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第3章 アレクを狙って
第628話 王城で密かに進む隠居後の話!
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陛下は、あることを伝えるために、王城の一室にアントンとレイリシア王妃を呼んでいた。
「陛下、内密な話ということですが、どうされたのでしょうか?」
アントンは、すぐに座ろうとはせずに立ったまま尋ねる。
「二人ともよく来てくれた。話す前に確認をしたいのだが、防音対策はされておるか?」
「はい!陛下が内密な話とおっしゃっておりましたので、事前に防音の魔道具を設置致しました」
アントンの言葉を聞いて陛下は、納得したように深く頷く。
「ゆっくり話したいのでな。二人とも座ってくれ」
アントンとレイリシア王妃は、「わかりました」と言ってソファに腰かける。
「早速本題であるが、これを渡そうと思ってな。なんだかわかるか?」
テーブルに、黄金色に輝いた2本のポーション瓶が置かれる。
アントンとレイリシアは、事前に内密な話と言われて、更に黄金色のポーションということで普通のポーションではないと一目でわかり、手には取らずに前のめりになって眺めるのだ。
「あなた、これは何かしら?見たこともないポーションだということはわかるのだけど」
レイリシアは、なんだろうといった表情でポーションを見ながら陛下に尋ねる。
「レイリシアもアントンも......いや、特にレイリシアは、飛び上がって驚くであろうな!ちなみに、王国いや世界中の金を集めても手に入らんものだ」
「陛下、まさかではございますが、タカハシ辺境伯が作られたものでしょうか?」
そんな高価な物を作り出せるのはアレクしかいないと考えるアントン。
「うむ!近からずも遠からずではあるな!アレクが持ってきたのは間違いないが、これは薬学神様という神様が我々のために用意してくれたものである」
神様と聞いた二人は、目を丸くさせて驚く。
「神様からですか......しかし、何故神様が私達のために贈り物をしてくれたのでしょうか?何かをした覚えがないもので非常に戸惑っております」
「何かをしたというよりは、日頃の行いや行動の結果であるな。それよりも、これが何かを伝えるとしよう!これは、若返りの薬だそうだ」
陛下は、あまり理由を話したがらない。何故なら、本当の理由を話せば、レイリシア王妃が陛下のおまけとして、ポーションを渡された事実を知ることになり、悲しむのが目に見えているからだ。
「若返りの薬ですか!?」
「あなた......本当なの!?」
レイリシア王妃が驚くのはわかっていた陛下だったが、アントンが声を裏返すほど驚いているのを見て、逆に驚いてしまう。
「神様特製の若返りの薬であるな!余も、もらっておるだが、余は戴冠式を終えて隠居後に使わせてもらおうと考えておる。二人がどうするかは二人に任せる」
今陛下が若返ってしまうと、色んな意味で影響を与えてしまうので、陛下は誰にも迷惑がかからない隠居後にしようと考えた。
「私も、隠居後に有り難く頂こうと思います。それと、私も隠居後は陛下についていこうと考えております」
アントンは、やはり引退したとして、陛下とともにして一生を終えようとしているようだ。
「私は、あなたと一緒に飲ましてもらうわぁ。あと、怖いからあなたが持っていてくれないかしら......こんな物が知れ渡ったら、世の女性に刺されかねないわ」
レイリシア王妃も、若返りの薬という物が存在するということが公になってしまえば、大変な問題になるとわかっているので、全てが終わってからにしようと考えるのだ。
「うむ!では、二つとも余が預かっておくとしよう。それから、余は隠居の場所として魔物の街を考えておる。二人は、それでもよいか?」
陛下は、あれだけ安全かつ楽しそうなところは魔物の街しかないので、今のうちに二人に考えを伝えておく。
「大賛成でございます。現時点において、あれほど隠居に適したところはございません」
「私も、あなたの考えに賛成だわぁ!エリーゼもいるんだもの。毎日家族でいられるの嬉しいわぁぁ」
