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マリナデット・ウィフラート
4 ざまぁ1 第二王子
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「皆の者、マリナデット嬢の配慮に感謝して、続きを楽しんでくれ」
俺よりも高い位置に座っていたチェイニー兄上が立ち上がり、そう告げた。は?!マリナの配慮に?!どういう事だ!あいつが全ての元凶なのに!
人々は俺達の事が全く目に入っていないかのように、ホールに散っていった。何故だ!罪人のマリナを誰も責めぬ!リリアナを称えぬ?!何故だ!
ポツンとその場に取り残される俺とリリアナ、そして3人の友。誰も我々を見ようとはせぬ。むしろ目が合うのが汚らわしい、関わりになりたくない、そんな顔だ。
「ダレン様ぁ……」
「大丈夫だ、リリアナ。お前は何の嘘も偽りもないのであろう?皆、真実を知ればマリナデットの罪が知れよう」
不安そうに俺の服を握るリリアナの手を握ってやる。カタカタと小さく震えているのは、リリアナなのか。もしかして
俺なのか……?
「ダレン、いつまでそうしておるつもりだ。早く去ね」
「あ、兄上……」
冷たい、ゴミ屑を見るような瞳で見下された。いつの間にか兄上の婚約者のケイトニー・ランズ公爵令嬢が隣に控えていた。
ケイトニーも兄上と同じ目で俺達を見下ろす。
「今日は私主催のパーティーである事は分かっておるであろうな?分かっておってこの下らない騒ぎを起こしたのであろうな?マリナデットはケイトニーの親友であると知っての言いようだったのであろうな?」
「あ、あ、あの、あの、兄上……」
兄上は言葉を紡ぐ。兄上を怒らせてしまった。お、俺はどうしたら……!
「だ、ダレン様ぁ……」
リリアナはそれしか言わない。友を振り返っても皆、青い顔だ。王太子のチェイニー兄上は恐ろしい人だ……一体どうしたら……?!
「チェイニー様、明日、マリナを訪ねてもよろしいでしょうか?」
ケイトニーが口を開く。
「構わんよ、ケイト。マリナの心痛を労わってやってくれ」
優しく思いやりに溢れた眼差し。兄上とケイトニーの仲は良好が見て取れる。
「ありがとう、ティニー。あの約束、忘れてないわよね?」
「構わんよ、ケイト。ご迷惑にならない時間にしなさいね。焦る気持ちは分かるけど?」
「ありがとう、やっぱり貴方は最高の王子様だわ」
兄上とケイトニーは微笑み合う。
「ダレン様、こちらに……」
「っ?!」
声をかけられた振り返ると、兄上付きの騎士がいた。騎士の向こうに見える扉の周りには衛兵達が見える。
俺は……俺達は罪人じゃない!
だが……
「離せっ!」
ニコラが腕を掴まれる。
「え?!なになに?!なんなの??」
ベルナルドが背中を押される。
「どこへ行けと言うのだ!」
リジュールが両脇を抱えられる。
「痛っ!何するのよっ!」
リリアナが俺から引き離された。
「早く退出なさってください。パーティーの邪魔です」
「なっ?!」
なんと無礼な!騎士を叱りつけようとするが、あの見下した目だ。
「あまり手を煩わせないで頂きたい。ダレン様」
「う、うるさい!俺は王子だぞ?!」
掴まれた腕を振り解こうとしたが出来なかった。騎士は掴む腕に力を込める。
「王子?……さて、どうでしょうね?マリナデット様を失った貴方が本当に王子で居られるのでしょうか?」
は?
騎士の言葉は理解できなかった。
「行くぞ!」
俺達は罪人の様にパーティー会場から引きずり出された。何故だ!どうしてだ?!
あの会場の中で俺とリリアナが皆に微笑まれながら、光を浴びて踊るはずだったのに!何故、何故こうなった?!
俺たちは散り散りに、馬車に詰め込まれた。
「リリアナ!リリアナはどうした?!」
「あの売女なら地下牢へ入れましたよ、汚らしい。城へ連れて行くのも憚られますし」
「リリアナはそのような存在ではない!!」
馬車で俺を見張る様に目の前に座った騎士は、無遠慮に俺を見る。
「今現在でもダレン様とご学友3人に股を開いているではございませんか。同時に4人の男と寝るとは売女以外の何であると?」
嘘だろ?!リリアナは俺だけだと言った!こんな事を出来るのは本当に俺だけを愛しているからだと!他の3人は友達だと言った!!
