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97 相変わらずの生活で
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「フランちゃん面白いね」
「そうか」
俺はいつの間にか年齢的にも家族構成的にもジジイになっていた。それでもまだ生やしたりくっつけたりできる。おいおい神様、俺を働かせすぎだろう?なんて思ったが、孫共がどうもひいじいさん達の血を濃く引いてしまってやんちゃすぎる。
「じちゃま!やべえ!レオヴァルトの足が食われた!」
「ジジィ!早く助けてくださいおねがいしますーー!痛いですーー!」
「お前ら、ジジィを働かせるんじゃない!」
「赤ヴァルだー血まみれ!アハハ」
「フラン!笑ってる場合か!布もってこい!」
王都とフローラ村の中間でのんびり暮らしていたのに、試練の洞窟で暴れ回る孫共のせいでフローラ村に引っ越すことを余儀なくされてしまった。
「だってさー遠いとミレーニア死にそうだったし」
「そうなのよねーもう肩までバクッと食われたからねえ!」
笑い事じゃないぞ、孫たちよ。俺がいるからって油断してやられてるんだろう?本当に困ったやつらだ。
北ハンターの第一席に与えられる称号は「獅子頭」、それを今は孫のミレーニアが持っているがそろそろ婚約者などを見つけて結婚の事を考えて欲しいなんて思っている。ミレーニアは17歳のぴちぴち美少女だぞ?なんで身の丈ほどの大剣を振り回すかな??
南のハンターの第一席は「狂犬」でこれも孫だ。可愛い顔をしている癖に、性格がカリウス父さんに似ているレジェット。ちなみに家に住み込んでいて、「フローラ母さんがいないカリウス父さん」みたいな壊れっぷりだ。やばい、保護しないと危険すぎる。
でも最近来た男の子が気になるようでこっそり覗き見てる。その子が大物である事を切に願っている。
「さんきゅー!ジジィ!肉食えよ!」
「フランちゃんもまたねー」
「じちゃま、ありがとねー」
孫たちは騒々しくやってきて、騒々しく帰って行く。お土産の高級肉やら、野菜やらをどっさりおいていくからこんなに食べきれないっつーの。
「んふふー今日はカレェでも作りましょうかねー」
ウキウキとフランが食材を持って台所に消える。結局俺はフランとずーっと一緒に暮らしている。最近は料理作りにハマっていて、なかなか上手い。
「なーフラン。お前誰かと結婚してさ」
「お?私と結婚する気になりましたか?リーヤ!式はやはり6月が最近の流行ですよね」
「いや、俺じゃなくて……」
「またそれですか~。まあ挨拶みたいなもんですかねえ。このやり取りは」
そうなんだ、ほぼ毎日言ってるんだ。俺はフランが誰か良い女性と結婚してフランの子供を見たいなとずっと思っている。でもフランはあの調子で、俺以外と結婚はしないと言い続けている。
「ジジィ同士で結婚してどうするんだ」
「リーヤならまだイケますよ、ウェディングドレス!ユバルでね、人気のドレス職人がいまして。毎年注文しているんですがねー。いつ着てくれますかね?」
「毎年!?お前何やってんの!?俺はウェディングドレスなんて着ねえし!?」
馬鹿がいる!本物の馬鹿がいる!!
「やだやだー!着てくれなきゃヤダー!!」
「ヤダじゃねえよ!てかその毎年注文してるウェデングドレスどうしてんの??まさか全部取っておいてるわけじゃねえよな!?」
流石にそんなことしませんよ、とちょっと馬鹿にした顔で見られたので俺は存外にむっとする。馬鹿はお前だ俺じゃない!
「教会に寄付してます。教会で結婚式を挙げる時にちょっと着てみたい人が着たり。古くなったらほどいて色々な物になってバザーなんかで売ってるみたいです。結構評判いいんですよ」
「あ……そうなんだ」
流石元名君、色々考えてたようだ。
「でも俺、お前の子供の顔が見てみたいんだよ」
「お?ヤります!?ちょーっと足腰に自信がないですが、頑張りますよ、婚前交渉!えーと強壮剤はどこかなー?」
「フラン、だから俺じゃなくてな……」
ジジィ同士だっつってんだろ!今更子供なんて出来るか!
