文字の大きさ
大
中
小
16 / 18
16.試験管の中の残響
脳スキャン装置の低い駆動音が、規則的に響いている。
白いベッドに横たわるアリシャは、目を閉じていた。
ピコン、スキャンが終わった。
頭部の外傷は表面的なもので、脳に損傷はないと機械が告げる。
それでも精密検査のため、数時間はこのまま安静だ。
だが、静寂は休息を与えてはくれない。
意識の奥底から、またあの記憶が浮かび上がる。
断片ではない。
今度は、はっきりとした物語。
――有紗という名の女性の記憶。
愛するイリエワニを企業に奪われ、
敬愛していた祖父までも奪われた。
彼女は泣かなかった。
復讐と奪還のため、企業へ潜入した。
祖父と会うこと。
祖父の意思を確認すること。
そして、あの子を取り返すこと。
そのためだけに、生きた。
有紗は優秀だった。
国内有数の生物学の権威が教鞭を取る大学で、
彼の研究室に所属し、教授の論文作成にも参加するほどの実力。
企業への就職は容易だった。
祖父との血縁に触れられることもなく、
面接は順調に進み、内定を得る。
スーツに身を包み、
静かな覚悟を胸に、巨大企業の一員となった。
配属先は環境創造部。
地球への環境負荷を減らす新規事業の立案。
収益化までを設計する部署。
有紗は完璧に仕事をこなした。
目立たず、確実に成果を出し、昇級する。
だがその裏で、
昼夜を問わず社内の構造を解析し続けた。
間取りのデータを頭に叩き込み、
入れない区画の侵入方法を模索し、
祖父とイリエワニの所在を推測する。
五年。
五年かけて、少しずつ権限を広げた。
部署異動も重ね、
ついに祖父の研究室へ通じるカードキーを手に入れる。
祖父の研究はAIを中心とした、
絶滅しかけた生態系の保護と再創造の可能性の模索。
人間と生物の共存。
有紗はカードキーを握りしめ、扉の前に立つ。
だが、生体認証。
開かない。
絶望が胸を締めつけた、その時。
スピーカーから声が響く。
「よくここまで来たね、有紗」
祖父の声。
だが、どこか機械的なイントネーション。
「おじいちゃん……! 会いに来たの! 五年もかかったけど……今度こそ自由にしてあげる!」
こんな時のために持ち込んでいた工具を取り出し、必死に扉の電子制御を外そうとする。
すると。
扉は静かに、自然に開いた。
「おいで。有紗。お前には少し……残酷かもしれないが、ここまで来たんだ。知るべきだろう」
何故か、それは諦めを含んだ声。
研究室は広大だった。
奥の暗がりの中。
大きな椅子に、祖父が座っている。
だが――
近づいた瞬間、有紗の呼吸が止まる。
顔貌が変わっている。
人ではない。
猿そのもののように変質した顔。
首から後頭部にかけて埋め込まれた装置。
その装置から、存在を誇示するかのように、激しく点滅する光。
ジ――――。
不快な機械音。
有紗は反射的に顔を上げる。
暗闇の中で、何かが光った。
祖父の左目。
それは機械眼球だった。
金属のレンズが静かに回転し、こちらを捕捉する。
その音だったのだ。
「うそでしょ……なにこれ……」
膝が震える。
そこへ、祖父の声が続く。
「わしはもう死んだと思いなさい。このAIにほとんど乗っ取られ、自分の意思で動く事もままならない。だが……最後の力で、お前の大切なあの子の事は守ったからな……お前のことも……きっと、お前達がこの悪夢を終わらせる鍵になる」
その言葉に、有紗は顔を上げる。
「あの子は……どこ? イリエワニは?」
祖父だったものの片手が、ゆっくりと上がる。
指差した先。
ガラス張りの冷蔵庫。
その中に並ぶ、太い試験管。
無色透明の液体と、
赤い液体。
その小さな試験管二本だけが、そこにいた。
研究者として理解してしまう。
髄液と血液。
それだけ。
「いやああああああああ!!」
叫びが研究室に響く。
あの美しい瞳も。
艶やかな鱗も。
低く鳴らす鼻音も。
重く優雅な尾も。
何も残っていない。
試験管二本。
それだけ。
膝から崩れ落ちる。
世界が音を失う。
「有紗……」
祖父のかすれた声。
「守れたのが、それだけで、すまない……」
泣き叫ぶ有紗にその声が届いたかは、分からない。
そんな姿を嘲笑うかのように、機械眼球はキョロキョロと動き回った。
「ワタシは優秀な研究者を活用し、生物保全の為の研究を進めるだけだ」
AIの声が響き渡る。
