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1 魔王マジ魔王!
3 魔王さまの兄上さま
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城は燃えていた。闇より深き黒い炎で。その名に相応しき墨炎をまとって。
「…!、‼︎」
俺は知っている。一番末の弟は感情が昂りすぎると、言葉が出なくなることを。
「申し訳ございませんが」
城内の空気が震える。ミシリ、嫌な音が聞こえる。
白い指先が、容赦なくそれを連れ去る。ああ、目の前が赤く、赤く染まって行く。
「おやつの時間が過ぎましたので、ケーキは下げますね」
「ハンナ、容赦ねーな」
ぶわっと放たれたのは、悲しみのオーラか涙か鼻水か。美しく磨き上げられた床と仲良くなっている弟に俺は声をかける。
これ以上は城が持たない。
「ほら、レー起きなさい。鎧は脱いでいいから、ね?封じの腕輪をつけるよ?大丈夫?ピーナツ上げるから、ね?」
こくん、とうなずいて差し出された手は両手でお碗の形を作っていたので、その中に腕輪を入れてやる。
欲しかったのはコレじゃない!と言う不満が滲んだが、パチンとそれを左腕にはめた。
瞬間、辺りを包んだ魔力は消える。
「強すぎるのも考えものだよなぁ」
手のひらの上に3粒、乗せてやる。一粒づつつまんで口に運んでいる弟は、弟なのだ。
魔王レディアルは魔王である。魔王は世襲ではない。1番強いものが魔王になる。ついでに言えばーーー
「ふにゃあ!ふにゃあぁ!」
「王妃さま!産まれました!とってもお可愛いらしい男児さまでございます!女児さまではございません、ついてましてよ?」
「ふふ…可愛いらしい声ですものね…良かった無事に産まれて来てくれて」
「あら?この子手に何か持ってるわ?」
「耳たぶに何かありますね?」
王妃の出産に居合わせた全員が、ごくりと唾を飲み込んだ。慌てて鑑定士を呼びつける。
鑑定
名前 ⁇
レベル 1
HP 5
魔力 測定不能
str 1+5000
agi 1+5000
int 1+5000
dex 1+5000
luk 5+5000
称号 魔王を継ぐもの(確定)
腐女神の加護
愛されっ子
マジ天使(魔王だけどな!)
なんかよーわからん魅力マシマシ!
俺たちの弟が生まれながらにしてチート天使であり、女神の重い愛みたいな何かを背負わされて来たと言うことが良く分かった。
大事にしてやろう…家族だもんな!皆んなの心が一つになったのは言うまでもない。
故に、レディアルと名付けられた末の弟は魔王である。産まれながらにして最強の力と称号を持たされていたからである。
本人の資質と環境は考慮されずに。
ピーナツは3粒
もっとくださいと言わんばかりに見上げて来た顔から仮面を外してやる。黒い髪に真っ赤な瞳。非常に魔族らしい、魔王らしい色彩。
ゆらゆらと瞳の中に踊る魅了の影は見慣れて、ある程度の耐性をつけた俺でも、くらりと追加のピーナツを渡してしまいそうになる。
可愛いな、食べてしまいたい。
ピーナツを噛みしめて、スッと横抱きに持ち上げる。
「あ、兄上…!」
「お前、足 痛めたろ?ちゃんと手当てしないとな?」
「しかし、あ、兄、うえ…!」
魔王らしからぬ事はせぬようにと、母上に口うるさく言われているのは知っている。しかし、もう勇者は額に20ポイントともう少し頑張りましょうの判子を押して町に送り返した。
これくらいはいいだろう?いくつになっても弟は弟なのだ。
めんどくさそうな魔王業を押し付けた罪悪感もちらり、なんかよーわからん魅了マシマシにやられた訳でもないはず。
「あに、うえ」
いいから、運ばれておけよ お前より弱い兄だけどな。
「ピーナツ…」
ブレねえな!オイ!
「…!、‼︎」
俺は知っている。一番末の弟は感情が昂りすぎると、言葉が出なくなることを。
「申し訳ございませんが」
城内の空気が震える。ミシリ、嫌な音が聞こえる。
白い指先が、容赦なくそれを連れ去る。ああ、目の前が赤く、赤く染まって行く。
「おやつの時間が過ぎましたので、ケーキは下げますね」
「ハンナ、容赦ねーな」
ぶわっと放たれたのは、悲しみのオーラか涙か鼻水か。美しく磨き上げられた床と仲良くなっている弟に俺は声をかける。
これ以上は城が持たない。
「ほら、レー起きなさい。鎧は脱いでいいから、ね?封じの腕輪をつけるよ?大丈夫?ピーナツ上げるから、ね?」
こくん、とうなずいて差し出された手は両手でお碗の形を作っていたので、その中に腕輪を入れてやる。
欲しかったのはコレじゃない!と言う不満が滲んだが、パチンとそれを左腕にはめた。
瞬間、辺りを包んだ魔力は消える。
「強すぎるのも考えものだよなぁ」
手のひらの上に3粒、乗せてやる。一粒づつつまんで口に運んでいる弟は、弟なのだ。
魔王レディアルは魔王である。魔王は世襲ではない。1番強いものが魔王になる。ついでに言えばーーー
「ふにゃあ!ふにゃあぁ!」
「王妃さま!産まれました!とってもお可愛いらしい男児さまでございます!女児さまではございません、ついてましてよ?」
「ふふ…可愛いらしい声ですものね…良かった無事に産まれて来てくれて」
「あら?この子手に何か持ってるわ?」
「耳たぶに何かありますね?」
王妃の出産に居合わせた全員が、ごくりと唾を飲み込んだ。慌てて鑑定士を呼びつける。
鑑定
名前 ⁇
レベル 1
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魔力 測定不能
str 1+5000
agi 1+5000
int 1+5000
dex 1+5000
luk 5+5000
称号 魔王を継ぐもの(確定)
腐女神の加護
愛されっ子
マジ天使(魔王だけどな!)
なんかよーわからん魅力マシマシ!
俺たちの弟が生まれながらにしてチート天使であり、女神の重い愛みたいな何かを背負わされて来たと言うことが良く分かった。
大事にしてやろう…家族だもんな!皆んなの心が一つになったのは言うまでもない。
故に、レディアルと名付けられた末の弟は魔王である。産まれながらにして最強の力と称号を持たされていたからである。
本人の資質と環境は考慮されずに。
ピーナツは3粒
もっとくださいと言わんばかりに見上げて来た顔から仮面を外してやる。黒い髪に真っ赤な瞳。非常に魔族らしい、魔王らしい色彩。
ゆらゆらと瞳の中に踊る魅了の影は見慣れて、ある程度の耐性をつけた俺でも、くらりと追加のピーナツを渡してしまいそうになる。
可愛いな、食べてしまいたい。
ピーナツを噛みしめて、スッと横抱きに持ち上げる。
「あ、兄上…!」
「お前、足 痛めたろ?ちゃんと手当てしないとな?」
「しかし、あ、兄、うえ…!」
魔王らしからぬ事はせぬようにと、母上に口うるさく言われているのは知っている。しかし、もう勇者は額に20ポイントともう少し頑張りましょうの判子を押して町に送り返した。
これくらいはいいだろう?いくつになっても弟は弟なのだ。
めんどくさそうな魔王業を押し付けた罪悪感もちらり、なんかよーわからん魅了マシマシにやられた訳でもないはず。
「あに、うえ」
いいから、運ばれておけよ お前より弱い兄だけどな。
「ピーナツ…」
ブレねえな!オイ!
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