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幸せの始まりの日に R18

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 シモンは、カミンスキ侯爵が爵位譲渡を出来る限りあと延ばしするという苦肉の策で、後継者としての立場についたままとなった。
  実際は、一代とばされて彼が侯爵になれずに彼の子が継ぐか、彼自身の今後の研鑽と努力の結果次第だろう。

 許された形のシモンは、たとえ侯爵位を継いでも生涯の監視付きで窮屈な人生になる。何かがあれば即座に首を切られる、そんな一生を過ごすのだと覚悟した。

 そんな彼は、愛するゾフィアと結婚を許されたとはいえ、牢獄のような人生につき合わせるわけにはいかないと身を引く事を彼女に伝えた。
  ところが、ゾフィアから監視されてもいいから貴方の側にいたいという告白をされて、紆余曲折の末に二人は祝福され結婚したのである。

 シモンは、式の前に改めてシルヴィアと対峙し、誠心誠意今後の人生をカミンスキ侯爵の名に恥じないように生きゾフィアを幸せにすると誓った。

 シルヴィアは苦難を乗り越えた二人の、幸せそうに寄り添う姿を見て微笑んだ。

「もういいだろう? シルヴィア!」
 
 シモンとこうして会うだけでザムエルは不機嫌になり、話が終わるや否やシルヴィアを連れて二人きりになりたがった。
  やきもちが過ぎるザムエルの束縛ともいえる行動に対して、周囲はハラハラしていたが、ほかならぬシルヴィアが頬を染めて幸せそうにザムエルという檻に捕まりに行っているのだから世話はない。



※※※※



「ああ、綺麗だ……」

 伯爵は、かつての恋人の面影を残す娘を見て目を細める。彼女との恋はすでに想い出として昇華されており、夫人と結婚してからは彼女と確かな愛を育んでいたのである。
  健康を取り戻した彼は、愛する妻と二人、花嫁衣裳を着ているシルヴィアの前で目に涙を浮かべていた。

「お父様、お義母様……」
「シルヴィア幸せになるんだよ」
「シルヴィア、とってもきれいよ。幸せになってね」

 シルヴィアは、両親に抱き着き涙を流した。折角の化粧がとれてしまい、何度も化粧をしなおされる。

「ザムエル殿、この子を誰よりも幸せにしてやって欲しい」
「言われなくとも。生涯慈しみ愛する事を約束いたします」

 ザムエルの言葉を聞き、伯爵家も侯爵家も笑顔がこぼれる。感激したシルヴィアはまた涙が止まらなくなった。

 結婚披露パーティーで二人は沢山の人々から祝福された。

「よぅ、ザムエル! 良かったなあ! 綺麗な嫁さんじゃないか!」
「ヘンリクか」
「シルヴィア嬢、いや、夫人。こいつは今まで女っ気が一人もなかったからな。どうか、ザムエルを見捨てないでやってくれよな!」
「え?」

 ヘンリクの言葉に、シルヴィアは首をかしげた。

「ザムエル様はとてもカッコいいし素敵だから、女っ気がないなどと……」
「あのな、シルヴィア……。前から思っていたのだが……俺はモテたことはない……。おそらく、君が耳にしていた、いつも女性に囲まれてモテモテだと噂されている人物は、目の前のヘンリクだ……」

「え? ええ? だって、どう見ても彼よりザムエル様のほうが素敵で……、あ、申し訳ございません」
「ははは! そんな事をいうのは夫人だけだろうなあ。良かったな、ザムエル。幸せにな!」

 明るくヘンリクが去ると、信じられないと未だに目を見張る花嫁と、どことなく居心地の悪そうな花婿が取り残された。

「シルヴィア、だから言っただろう? 俺には君だけだって」
「だって……。でも、でしたらザムエル様はわたくしだけの?」
「ああ、君だけのものだ」
「嬉しいっ!」

 妄想していた、あらゆる美人に囲まれているザムエルの姿にすらヤキモチを焼いていたシルヴィアは、ライバルがいない事を知り笑顔で抱き着いた。

「俺のほうこそ、シルヴィアを取られないか、いつもヒヤヒヤしているのに」
「まあ……、それこそ杞憂ですわ! わたくし、ザムエル様だけを愛していますもの!」
「シルヴィア!」