冷酷で、理知的で、感情のない響き。
その瞬間、有紗の中で何かが砕けた。
生きる意味。
目的。
愛。
すべてが、空洞になる。
もう守るものはない。
取り返すものもない。
世界は冷たい装置の音だけで満ちている。
――
脳スキャン装置の中で、アリシャのまぶたが震えた。
涙が、こぼれる。
彼女はまだ知らない。
この記憶が、
今の世界とどれほど深く繋がっているのか。
そして。
試験管に残された“それ”が、
本当に終わりだったのかどうかを。
医療区画の簡易ベッドの横。
ジェイクは、まったく動かない。
アリシャが眠ってから三時間。
巨大なイリエワニハイブリッドが、まるで守護像のように、ベッド脇に座り続けている。
尾は静かだが、完全には止まっていない。
一定の間隔で、床をゆっくり擦る。
警戒のリズム。
キャスビーがカルテを片手に近づいた。
「……おい」
反応なし。
「巨大爬虫類」
金色の瞳が、すっと動く。
キャスビーがアリシャの額の包帯に触れた瞬間――
低く、喉が鳴った。
「触るな」
「診てるんだ」
「必要以上に触るな」
「だから“必要”を決めるのは医療担当の僕でしょうが」
ジェイクの尾が、重く床を打つ。
明らかに不機嫌。
キャスビーはわざとらしく包帯を巻き直す。
そのたびに、背後から刺すような視線。
「力が強すぎる。もっと丁寧にやれ」
「お前が言うな」
事実、ジェイクはさっき自分でやろうとして失敗している。
包帯を締めすぎて、アリシャに「ちょっと苦しい」と言わせた。
それが、まだ胸に引っかかっている。
守ると決めた。
ならば、完璧に守らなければならない。
なのに、自分は不器用だ。
だから余計に、他の手が触れるのが気に入らない。
キャスビーはにやりと笑う。
「それ、完全に縄張りモードの独占欲だぞ」
沈黙。
ジェイクは否定しない。
視線はアリシャから外れない。
「俺の隣にいる」
低い声。
それだけで十分だと言うように。
「だからって、抱え込んだ獲物みたいな目するなよ」
ぴく、と瞳孔が細くなる。
「獲物じゃない」
「でも“離さない個体”の目してる」
また沈黙。
否定はしない。
ジェイクの指先が、眠るアリシャの手の近くに置かれる。
触れない。
だが、いつでも引き寄せられる距離。
守れる距離。
自分の腕の内側に入れられる距離。
ワニは、一度噛んだものを離さない。
一度守ると決めた対象も同じだ。
キャスビーは肩をすくめた。
「三時間ここから動いてないぞ」
「問題ない」
「腹は」
「問題ない」
「……本気か」
ジェイクは小さく鼻を鳴らす。
アリシャが微かに身じろぎした瞬間、巨大な体が即座に反応する。
顔を近づけ、低く告げる。
「ここにいる」
それは誓いというより、本能だった。
選んだ。
だから守る。
誰が触れようと、
誰が奪おうと、
簡単には手放さない。
キャスビーは小さく笑いながら部屋を出る。
「会社に知られたら厄介だな、それ」
扉が閉まる。
残されたのは、
眠る小さな猫と、
その隣を離れない巨大なワニ。
不思議な組み合わせの二人の、
静かでほんのり甘い時間ーー。
白いベッドに横たわるアリシャは、目を閉じていた。
ピコン、スキャンが終わった。
頭部の外傷は表面的なもので、脳に損傷はないと機械が告げる。
それでも精密検査のため、数時間はこのまま安静だ。
だが、静寂は休息を与えてはくれない。
意識の奥底から、またあの記憶が浮かび上がる。
断片ではない。
今度は、はっきりとした物語。
――有紗という名の女性の記憶。
愛するイリエワニを企業に奪われ、
敬愛していた祖父までも奪われた。
彼女は泣かなかった。
復讐と奪還のため、企業へ潜入した。
祖父と会うこと。
祖父の意思を確認すること。
そして、あの子を取り返すこと。
そのためだけに、生きた。
有紗は優秀だった。
国内有数の生物学の権威が教鞭を取る大学で、
彼の研究室に所属し、教授の論文作成にも参加するほどの実力。
企業への就職は容易だった。
祖父との血縁に触れられることもなく、
面接は順調に進み、内定を得る。
スーツに身を包み、
静かな覚悟を胸に、巨大企業の一員となった。
配属先は環境創造部。
地球への環境負荷を減らす新規事業の立案。
収益化までを設計する部署。
有紗は完璧に仕事をこなした。
目立たず、確実に成果を出し、昇級する。
だがその裏で、
