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第1章 転生したら少女になった
第6話 リルちゃんと香菜の初めての料理完成!
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香菜は、台を用意してフェンリルがキッチン台に上らなくてもこねられるようにした。
「リルちゃん、やる気満々はいいけど、まずは手を洗おうね」
せっかく、キュッとはめ直した手袋を外され、抱きかかえられたままシンクに連れて行かれる。
「リルちゃんとはなんだ!?それに、俺の手は汚くはないぞ」
「女神様が、リルちゃんて呼んでいたし、それに、さっき私のことを香菜って呼んでくれたよね!これからは、親しみやすく名前で呼び合おうね!それより、汚くなくても料理をする前は洗うのが基本!はい、手を出して」
フェンリルは、香菜の物怖じを一切しない態度に圧倒されたのか?諦めたのかはわからないが、言われた通りに手を出す。
「そこの石鹸をつけてゴシゴシと洗ってね」
フェンリルは、またしても言われた通りに、石鹸を手につけてゴシゴシと満遍なく擦ってから水で洗い流す。
「これで、良いであろう?」
「うん!自分で洗えるなんて偉~い!リルちゃんは、天才だね」
フェンリルは、まんざらでもない様子であり、少し照れたようなカッコつけたような顔をする。
「お、俺ならこれくらいできて当たり前なのだ!そんなことより、早く作るぞ」
照れているフェンリルは、プイっと顔を反らす。香菜は、可愛いなと思いながらキッチンに連れていき、手袋をはめてあげる。
「リルちゃん、こうやってコネコネしてね」
香菜は、フェンリルにお手本を見せるように、コネコネする。フェンリルは、「リルちゃん呼びなのだな......」とボソッと小声で言うが、香菜には聞こえておらず諦めてこね始める。
「リルちゃん、凄いよぉぉ!そんなプニプニの肉体でよくこねられるね」
フェンリルは、小さな手で必死にコネコネしている。しかし、ダマになることなく綺麗にできているのだ。
「俺にかかれば、余裕であるな!俺の華麗なこの姿を見れば、あの骨野郎は嫉妬して、のたうち回るであろう」
えっへんと自信満々の顔をする。香菜は、そんな可愛いフェンリルを抱きしめたくなるが、今抱きしめたら肉まみれになるので我慢する。
「骨?」
「いきなり、この森に現れた骨だ!何もするでなく彷徨っておったから、少々からかってやったら返り討ちにあってな......って俺は決して負けておらぬぞ!体調が悪かっただけだ」
ぐぬぬと言うフェンリルを見て、香菜は相当悔しかったんだろうなと思う。
「次は勝てるといいね!リルちゃんならきっと大丈夫だよ。でも、怪我をする姿を見たくないから、次からは料理対決にしよ」
「ブッハハハハ、香菜らしいおもしろい考え方であるな!あの骨に嫉妬していた自分がバカらしくなってしまったぞ」
フェンリルは、大笑いをする。そして、香菜の言葉を聞いて、何故かわからないが悩んでいる自分がバカらしく感じてしまったのだ。
「リルちゃんは、笑っていた方が可愛いよ。そのままでいこう!それと、混ぜ終わったのを、こんな形にして、トレイに乗せていってね」
香菜は、綺麗な形に成形していきながら、トレイに乗せていく。フェンリルも、小さな手で成形していくが、手が小さいのでミートボールサイズになるのだ。
「うむ!これは案外難しいのだな!力加減を間違えると潰れてしまうぞ」
小さくなってもフェンリルの力は、強大であるので、こねる時も成形する時も一苦労なのである。そんなフェンリルを、生暖かい目で優しく見る香菜。
「失敗しても大丈夫だよ!料理は、愛情だからね。リルちゃんが、みんなにおいしい料理を振る舞いたいって思ったら、必然とおいしくなるんだよ」
