43 / 46
43 シシリーちゃん相談が
しおりを挟む
「シシリーちゃん、相談があるんじゃが」
「お爺様?どうなさったのですか?」
わが国の皇帝はお父様ですが、お爺様は未だに大きな権限を持っていて、お父様はちょっとお飾りっぽい所がございます。そのお爺様によばれて、お爺様の執務室へ向かうと何故かやはりギルマルド様が先におられました。何故?
「あ、シシリー様。先ほどまでシシリー様の可愛さについて前陛下と熱く語り合っていた所なのですよ!」
「うむ!やはりギルマルド殿はひとかどの人物!シシリーの良さをよく分かっておられる素晴らしき御仁!シシリーの婿に相応しい方だ!」
「ははは、若輩者のわたくしですが、シシリー様の為ならばたとえ火の中水の中ですぞ!」
「頼もしい婿殿じゃあ!」
嫌だわ、ギルマルド様がいつの間にかお爺様に取り入っていらっしゃる。それに婿ってなんですか?一応私が向こうの国にお嫁に行く立場だったはずです。今はちょっと疲れて帰ってきているだけですわよ?でもお爺様はにこにこ、にこにこ。この方がこの笑顔は何かとんでもない事を言い出す予兆です。帰りたい、お部屋に帰って閉じこもりベッドに飛び込んですべて忘れて眠りたい。
「シシリーや。ギルマルド殿を王配とし、お前が次期皇帝になるのじゃ」
嫌でございます、そんな面倒くさい事。
この国の影の最高権力者にそう言われて「嫌です、ホホホ」とはさしもの私も言える事ではありません。勿論可愛い孫娘だとしても「いやだわあ、お爺様ったらそんな冗談を」なんて軽くも言えないのよ。笑いながらもお爺様の目が冷たく光っていたのを私は見逃さなかったんだから……。
まず、ギルマルド様が優秀なのがいけないわ。彼はちょっと変態でしつこくてどうもよくない気質の持ち主なんだけど、その良くない気質が発揮されるのが私だけって言うのが更に良くないのよね。私以外には非常に優秀な方なんですもの。
それからアンソニー王太子がしくじったのが痛いわ。まあその辺に関しては私が悪いのだろうけれど。ルーナさんがまさかあそこまでやる気のないダメ人間だとは思わなかったのよ。きっと彼女は楽してモテモテになりたい人なんでしょう。努力とか全くしたくないタイプね。ゲームみたいにちょちょいのちょいで賞賛を得ようとしていたんだわ。
この世界、そんなに甘くないわよ。まあそんなルーナの尻をひっぱたいても修業させられなかったアンソニー王太子も悪いわよね。それにルーナにばっかりかまけてアレクシア様にあんな仕打ちをしたのは許せないし。
それよりお兄様達だわ!せっかく聖騎士の称号を受けたはずなのに、どうして色々してないの!?というか……その辺はギルマルド様が悪いのよね。あの方とあの方の騎士団が強すぎるから、お兄様達が倒して賞賛を得るべきの魔獣退治とかを片っ端からやっちゃってるのが悪いんだわ……。あら?魔獣退治は私が連れて行って欲しいってお願いした事だったかしら?……気のせいね。
まあどちらにしろ、私がお爺様の目に止まっちゃったのがいけないんだわね……どうしようかしら、次期皇帝?そんな面倒な事したくないわ……。
「お爺様?どうなさったのですか?」
わが国の皇帝はお父様ですが、お爺様は未だに大きな権限を持っていて、お父様はちょっとお飾りっぽい所がございます。そのお爺様によばれて、お爺様の執務室へ向かうと何故かやはりギルマルド様が先におられました。何故?
「あ、シシリー様。先ほどまでシシリー様の可愛さについて前陛下と熱く語り合っていた所なのですよ!」
「うむ!やはりギルマルド殿はひとかどの人物!シシリーの良さをよく分かっておられる素晴らしき御仁!シシリーの婿に相応しい方だ!」
「ははは、若輩者のわたくしですが、シシリー様の為ならばたとえ火の中水の中ですぞ!」
「頼もしい婿殿じゃあ!」
嫌だわ、ギルマルド様がいつの間にかお爺様に取り入っていらっしゃる。それに婿ってなんですか?一応私が向こうの国にお嫁に行く立場だったはずです。今はちょっと疲れて帰ってきているだけですわよ?でもお爺様はにこにこ、にこにこ。この方がこの笑顔は何かとんでもない事を言い出す予兆です。帰りたい、お部屋に帰って閉じこもりベッドに飛び込んですべて忘れて眠りたい。
「シシリーや。ギルマルド殿を王配とし、お前が次期皇帝になるのじゃ」
嫌でございます、そんな面倒くさい事。
この国の影の最高権力者にそう言われて「嫌です、ホホホ」とはさしもの私も言える事ではありません。勿論可愛い孫娘だとしても「いやだわあ、お爺様ったらそんな冗談を」なんて軽くも言えないのよ。笑いながらもお爺様の目が冷たく光っていたのを私は見逃さなかったんだから……。
まず、ギルマルド様が優秀なのがいけないわ。彼はちょっと変態でしつこくてどうもよくない気質の持ち主なんだけど、その良くない気質が発揮されるのが私だけって言うのが更に良くないのよね。私以外には非常に優秀な方なんですもの。
それからアンソニー王太子がしくじったのが痛いわ。まあその辺に関しては私が悪いのだろうけれど。ルーナさんがまさかあそこまでやる気のないダメ人間だとは思わなかったのよ。きっと彼女は楽してモテモテになりたい人なんでしょう。努力とか全くしたくないタイプね。ゲームみたいにちょちょいのちょいで賞賛を得ようとしていたんだわ。
この世界、そんなに甘くないわよ。まあそんなルーナの尻をひっぱたいても修業させられなかったアンソニー王太子も悪いわよね。それにルーナにばっかりかまけてアレクシア様にあんな仕打ちをしたのは許せないし。
それよりお兄様達だわ!せっかく聖騎士の称号を受けたはずなのに、どうして色々してないの!?というか……その辺はギルマルド様が悪いのよね。あの方とあの方の騎士団が強すぎるから、お兄様達が倒して賞賛を得るべきの魔獣退治とかを片っ端からやっちゃってるのが悪いんだわ……。あら?魔獣退治は私が連れて行って欲しいってお願いした事だったかしら?……気のせいね。
まあどちらにしろ、私がお爺様の目に止まっちゃったのがいけないんだわね……どうしようかしら、次期皇帝?そんな面倒な事したくないわ……。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
915
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる