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前代未聞の求人募集⁉ 一次選考は履歴書ではなく釣書で~今後のご活躍をお祈り申し上げます Side ハートゥン(ハーティ)
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「まただわ。どの人もおんなじ。家柄などの条件はお母様が厳選してくださってるから大丈夫なんだけれども……」
「ディリィ、本気でフィーノと婚約解消して別の男と結婚するのか?」
「ええ。だからこうして色んな人の釣書を見ているんじゃない」
「フィーノの出した条件の男なんているのか? 家柄も性格も頭脳も良くて、ディリィただひとりだと誓い、魔法契約を結ぶのが条件だろ? 破れば不能になるというペナルティ付の魔法契約まで結ぼうとするやつはなかなかいないと思うが」
俺は今、ディリィの家の応接室にいる。俺と話しをした後、フィーノに婚約解消を突き付けて来たと知った時は驚いた。ディリィは悩みつつもフィーノを受け入れて、ふたりは結婚すると思っていたから。
「フィーノも、そんな男はどうせいないって思っているから、こんな条件を出したわけだし? 見つからなかったら約束通りフィーノと結婚するけど、期限はまだ半年あるし諦めないわ! でも、夫候補を募集かけた途端、こんなにも反響があるとは思わなかった。せいぜい数人かと思っていたのに」
ディリィとフィーノが婚約解消になるという噂はあっという間に広まった。彼女は真剣だ。というより、彼女だけが真剣で、周囲は半信半疑どころか、ほとんど信じていない。
魔法契約も、言っているだけで本気で施されるなど夢にも思っていない。彼女もフィーノも本気で施術するつもりで、それを俺にして欲しいと頼み込んだのだから侮っている男たちは後悔するだろう。
どちらかというと、ディリィが結婚後に恋人を作るつもりになり、その恋人候補の選定を始めたと思っているやつらばかりだ。そのため、連日彼女の家には沢山の男から、夫ではなくて恋人にしてほしいと釣書が送られて来ているというわけだ。
伯爵家の後継者である彼女の夫は、フィーノである事が揺るがない。だから、せめて恋人になり家同士の繋がりや、珍しい薄桃色の体を持つかわいいディリィと過ごしたいという男が色めきだった。あろうことか、きちんとした手順を踏まずに彼女に襲い掛かろうとする男まで出現するほど。
そのため、俺は彼女の護衛役として側にいるように、彼女の両親に依頼された。フィーノがやりたそうだったが、それはディリィに断られてションボリしている。
ディリィの決意は固い。条件の男が現れなかったら、その時は再びフィーノただ一人を見つめて、もう一度愛そうと努力するだろう。
フィーノだって、その事を確信しているから、ほとんど可能性のない条件を突き付けたのだろう。このまま彼女の求人に応募してくる男が現状のままなら、フィーノの思惑通りになる。
所詮、出来レースのお祭り騒ぎくらいにしか思われていないのだ。男達だけでなく、彼女の両親にも、フィーノにも、フィーノの両親にも。
たったひとりで頑張っている彼女を見ていられない。せめて俺だけでも、追い詰められた彼女の心に寄り添い、話を聞いてやりたいと思う。
「それにしても、動機がわたくしの恋人になりたいとかどうしてなの? 募集したのは夫なのよ?」
フィーノは王家の血筋の侯爵家令息だ。外見も性格も頭脳も申し分ない。そんな男に愛されている彼女を、フィーノから奪えると本気で思う男はいるのだろうか?
それに、なんだかんだ言いつつ、ディリィはフィーノを完全に突き放していない。今日だって、押しかけて来たフィーノを追い返せず、一緒にお茶を飲んで進捗状況を話していたのだから。そんな状況は周囲にもすぐに知れ渡る。ますます本気にされないのは仕方のない事だと思う。
「はぁ……、ちょっとこれなんか酷いわ。この方、侯爵家のご令嬢と結婚したばかりなのよ? それなのに、釣書を送って来るなんて……フィーノと婚約解消するために、夫となる人を正式に探しているのに……」
「ディリィ、わかっているんだろ? 真剣にフィーノから君を奪い取って夫の座に座ろうだなんて、この釣書を送って来た男たちは本気で思わないんだよ」
「それは……うん。でも、今の中途半端な気持ちのまま、妥協でフィーノと結婚なんて、自分自身にも彼に対しても良くないと思うの。そりゃ、ハーティおにいさまや皆を巻き込んでしまって申し訳ないけど……」
「迷惑なんて思ってないさ。それに、侯爵夫妻やディリィのご両親は、面白がってそうだけどな。フィーノは、侯爵夫人に大層怒られたそうだね」
「うん。おばさまから、女心の分からない唐変木の息子だから、わたくしが心から慕う相手がいるのなら本当に解消していいってお返事が来たわ。慰謝料も気にするなって。わたくし以外にもお嫁さん候補がたくさんいるから、お嫁さんが変わっても大差ないって思われているのだろうけど」
「そうか」
まだ、フィーノとディリィが婚約を結ぶ前。実は俺も彼女の夫候補としてこの家に呼ばれて仲良くさせてもらっていた。彼女たちはそんな事はもう記憶にないだろう。
俺はディリィの事は可愛いとは思っていたけれど、妻にしたいとまでは思えなかった。ふたりは本当に仲が良かった。だから、婚約をフィーノに譲った。