きれいな涙を流しながら俺だけにそう言った!!マリナとは違う、いつでも澄ました笑顔で手も握らせぬあの大女とは違うのだ!!
「ダレン!ダレン……!ああ!なんと言う事をしでかしたのです!貴方は!貴方と言う男は!!!」
「は、母上…?!如何いたしたのです?!」
城に連れ帰られた俺は、父上と第一王妃、第二王妃そして第3王妃の母上の前に引き立てられた。
「王……!そしてレーヌ様!申し訳、申し訳ございません!!この愚かなる息子をどうぞ!どうぞ罰してやってくださいませ!」
「母上 何を仰るのです?!俺は何も悪い事はしておりませぬ!」
「黙りなさい!何故お前の様な愚鈍で取り柄のない者が第二王子でいられたか!それすらも分からぬ愚かな息子!全てマリナデット様のおかげでしょう!ああ、なんと言う事!我が家ももうお仕舞いだわ……ウィフラート家を敵に回してしまうだなんて……お父様になんと申し開きをすればいいの?!」
「は、母上……?」
床に座り込み、母上は泣き伏してしまった。ど、どう言う事なのですか!
「ダレンよ、お前は取り返しのつかない事をした」
父上の冷たい声が部屋中に響いた。
「私がどれほどルイーフに頭を下げて、この婚約を結んだかお前は知らなかったか?」
「え……?」
「渋るルイーフを何とか説得して……やっと漕ぎ着けた婚約であったのに……」
「あの時の王は本当に必死でしたわね。ルイーフ様に手酷く袖にされたのを根に持って子供同士を婚約させようなどと考えるのが行けなかったのです」
第一王妃の言葉は冷たい。
「やはり、少し歳が下でもハルかヒルのどちらかにして頂くべきであったのですわ」
第二王妃の声が響く。ハルとヒルは俺の下の双子の弟達だ。2人とも良くマリナに懐いており、お姉様、お姉様と慕っている。
「チェイニーがもうケイトニーと婚約してしまっていましたしね。ケイトは王太子妃として完璧ですし」
良い子が娘であるわたくしも安心ですわ、と第一王妃は笑う。
「あああ……ダレン……本当になんて、なんて事を……!」
泣き続ける母上を見て、俺はもしかしてとんでもない事をしてしまったのではないかと、思い始めた。
「ハルとヒルの婚約申し込みを済ませております」
「厳しいでしょうが、なにもしないよりましですわね」
「ああ、マリナが毎日来てくれなくなるのねぇ……寂しいわ。あの子の顔を見るだけで心が癒されるのに」
「マリナが行っておった仕事の振り分けは任せるぞ」
父上、それはどういうことですか……。
「ま、マリナの仕事、とは……?」
「お前には任せられぬ仕事をマリナがやっておったのだ。何故気づかぬか分からんな」
「ハルやヒル、その下のショーンも王子としての職務を全うしていますよ?」
「ダレン、貴方があの平民上がりの阿婆擦れとねんごろになっていた時に誰が仕事をしたと思っているの?」
母上達の目は冷たい。
「元々頭の悪いお前ではまともに出来る仕事がなかったのに!すべてマリナ様が代わってくださっていたのよ!これも婚約者だから、そう微笑まれて!誰でもこなせる簡単な仕事ですら、貴方は投げ捨てた!あのリリアナとか言う女に籠絡されて!」
わあわあと泣く母上を王妃達は哀れに見るだけだ。
「リリアナはそんな娘ではありません!!」
これだけは信じて貰わなければ!俺は声を張り上げた。
ぱさり、無言で父上は紙を数枚俺に投げてよこす。恐る恐るその紙を手に取ると
「うっ?!」
ニコラと、ベルナルドと、リュジールと絡み合うリリアナの肢体が映し出されている。
「まだあるぞ?」
ぱさ、ぱさ……教授と、門番と、騎士と……
「え……」
「良く孕まなかったですわね?」
「ダレンと同じ髪の色、目の色の男を狙っておる。なかなか計算高い」
まあ!王妃達は声を上げる。
「嘘だ」
「ダレン!それが真実なのよ!愚かな息子!マリナデット様のおかげでわたくしはこの王宮で大切にしていただいたのに!もう、全ておしまい!ああ……王よ、王妃様達よ……本当に申し訳ございませぬ……!」
嘘だ!マリナは何も言わなかった!仕事をしているとも、俺との婚約がそんな意味がある事も!
