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受け入れるもの、変わるもの
塞翁が馬 8 ※R-18
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※R-18
骨ばった手が吉継の鎖骨や肩を撫でていく。
触れられたところから緩い痺れが生まれた。吉継よりも少しだけ体温が低くて薄い手。それでいて、固くて力がある。刃物の樋に肌を撫でられているようだ。それも吉継には気持ち良く感じた。
厚木は、吉継がパートナーを紹介した日に他の女にうつつを抜かしていたことが不満だと言っていた。それは以前にも聞いたことがあった。厚木の家で山科と一緒に料理をしていたとき。あのときも。
「あ」
はだけたシャツの隙間に手が潜り込み、胸を弄られる。胸の突起が引っかかるのも気にしないとでもいうように何度も往復する。
なにか分かりかけたと思ったのに、厚木のせいで考えが散漫になる。
胸から喉を撫であげられるともうだめだった。逃れようと顔を背けると、頬にも硬いものが当たって…。
「…」
そういえば、厚木の熱など放ったらかしになっていた。厚木も全然主張してこなくて、全くわすれていた。
頬を擦りつけ、包み込むように触れると、スラックスの上からでもピクリと動いたのがわかった。
すこし開いた口から、厚木の指が入りこんできた。反射的に舌を擦りつけてしまい、あっさりとつかまった。そのまま舌を引っ張り出される。
「あぁぅ…っ」
「油断も隙もない」
「んぅ」
それはこちらのセリフだった。吉継が弱い喉を撫でられたらどうなるのかなんて、わかりきっているのに。
顔を背け、舌を抓んでいる指を振り切った。
ビリビリする舌に構わず、厚木の方を見上げる。
「…舐めたいです…」
「ああ」
前を寛げる手に構わず、吉継は待ち切らないとばかりに骨ばった指に、隙間に舌を這わせる。やみくもに舌を出す吉継は邪魔だったが、厚木はそれをおもしろそうに見ていた。
厚木の熱に吸い付き、舌を少しあてただけで我慢ができなくなった吉継は、大きく口を開いて喉に押し付ける。
「んぅ…ん」気持ちが良くて、力の抜けた吉継は口が滑って厚木のものを吐き出してしまった。
「っあ」
舌を出し、厚木の腰にしがみつく。厚木の猛ったものは、腹と吉継の頬に挟まれた刺激で厚木が息を詰める。同時に頬をぐっと押し上げてきて、また舐めて、口に入れる。さっきまでのようにすんなり入らなくなった。
厚木の興奮は伝わるが、吉継としては喉に入りやすいほうがいい。
ムッとした目を厚木に向ける。そんな抗議も厚木には伝わらない。喉をゆるりと撫でられて終わりだ。
「可愛いな、吉継」
厚木の終わりは早かった。出しきって柔らかくなってからも舌で遊んでいると、顔を上げさせられ、首に吸い付かれる。喉を吸われた時は、出して満足している吉継もピクリと反応した。でも、もういい。
「よかったか」
「厚木さんは」
「よかった、ありがとう」
厚木をぎゅうぎゅうに腕の中に収めたら嫌がられたので、仕方なく離れる。
「俺は、厚木さんだけです…」
吉継なりに考えたが、やっぱりそれしかなかった。
厚木が言うように、山科も好きだ。多分吉継は若い女性よりも妙齢の女性の方が好きだと思う。でも山科と肌を合わせたいと思ったことはない。
厚木以外の男性にも興味はない。若い男性のDomなら、特に嫌いだと思う。吉継に酷いことをしてきた人たちと同じだから。ぱっと見ただけで吉継はいいも悪いも判別できない。あのDomたちも、吉継と同じ実業団に入っていた、社会的にはちゃんとした地位のある人たちだったのだ。
そういったことが細かく説明ができないことがもどかしい。
「そうか」
厚木には伝わるだろうか。
察しが良い厚木だ。そうだといい。
「そうです」
顔を近づける。今度は嫌がられず、引き寄せられ唇が合わさる。
角度を変えて何度も吸われ、力が抜けてきた。
ずるずる落ちていき、厚木の膝に寝転がる。背中を撫でられているうちに眠たくなってきた。
「厚木さん…俺のご主人様…」
夢うつつのつぶやきだった。”ご主人様”の単語に、厚木が嫌そうな顔をしたのは一瞬。
「吉継」
はいと返事をしたつもりだが、声にはならなかった。
「…そんなに”ご主人様”が欲しいか」
…欲しい。
それが厚木ならいい。
厚木なら、吉継を嘲笑うための命令は言わない。
