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本日のお着替え
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泣いてしまった彼女を、そっと撫でるとすやすやと眠り始めた。これまで辛い状況だっただろうし、さらに小さくなるなんてとんでもないスキルまでかけられたのだ。
笑顔を見せてくれていたが、きっと不安や悲しみにくれていたのだろう。
「シルヴィア……。今までよく頑張ったね。これからは俺がいる。だから、もっと頼って甘えてくれ」
手を顔の前にして丸まりながら眠る彼女を、少しでも安心させてあげる事が出来たらいいのにと思う。
彼女さえ良かったら、俺は女性とは無縁だしこのままここにいてもらって、さっきみたいに一緒に食事をして。何気ない、でも、彼女と共に幸せな日常を送りたいと思う。
寝室に行き、自分のベッドのヘッドボードの上にフィギュア用のベッドを設置する。綺麗にしたシーツでベッドメイキングをした。ふんわりした綿でマットレスを作ったが体に合うだろうか?
目を閉じ小さな唇から寝息を微かに漏らす彼女を見ていると胸が熱くなる。
そのまま自分もシャワーを浴びてベッドに横になった。
なかなか寝付けなかったし、時々彼女の様子を見るために目を開けた。
「……。良かった。ちゃんと、いる……」
シルヴィアがこの家に来た事が夢だったんじゃないかと思い、何度も何度も覚醒してしまい彼女の存在を確認してはほっとした。
※※※※
「ん……」
朝日が昇り、小さな声がヘッドボードから聞こえる。流石に寝不足だったため、眠たい目をこすりながらぼうっとする頭で、衣擦れの音や小さな声を聞いていた。なんだか幸せな気分になる。
「あ……、わたくし……。夢じゃなかったのね……」
「シルヴィア、起きたのか?」
俺も徐々に覚醒したので、そっと彼女に声をかける。敬称なしで呼んだ事に気付かぬまま体を起こした。
「あ、ザムエル様、おはようございます」
「ああ、おはよう。よく眠れたか?」
「はい、こんなにすっきり眠れたのは初めてです」
「そ、そうか。良かった。少し待っててくれ」
気になる美しい女性と、朝を迎えておはようと言い合う日が訪れるなんて、なんだかむずむずする。色めいたものはないがとても嬉しい。
満面の笑顔の彼女が朝日をあびてとても美しく輝いている。やはり心臓が発作を起こしてしまうが、気を落ち着かせ彼女のために着替えなどを取りに行った。
「……今のワンピースは胸元が窮屈そうだったな……。これならどうだろう」
フィギュアの着替えから、今日はワンピースタイプの伸縮する素材のカットソーを取り出した。色は俺の瞳の色だが、特に他意はない。ほんのちょっとしか。いや、俺の色を身に纏う彼女を見たいだなんて、そんな事思っていない。……はずだ。たぶん……。
赤いカットソーのワンピースを着た彼女を思い浮かべて鼻の下が伸びていた事に気付いて、頭を振り表情を引き締めた。小物も揃えて寝室の彼女の元に戻る。
「待たせたね。これに着替えるといい」
「まぁ……。ありがとうございます」
銀の髪は艶やかでやや寝乱れており色っぽい。すでに小さな彼女をフィギュアとして感じる事はない。
着替えを手渡すと寝室から一旦外に出て数分後もう一度戻る。
「ぐはっ!」
思わず鼻を抑えてしまった。これはまずい。
「あ、ザムエル様、お着換えありがとうございます。ぴったりですわ。その、似合っていますでしょうか?」
頬を赤らめてくるっとターンをするシルヴィア。カットソーが彼女の大きな胸の形ぴったりで体の動きのまま、ぷるるんっと揺れるのを全く隠していないどころか強調している。
──目、目のやり場に困る! いや、見ていたい。……、ダメだ! そんなスケベな男だと知られれば嫌われてしまうに違いない!
それにしても柔らかそうだ……。ま、まさか、ノーブラだったり? 尖りは見当たらないがカーブの描く感じからすると、きっとてっぺんはあの辺だろう。
昨日風呂場で見た白い肌と先にあった桃色を思い出す。食い入るように飽きるまで見ていたい。
──指先でつついたり撫でたりしたいなどと、思っていない! 俺は、そんな不埒な事を思っているものか!