ただ静かに俺の隣で笑っているだけだった!!!
俺よりも高い位置に座っていたチェイニー兄上が立ち上がり、そう告げた。は?!マリナの配慮に?!どういう事だ!あいつが全ての元凶なのに!
人々は俺達の事が全く目に入っていないかのように、ホールに散っていった。何故だ!罪人のマリナを誰も責めぬ!リリアナを称えぬ?!何故だ!
ポツンとその場に取り残される俺とリリアナ、そして3人の友。誰も我々を見ようとはせぬ。むしろ目が合うのが汚らわしい、関わりになりたくない、そんな顔だ。
「ダレン様ぁ……」
「大丈夫だ、リリアナ。お前は何の嘘も偽りもないのであろう?皆、真実を知ればマリナデットの罪が知れよう」
不安そうに俺の服を握るリリアナの手を握ってやる。カタカタと小さく震えているのは、リリアナなのか。もしかして
俺なのか……?
「ダレン、いつまでそうしておるつもりだ。早く去ね」
「あ、兄上……」
冷たい、ゴミ屑を見るような瞳で見下された。いつの間にか兄上の婚約者のケイトニー・ランズ公爵令嬢が隣に控えていた。
ケイトニーも兄上と同じ目で俺達を見下ろす。
「今日は私主催のパーティーである事は分かっておるであろうな?分かっておってこの下らない騒ぎを起こしたのであろうな?マリナデットはケイトニーの親友であると知っての言いようだったのであろうな?」
「あ、あ、あの、あの、兄上……」
兄上は言葉を紡ぐ。兄上を怒らせてしまった。お、俺はどうしたら……!
「だ、ダレン様ぁ……」
リリアナはそれしか言わない。友を振り返っても皆、青い顔だ。王太子のチェイニー兄上は恐ろしい人だ……一体どうしたら……?!
「チェイニー様、明日、マリナを訪ねてもよろしいでしょうか?」
ケイトニーが口を開く。
「構わんよ、ケイト。マリナの心痛を労わってやってくれ」
優しく思いやりに溢れた眼差し。兄上とケイトニーの仲は良好が見て取れる。
「ありがとう、ティニー。あの約束、忘れてないわよね?」
「構わんよ、ケイト。ご迷惑にならない時間にしなさいね。焦る気持ちは分かるけど?」
「ありがとう、やっぱり貴方は最高の王子様だわ」
兄上とケイトニーは微笑み合う。
「ダレン様、こちらに……」
「っ?!」
声をかけられた振り返ると、兄上付きの騎士がいた。騎士の向こうに見える扉の周りには衛兵達が見える。
俺は……俺達は罪人じゃない!
だが……
「離せっ!」
ニコラが腕を掴まれる。
「え?!なになに?!なんなの??」
ベルナルドが背中を押される。
「どこへ行けと言うのだ!」
リジュールが両脇を抱えられる。
「痛っ!何するのよっ!」
リリアナが俺から引き離された。
「早く退出なさってください。パーティーの邪魔です」
「なっ?!」
なんと無礼な!騎士を叱りつけようとするが、あの見下した目だ。
「あまり手を煩わせないで頂きたい。ダレン様」
「う、うるさい!俺は王子だぞ?!」
掴まれた腕を振り解こうとしたが出来なかった。騎士は掴む腕に力を込める。
「王子?……さて、どうでしょうね?マリナデット様を失った貴方が本当に王子で居られるのでしょうか?」
は?
騎士の言葉は理解できなかった。
「行くぞ!」
俺達は罪人の様にパーティー会場から引きずり出された。何故だ!どうしてだ?!
あの会場の中で俺とリリアナが皆に微笑まれながら、光を浴びて踊るはずだったのに!何故、何故こうなった?!
俺たちは散り散りに、馬車に詰め込まれた。
「リリアナ!リリアナはどうした?!」
「あの売女なら地下牢へ入れましたよ、汚らしい。城へ連れて行くのも憚られますし」
「リリアナはそのような存在ではない!!」
馬車で俺を見張る様に目の前に座った騎士は、無遠慮に俺を見る。
「今現在でもダレン様とご学友3人に股を開いているではございませんか。同時に4人の男と寝るとは売女以外の何であると?」
嘘だろ?!リリアナは俺だけだと言った!こんな事を出来るのは本当に俺だけを愛しているからだと!他の3人は友達だと言った!!
