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ダンスをしながらの攻防戦
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一体全体何がどうなっているのか分からないが、ダンスホールにいる人全員の視線が、伯爵の行動に集中しているのが、その場の刺すような空気で感じられる。戸惑いながらもすぐに微笑みを返して立ち上がると、少しかがんで礼儀にのっとった正式な挨拶を行う。
「初めまして、オルグレン伯爵。私はエミリー・スタインズです。お会いできて光栄ですわ。ダンスに誘っていただいてありがとうございます」
驚きで心臓が大きく音を立てているが表情には出さずに、冷静さを装ってダンスに応じる。周囲の注目を一斉に浴びている中、ダンスを断る事なんてできる状況ではなかった。訳の分からないまま、手を引かれてダンスフロアに足を進める。
音楽が流れ始めてステップを踏み始めると、彼の有能さがダンスの足運びや身体の動かし方からも窺い知れた。とにかく何もかもが完璧だった。目の前より少し上方にある整った顔をじっと見つめてみると、確かに眉目秀麗だという形容がぴったりだと納得する。
でもこの辺りで私は先ほど廊下で見た光景を思い返していた。この声・・・この服。天使のような金色の巻き髪。しかもあの女性は彼の名前をダニエルと・・・確かにそういっていた。もしかして彼は、あの廊下で女性を罵倒していた人物なのではないかと思い始めた。
もし彼が私があの場にいたことを知っていたとしたら、なみいる美人の令嬢を押しのけてまでパッとしない私をダンスに誘った理由が分かる。恐らくあの時の事を口止めするのが目的だろう。
さすがにああいったプレイはエリートにとっては誰にも知られたくない恥ずかしいことなのだわ。もしかして私もあんな感じに罵られて脅されたりするのかしら?
私は警戒心をマックスにして、目の前にいるまるで天使のような容貌をした悪魔の攻撃に備えて身構える。
私は本心を悟られないようににっこりとよそいきの微笑みを返して、その端正な顔を見ながらこう言った。
「ダンスに誘っていただいて嬉しいですわ。でもどうして私を選んでくださったのですか?私達お話したこともありませんわよね」
「君に興味を持ったからだよ。美しい女性に声をかけるのは男の義務だからね」
まあっ・・!!白々しい・・・!!
「容姿をおほめ頂いて光栄ですわ。高名なオルグレン伯爵に褒めて頂けるなんて夢のようです」
右に左にとステップを踏みながら、互いの顔を見つめ合って心の奥の探り合いを始めた。ダニエルは飄々とした感じで微笑みながら楽しそうに踊り続けている。こうしてみていると年下とは思えないほどの落ち着きだ。
この優し気な仮面の下には冷酷な男が隠れているのよ。用心しないと・・・!
「夢じゃないよ、君は確かにいま僕と踊っていて僕はこの状況に深く満足している。それにしても僕たちどこかであった気がするのは気のせいかな?その綺麗な夏の空の様な色合いのドレスをどこかで見たような気がするんだ」
うわっ核心きましたーー!!やっぱり私があの場にいたことを確認しようとしているのだわ!!この女たらしの二股男!
「このドレスの生地はどこの仕立て屋でもある平凡な生地ですの。今日の夜会でも同じ生地のドレスを着た方を何人か見ましたわ。伯爵様の周りには女性が集まるようですのでその方とお間違えじゃないかしら?」
そこでちょうど私が軽くターンをすると、ダニエルが私の腰を強く引き寄せた。すぐに手の力を使って不自然にならない程度に押し返す。いい感じに距離を取れたと思った瞬間、再び腰に力が込められて引き寄せられた。
はじめの時より距離が縮まって顔がすぐ傍まで近づいてきた。顔を寄せればすぐにでも唇が触れそうなほどの近さだ。力を込めて押し返そうとしても鉄壁の筋肉に押し返されて微動だにしない。諦めてそのまま冷たい目をして目の前の伯爵の目を睨み返す。
「ははっ・・・僕はそのドレスを今夜見たとは言ってないけどね。どこかで見たといっただけだと、普通は今夜だなんて思わないよね。やっぱりあれは君だったんだろう?エミリー」
やばい・・・!!誘導尋問に引っかかりそうだわ!
