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ざまぁ後の阿呆王子
14 メイド・ハミィのご褒美
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「……」
ないわ、ない!昨日のアレはない!何!何なの!
「分かった!きっと夢だ!ははは!そりゃそうだ」
何で俺が変態ストーカー男を受け入れる?!そんな訳ない!絶対ない!しかし今日はいつもにもまして大量のふよふよ達が俺を取り囲んで慰めてくれる。
このふよふよ達はいったいどこから来るんだろうな?
それよりも
「夢なのにぃ……」
ベッドの上で顔を覆う。体中に散らばる無数の吸いつかれて赤くなった跡とか、無理な体勢を取っていたせいで痛む股関節とか、尻の違和感とか……着ていた夜着が床に散らばっていて、素っ裸の自分とか……。
「うぇええ……」
泣きたい。と言うか泣いた。
「ナルジェル様……お目覚めですか……?きゃっ!」
起こしに来てくれたメイドが、悲鳴ではないが、声を上げる。うん、だよね。何があったか誰でも分かるよね……分かりたくないけど。いつもより程度が凄くましだけどね……。
「おはよう……ハミィ……ごめんね、何か拭く物を持ってきてくれる……?」
俺は顔を覆ったまま、メイドのハミィにそう伝えるしかなかった。
私はハミィ。西の塔に幽閉された元第二王子、アホのナルジェル様のメイドになった。皆んな皆んな顔を背ける中、親友のリナと一緒におずおずと手をあげると感謝されまくった。
そりゃそうだ。ナルジェル様といえば横暴、暴言暴力など最悪王子で、更に使用人のほぼ全員からアホ呼ばわりされるある意味パーフェクト駄目王子だ。
なんでそんなナルジェル様付きのメイドに立候補したかというと、先輩から押し付けられたこともある。給料も良かったこともある。でも1番理由は……。
「かっこいい……!」
ナルジェル様の美貌だ。真っ赤な燃えるような緋色の髪に、宝石のような緑の瞳。男性なのにシミひとつない白い肌に切れ長の目と高い鼻、形の良い赤い唇がバランス良く絶妙に配置されている。
背も高く長い手足が運動も大してしていないのにきれいな胴体にくっついている。
指も長く、手入れもしていないのに爪もきれいな形。黙っていれば最高に美しい。神様、ありがとうございます!と祈りたい気持ちが溢れてくる。
だが、一度動けば。素養のなさが滲みでる粗雑感。作法がなっていない粗暴。服装だけは一丁前だが、どうもしっくりこない。
性格の悪さが滲んだ笑顔。頭の中が悪い眼差し。口を開けば本当に王族か?と疑う程の言葉の汚さ。
何かあれば「俺は王子だぞ!」と身分をひけらかし、下のものに当たり散らす。最悪だ!
でも、私とリナはナルジェル様の顔が見たかった!それだけだった!!!
西の塔に捨てられたナルジェル様は、本人も仰るように
「中身が変わったんだ」
まるで違った。
あの冴え冴えとした美貌のまま、柔らかく笑うようになった。何度心臓が止まりそうになったか分からない!
あの顔で
「ありがとう。いつもすまないね、ハミィ」
死ぬ!名前呼ばれた!死ぬ!!リナと2人で死んだり。
「大丈夫?どこか痛いのかい?」
心配されて
「だ!大丈夫でしゅ!」
「良かった」
なんて生き返ったりしながら、お世話させていただいていた。はっきりいって優良すぎる職場だった。
しばらくして大事件が起こる。なんと私達の大天使ナルジェル様が襲われたのだ!最初に見つけた時の私の恐怖はいかばかりか、察して欲しい。
両手を縛りあげられ、喋ることも出来ず……辛うじて腰の辺りにだけ毛布をかけられた汚された美貌を見たとき。
何かが壊れて、何かが形作られた。何かとてつもなくしゅごいものが!!しゅごすぎた!!どうしたら良い?!答えはない!!
そしてこの憂い顔である。常にご褒美!ご褒美の宝石箱やー!!
ナルジェル様は不本意であらせられるのは分かっているのですが!ハミィは!ハミィはもうたまりませーーーん!!!