きれいな涙を流しながら俺だけにそう言った!!マリナとは違う、いつでも澄ました笑顔で手も握らせぬあの大女とは違うのだ!!
「ダレン!ダレン……!ああ!なんと言う事をしでかしたのです!貴方は!貴方と言う男は!!!」
「は、母上…?!如何いたしたのです?!」
城に連れ帰られた俺は、父上と第一王妃、第二王妃そして第3王妃の母上の前に引き立てられた。
「王……!そしてレーヌ様!申し訳、申し訳ございません!!この愚かなる息子をどうぞ!どうぞ罰してやってくださいませ!」
「母上 何を仰るのです?!俺は何も悪い事はしておりませぬ!」
「黙りなさい!何故お前の様な愚鈍で取り柄のない者が第二王子でいられたか!それすらも分からぬ愚かな息子!全てマリナデット様のおかげでしょう!ああ、なんと言う事!我が家ももうお仕舞いだわ……ウィフラート家を敵に回してしまうだなんて……お父様になんと申し開きをすればいいの?!」
「は、母上……?」
床に座り込み、母上は泣き伏してしまった。ど、どう言う事なのですか!
「ダレンよ、お前は取り返しのつかない事をした」
父上の冷たい声が部屋中に響いた。
「私がどれほどルイーフに頭を下げて、この婚約を結んだかお前は知らなかったか?」
「え……?」
「渋るルイーフを何とか説得して……やっと漕ぎ着けた婚約であったのに……」
「あの時の王は本当に必死でしたわね。ルイーフ様に手酷く袖にされたのを根に持って子供同士を婚約させようなどと考えるのが行けなかったのです」
第一王妃の言葉は冷たい。
「やはり、少し歳が下でもハルかヒルのどちらかにして頂くべきであったのですわ」
第二王妃の声が響く。ハルとヒルは俺の下の双子の弟達だ。2人とも良くマリナに懐いており、お姉様、お姉様と慕っている。
「チェイニーがもうケイトニーと婚約してしまっていましたしね。ケイトは王太子妃として完璧ですし」
良い子が娘であるわたくしも安心ですわ、と第一王妃は笑う。
「あああ……ダレン……本当になんて、なんて事を……!」
泣き続ける母上を見て、俺はもしかしてとんでもない事をしてしまったのではないかと、思い始めた。
「ハルとヒルの婚約申し込みを済ませております」
「厳しいでしょうが、なにもしないよりましですわね」
「ああ、マリナが毎日来てくれなくなるのねぇ……寂しいわ。あの子の顔を見るだけで心が癒されるのに」
「マリナが行っておった仕事の振り分けは任せるぞ」
父上、それはどういうことですか……。
「ま、マリナの仕事、とは……?」
「お前には任せられぬ仕事をマリナがやっておったのだ。何故気づかぬか分からんな」
「ハルやヒル、その下のショーンも王子としての職務を全うしていますよ?」
「ダレン、貴方があの平民上がりの阿婆擦れとねんごろになっていた時に誰が仕事をしたと思っているの?」
母上達の目は冷たい。
「元々頭の悪いお前ではまともに出来る仕事がなかったのに!すべてマリナ様が代わってくださっていたのよ!これも婚約者だから、そう微笑まれて!誰でもこなせる簡単な仕事ですら、貴方は投げ捨てた!あのリリアナとか言う女に籠絡されて!」
わあわあと泣く母上を王妃達は哀れに見るだけだ。
「リリアナはそんな娘ではありません!!」
これだけは信じて貰わなければ!俺は声を張り上げた。
ぱさり、無言で父上は紙を数枚俺に投げてよこす。恐る恐るその紙を手に取ると
「うっ?!」
ニコラと、ベルナルドと、リュジールと絡み合うリリアナの肢体が映し出されている。
「まだあるぞ?」
ぱさ、ぱさ……教授と、門番と、騎士と……
「え……」
「良く孕まなかったですわね?」
「ダレンと同じ髪の色、目の色の男を狙っておる。なかなか計算高い」
まあ!王妃達は声を上げる。
「嘘だ」
「ダレン!それが真実なのよ!愚かな息子!マリナデット様のおかげでわたくしはこの王宮で大切にしていただいたのに!もう、全ておしまい!ああ……王よ、王妃様達よ……本当に申し訳ございませぬ……!」
嘘だ!マリナは何も言わなかった!仕事をしているとも、俺との婚約がそんな意味がある事も!
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