その事を後悔したのは数年後だった。
幼かったディリィが、成長してドキっとするような笑顔を見せ始めた頃には、すでに彼女を好きだったと思う。隣国に行き、王子を助けるために日々研究を重ねる中、派遣された俺に、女の人を宛がおうとされたが、どうにもそんな気になれなかった。俺が肌を重ね合わせたいと想う相手はずっとディリィひとりだった。だが、彼女はすでにフィーノの婚約者になっていた。だから、諦めきれない想いに蓋をしてふたりを応援していたのである。
俺に決まった相手がいないのにも関わらず、こうして今の彼女の側にいられるのは、彼女や俺の両親の思惑がある。
フィーノがだめなら、俺だったら、彼女が喜んで夫にすると言うだろうという自信があるようで、伯爵や俺の親からは、期日までに彼女とそういう仲になればいいと耳打ちされている。要するに、俺でもフィーノでもどちらでもいいのだ。
俺としては、複雑だが折角貰ったチャンスだ。フィーノには申し訳ないが、ディリィがこういう子だと知っていて、それでも彼女の信頼を裏切ったのだ。これを棒に振るなどありえない。ディリィは、幸い兄のような存在としてだが、俺に好意を抱いてくれている。それに、条件も合う。魔法契約だって、ディリィと結婚できるのなら喜んでする。
「ディリィ、取り合えず今日の分の釣書は全員不合格だろう?」
「ええ。ご健闘をお祈りします返書も認め終わったわ。腕がだるい~、手の平がつりそうよ」
「はは、お疲れ様。じゃあ気晴らしに泳ぎに行こうか」
「うん!」
俺は、明るく振舞っているが心身ともに疲れている彼女の手を取り、疲労回復の魔法を施す。少し痩せたようで心配だがそれがかえって色っぽい。
ディリィ……。俺のディリィ。一日も早く、兄じゃなく、俺を男として見て欲しい……俺がここにいるって気づいてくれ……
無理やりどうこうしようとすると、ディリィは俺から離れてしまうだろう。
どうすればいい? どうすれば、ディリィは俺を好きになってくれるんだろうか。
彼女の家の裏にある海に、ふたりでイルカの本性に戻り沢山泳ぐ。目一杯はしゃぐ薄桃色の体が跳ねると、海水に濡れて光を反射する。眩しくて、可愛くて、愛しい。
俺は考えるばかりで何も行動に起こせず、ただ兄のように彼女を守るだけだった。
「ディリィ、本気でフィーノと婚約解消して別の男と結婚するのか?」
「ええ。だからこうして色んな人の釣書を見ているんじゃない」
「フィーノの出した条件の男なんているのか? 家柄も性格も頭脳も良くて、ディリィただひとりだと誓い、魔法契約を結ぶのが条件だろ? 破れば不能になるというペナルティ付の魔法契約まで結ぼうとするやつはなかなかいないと思うが」
俺は今、ディリィの家の応接室にいる。俺と話しをした後、フィーノに婚約解消を突き付けて来たと知った時は驚いた。ディリィは悩みつつもフィーノを受け入れて、ふたりは結婚すると思っていたから。
「フィーノも、そんな男はどうせいないって思っているから、こんな条件を出したわけだし? 見つからなかったら約束通りフィーノと結婚するけど、期限はまだ半年あるし諦めないわ! でも、夫候補を募集かけた途端、こんなにも反響があるとは思わなかった。せいぜい数人かと思っていたのに」
ディリィとフィーノが婚約解消になるという噂はあっという間に広まった。彼女は真剣だ。というより、彼女だけが真剣で、周囲は半信半疑どころか、ほとんど信じていない。
魔法契約も、言っているだけで本気で施されるなど夢にも思っていない。彼女もフィーノも本気で施術するつもりで、それを俺にして欲しいと頼み込んだのだから侮っている男たちは後悔するだろう。
どちらかというと、ディリィが結婚後に恋人を作るつもりになり、その恋人候補の選定を始めたと思っているやつらばかりだ。そのため、連日彼女の家には沢山の男から、夫ではなくて恋人にしてほしいと釣書が送られて来ているというわけだ。
伯爵家の後継者である彼女の夫は、フィーノである事が揺るがない。だから、せめて恋人になり家同士の繋がりや、珍しい薄桃色の体を持つかわいいディリィと過ごしたいという男が色めきだった。あろうことか、きちんとした手順を踏まずに彼女に襲い掛かろうとする男まで出現するほど。
そのため、俺は彼女の護衛役として側にいるように、彼女の両親に依頼された。フィーノがやりたそうだったが、それはディリィに断られてションボリしている。
ディリィの決意は固い。条件の男が現れなかったら、その時は再びフィーノただ一人を見つめて、もう一度愛そうと努力するだろう。
フィーノだって、その事を確信しているから、ほとんど可能性のない条件を突き付けたのだろう。このまま彼女の求人に応募してくる男が現状のままなら、フィーノの思惑通りになる。
所詮、出来レースのお祭り騒ぎくらいにしか思われていないのだ。男達だけでなく、彼女の両親にも、フィーノにも、フィーノの両親にも。
たったひとりで頑張っている彼女を見ていられない。せめて俺だけでも、追い詰められた彼女の心に寄り添い、話を聞いてやりたいと思う。
「それにしても、動機がわたくしの恋人になりたいとかどうしてなの? 募集したのは夫なのよ?」
フィーノは王家の血筋の侯爵家令息だ。外見も性格も頭脳も申し分ない。そんな男に愛されている彼女を、フィーノから奪えると本気で思う男はいるのだろうか?