「何のことでしょう?さっぱりわかりませんわ。あっ・・・申し訳ありません。少し足がふらついてしまいましたわ。お酒を飲みすぎたのかしら」
そういってヒールの踵の部分でダニエルの足をわざと思いきり踏みしめた。ダニエルは痛みで顔を一瞬しかめたかと思ったら、すぐにまた鉄壁の天使のスマイルに戻って何事もなかったように踊り始める。
「気にしないでいいよ、ダンス中に間違って足を踏んでしまうことはよくあることだからね。僕のリードが悪かったのかもしれない。それで僕たちの会話をどこから聞いていたの?」
確信をもって私をやんわりと尋問してくる。これ以上とぼけるのもいささか無理がある。ここは素直に認めてさっさと解放してもらおう。
「そうですわね、何の事だかさっぱりわかりませんけれど・・・貴方が噂のように完璧な男性ではないというところくらいからですわ。でも人間らしくて私はその方がいいと思います。完璧な人間なんてそっちの方がそら恐ろしいですもの。ですから私の人生にこれ以上関与してこなければあのことは誰にも言いませんわ」
そういって私は繋がれている手を力を入れて引っ張って、リードをしながらステップを踏み始めた。女性がリードするなんてもってのほかだが、このままイニシアチブを伯爵に取られたままなのは危ないと本能で感じ取った。
私はあの女性のようにいじめられて喜ぶ性癖は無いという事を、はっきりとここで示しておかなければ・・・!!
そんな私を見て伯爵は私からリードを取り返す様子は微塵も見せずに、私のリードに身を任せたまま満面の笑みを浮かべて満足そうににっこりと微笑んだ。私は眉の根を寄せながら胡散臭そうに、目の前の完璧な容姿に微笑みを浮かべたダニエルを見つめる。
「はははっ・・・そうなんだ。エミリーはいいね。その眼が凄くいいよ。ゾクゾクするね」
「眼・・・?鬼畜で無慈悲な男性を見る時の目のことでしょうか?それでしたらいつでも見せてあげられますわ」
「くくくっ!あっはは!ごめんごめん、あまりにも予想以上の反応なんで興奮してしまったよ。エミリー、君は最高だ。悪いけど、このまま君を手放してはあげられないな。君の人生丸ごと欲しくなってしまった」
わ・・・訳が分からない・・・。これは生涯奴隷認定されたということなのか?完璧主義の自分の汚点を隠すためだけに、私の人生を奪うといった解釈でいいのだろうか?そんなことさせるわけがない!!
「それって私が貴方の召使いになるという意味ですか?でしたらきっぱりとお断りします。私は貴方好みの性癖ではありませんから、ちっとも面白くないと思いますよ。血反吐を吐いて泥水をすすろうとも、貴方には屈しませんのであしからず。それにわたし貴方の容姿は嫌いなんです。一緒に居て全然落ち着けませんもの」
そういって精一杯瞳に力を込めて睨みつけた。ドSならドSは相手にしないだろう。カテゴリー違いだ。
すると伯爵はまるで今から捕えた獲物の首筋を噛む直前の肉食獣のような笑みを浮かべて熱を帯びた瞳で見つめ返してきた。思ってもみなかった反応に胸がすくんで、睨みつけながらもぎこちない笑いを返す。
「僕の顔が嫌いね・・・そんなことを言った女性は君が初めてだよ。まさかこんなところで理想の女性に出会えるなんて思ってもみなかった」
は・・・はいぃぃぃぃ???