「うむ!そんなものなのか?料理とは不思議なものであるな!あやつらのことは、俺が守ってやらねばならぬからな!愛情を注ぐのは苦ではない」
王のような言い方とは裏腹に優しい心を持っているフェンリル。
「ヘヘッ、リルちゃんは優しいね。じゃあ、早く焼いてワンちゃん達に持っていかないとね」
香菜は、中火で熱したフライパンにオリーブオイルをひいて、ハンバーグを焼いていく。両面に焼き色が付いたら蓋をし、弱火で3分程蒸し焼きにして中まで火が通ったら取り出していく。それから、同じフライパンに赤ワイン、ケチャップ、中濃ソース、しょうゆ、砂糖、有塩バター、オリーブオイルを入れて混ぜ、中火で3分程加熱し、とろみが付いたら火から下ろす。
「うむ!いい匂いであるな!人間の街に行ったことがあるが、こんな料理は見たことがないぞ」
デミグラスソースをクンクンと嗅ぎながら、不思議かつ美味しそうな匂いに興味津々になる。
「この世界の料理とは違いがあるかも!理由は、後で話すね!それより、これをかけたら完成だよ!まずは、リルちゃんが作ったハンバーグを味見してみて」
香菜は、小皿にミートボールサイズのハンバーグを取り分けて、ナイフとフォークで切ってフゥーフゥーと冷ましてから、フェンリルの口へと近づける。フェンリルは、なんの迷いもなくすぐにパクっと食べる。
「.......」
フェンリルは、無言となり固まってしまうのだ。
「リルちゃん......もしかして、口に合わなかった?」
香菜は、不味かったのかと不安な顔をしてフェンリルの様子をうかがう。
「な、な、な、な、なんなのだ!この濃厚で肉汁が溢れ出す肉は......噛めば噛むほど美味さが口いっぱいに広がるぞ!こんな肉食ったことがない」
フェンリルは、感動とハンバーグのおいしさに大声を出してしまう。香菜は、不味かったのでないとわかると嬉しくなってギュッと抱きしめる。
「香菜、ぐるじぃ~離すのだ」
フェンリルは、ジタバタして香菜から逃げようとするが、香菜は顔をモフモフに埋めて堪能するのであった。
「リルちゃん、やる気満々はいいけど、まずは手を洗おうね」
せっかく、キュッとはめ直した手袋を外され、抱きかかえられたままシンクに連れて行かれる。
「リルちゃんとはなんだ!?それに、俺の手は汚くはないぞ」
「女神様が、リルちゃんて呼んでいたし、それに、さっき私のことを香菜って呼んでくれたよね!これからは、親しみやすく名前で呼び合おうね!それより、汚くなくても料理をする前は洗うのが基本!はい、手を出して」
フェンリルは、香菜の物怖じを一切しない態度に圧倒されたのか?諦めたのかはわからないが、言われた通りに手を出す。
「そこの石鹸をつけてゴシゴシと洗ってね」
フェンリルは、またしても言われた通りに、石鹸を手につけてゴシゴシと満遍なく擦ってから水で洗い流す。
「これで、良いであろう?」
「うん!自分で洗えるなんて偉~い!リルちゃんは、天才だね」
フェンリルは、まんざらでもない様子であり、少し照れたようなカッコつけたような顔をする。
「お、俺ならこれくらいできて当たり前なのだ!そんなことより、早く作るぞ」
照れているフェンリルは、プイっと顔を反らす。香菜は、可愛いなと思いながらキッチンに連れていき、手袋をはめてあげる。
「リルちゃん、こうやってコネコネしてね」
香菜は、フェンリルにお手本を見せるように、コネコネする。フェンリルは、「リルちゃん呼びなのだな......」とボソッと小声で言うが、香菜には聞こえておらず諦めてこね始める。
「リルちゃん、凄いよぉぉ!そんなプニプニの肉体でよくこねられるね」
フェンリルは、小さな手で必死にコネコネしている。しかし、ダマになることなく綺麗にできているのだ。
「俺にかかれば、余裕であるな!俺の華麗なこの姿を見れば、あの骨野郎は嫉妬して、のたうち回るであろう」
