ドS年下エリート騎士の執着愛

南 玲子

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凌辱の食卓

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「もう貴方とは絶対にしないわ!覚えていてね!なに笑っているの?もう本当に怒っているのよ!絶対に口もききたくないわ!」

「はははっ・・・ごめん。でも怒っているエミリーもネズミみたいで可愛すぎて、自然と笑いが込み上げてくるんだ」

私は半泣きで椅子の上に座ったダニエルの膝の上に横抱きにされていた。私達の前にある長い大きなテーブルには豪華な朝食が所狭しと並べられている。その周りを取り囲むように侍女や執事が立ち並んでいた。

大きな窓からは、朝のすがすがしい風が温かい陽ざしと共に部屋に流れ込んできて気持ちがいい。同時に小鳥のさえずる声が、庭に咲き乱れている花の香りと共に風に乗って運ばれてくる。全ては完璧な朝の風景だ・・・私の体と心以外は・・・。

「はは・・・エミリー。口を聞いてくれないと君が何を食べたいのか分からないよ?じゃあトマトにジャムでも乗せようか。意外とチーズにも合うかもね」

そういってダニエルは私が怒っているのもお構いなしに微笑みを満面にたたえ、およそ人間の食べ物ではないようなものを皿の上で嬉々として作り始めた。

昨晩ダニエルが言ったように、朝が来るまで体の感覚がなくなるほどにまで夜通し突かれまくった。二回出したからといって安心していたあの時の私に、出来るものなら忠告してあげたかったくらいだ。十九歳の騎士の性欲は半端なく凄かった。

通算何度イかされて何度イったのか分からないほどに・・・考え得るすべての体液・・・汗、涙に唾液・・・あらゆる液にまみれながら性行為を何時間も続けたのだ。

結果。私は腰が立たないほどに衰弱し、声を出すのも苦しいほど喉を痛めていた。それで今の状態に至るというわけだ。そう・・・不本意ながらもダニエルに横抱きにされ椅子に座り、フォークを持つと手の震えが止まらないのでダニエルに食べさせてもらう事になった。

「はい、エミリー。口を開けて」

面白そうに机の上にあるものを混ぜたものをフォークの上に乗せて私の前に差し出す。私はそのフォークには目をくれずに、近くのパンとハムを目で指した。そうしてダニエルがそれを差し出してくるまで断固として口を開けなかった。

「仕方ないな、好き嫌いは良くないよ、エミリー。今のエミリーの胸の大きさも兎の太腿部くらいで丁度いいけど、もう少し育ててもいいよね。二人で一緒に大きくしていこうね」

そういってため息をつくと、ダニエルは私の口の中にパンとハムを乗せたものを押し込んだ。まるで餌を与えてもらっている雛のように、それをもぐもぐと咀嚼して喉の奥に運ぶ。その合間にダニエルも自分の朝食をいただいている。

声を出すのも辛いので目でオレンジジュースを差しては、ダニエルの手から飲ませてもらう。始めは口移しで飲ませようとしたが断固として断った。そうしていま私の口の端から垂れてきたオレンジ色の液体を、ダニエルが楽しそうに舌で舐めとる。

私が何も言わないのに目の前に美味しそうな苺がフォークに刺さって差し出されたので、気がきくとばかりに喜んでぱくりと頂いた。甘酸っぱい香りが口内に広がってほんの少し幸せを噛みしめた瞬間、ダニエルがまた口をはさんできた。

「あ・・・これは僕の分の苺だったのに、どうしてエミリーが食べてしまうんだい?・・・仕方ないね、口の中に残っている物だけでも返してもらわないとね」

そういっておもむろに唇にキスを落としてきた。それが目的だったのかと今更ながらに後悔するが、有無を言わさず口内に捻じ込まれたダニエルの舌は、強引に苺の果肉を探って奥まで突き進んできた。

口内で潰されたそれはぐちゅぐちゅになっていて、既に返せる代物では全くない。すぐに舌で喉の奥に運んだが、ダニエルの舌がそれを阻む。

「んぐっ・・・んん・・・・」

口内で舌と舌を絡めあう激しいが見た目は静かな争いがしばらく行われた後、ダニエルがほんの少し残された苺の果肉を舌にのせて飲み込んだ。そうして唇を離すと、指で拭いながら満足そうに微笑んだ。