「リーヤなら出来ますって!」
んな訳ないだろ!
「そうか」
俺はいつの間にか年齢的にも家族構成的にもジジイになっていた。それでもまだ生やしたりくっつけたりできる。おいおい神様、俺を働かせすぎだろう?なんて思ったが、孫共がどうもひいじいさん達の血を濃く引いてしまってやんちゃすぎる。
「じちゃま!やべえ!レオヴァルトの足が食われた!」
「ジジィ!早く助けてくださいおねがいしますーー!痛いですーー!」
「お前ら、ジジィを働かせるんじゃない!」
「赤ヴァルだー血まみれ!アハハ」
「フラン!笑ってる場合か!布もってこい!」
王都とフローラ村の中間でのんびり暮らしていたのに、試練の洞窟で暴れ回る孫共のせいでフローラ村に引っ越すことを余儀なくされてしまった。
「だってさー遠いとミレーニア死にそうだったし」
「そうなのよねーもう肩までバクッと食われたからねえ!」
笑い事じゃないぞ、孫たちよ。俺がいるからって油断してやられてるんだろう?本当に困ったやつらだ。
北ハンターの第一席に与えられる称号は「獅子頭」、それを今は孫のミレーニアが持っているがそろそろ婚約者などを見つけて結婚の事を考えて欲しいなんて思っている。ミレーニアは17歳のぴちぴち美少女だぞ?なんで身の丈ほどの大剣を振り回すかな??
南のハンターの第一席は「狂犬」でこれも孫だ。可愛い顔をしている癖に、性格がカリウス父さんに似ているレジェット。ちなみに家に住み込んでいて、「フローラ母さんがいないカリウス父さん」みたいな壊れっぷりだ。やばい、保護しないと危険すぎる。
でも最近来た男の子が気になるようでこっそり覗き見てる。その子が大物である事を切に願っている。
「さんきゅー!ジジィ!肉食えよ!」
「フランちゃんもまたねー」
「じちゃま、ありがとねー」
孫たちは騒々しくやってきて、騒々しく帰って行く。お土産の高級肉やら、野菜やらをどっさりおいていくからこんなに食べきれないっつーの。
「んふふー今日はカレェでも作りましょうかねー」
ウキウキとフランが食材を持って台所に消える。結局俺はフランとずーっと一緒に暮らしている。最近は料理作りにハマっていて、なかなか上手い。
「なーフラン。お前誰かと結婚してさ」
「お?私と結婚する気になりましたか?リーヤ!式はやはり6月が最近の流行ですよね」
「いや、俺じゃなくて……」
「またそれですか~。まあ挨拶みたいなもんですかねえ。このやり取りは」
そうなんだ、ほぼ毎日言ってるんだ。俺はフランが誰か良い女性と結婚してフランの子供を見たいなとずっと思っている。でもフランはあの調子で、俺以外と結婚はしないと言い続けている。
「ジジィ同士で結婚してどうするんだ」
「リーヤならまだイケますよ、ウェディングドレス!ユバルでね、人気のドレス職人がいまして。毎年注文しているんですがねー。いつ着てくれますかね?」
「毎年!?お前何やってんの!?俺はウェディングドレスなんて着ねえし!?」
馬鹿がいる!本物の馬鹿がいる!!
「やだやだー!着てくれなきゃヤダー!!」
「ヤダじゃねえよ!てかその毎年注文してるウェデングドレスどうしてんの??まさか全部取っておいてるわけじゃねえよな!?」
流石にそんなことしませんよ、とちょっと馬鹿にした顔で見られたので俺は存外にむっとする。馬鹿はお前だ俺じゃない!
「教会に寄付してます。教会で結婚式を挙げる時にちょっと着てみたい人が着たり。古くなったらほどいて色々な物になってバザーなんかで売ってるみたいです。結構評判いいんですよ」
「あ……そうなんだ」
流石元名君、色々考えてたようだ。
「でも俺、お前の子供の顔が見てみたいんだよ」
「お?ヤります!?ちょーっと足腰に自信がないですが、頑張りますよ、婚前交渉!えーと強壮剤はどこかなー?」
「フラン、だから俺じゃなくてな……」
ジジィ同士だっつってんだろ!今更子供なんて出来るか!
「リーヤなら出来ますって!」
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