アントンもレイリシア王妃も、陛下の意見には大賛成のようであり、着々と隠居後の筋道が立っていくのだった。
「陛下、内密な話ということですが、どうされたのでしょうか?」
アントンは、すぐに座ろうとはせずに立ったまま尋ねる。
「二人ともよく来てくれた。話す前に確認をしたいのだが、防音対策はされておるか?」
「はい!陛下が内密な話とおっしゃっておりましたので、事前に防音の魔道具を設置致しました」
アントンの言葉を聞いて陛下は、納得したように深く頷く。
「ゆっくり話したいのでな。二人とも座ってくれ」
アントンとレイリシア王妃は、「わかりました」と言ってソファに腰かける。
「早速本題であるが、これを渡そうと思ってな。なんだかわかるか?」
テーブルに、黄金色に輝いた2本のポーション瓶が置かれる。
アントンとレイリシアは、事前に内密な話と言われて、更に黄金色のポーションということで普通のポーションではないと一目でわかり、手には取らずに前のめりになって眺めるのだ。
「あなた、これは何かしら?見たこともないポーションだということはわかるのだけど」
レイリシアは、なんだろうといった表情でポーションを見ながら陛下に尋ねる。
「レイリシアもアントンも......いや、特にレイリシアは、飛び上がって驚くであろうな!ちなみに、王国いや世界中の金を集めても手に入らんものだ」
「陛下、まさかではございますが、タカハシ辺境伯が作られたものでしょうか?」
そんな高価な物を作り出せるのはアレクしかいないと考えるアントン。
「うむ!近からずも遠からずではあるな!アレクが持ってきたのは間違いないが、これは薬学神様という神様が我々のために用意してくれたものである」
神様と聞いた二人は、目を丸くさせて驚く。
「神様からですか......しかし、何故神様が私達のために贈り物をしてくれたのでしょうか?何かをした覚えがないもので非常に戸惑っております」
「何かをしたというよりは、日頃の行いや行動の結果であるな。それよりも、これが何かを伝えるとしよう!これは、若返りの薬だそうだ」
陛下は、あまり理由を話したがらない。何故なら、本当の理由を話せば、レイリシア王妃が陛下のおまけとして、ポーションを渡された事実を知ることになり、悲しむのが目に見えているからだ。
「若返りの薬ですか!?」
「あなた......本当なの!?」
レイリシア王妃が驚くのはわかっていた陛下だったが、アントンが声を裏返すほど驚いているのを見て、逆に驚いてしまう。
「神様特製の若返りの薬であるな!余も、もらっておるだが、余は戴冠式を終えて隠居後に使わせてもらおうと考えておる。二人がどうするかは二人に任せる」
今陛下が若返ってしまうと、色んな意味で影響を与えてしまうので、陛下は誰にも迷惑がかからない隠居後にしようと考えた。
「私も、隠居後に有り難く頂こうと思います。それと、私も隠居後は陛下についていこうと考えております」
アントンは、やはり引退したとして、陛下とともにして一生を終えようとしているようだ。
「私は、あなたと一緒に飲ましてもらうわぁ。あと、怖いからあなたが持っていてくれないかしら......こんな物が知れ渡ったら、世の女性に刺されかねないわ」
レイリシア王妃も、若返りの薬という物が存在するということが公になってしまえば、大変な問題になるとわかっているので、全てが終わってからにしようと考えるのだ。
「うむ!では、二つとも余が預かっておくとしよう。それから、余は隠居の場所として魔物の街を考えておる。二人は、それでもよいか?」
陛下は、あれだけ安全かつ楽しそうなところは魔物の街しかないので、今のうちに二人に考えを伝えておく。
「大賛成でございます。現時点において、あれほど隠居に適したところはございません」
「私も、あなたの考えに賛成だわぁ!エリーゼもいるんだもの。毎日家族でいられるの嬉しいわぁぁ」
アントンもレイリシア王妃も、陛下の意見には大賛成のようであり、着々と隠居後の筋道が立っていくのだった。
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