「に、似合っているが……あー。ちょ、ちょっと待ってくれ!」
慌ててフィギュア用のジャケットを取りに行き彼女に着るように伝えると、首を傾げながらもそれを着用してくれた。なんとか視界の暴力がなくなりほっとする。
恋人同士でもないが、なんとなく照れくさい二日目の朝を二人で迎えた。やはり彼女と過ごす時間は心地いい。
そのあと、職場のほうが色々調べることができるため、一緒に通勤した。
笑顔を見せてくれていたが、きっと不安や悲しみにくれていたのだろう。
「シルヴィア……。今までよく頑張ったね。これからは俺がいる。だから、もっと頼って甘えてくれ」
手を顔の前にして丸まりながら眠る彼女を、少しでも安心させてあげる事が出来たらいいのにと思う。
彼女さえ良かったら、俺は女性とは無縁だしこのままここにいてもらって、さっきみたいに一緒に食事をして。何気ない、でも、彼女と共に幸せな日常を送りたいと思う。
寝室に行き、自分のベッドのヘッドボードの上にフィギュア用のベッドを設置する。綺麗にしたシーツでベッドメイキングをした。ふんわりした綿でマットレスを作ったが体に合うだろうか?
目を閉じ小さな唇から寝息を微かに漏らす彼女を見ていると胸が熱くなる。
そのまま自分もシャワーを浴びてベッドに横になった。
なかなか寝付けなかったし、時々彼女の様子を見るために目を開けた。
「……。良かった。ちゃんと、いる……」
シルヴィアがこの家に来た事が夢だったんじゃないかと思い、何度も何度も覚醒してしまい彼女の存在を確認してはほっとした。
※※※※
「ん……」
朝日が昇り、小さな声がヘッドボードから聞こえる。流石に寝不足だったため、眠たい目をこすりながらぼうっとする頭で、衣擦れの音や小さな声を聞いていた。なんだか幸せな気分になる。
「あ……、わたくし……。夢じゃなかったのね……」
「シルヴィア、起きたのか?」
俺も徐々に覚醒したので、そっと彼女に声をかける。敬称なしで呼んだ事に気付かぬまま体を起こした。
「あ、ザムエル様、おはようございます」
「ああ、おはよう。よく眠れたか?」
「はい、こんなにすっきり眠れたのは初めてです」
「そ、そうか。良かった。少し待っててくれ」
気になる美しい女性と、朝を迎えておはようと言い合う日が訪れるなんて、なんだかむずむずする。色めいたものはないがとても嬉しい。
満面の笑顔の彼女が朝日をあびてとても美しく輝いている。やはり心臓が発作を起こしてしまうが、気を落ち着かせ彼女のために着替えなどを取りに行った。
「……今のワンピースは胸元が窮屈そうだったな……。これならどうだろう」
フィギュアの着替えから、今日はワンピースタイプの伸縮する素材のカットソーを取り出した。色は俺の瞳の色だが、特に他意はない。ほんのちょっとしか。いや、俺の色を身に纏う彼女を見たいだなんて、そんな事思っていない。……はずだ。たぶん……。
赤いカットソーのワンピースを着た彼女を思い浮かべて鼻の下が伸びていた事に気付いて、頭を振り表情を引き締めた。小物も揃えて寝室の彼女の元に戻る。
「待たせたね。これに着替えるといい」
「まぁ……。ありがとうございます」
銀の髪は艶やかでやや寝乱れており色っぽい。すでに小さな彼女をフィギュアとして感じる事はない。
着替えを手渡すと寝室から一旦外に出て数分後もう一度戻る。
「ぐはっ!」
思わず鼻を抑えてしまった。これはまずい。
「あ、ザムエル様、お着換えありがとうございます。ぴったりですわ。その、似合っていますでしょうか?」
頬を赤らめてくるっとターンをするシルヴィア。カットソーが彼女の大きな胸の形ぴったりで体の動きのまま、ぷるるんっと揺れるのを全く隠していないどころか強調している。
──目、目のやり場に困る! いや、見ていたい。……、ダメだ! そんなスケベな男だと知られれば嫌われてしまうに違いない!
それにしても柔らかそうだ……。ま、まさか、ノーブラだったり? 尖りは見当たらないがカーブの描く感じからすると、きっとてっぺんはあの辺だろう。
昨日風呂場で見た白い肌と先にあった桃色を思い出す。食い入るように飽きるまで見ていたい。
──指先でつついたり撫でたりしたいなどと、思っていない! 俺は、そんな不埒な事を思っているものか!
「に、似合っているが……あー。ちょ、ちょっと待ってくれ!」
慌ててフィギュア用のジャケットを取りに行き彼女に着るように伝えると、首を傾げながらもそれを着用してくれた。なんとか視界の暴力がなくなりほっとする。
恋人同士でもないが、なんとなく照れくさい二日目の朝を二人で迎えた。やはり彼女と過ごす時間は心地いい。
そのあと、職場のほうが色々調べることができるため、一緒に通勤した。
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