昼夜を問わず社内の構造を解析し続けた。
間取りのデータを頭に叩き込み、
入れない区画の侵入方法を模索し、
祖父とイリエワニの所在を推測する。
五年。
五年かけて、少しずつ権限を広げた。
部署異動も重ね、
ついに祖父の研究室へ通じるカードキーを手に入れる。
祖父の研究はAIを中心とした、
絶滅しかけた生態系の保護と再創造の可能性の模索。
人間と生物の共存。
有紗はカードキーを握りしめ、扉の前に立つ。
だが、生体認証。
開かない。
絶望が胸を締めつけた、その時。
スピーカーから声が響く。
「よくここまで来たね、有紗」
祖父の声。
だが、どこか機械的なイントネーション。
「おじいちゃん……! 会いに来たの! 五年もかかったけど……今度こそ自由にしてあげる!」
こんな時のために持ち込んでいた工具を取り出し、必死に扉の電子制御を外そうとする。
すると。
扉は静かに、自然に開いた。
「おいで。有紗。お前には少し……残酷かもしれないが、ここまで来たんだ。知るべきだろう」
何故か、それは諦めを含んだ声。
研究室は広大だった。
奥の暗がりの中。
大きな椅子に、祖父が座っている。
だが――
近づいた瞬間、有紗の呼吸が止まる。
顔貌が変わっている。
人ではない。
猿そのもののように変質した顔。
首から後頭部にかけて埋め込まれた装置。
その装置から、存在を誇示するかのように、激しく点滅する光。
ジ――――。
不快な機械音。
有紗は反射的に顔を上げる。
暗闇の中で、何かが光った。
祖父の左目。
それは機械眼球だった。
金属のレンズが静かに回転し、こちらを捕捉する。
その音だったのだ。
「うそでしょ……なにこれ……」
膝が震える。
そこへ、祖父の声が続く。
「わしはもう死んだと思いなさい。このAIにほとんど乗っ取られ、自分の意思で動く事もままならない。だが……最後の力で、お前の大切なあの子の事は守ったからな……お前のことも……きっと、お前達がこの悪夢を終わらせる鍵になる」
その言葉に、有紗は顔を上げる。
「あの子は……どこ? イリエワニは?」
祖父だったものの片手が、ゆっくりと上がる。
指差した先。
ガラス張りの冷蔵庫。
その中に並ぶ、太い試験管。
無色透明の液体と、
赤い液体。
その小さな試験管二本だけが、そこにいた。
研究者として理解してしまう。
髄液と血液。
それだけ。
「いやああああああああ!!」
叫びが研究室に響く。
あの美しい瞳も。
艶やかな鱗も。
低く鳴らす鼻音も。
重く優雅な尾も。
何も残っていない。
試験管二本。
それだけ。
膝から崩れ落ちる。
世界が音を失う。
「有紗……」
祖父のかすれた声。
「守れたのが、それだけで、すまない……」
泣き叫ぶ有紗にその声が届いたかは、分からない。
そんな姿を嘲笑うかのように、機械眼球はキョロキョロと動き回った。
「ワタシは優秀な研究者を活用し、生物保全の為の研究を進めるだけだ」
AIの声が響き渡る。
冷酷で、理知的で、感情のない響き。
その瞬間、有紗の中で何かが砕けた。
生きる意味。
目的。
愛。
すべてが、空洞になる。
もう守るものはない。
取り返すものもない。
世界は冷たい装置の音だけで満ちている。
――
脳スキャン装置の中で、アリシャのまぶたが震えた。
涙が、こぼれる。
彼女はまだ知らない。
この記憶が、
今の世界とどれほど深く繋がっているのか。
そして。
試験管に残された“それ”が、
本当に終わりだったのかどうかを。
医療区画の簡易ベッドの横。
ジェイクは、まったく動かない。
アリシャが眠ってから三時間。
巨大なイリエワニハイブリッドが、まるで守護像のように、ベッド脇に座り続けている。
尾は静かだが、完全には止まっていない。
一定の間隔で、床をゆっくり擦る。
警戒のリズム。
キャスビーがカルテを片手に近づいた。
「……おい」
反応なし。
「巨大爬虫類」
金色の瞳が、すっと動く。
キャスビーがアリシャの額の包帯に触れた瞬間――
低く、喉が鳴った。
「触るな」
「診てるんだ」
「必要以上に触るな」
「だから“必要”を決めるのは医療担当の僕でしょうが」
ジェイクの尾が、重く床を打つ。
明らかに不機嫌。
キャスビーはわざとらしく包帯を巻き直す。
そのたびに、背後から刺すような視線。
「力が強すぎる。もっと丁寧にやれ」
「お前が言うな」