突然ダンスのステップに合わせてダニエルの足が私のドレスを割って足の間に入ってきた。逃げようにも腰を手で押さえつけられているので身動きができない。私は体の重心を狂わされてそのまま伯爵の方に倒れこんだ。
「な・・・な・・・何を・・・!!」
そうして体が完全に密着したところで唐突に私の首筋の髪の中に顔を埋めてきたと思ったら、ちりっとした痛みが首筋から頭の方まで突き抜けるように走る。ダニエルは髪の陰で隠しながら誰にも悟られないように私の首筋を噛んだのだ。
「っ・・・たっ!!」
思わず小さく声を出すと、周囲の視線に気が付いた。そうでなくても目立つ存在のダニエルと踊っているのだ。その彼と今これ以上にないくらい密着していて、羨望と驚きの視線が突き刺さって居心地が悪い。
「エミリー、少しお酒を飲みすぎたみたいで足がもつれているようだね。少し外の風に当たるといいよ。さあ一緒にあっちのテラスに行こう」
何て男なの?!こいつ、わざとやったくせに!私のせいにしたわ!!そんなことを言ったら、見ている人たちに私がお酒の飲みすぎで、ダンスもできないほどに酔っていると思われるじゃないの!!
「あのっ!!!でもっ!!」
首に手を当ててキッとダニエルの勝ち誇ったような緑の目をもう一度睨みつけた。すると彼はぞくっとしたような厭らしい表情になって痛いくらいに強く私の手首を握った。
「心配しなくていい。僕は酒を飲みすぎて足がふらついている女性を見捨てるような薄情な男じゃないよ」
そういってオルグレン伯爵は獲物を目の前にした肉食獣のような顔をして私を見て微笑んだ。
「初めまして、オルグレン伯爵。私はエミリー・スタインズです。お会いできて光栄ですわ。ダンスに誘っていただいてありがとうございます」
驚きで心臓が大きく音を立てているが表情には出さずに、冷静さを装ってダンスに応じる。周囲の注目を一斉に浴びている中、ダンスを断る事なんてできる状況ではなかった。訳の分からないまま、手を引かれてダンスフロアに足を進める。
音楽が流れ始めてステップを踏み始めると、彼の有能さがダンスの足運びや身体の動かし方からも窺い知れた。とにかく何もかもが完璧だった。目の前より少し上方にある整った顔をじっと見つめてみると、確かに眉目秀麗だという形容がぴったりだと納得する。
でもこの辺りで私は先ほど廊下で見た光景を思い返していた。この声・・・この服。天使のような金色の巻き髪。しかもあの女性は彼の名前をダニエルと・・・確かにそういっていた。もしかして彼は、あの廊下で女性を罵倒していた人物なのではないかと思い始めた。
もし彼が私があの場にいたことを知っていたとしたら、なみいる美人の令嬢を押しのけてまでパッとしない私をダンスに誘った理由が分かる。恐らくあの時の事を口止めするのが目的だろう。
さすがにああいったプレイはエリートにとっては誰にも知られたくない恥ずかしいことなのだわ。もしかして私もあんな感じに罵られて脅されたりするのかしら?
私は警戒心をマックスにして、目の前にいるまるで天使のような容貌をした悪魔の攻撃に備えて身構える。
私は本心を悟られないようににっこりとよそいきの微笑みを返して、その端正な顔を見ながらこう言った。
「ダンスに誘っていただいて嬉しいですわ。でもどうして私を選んでくださったのですか?私達お話したこともありませんわよね」
「君に興味を持ったからだよ。美しい女性に声をかけるのは男の義務だからね」
まあっ・・!!白々しい・・・!!
「容姿をおほめ頂いて光栄ですわ。高名なオルグレン伯爵に褒めて頂けるなんて夢のようです」
右に左にとステップを踏みながら、互いの顔を見つめ合って心の奥の探り合いを始めた。ダニエルは飄々とした感じで微笑みながら楽しそうに踊り続けている。こうしてみていると年下とは思えないほどの落ち着きだ。
この優し気な仮面の下には冷酷な男が隠れているのよ。用心しないと・・・!
「夢じゃないよ、君は確かにいま僕と踊っていて僕はこの状況に深く満足している。それにしても僕たちどこかであった気がするのは気のせいかな?その綺麗な夏の空の様な色合いのドレスをどこかで見たような気がするんだ」
うわっ核心きましたーー!!やっぱり私があの場にいたことを確認しようとしているのだわ!!この女たらしの二股男!