それに、なんだかんだ言いつつ、ディリィはフィーノを完全に突き放していない。今日だって、押しかけて来たフィーノを追い返せず、一緒にお茶を飲んで進捗状況を話していたのだから。そんな状況は周囲にもすぐに知れ渡る。ますます本気にされないのは仕方のない事だと思う。
「はぁ……、ちょっとこれなんか酷いわ。この方、侯爵家のご令嬢と結婚したばかりなのよ? それなのに、釣書を送って来るなんて……フィーノと婚約解消するために、夫となる人を正式に探しているのに……」
「ディリィ、わかっているんだろ? 真剣にフィーノから君を奪い取って夫の座に座ろうだなんて、この釣書を送って来た男たちは本気で思わないんだよ」
「それは……うん。でも、今の中途半端な気持ちのまま、妥協でフィーノと結婚なんて、自分自身にも彼に対しても良くないと思うの。そりゃ、ハーティおにいさまや皆を巻き込んでしまって申し訳ないけど……」
「迷惑なんて思ってないさ。それに、侯爵夫妻やディリィのご両親は、面白がってそうだけどな。フィーノは、侯爵夫人に大層怒られたそうだね」
「うん。おばさまから、女心の分からない唐変木の息子だから、わたくしが心から慕う相手がいるのなら本当に解消していいってお返事が来たわ。慰謝料も気にするなって。わたくし以外にもお嫁さん候補がたくさんいるから、お嫁さんが変わっても大差ないって思われているのだろうけど」
「そうか」
まだ、フィーノとディリィが婚約を結ぶ前。実は俺も彼女の夫候補としてこの家に呼ばれて仲良くさせてもらっていた。彼女たちはそんな事はもう記憶にないだろう。
俺はディリィの事は可愛いとは思っていたけれど、妻にしたいとまでは思えなかった。ふたりは本当に仲が良かった。だから、婚約をフィーノに譲った。
その事を後悔したのは数年後だった。
幼かったディリィが、成長してドキっとするような笑顔を見せ始めた頃には、すでに彼女を好きだったと思う。隣国に行き、王子を助けるために日々研究を重ねる中、派遣された俺に、女の人を宛がおうとされたが、どうにもそんな気になれなかった。俺が肌を重ね合わせたいと想う相手はずっとディリィひとりだった。だが、彼女はすでにフィーノの婚約者になっていた。だから、諦めきれない想いに蓋をしてふたりを応援していたのである。
俺に決まった相手がいないのにも関わらず、こうして今の彼女の側にいられるのは、彼女や俺の両親の思惑がある。
フィーノがだめなら、俺だったら、彼女が喜んで夫にすると言うだろうという自信があるようで、伯爵や俺の親からは、期日までに彼女とそういう仲になればいいと耳打ちされている。要するに、俺でもフィーノでもどちらでもいいのだ。
俺としては、複雑だが折角貰ったチャンスだ。フィーノには申し訳ないが、ディリィがこういう子だと知っていて、それでも彼女の信頼を裏切ったのだ。これを棒に振るなどありえない。ディリィは、幸い兄のような存在としてだが、俺に好意を抱いてくれている。それに、条件も合う。魔法契約だって、ディリィと結婚できるのなら喜んでする。
「ディリィ、取り合えず今日の分の釣書は全員不合格だろう?」
「ええ。ご健闘をお祈りします返書も認め終わったわ。腕がだるい~、手の平がつりそうよ」
「はは、お疲れ様。じゃあ気晴らしに泳ぎに行こうか」
「うん!」
俺は、明るく振舞っているが心身ともに疲れている彼女の手を取り、疲労回復の魔法を施す。少し痩せたようで心配だがそれがかえって色っぽい。
ディリィ……。俺のディリィ。一日も早く、兄じゃなく、俺を男として見て欲しい……俺がここにいるって気づいてくれ……
無理やりどうこうしようとすると、ディリィは俺から離れてしまうだろう。
どうすればいい? どうすれば、ディリィは俺を好きになってくれるんだろうか。
彼女の家の裏にある海に、ふたりでイルカの本性に戻り沢山泳ぐ。目一杯はしゃぐ薄桃色の体が跳ねると、海水に濡れて光を反射する。眩しくて、可愛くて、愛しい。
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