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小話系
あばれ馬ならし 1
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※ ハピエン中毒者が、メリバ展開もありかもーという気持ちのときに書いたもの。同じ世界線のようでちょっと違うかも。トンデモ系メリバです。
「”跪け”」
「はい、”ご主人さま”…」
吉継が部屋の端でペタリと座る。厚木は、無意識に”ご主人さま”と呼ぶ吉継を好きにさせ、アンティークのソファに座ったまま吉継から向けられる視線を受けて流す。
さっきまで、吉継は裸のまま壁に向かって”反省”させられていた。タイムアウトは終わったが、まだ欲しいものは渡さない。いつもは厚木の足の間で腹に顔を埋めて撫でてもらうが、今はそれを許さなかった。吉継が膝の上で拳を固く握っていたが、怒りではなく、悲しみと焦りと渇望が入り交ざって複雑に絡まっている。厚木は吉継の透けている心を見据えていた。
「言いたいことはあるか」
「厚木さん以外は嫌です」
何度聞いても、吉継は判で押したように同じことばを繰り返す。
吉継が通院でプレイを拒否したのは昨日のこと。それを聞いたときに厚木は、抜けられない会議のあとに、一泊の出張が入っていた。やましいことがあるから何度電話しても吉継が通話に応じることはなく、運が悪いことに秘書の笠井も同行していたので、吉継の様子を見に行くことはできなかった。しかし、次の日は普通に出勤していたので、マンションで籠城はしていない。厚木はできるだけ早く仕事を終わらせて、会社帰りの吉継を捕まえたのだ。一瞬気まずそうな表情をしたが、おとなしく厚木の運転する車に乗り込んだ。
吉継は、月2回通院しており、その時に療法士とダイナミクスを安定させるためのロールプレイをする。プレイ時間は約三十分ほどだが、吉継には耐えられなかった。
厚木とのプレイだけでは、Domから偏った支配しか受けてこなかった吉継を安定させることができない。厚木が吉継の望むように命令をあげるだけの関係では、根本的に満たされることなく、お互いに疲弊してしまう。
吉継は、Subとしての土台が作られないまま、命令だけの支配を受けていた。褒められることはなく、満たされない欲求を常に抱えたまま、命令に執着するようになった。次第に命令をくれる”ご主人さま”にも。満たしてくれない相手とご褒美のない命令にひたすら執着し、貪欲に命令のみを求め、心身からの警告であるサブドロップの仕方もわからないのが今の吉継だ。
療法士とのプレイは、軽いコマンドで大いに褒めることが基本で、ダイナミクスが発現したばかりのティーンが受けるような初歩のプレイだ。”Sub”としての欲求をDomに掬い上げてもらい、命令通りに動き褒められる喜びを感じて、良いプレイ経験を積み重ねていく。プレイを通してDomを信頼することを憶えて、ダイナミクスが安定していく。Subとしての育ち直しをしている段階だ。
吉継にそのような治療方法を説明しても通じない。厚木に言われて渋々受け入れているが、納得はしていないからだ。普段は渋々でも通院しているが、こうして我慢ができなくなったら、通院をボイコットして厚木から”お仕置き”されていた。
厚木は、Subとして未熟な吉継に、濃密なパートナーとのプレイだけを教え込むことに躊躇がある。まして、厚木の望むプレイは、今まで吉継をいいようにしてきたDomたちと近いところにある。痛みが伴うこともあるからだ。同じ”痛み”を扱うが、根本的には違う。しかし、土台のない吉継がどこまで違いがわかるだろうか。厚木は、今まで吉継をいいようにしてきたDomと同じ立ち位置なのは許せない。
パートナーである厚木とのプレイは深くて濃密だ。療法士からは得られない喜びがある。吉継は厚木とのプレイで、Subとしての喜びを感じるよりも、執着からくる渇望を厚木に満たしてほしいのだ。それが吉継のSubとしての生き方で、出会った頃からなにも変わっていなかった。
「”来い”」
吉継が立ち上がり、裸足の足をフローリングにペタペタつけながら厚木の前まで歩いていく。手を伸ばせば届くところまで近づいて止まる。吉継は、やっと厚木のテリトリーに入れてもらえたと思ってホッとしたことが伝わってきたが、厚木にとってはまだ序の口だった。
聞き分けの悪いSubには、いい加減腹が立っていた。
「ここに、”腹ばいになれ”」
ここだというように、吉継に膝から太ももへと視線を誘導する。