えっへんと自信満々の顔をする。香菜は、そんな可愛いフェンリルを抱きしめたくなるが、今抱きしめたら肉まみれになるので我慢する。
「骨?」
「いきなり、この森に現れた骨だ!何もするでなく彷徨っておったから、少々からかってやったら返り討ちにあってな......って俺は決して負けておらぬぞ!体調が悪かっただけだ」
ぐぬぬと言うフェンリルを見て、香菜は相当悔しかったんだろうなと思う。
「次は勝てるといいね!リルちゃんならきっと大丈夫だよ。でも、怪我をする姿を見たくないから、次からは料理対決にしよ」
「ブッハハハハ、香菜らしいおもしろい考え方であるな!あの骨に嫉妬していた自分がバカらしくなってしまったぞ」
フェンリルは、大笑いをする。そして、香菜の言葉を聞いて、何故かわからないが悩んでいる自分がバカらしく感じてしまったのだ。
「リルちゃんは、笑っていた方が可愛いよ。そのままでいこう!それと、混ぜ終わったのを、こんな形にして、トレイに乗せていってね」
香菜は、綺麗な形に成形していきながら、トレイに乗せていく。フェンリルも、小さな手で成形していくが、手が小さいのでミートボールサイズになるのだ。
「うむ!これは案外難しいのだな!力加減を間違えると潰れてしまうぞ」
小さくなってもフェンリルの力は、強大であるので、こねる時も成形する時も一苦労なのである。そんなフェンリルを、生暖かい目で優しく見る香菜。
「失敗しても大丈夫だよ!料理は、愛情だからね。リルちゃんが、みんなにおいしい料理を振る舞いたいって思ったら、必然とおいしくなるんだよ」
「うむ!そんなものなのか?料理とは不思議なものであるな!あやつらのことは、俺が守ってやらねばならぬからな!愛情を注ぐのは苦ではない」
王のような言い方とは裏腹に優しい心を持っているフェンリル。
「ヘヘッ、リルちゃんは優しいね。じゃあ、早く焼いてワンちゃん達に持っていかないとね」
香菜は、中火で熱したフライパンにオリーブオイルをひいて、ハンバーグを焼いていく。両面に焼き色が付いたら蓋をし、弱火で3分程蒸し焼きにして中まで火が通ったら取り出していく。それから、同じフライパンに赤ワイン、ケチャップ、中濃ソース、しょうゆ、砂糖、有塩バター、オリーブオイルを入れて混ぜ、中火で3分程加熱し、とろみが付いたら火から下ろす。
「うむ!いい匂いであるな!人間の街に行ったことがあるが、こんな料理は見たことがないぞ」
デミグラスソースをクンクンと嗅ぎながら、不思議かつ美味しそうな匂いに興味津々になる。
「この世界の料理とは違いがあるかも!理由は、後で話すね!それより、これをかけたら完成だよ!まずは、リルちゃんが作ったハンバーグを味見してみて」
香菜は、小皿にミートボールサイズのハンバーグを取り分けて、ナイフとフォークで切ってフゥーフゥーと冷ましてから、フェンリルの口へと近づける。フェンリルは、なんの迷いもなくすぐにパクっと食べる。
「.......」
フェンリルは、無言となり固まってしまうのだ。
「リルちゃん......もしかして、口に合わなかった?」
香菜は、不味かったのかと不安な顔をしてフェンリルの様子をうかがう。
「な、な、な、な、なんなのだ!この濃厚で肉汁が溢れ出す肉は......噛めば噛むほど美味さが口いっぱいに広がるぞ!こんな肉食ったことがない」
フェンリルは、感動とハンバーグのおいしさに大声を出してしまう。香菜は、不味かったのでないとわかると嬉しくなってギュッと抱きしめる。
「香菜、ぐるじぃ~離すのだ」
フェンリルは、ジタバタして香菜から逃げようとするが、香菜は顔をモフモフに埋めて堪能するのであった。
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