せられるように現れる謎の男。
そして、水面下で蠢き始める“五柱”の歪み。

これは、かつて世界を救った力の“後始末”の物語。
――呪いは、すでに目を覚ましている。
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