ないわ、ない!昨日のアレはない!何!何なの!
「分かった!きっと夢だ!ははは!そりゃそうだ」
何で俺が変態ストーカー男を受け入れる?!そんな訳ない!絶対ない!しかし今日はいつもにもまして大量のふよふよ達が俺を取り囲んで慰めてくれる。
このふよふよ達はいったいどこから来るんだろうな?
それよりも
「夢なのにぃ……」
ベッドの上で顔を覆う。体中に散らばる無数の吸いつかれて赤くなった跡とか、無理な体勢を取っていたせいで痛む股関節とか、尻の違和感とか……着ていた夜着が床に散らばっていて、素っ裸の自分とか……。
「うぇええ……」
泣きたい。と言うか泣いた。
「ナルジェル様……お目覚めですか……?きゃっ!」
起こしに来てくれたメイドが、悲鳴ではないが、声を上げる。うん、だよね。何があったか誰でも分かるよね……分かりたくないけど。いつもより程度が凄くましだけどね……。
「おはよう……ハミィ……ごめんね、何か拭く物を持ってきてくれる……?」
俺は顔を覆ったまま、メイドのハミィにそう伝えるしかなかった。
私はハミィ。西の塔に幽閉された元第二王子、アホのナルジェル様のメイドになった。皆んな皆んな顔を背ける中、親友のリナと一緒におずおずと手をあげると感謝されまくった。
そりゃそうだ。ナルジェル様といえば横暴、暴言暴力など最悪王子で、更に使用人のほぼ全員からアホ呼ばわりされるある意味パーフェクト駄目王子だ。
なんでそんなナルジェル様付きのメイドに立候補したかというと、先輩から押し付けられたこともある。給料も良かったこともある。でも1番理由は……。
「かっこいい……!」
ナルジェル様の美貌だ。真っ赤な燃えるような緋色の髪に、宝石のような緑の瞳。男性なのにシミひとつない白い肌に切れ長の目と高い鼻、形の良い赤い唇がバランス良く絶妙に配置されている。
背も高く長い手足が運動も大してしていないのにきれいな胴体にくっついている。
指も長く、手入れもしていないのに爪もきれいな形。黙っていれば最高に美しい。神様、ありがとうございます!と祈りたい気持ちが溢れてくる。
だが、一度動けば。素養のなさが滲みでる粗雑感。作法がなっていない粗暴。服装だけは一丁前だが、どうもしっくりこない。
性格の悪さが滲んだ笑顔。頭の中が悪い眼差し。口を開けば本当に王族か?と疑う程の言葉の汚さ。
何かあれば「俺は王子だぞ!」と身分をひけらかし、下のものに当たり散らす。最悪だ!
でも、私とリナはナルジェル様の顔が見たかった!それだけだった!!!
西の塔に捨てられたナルジェル様は、本人も仰るように
「中身が変わったんだ」
まるで違った。
あの冴え冴えとした美貌のまま、柔らかく笑うようになった。何度心臓が止まりそうになったか分からない!
あの顔で
「ありがとう。いつもすまないね、ハミィ」
死ぬ!名前呼ばれた!死ぬ!!リナと2人で死んだり。
「大丈夫?どこか痛いのかい?」
心配されて
「だ!大丈夫でしゅ!」
「良かった」
なんて生き返ったりしながら、お世話させていただいていた。はっきりいって優良すぎる職場だった。
しばらくして大事件が起こる。なんと私達の大天使ナルジェル様が襲われたのだ!最初に見つけた時の私の恐怖はいかばかりか、察して欲しい。
両手を縛りあげられ、喋ることも出来ず……辛うじて腰の辺りにだけ毛布をかけられた汚された美貌を見たとき。
何かが壊れて、何かが形作られた。何かとてつもなくしゅごいものが!!しゅごすぎた!!どうしたら良い?!答えはない!!
そしてこの憂い顔である。常にご褒美!ご褒美の宝石箱やー!!
ナルジェル様は不本意であらせられるのは分かっているのですが!ハミィは!ハミィはもうたまりませーーーん!!!
応援ありがとうございます!
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