「ん・・・本当に美味しい苺だね。エミリーの唾液が絡まると更に美味しさが増すよ。これからはずっと苺はこうやってエミリーに食べさせてもらおうかな」

「ほ・・・本当に、飲んじゃったの・・・?!」

「そうだよ。昨夜君の体中の体液を飲んだんだ。これくらい何でもないよ。むしろ大歓迎だね」

最低の言葉をしれっとした顔で語るダニエルを睨みつけた後、私は恐る恐る周囲の侍女の顔色を窺った。

周りは見える範囲だけでも三人の侍女に囲まれている。さすがあの行為の後でぐちょぐちょに汚れたソファーや私のドレスを見ても全く顔色を変えなかった侍女たちだ。遠くに焦点を合わせて、皆一様に平気な顔をしている。

その気づかいが逆に照れくさくて、申し訳なくて情けなくなる。その気持ちは怒りとなってダニエルにぶつけられた。お尻に当たる硬いものに私が気が付いていないとでも思っているのだろうか。このままでは犯り殺されてしまう!

「ダニエル・・・私、貴方との事は少し考えさせてもらうわ。このままじゃ身が持ちそうにないもの」

「あ・・・でも昨夜の事はもうスタインズ子爵に報告済みだよ。どうせオルグレン家に嫁に来るのだから結婚前の準備としてここに住んでもらう事になった。君の荷物はミルドレイル伯爵家から運ばせるから心配しなくていい。君の服ならここにもいっぱいあるから必要ないだろうけどね」

そういって端正な顔で爽やかに言い放った。朝の光がその緑の瞳に反射して眩しい。

このタイミングでお父様と連絡を取っているという事は私がこの屋敷に来ている時、既に馬を走らせて手紙を届けたという事なのだろう。こうなる展開を予想していたとでもいうのだろうか。

何だかダニエルにはめられたようで悔しくなる。

あの行為の後、着られなくなったドレスを見て嘆いていたら、ダニエルがクローゼット一杯の私にぴったりのサイズの豪華なドレスと靴・・・小物一式を見せてくれた。これほどの量を揃えるのにどれだけの年月がかかっているのだろうか・・・想像するのも恐ろしい。

まだ私がダニエルを愛することになるとは分かっていなかっただろうに…。そんな早くからそこまで私に執着していたのかと思うと胸が痛む。

「僕はね、自分が十九歳になる時をずっと待ちわびていたんだ。あの夜会の日に君と初めて交わした言葉は一言一句覚えている。君に見つめてもらえるだけで幸せな気持ちになる。睨まれたり罵倒されるともっと嬉しい。君の頭の中を僕で一杯にしたいんだ」

ダニエルの常識を超えた、あまりの大きな愛に押しつぶされそうになりながら私はため息をついた。

「ふぅ・・・貴方みたいな真性ドSの変態に付き合えるのは私くらいのものね。分かったわ。結婚はしてあげてもいいけど、エッチは当分私がいいというまでお預けね。寝室は別にして頂戴。じゃないと一生口を聞かないわ」

そういってぷいっとそっぽを向いた。すると私の頬に唇をつけながらダニエルが優しく囁いた。

「僕はね八年も君を待ったんだ。他の男より気は随分長い方だと思うよ。だから君が泣いて縋って挿れて欲しいと懇願してくるのを楽しみに待っているね。愛しているよ、エミリー」

「悪いけど、その綺麗な整った顔を苦痛に歪ませて、貴方が私を求めて地べたに土下座するまでその望みは叶いそうにないわね・・ダニエル」

私はそういってダニエルの顎に手をやり私の方に向けさせて、深いキスを落とした。

「んん・・・」

ダニエルの口内で舌を絡ませて誘惑し・・・ダニエルの舌が私を追いかけてきたときに唇を離す。唇から透明の糸が私を追いかけてきて・・・途中で切れた。

「ふふ・・・可愛いわ、ダニエル・・・」

「エミリー・・・・」

ダニエルが切ない表情を浮かべて残念そうに私の名を呼ぶ。そうして私は思い切り優越感に浸りながら、にっこりと愉悦の微笑みを零した。

「ダニエル・・・好きよ」
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