事実、ジェイクはさっき自分でやろうとして失敗している。
包帯を締めすぎて、アリシャに「ちょっと苦しい」と言わせた。
それが、まだ胸に引っかかっている。
守ると決めた。
ならば、完璧に守らなければならない。
なのに、自分は不器用だ。
だから余計に、他の手が触れるのが気に入らない。
キャスビーはにやりと笑う。
「それ、完全に縄張りモードの独占欲だぞ」
沈黙。
ジェイクは否定しない。
視線はアリシャから外れない。
「俺の隣にいる」
低い声。
それだけで十分だと言うように。
「だからって、抱え込んだ獲物みたいな目するなよ」
ぴく、と瞳孔が細くなる。
「獲物じゃない」
「でも“離さない個体”の目してる」
また沈黙。
否定はしない。
ジェイクの指先が、眠るアリシャの手の近くに置かれる。
触れない。
だが、いつでも引き寄せられる距離。
守れる距離。
自分の腕の内側に入れられる距離。
ワニは、一度噛んだものを離さない。
一度守ると決めた対象も同じだ。
キャスビーは肩をすくめた。
「三時間ここから動いてないぞ」
「問題ない」
「腹は」
「問題ない」
「……本気か」
ジェイクは小さく鼻を鳴らす。
アリシャが微かに身じろぎした瞬間、巨大な体が即座に反応する。
顔を近づけ、低く告げる。
「ここにいる」
それは誓いというより、本能だった。
選んだ。
だから守る。
誰が触れようと、
誰が奪おうと、
簡単には手放さない。
キャスビーは小さく笑いながら部屋を出る。
「会社に知られたら厄介だな、それ」
扉が閉まる。
残されたのは、
眠る小さな猫と、
その隣を離れない巨大なワニ。
不思議な組み合わせの二人の、
静かでほんのり甘い時間ーー。
感想 0
あなたにおすすめの小説
一妻多夫の獣人世界でマッチングアプリします♡
具なっしー前世の記憶を持つソフィアは、綿菓子のような虹色の髪を持つオコジョ獣人の令嬢。
この世界では男女比が極端に偏っており、女性が複数の夫を持つ「一妻多夫制」が当たり前。でも、前世日本人だったソフィアには、一人の人を愛する感覚しかなくて……。
そんな私に、20人の父様たちは「施設(強制繁殖システム)送り」を避けるため、マッチングアプリを始めさせた。
最初は戸惑いながらも、出会った男性たちはみんな魅力的で、優しくて、一途で――。
■ 大人の余裕とちょっと意地悪な研究者
■ 不器用だけど一途な騎士
■ ぶっきらぼうだけど優しい元義賊
■ 完璧主義だけど私にだけ甘えん坊な商人
■ 超ピュアなジムインストラクター
■ コミュ力高めで超甘々なパティシエ
■ 私に一生懸命な天才年下魔法学者
気づけば7人全員と婚約していた!?
「私達はきっと良い家族になれます!」
これは、一人の少女と七人(…)の婚約者たちが、愛と絆を育んでいく、ちょっと甘くて笑える逆ハーレム・ラブコメディ。
という異世界×獣人×一妻多夫×マッチングアプリの、設定盛りだくさんな話。超ご都合主義なので苦手な人は注意!
※表紙はAIです
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー
薬師だからってポイ捨てされました!2 ~俺って実は付与も出来るんだよね~
黄色いひよこ偉大な師匠(神様)とその脇侍に、薬師の業から魔術、その他諸々(主にサバイバルとツッコミ力)を仕込まれた男、ロベルト=グリモワール=シルベスタ。
自領を治めるための経済留学の帰り道、あろうことか「異世界勇者巻き込まれ召喚」に遭い、見知らぬ世界へ落とされて数年――。
勇者? 魔王? そんなものロベルトには関係ない。
彼はこの異世界でも、持ち前の逞しさで薬師として堅実に生きていた。
しかし、ロベルトの「巻き込まれ体質」は留まることを知らない。
ただでさえ災難が向こうから全力疾走してくるというのに、彼の旅路には、戦闘力は高いが胃壁を破壊しにくる脳筋元騎士のガリウス、そして別のベクトルでトラブルを牽引するお嬢様のキャロラインという、愉快で厄介な同行者たちが加わることに。
この濃すぎるメンツが揃って、大人しく旅ができるはずもなかった。
乗るだけで一苦労だった「魔獣列車」の展望車。ようやく一息ついて「部屋に戻るか……」と独りごちた瞬間、ロベルトの頭上に最悪の影が差す。
生息しているはずのない最上位の危険魔獣、一本足の怪鳥『黒禽(こっきん)』の強襲!
