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第16話 精霊王の決断

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 ハクガあの子……ミラを連れて、自分の領土に向かった後。

 僕は……残っていた大精霊の三人に向かって、宣言することにした。


「皆。僕の思っていることはわかっているだろうけど」


 僕が声を掛ければ、三人は落ち込んでいた態度を切り替えて……僕の前にひざまずいてくれた。


「「「はっ」」」

「ミラを虐げていた……モーディアスって、馬鹿な王国。本気で滅ぼしちゃっていいよね?」

「やっちゃいましょう! リュウ様!!」


 リョクは意欲的に拳を強く握っていた。ハクを選んだとは言え、ミラを気に入っていることに変わりない。

 聖女……と、あの国からは称号を外されても、僕の『鑑定眼』には神から授かった方のは消えていないように見えた。

 ついでに、僕自身を鑑定して……ミラが出してくれたあの『ゴミ』について検査サーチしてみると。


【ミラジェーン=アクエリエスの召喚したゴミ・ガラクタは……この世界にとっては、精霊・大精霊などの糧。至高の品となります】


 ミラは……この事実を知らないようだった。

 聖女のスキルで鑑定は出来るのに……あの国では財産などに関係ないからか。なんの意味もないと思わされていたか、鑑定眼が写していなかったか。

 どちらにしても……僕らの命の恩人だ。

 加えて、あの腐った国と僕らの枯渇問題が関係ないとも言い切れない。

 なら……滅ぼす上で、追求してしまおう。

 僕らの愛し子を虐げ続けてきた……処罰として。


「なんじゃ。龍羽リュウハ様、めちゃくちゃ怖い御顔じゃの?」

「……仕方、ない」

「私だって、激おこだよ!!」


 大精霊の皆もこれだけ怒りを露わにしているんだ。

 ハクにはあとでテレパシーか何かで伝えるとして。

 僕らは、まず水鏡を使って様子見をすることにした。


「……阿呆じゃの」


 凰華オウカがそう口にするくらい、あの国は愚かな行為をしていた。

 どうやら、僕らより先に神が処罰を下されたらしく。

 不細工な男が、財産だったらしい土くれの前で呆然としていたんだもんね?
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