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第82話 元聖女の変身②

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(……可愛ええ)


 ミラが、無茶苦茶可愛ええ!!?

 簡易体に……なったとは思う。

 服も身体も、ちんまくなっただけやけど……声の質が、元の大きさだった時とは違った。

 せやから……大丈夫だとは思うが、ミラはフーが持ってきた鏡を見てオロオロしとる。その様子が、また可愛ええんやけど。


『こ……これが、私……なのでしょうか??』

【……だと思う】


 俺が可愛さに悶えとる間、ミラは困っていた。

 俺が導いたように、自分の簡易体を想像しただけやのに……ただ単にちんまいだけの身体に驚いてもいるんやろうな?

 ここは……惚れた男である俺がリードせなあかん!!

 こっそり咳き込んでから……俺はミラの横に立った。簡易体やから……目線が同じなのが新鮮や。通常やと、俺のがでっかいからなあ?


『ミラ、ミラ。大丈夫や、落ち着き?』

『……珀瑛ハクエイ、様』


 ちんまいから……さらに可愛ええのが可愛い!!?

 抱っこしてあげたいくらいやけど、ここは我慢や。


『不調はない? どっか痛いとか』

『い……いえ。特には』

『んー。やったら、この姿が簡易体やろなあ?』

『こ……子供ですのに?』

『そうやけど』


 大きさはむしろ、赤ん坊くらいやけどなあ?

 元の大きさに戻って、抱っこしたいけど我慢や!!


【……主。元の大きさに戻る手順も教えなければ】


 さらに悶えていたら、フーに注意されたんで……仕方なく、ミラの額にまた手を置いた。


『さっきと逆考えてみ?』

『逆……元に?』

『せや』


 飲み込みの早いミラは、少し考えた後にサクッと元の大きさに戻ることが出来た。


(……あ~あ。可愛ええミラを抱っこしたかったわ)


 その機会は今回以降あるとしても……気持ち伝えていない相手からの抱擁は、嫌がられるかもしれん。

 今まで、咄嗟の判断とか勢いでしたのは仕方がないにしても。


「……戻れた」


 とりあえず、ミラは元の大きさに戻れたことにホッとしとったけど。


【ん、大丈夫。簡易体は、徐々に慣れていけばいい】

「……はい。驚いてしまって」


 しっかし、元の大きさに戻って……改めて実感出来るんやけど。


(ミラって……ほんまに別嬪さんやんなあ?)


 ベールで綺麗な金の髪はほとんど見えへんけど……顔立ちは憂い顔でも、はっとするくらい可愛ええ。

 人間年齢やと、まだ子供やのに……こんな別嬪さん、おってもええの? ってくらい。

 大精霊になったからって、身体の成長がないわけやないが……リョクやオーカくらいの外見年齢になった、ミラを想像すると……何や、鼻血出そうになったわ!?

 恐るべし、恋心!!?
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