吉継は、まだこがもらえないことに、困惑した表情を見せたのも一瞬、厚木の眼前に隠すことなく晒している性器は、重なっていく命令を喜び、ヒクヒクと震えていた。
「”跪け”」
「はい、”ご主人さま”…」
吉継が部屋の端でペタリと座る。厚木は、無意識に”ご主人さま”と呼ぶ吉継を好きにさせ、アンティークのソファに座ったまま吉継から向けられる視線を受けて流す。
さっきまで、吉継は裸のまま壁に向かって”反省”させられていた。タイムアウトは終わったが、まだ欲しいものは渡さない。いつもは厚木の足の間で腹に顔を埋めて撫でてもらうが、今はそれを許さなかった。吉継が膝の上で拳を固く握っていたが、怒りではなく、悲しみと焦りと渇望が入り交ざって複雑に絡まっている。厚木は吉継の透けている心を見据えていた。
「言いたいことはあるか」
「厚木さん以外は嫌です」
何度聞いても、吉継は判で押したように同じことばを繰り返す。
吉継が通院でプレイを拒否したのは昨日のこと。それを聞いたときに厚木は、抜けられない会議のあとに、一泊の出張が入っていた。やましいことがあるから何度電話しても吉継が通話に応じることはなく、運が悪いことに秘書の笠井も同行していたので、吉継の様子を見に行くことはできなかった。しかし、次の日は普通に出勤していたので、マンションで籠城はしていない。厚木はできるだけ早く仕事を終わらせて、会社帰りの吉継を捕まえたのだ。一瞬気まずそうな表情をしたが、おとなしく厚木の運転する車に乗り込んだ。
吉継は、月2回通院しており、その時に療法士とダイナミクスを安定させるためのロールプレイをする。プレイ時間は約三十分ほどだが、吉継には耐えられなかった。
厚木とのプレイだけでは、Domから偏った支配しか受けてこなかった吉継を安定させることができない。厚木が吉継の望むように命令をあげるだけの関係では、根本的に満たされることなく、お互いに疲弊してしまう。
吉継は、Subとしての土台が作られないまま、命令だけの支配を受けていた。褒められることはなく、満たされない欲求を常に抱えたまま、命令に執着するようになった。次第に命令をくれる”ご主人さま”にも。満たしてくれない相手とご褒美のない命令にひたすら執着し、貪欲に命令のみを求め、心身からの警告であるサブドロップの仕方もわからないのが今の吉継だ。
療法士とのプレイは、軽いコマンドで大いに褒めることが基本で、ダイナミクスが発現したばかりのティーンが受けるような初歩のプレイだ。”Sub”としての欲求をDomに掬い上げてもらい、命令通りに動き褒められる喜びを感じて、良いプレイ経験を積み重ねていく。プレイを通してDomを信頼することを憶えて、ダイナミクスが安定していく。Subとしての育ち直しをしている段階だ。
吉継にそのような治療方法を説明しても通じない。厚木に言われて渋々受け入れているが、納得はしていないからだ。普段は渋々でも通院しているが、こうして我慢ができなくなったら、通院をボイコットして厚木から”お仕置き”されていた。
厚木は、Subとして未熟な吉継に、濃密なパートナーとのプレイだけを教え込むことに躊躇がある。まして、厚木の望むプレイは、今まで吉継をいいようにしてきたDomたちと近いところにある。痛みが伴うこともあるからだ。同じ”痛み”を扱うが、根本的には違う。しかし、土台のない吉継がどこまで違いがわかるだろうか。厚木は、今まで吉継をいいようにしてきたDomと同じ立ち位置なのは許せない。
パートナーである厚木とのプレイは深くて濃密だ。療法士からは得られない喜びがある。吉継は厚木とのプレイで、Subとしての喜びを感じるよりも、執着からくる渇望を厚木に満たしてほしいのだ。それが吉継のSubとしての生き方で、出会った頃からなにも変わっていなかった。
「”来い”」
吉継が立ち上がり、裸足の足をフローリングにペタペタつけながら厚木の前まで歩いていく。手を伸ばせば届くところまで近づいて止まる。吉継は、やっと厚木のテリトリーに入れてもらえたと思ってホッとしたことが伝わってきたが、厚木にとってはまだ序の口だった。
聞き分けの悪いSubには、いい加減腹が立っていた。
「ここに、”腹ばいになれ”」
ここだというように、吉継に膝から太ももへと視線を誘導する。
吉継は、まだこがもらえないことに、困惑した表情を見せたのも一瞬、厚木の眼前に隠すことなく晒している性器は、重なっていく命令を喜び、ヒクヒクと震えていた。
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