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第134話 精霊王のはしゃぎ

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「るーんたった、るんたった!」


 ハクとミラの結婚式は……あと三日後。

 それまでに、僕らはそれぞれ出来ることをしている。

 ドレスとかは、ミラがハクの屋敷精霊に教わりながら作っているらしいし。

 僕が、せめて精霊王として出来ることといえば!

 司祭役以外にも、色々あるんだから!!


「ふーんふんふーん!」


 手を軽く振れば、あちこちの花が動いて位置を変えていく。

 緑も同じく。

 僕は精霊王だから、リョクと同じ芸当が出来て当然。

 すべての属性を司るんだからね!

 そんな僕を救ってくれた……ミラがハクと結婚するんだよ?

 大精霊同士の婚姻だなんて……実は僕が精霊王になって初めてじゃないかな?

 先代以前は……どうだったか教えてもらっていないし。

 彼らは里の端にいるから……普段は来ないんだよね?


「あ、そうだ」


 先代を呼ぶのもいいかもしれない。

 何せ、精霊界での結婚式だもの。邪魔扱いしてたわけじゃないけど……魔力の循環をしてきたから、気づいているかもしれないし。

 それに、ささやかだけど……できれば色んな大精霊達に参加してほしいしね!

 途中、リョクからブーケとやらに祝福の魔力を込めようと、念話で提案あった時はすぐに承諾したよ?


「……なにをしとるんじゃ」


 そろそろ、念話を送ろうとしたら……なんでか、本人が居たんだよね!?


「先代!?」


 幼い僕の外見とは違い、先代は貫禄のある老年の見た目。

 腕を組んで、背の低い僕を見下ろしていた。


「このようにはしゃぎおって……最近の様子を見に来ようとしたのじゃが。何をしておる?」

「…………大精霊同士の婚姻の準備を」

「…………儂が隠居しとる間になにがあった?」


 さあ、答えろと言わんばかりに詰められたので……仕方なく、ミラや神のことを教えることにしたよ……。
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