 新郎新婦が周囲の目も憚らず愛を伝え合う。新郎を良く知る職場の男たちは口笛を鳴らし囃し立て、式は無事に終わった。



※※※※


「シルヴィア……、待ちきれなかったのか?」

 クチュクチュペチャペチャと淫らな音が寝室に響いている。

 彼らは、良家から小さな一軒家──といっても金持ちの子爵家以上の大きな屋敷──を贈られた。幸い、ザムエルには侯爵家から子爵位も与えられ、本人も高給取りなので安泰な一生を過ごす事ができる。
 また、シルヴィアは〈創造〉というスキルを持つので、国に保護されており研究への協力金が毎月支払われた。

 流石に幼児レベルのシルヴィアだけが家事をするわけにもいかないからと、通いの家政婦を雇ったものの、初夜の今は二人きり。大きくシーンとした家の中、寝室という空間で淫らに絡み合っていた。

「あ……、ん……。あ、あぁ……、いやあ、そんな事言わないで……」
「ちゅっちゅ。ほら、俺に可愛がって欲しいと、君の胸の飾りが赤くでてきたよ。どうして欲しい?」

 ふーっと、びんびんにとがりきった乳首に熱い息を吐きかけながら、シルヴィアの蜜壺をかき回す。足の付け根にあるこりこりとした粒を、ぴんぴんとはじきながら問いかけると、愛しい妻がベッドの上で美しい人魚のように跳ねて恥じらう。
 純粋で清らかだと思えば、淫婦のように彼を誘う彼女をいじめたくなった。

「ああああ!」

 粒を、ごりっと強く押し付ければ、簡単に達するようになった妻を、見下ろしながら口角を上げた。

「シルヴィア、……ほら、わかるか?」
「あ、あぁ……」

 ぬかるんだ彼女の花びらの間に、自らの汚らしい裏筋を当てて行ったり来たりさせる。

「あ、あなたぁ……」

 シルヴィアが、いつもの「ザムエルさま」ではなく、恥じらいながら腰を浮かして彼に強請った。

「あ、あなた、だと……! シルヴィア! シルヴィアッ!」

 ザムエルは、彼女の一言を聞くや否や、返事を待たずに切っ先を蜜が流れる中に入れこんだ。それだけでも気持ちがいい。

 きゅうきゅうと締め付けながらも、奥へと誘う粘膜の動きに逆らわずに、先端を奥の行き止まりに当てた上にぐいっとさらに腰を押し当てた。

「あ、ああぁん……、ふ、ふかい……、おっきぃ」
「シルヴィア、どうだ?」

「あんっ、あっ、あん! 素敵で、きもち、いぃ! ですぅ!」

 腰を引いては押す度に、淫らに声があがる。彼女の体が上下に動いて、大きく柔らかな胸が波を打つ。赤くとがった乳首にくらいつきながら、一心不乱に腰を振った。

「シルヴィア、でそうだっ!」
「あ、あなたぁ……、ん……! もう、もう……」
「一緒に……!」

 シルヴィアの体がびくびくと痙攣したとほぼ同時に、避妊魔法を一切せず、奥に白濁をたくさん放った。

──ああ、やっとだ……。シルヴィア、俺の子を……

「あ、あぁ……、いっぱい……」
「ああ、もっともっと、ここに注ぐから」
「これで、赤ちゃんができます……?」
「一度では難しいらしいからな」
「ザムエル様の赤ちゃんが欲しいです……もっとたくさんください」
「シルヴィア、言われなくてもっ!」

 ザムエルは、空が白み始める頃、最後の子種を注ぎ切り、すでに疲労困憊の愛しい妻を抱きしめて眠りについたのであった。
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