「このドレスの生地はどこの仕立て屋でもある平凡な生地ですの。今日の夜会でも同じ生地のドレスを着た方を何人か見ましたわ。伯爵様の周りには女性が集まるようですのでその方とお間違えじゃないかしら?」
そこでちょうど私が軽くターンをすると、ダニエルが私の腰を強く引き寄せた。すぐに手の力を使って不自然にならない程度に押し返す。いい感じに距離を取れたと思った瞬間、再び腰に力が込められて引き寄せられた。
はじめの時より距離が縮まって顔がすぐ傍まで近づいてきた。顔を寄せればすぐにでも唇が触れそうなほどの近さだ。力を込めて押し返そうとしても鉄壁の筋肉に押し返されて微動だにしない。諦めてそのまま冷たい目をして目の前の伯爵の目を睨み返す。
「ははっ・・・僕はそのドレスを今夜見たとは言ってないけどね。どこかで見たといっただけだと、普通は今夜だなんて思わないよね。やっぱりあれは君だったんだろう?エミリー」
やばい・・・!!誘導尋問に引っかかりそうだわ!
「何のことでしょう?さっぱりわかりませんわ。あっ・・・申し訳ありません。少し足がふらついてしまいましたわ。お酒を飲みすぎたのかしら」
そういってヒールの踵の部分でダニエルの足をわざと思いきり踏みしめた。ダニエルは痛みで顔を一瞬しかめたかと思ったら、すぐにまた鉄壁の天使のスマイルに戻って何事もなかったように踊り始める。
「気にしないでいいよ、ダンス中に間違って足を踏んでしまうことはよくあることだからね。僕のリードが悪かったのかもしれない。それで僕たちの会話をどこから聞いていたの?」
確信をもって私をやんわりと尋問してくる。これ以上とぼけるのもいささか無理がある。ここは素直に認めてさっさと解放してもらおう。
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私はあの女性のようにいじめられて喜ぶ性癖は無いという事を、はっきりとここで示しておかなければ・・・!!
そんな私を見て伯爵は私からリードを取り返す様子は微塵も見せずに、私のリードに身を任せたまま満面の笑みを浮かべて満足そうににっこりと微笑んだ。私は眉の根を寄せながら胡散臭そうに、目の前の完璧な容姿に微笑みを浮かべたダニエルを見つめる。
「はははっ・・・そうなんだ。エミリーはいいね。その眼が凄くいいよ。ゾクゾクするね」
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そういって精一杯瞳に力を込めて睨みつけた。ドSならドSは相手にしないだろう。カテゴリー違いだ。
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突然ダンスのステップに合わせてダニエルの足が私のドレスを割って足の間に入ってきた。逃げようにも腰を手で押さえつけられているので身動きができない。私は体の重心を狂わされてそのまま伯爵の方に倒れこんだ。
「な・・・な・・・何を・・・!!」
そうして体が完全に密着したところで唐突に私の首筋の髪の中に顔を埋めてきたと思ったら、ちりっとした痛みが首筋から頭の方まで突き抜けるように走る。ダニエルは髪の陰で隠しながら誰にも悟られないように私の首筋を噛んだのだ。
「っ・・・たっ!!」
思わず小さく声を出すと、周囲の視線に気が付いた。そうでなくても目立つ存在のダニエルと踊っているのだ。その彼と今これ以上にないくらい密着していて、羨望と驚きの視線が突き刺さって居心地が悪い。
「エミリー、少しお酒を飲みすぎたみたいで足がもつれているようだね。少し外の風に当たるといいよ。さあ一緒にあっちのテラスに行こう」
何て男なの?!こいつ、わざとやったくせに!私のせいにしたわ!!そんなことを言ったら、見ている人たちに私がお酒の飲みすぎで、ダンスもできないほどに酔っていると思われるじゃないの!!
「あのっ!!!でもっ!!」
首に手を当ててキッとダニエルの勝ち誇ったような緑の目をもう一度睨みつけた。すると彼はぞくっとしたような厭らしい表情になって痛いくらいに強く私の手首を握った。
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・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
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