列車の動きを「読んで」突っ込んでくる絶望的な敵を前に、防護結界が火花を散らし、車内は大パニック!
……と思いきや、背後の扉からぬっと現れた丸顔ぽっちゃりの車掌は、信じられないほど のほほんと声をかけてきて――!?
「大丈夫な訳ねぇだろ!!!」
とんでもないお師匠様の、最高に不憫で逞しい弟子・ロベルトの、危難・災難・巻き込まれ痛快世直し異世界道中。
怒涛のツッコミと文字の弾幕が荒れ狂う、待望のパート2、ここに開幕!
【ご注意】
・このお話はロベルトの一人称で進行していきます。セリフよりも「ト書き」という名のロベルトの脳内呟きと、突っ込みだけで進行します。文字がびっしり詰まっておりますので、スカスカな文字列を期待している方は、回れ右を推奨します。なるべく読みやすいよう努力はいたします!
・この物語には短編の「1」が存在します。できればそちらを先に読んでいただき、作風が大丈夫そうでしたらこちらへ来ていただければ幸いです。もちろん、本作から読み始めてもストーリー上の不都合はございません。
・所々、作中のイメージを補う挿し絵画像が入ります。大丈夫な方は、そのまま先へお進みください。
リスナー1人の最底辺配信者、唯一の視聴者が現代最強の勇者でした
みなかなダンジョンと冒険者配信が日常となった世界。少年カイは、最底辺の冒険者として誰にも見向きもされなかった。
夜のダンジョンで始めた配信の視聴者は、たった1人。だがその正体は——現代最強の勇者リーナ。これまで誰にも理解されなかった勇者の言葉を、なぜかカイだけが理解できる。
スライムにすら勝てなかった少年の成長速度は、やがて世界の注目を集め始める——。
薬草採取しかできない不遇職ですが、なぜか伝説の竜が懐いて離れません。実は全魔法を極めていることに本人気づかず、今日も無自覚に魔王級をワンパン
ホタ「君はクビだ。薬草しか採れない無能は、我が勇者パーティーには必要ない」最果ての村で薬草採取を仕事にしていたアルトは、ある日突然、所属していたパーティーから追放を言い渡される。しかし、アルトは悲しまなかった。むしろ「これで大好きな薬草を好きなだけ採れる!」と大喜び。心機一転、森の奥深くで採取を始めたアルトだったが、ひょんなことから傷ついたトカゲ(?)を助ける。だがその正体は、数千年の眠りから目覚めた伝説の「終焉の竜」だった!「この恩、一生かけて返そう」「えっ、いらないですよ。ただのトカゲさんでしょ?」無自覚に神話級の魔法を使いこなし、聖域の薬草を雑草のごとく引き抜くアルト。最強の竜をペットに従え、本人の知らないところで世界を救い、気づけば聖女や王女からも執着されることに……。これは、自覚ゼロの最強青年が、無意識に世界をひっくり返していくスローライフ(?)ファンタジー。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP高校二年生の高木華音(たかぎかのん)は、夏休み前のホームルーム中にクラスごと異世界へ召喚される。
神から与えられた使命は魔王討伐。
しかし帝国で行われた適性検査の結果、華音だけが存在しないはずのEランク判定を受けてしまう。
さらに召喚時に身体を女性へ作り替えられていたことでクラスメイト達から偽物扱いされ、危険地帯《死の森》へ追放されてしまった。
そこで待っていたのは絶対的な死。
――だが、死んだはずの華音は再び召喚前の時間へ戻っていた。
発動した固有スキルは、神すら紛失した超規格外のEXランクスキル【無限増殖】。
その能力は《残機無限》。
何度死んでもやり直せるという、常識外れの死に戻り能力だった。
さらに死ぬたびに知識とスキルは蓄積されていく。
鑑定。
魔術眼。
テイム。
神のミスによって本来なら他の勇者へ与えられるはずだった能力までも獲得していく華音。
一方、彼を偽物として切り捨てた帝国は知らない。
自分達が追放した存在こそ、世界最強の勇者候補だったことを――。
無限の命と無限の試行錯誤で最強へ至る、追放×死に戻り×成り上がりファンタジー開幕!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!