「厚木さんだけ…」
それも言葉にしたかどうかは定かではない。
少し低い体温を頬に感じて、もう意識はなかった。
骨ばった手が吉継の鎖骨や肩を撫でていく。
触れられたところから緩い痺れが生まれた。吉継よりも少しだけ体温が低くて薄い手。それでいて、固くて力がある。刃物の樋に肌を撫でられているようだ。それも吉継には気持ち良く感じた。
厚木は、吉継がパートナーを紹介した日に他の女にうつつを抜かしていたことが不満だと言っていた。それは以前にも聞いたことがあった。厚木の家で山科と一緒に料理をしていたとき。あのときも。
「あ」
はだけたシャツの隙間に手が潜り込み、胸を弄られる。胸の突起が引っかかるのも気にしないとでもいうように何度も往復する。
なにか分かりかけたと思ったのに、厚木のせいで考えが散漫になる。
胸から喉を撫であげられるともうだめだった。逃れようと顔を背けると、頬にも硬いものが当たって…。
「…」
そういえば、厚木の熱など放ったらかしになっていた。厚木も全然主張してこなくて、全くわすれていた。
頬を擦りつけ、包み込むように触れると、スラックスの上からでもピクリと動いたのがわかった。
すこし開いた口から、厚木の指が入りこんできた。反射的に舌を擦りつけてしまい、あっさりとつかまった。そのまま舌を引っ張り出される。
「あぁぅ…っ」
「油断も隙もない」
「んぅ」
それはこちらのセリフだった。吉継が弱い喉を撫でられたらどうなるのかなんて、わかりきっているのに。
顔を背け、舌を抓んでいる指を振り切った。
ビリビリする舌に構わず、厚木の方を見上げる。
「…舐めたいです…」
「ああ」
前を寛げる手に構わず、吉継は待ち切らないとばかりに骨ばった指に、隙間に舌を這わせる。やみくもに舌を出す吉継は邪魔だったが、厚木はそれをおもしろそうに見ていた。
厚木の熱に吸い付き、舌を少しあてただけで我慢ができなくなった吉継は、大きく口を開いて喉に押し付ける。
「んぅ…ん」気持ちが良くて、力の抜けた吉継は口が滑って厚木のものを吐き出してしまった。
「っあ」
舌を出し、厚木の腰にしがみつく。厚木の猛ったものは、腹と吉継の頬に挟まれた刺激で厚木が息を詰める。同時に頬をぐっと押し上げてきて、また舐めて、口に入れる。さっきまでのようにすんなり入らなくなった。
厚木の興奮は伝わるが、吉継としては喉に入りやすいほうがいい。
ムッとした目を厚木に向ける。そんな抗議も厚木には伝わらない。喉をゆるりと撫でられて終わりだ。
「可愛いな、吉継」
厚木の終わりは早かった。出しきって柔らかくなってからも舌で遊んでいると、顔を上げさせられ、首に吸い付かれる。喉を吸われた時は、出して満足している吉継もピクリと反応した。でも、もういい。
「よかったか」
「厚木さんは」
「よかった、ありがとう」
厚木をぎゅうぎゅうに腕の中に収めたら嫌がられたので、仕方なく離れる。
「俺は、厚木さんだけです…」
吉継なりに考えたが、やっぱりそれしかなかった。
厚木が言うように、山科も好きだ。多分吉継は若い女性よりも妙齢の女性の方が好きだと思う。でも山科と肌を合わせたいと思ったことはない。
厚木以外の男性にも興味はない。若い男性のDomなら、特に嫌いだと思う。吉継に酷いことをしてきた人たちと同じだから。ぱっと見ただけで吉継はいいも悪いも判別できない。あのDomたちも、吉継と同じ実業団に入っていた、社会的にはちゃんとした地位のある人たちだったのだ。
そういったことが細かく説明ができないことがもどかしい。
「そうか」
厚木には伝わるだろうか。
察しが良い厚木だ。そうだといい。
「そうです」
顔を近づける。今度は嫌がられず、引き寄せられ唇が合わさる。
角度を変えて何度も吸われ、力が抜けてきた。
ずるずる落ちていき、厚木の膝に寝転がる。背中を撫でられているうちに眠たくなってきた。
「厚木さん…俺のご主人様…」
夢うつつのつぶやきだった。”ご主人様”の単語に、厚木が嫌そうな顔をしたのは一瞬。
「吉継」
はいと返事をしたつもりだが、声にはならなかった。
「…そんなに”ご主人様”が欲しいか」
…欲しい。
それが厚木ならいい。
厚木なら、吉継を嘲笑うための命令は言わない。
「厚木さんだけ…」
それも言葉にしたかどうかは定かではない。
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