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第一章 リリカとウィリアム
2:リリカ10歳、出会い
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そんなある日、レッドフィールド伯爵邸に、にぎやかな来客者達があった。
双子の父親であるリチャード・ド・レッドフィールド伯爵の学生時代の旧友2人が、子供達を連れて遊びに来たのだ。
戦争期間があったりと、3人が集まるのは実に5年ぶりのことだった。
「このメンバーで集まるのは、本当に久しぶりですね」
レッドフィールド領の隣にあるブルーム領を治めるブルーム伯爵がそう言うと、すぐに横から声が飛んで来た。
「おいおい敬語なんてやめろよ! このメンバーに身分差なんて関係なしだぞ! 久しぶりに集まるとすぐにこれだ。いつも通り敬語はなしだ!」
「相変わらずだな。公爵様がそう言うのならそうさせて貰おう」
オーグナー公爵の発言に、レッドフィールドとブルーム両伯爵は目を見合わせて笑った。
「それにしても、子供たちがすっかり大きくなったな!」
オーグナー公爵は長男と次男を、ブルーム伯爵は長男と長女を、それぞれ連れて来ていた。
「リリカとキャサリンもすっかり大きくなったな! 双子だと言うのに相変わらず全く似ていないな! はははっ!」
オーグナー公爵は笑いなが、悪びれることなくケロッと言う。
リリカとキャサリンは二卵性双生児であり、双子と言っても似てはいなかった。
姉妹程度には似ていてもおかしくはないのだが、本当に似ていない。
美人の母ローズに似たキャサリンは、小柄で華奢、白い肌に綺麗な金髪が映え、青い瞳が輝いていた。
一方で父親似のリリカは、母親に似たのは白い肌と青い瞳だけで、背の高さや赤毛にそばかすは父親に似ていた。
おまけによく食べるリリカは、ややぽっちゃり体型でもある。
リリカも決して不細工ではなかったが、100人いたら100人が『キャサリンのほうが可愛い』と答えるであろう、圧倒的な容姿の差だ。
「キャサリンは相変わらず可愛いな。リリカは健康そうで何よりだ」
そう、人々のリリカへの誉め言葉はいつも”健康そう“なのである。
「ははは、ありがとう。2人の子も、元気にすくすく育っているようで何よりだな」
大人たちが話している横で、子供たちは各々自由に庭で遊んでいた。
話が盛り上がる中で、ふとリチャードが軽口を叩く。
「2人の子供が、私の娘達と将来結婚してくれたら嬉しいなのだがな」
その言葉に、調子の良いオーグナー公爵は手を叩いた。
「おお、それは良い! 私の長男は、近所の幼馴染と結婚して公爵を継ぐと言っているのだ。将来騎士になりたいと言っている次男はどうだろうか?」
そう言ってオーグナー公爵は、次男でリリカ達の2つ年上のスターリンを呼んだ。
「おお。うちの一人息子は将来伯爵を継ぐ予定だ。よかったら嫁に来てくれ」
ブルーム伯爵は、リリカ達の4つ年上のウィリアムを呼ぶ。
「ははは。二人とも申し分ない相手だな!」
リチャードは大喜びで、リリカとキャサリンを呼ぶ。
こうして訳の分からないまま呼ばれた子供達4人は、許嫁を自分達で決めるようにといきなり言われたのだ。
双子の父親であるリチャード・ド・レッドフィールド伯爵の学生時代の旧友2人が、子供達を連れて遊びに来たのだ。
戦争期間があったりと、3人が集まるのは実に5年ぶりのことだった。
「このメンバーで集まるのは、本当に久しぶりですね」
レッドフィールド領の隣にあるブルーム領を治めるブルーム伯爵がそう言うと、すぐに横から声が飛んで来た。
「おいおい敬語なんてやめろよ! このメンバーに身分差なんて関係なしだぞ! 久しぶりに集まるとすぐにこれだ。いつも通り敬語はなしだ!」
「相変わらずだな。公爵様がそう言うのならそうさせて貰おう」
オーグナー公爵の発言に、レッドフィールドとブルーム両伯爵は目を見合わせて笑った。
「それにしても、子供たちがすっかり大きくなったな!」
オーグナー公爵は長男と次男を、ブルーム伯爵は長男と長女を、それぞれ連れて来ていた。
「リリカとキャサリンもすっかり大きくなったな! 双子だと言うのに相変わらず全く似ていないな! はははっ!」
オーグナー公爵は笑いなが、悪びれることなくケロッと言う。
リリカとキャサリンは二卵性双生児であり、双子と言っても似てはいなかった。
姉妹程度には似ていてもおかしくはないのだが、本当に似ていない。
美人の母ローズに似たキャサリンは、小柄で華奢、白い肌に綺麗な金髪が映え、青い瞳が輝いていた。
一方で父親似のリリカは、母親に似たのは白い肌と青い瞳だけで、背の高さや赤毛にそばかすは父親に似ていた。
おまけによく食べるリリカは、ややぽっちゃり体型でもある。
リリカも決して不細工ではなかったが、100人いたら100人が『キャサリンのほうが可愛い』と答えるであろう、圧倒的な容姿の差だ。
「キャサリンは相変わらず可愛いな。リリカは健康そうで何よりだ」
そう、人々のリリカへの誉め言葉はいつも”健康そう“なのである。
「ははは、ありがとう。2人の子も、元気にすくすく育っているようで何よりだな」
大人たちが話している横で、子供たちは各々自由に庭で遊んでいた。
話が盛り上がる中で、ふとリチャードが軽口を叩く。
「2人の子供が、私の娘達と将来結婚してくれたら嬉しいなのだがな」
その言葉に、調子の良いオーグナー公爵は手を叩いた。
「おお、それは良い! 私の長男は、近所の幼馴染と結婚して公爵を継ぐと言っているのだ。将来騎士になりたいと言っている次男はどうだろうか?」
そう言ってオーグナー公爵は、次男でリリカ達の2つ年上のスターリンを呼んだ。
「おお。うちの一人息子は将来伯爵を継ぐ予定だ。よかったら嫁に来てくれ」
ブルーム伯爵は、リリカ達の4つ年上のウィリアムを呼ぶ。
「ははは。二人とも申し分ない相手だな!」
リチャードは大喜びで、リリカとキャサリンを呼ぶ。
こうして訳の分からないまま呼ばれた子供達4人は、許嫁を自分達で決めるようにといきなり言われたのだ。
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