1 / 5
1 憑依なのか何も覚えていない侯爵令嬢、婚約破棄される
しおりを挟む
お慕いしておりました……
強烈に強い悲しみの感情だけが残っていた。
「エリーゼ・シュトラウス! この後に及んでまだそのような演技を!」
「いてて!な、何よ、痛いじゃない!……ん?」
「エリーゼ……?」
私は誰かに腕を引っ張られて、立たされた。痛いっつーの!
「ここ、どこ?」
私はキョロキョロと辺りを見回す。凄い高そうなドレスの女性たち。負けず劣らず高そうな正装の男性。ダンス会場?いや、周りもめちゃくちゃ豪華だし、え?何?? 城?? どっかの豪邸??
「しらばっくれるな! エリーゼ・シュトラウス!」
私の目の前には、一段と豪華な金髪の若い男。歳は18かな? 私より断然若い学生さん? それになんとも下品によりそう女が一人。胸元がガバッと空いてスカスカしてる。胸がないのに無理矢理セクシーな服を着た感じの痛い奴。
「ここ、どこ? ところで腕が痛いから離してくれる? えーと、誰?」
私の腕を掴んでいる同じ位の学生さんに言ってみる。
「ふざけるのも大概にしろ! エリーゼ・シュトラウス侯爵令嬢! いや、令嬢などと呼ぶのもおこがましいわ!」
「誰? 私は門倉絵里ですけど?」
私は門倉絵里、28歳独身。彼氏いない歴5年辛い。
「ふざけるな!!」
「??」
私はどうやらエリーゼ・シュトラウス侯爵令嬢の中に入ってしまったようだ。
しかも婚約破棄の断罪の真っ最中に!!
「信じていただけないかもしれませんが何もさっぱり分からないので……」
「ぐっ!」
目の前で唸る金髪はヨハン・ゼルトニア第三王子。エリーゼの婚約者だった男だ。
「ともかく! 婚約破棄はさせて貰う! そしてこのルシール・アライン子爵令嬢と新たに婚約をする物とする!」
ざわっと会場が揺れる中、私は思わず口を開いてしまった。
「へえ、随分結婚相手の爵位落ちるけど良いんだ? 侯爵家ってだいぶ上で、子爵って下だよね?」
ざわ、ざわ……会場が揺れた! あ、やばっ言っちゃ駄目なことだった?!?!
「ぐっ! うるさい! わたしたちは愛し合っているんだ!」
「愛し合っているねぇ……今、婚約破棄されたってことはさ。ついさっきまで婚約者だったんでしょ? 婚約者がいたのに愛し合ってたの? 不味くない?? 浮気?! 結婚前から浮気なの!?!? サイテー!」
会場がまた揺れた。やばっ!
「うるさい! 黙れ黙れ!」
「うるさいばっかり。まあ浮気男と結婚なんてしたくないから良いけどさー。それにしても出来るの? 婚約破棄って。こう言うのって本で読んだけど家同士の何とかあるんじゃないの??」
ヨハン王子はまた詰まった。え? 何にも考えてないの? えーー!
強烈に強い悲しみの感情だけが残っていた。
「エリーゼ・シュトラウス! この後に及んでまだそのような演技を!」
「いてて!な、何よ、痛いじゃない!……ん?」
「エリーゼ……?」
私は誰かに腕を引っ張られて、立たされた。痛いっつーの!
「ここ、どこ?」
私はキョロキョロと辺りを見回す。凄い高そうなドレスの女性たち。負けず劣らず高そうな正装の男性。ダンス会場?いや、周りもめちゃくちゃ豪華だし、え?何?? 城?? どっかの豪邸??
「しらばっくれるな! エリーゼ・シュトラウス!」
私の目の前には、一段と豪華な金髪の若い男。歳は18かな? 私より断然若い学生さん? それになんとも下品によりそう女が一人。胸元がガバッと空いてスカスカしてる。胸がないのに無理矢理セクシーな服を着た感じの痛い奴。
「ここ、どこ? ところで腕が痛いから離してくれる? えーと、誰?」
私の腕を掴んでいる同じ位の学生さんに言ってみる。
「ふざけるのも大概にしろ! エリーゼ・シュトラウス侯爵令嬢! いや、令嬢などと呼ぶのもおこがましいわ!」
「誰? 私は門倉絵里ですけど?」
私は門倉絵里、28歳独身。彼氏いない歴5年辛い。
「ふざけるな!!」
「??」
私はどうやらエリーゼ・シュトラウス侯爵令嬢の中に入ってしまったようだ。
しかも婚約破棄の断罪の真っ最中に!!
「信じていただけないかもしれませんが何もさっぱり分からないので……」
「ぐっ!」
目の前で唸る金髪はヨハン・ゼルトニア第三王子。エリーゼの婚約者だった男だ。
「ともかく! 婚約破棄はさせて貰う! そしてこのルシール・アライン子爵令嬢と新たに婚約をする物とする!」
ざわっと会場が揺れる中、私は思わず口を開いてしまった。
「へえ、随分結婚相手の爵位落ちるけど良いんだ? 侯爵家ってだいぶ上で、子爵って下だよね?」
ざわ、ざわ……会場が揺れた! あ、やばっ言っちゃ駄目なことだった?!?!
「ぐっ! うるさい! わたしたちは愛し合っているんだ!」
「愛し合っているねぇ……今、婚約破棄されたってことはさ。ついさっきまで婚約者だったんでしょ? 婚約者がいたのに愛し合ってたの? 不味くない?? 浮気?! 結婚前から浮気なの!?!? サイテー!」
会場がまた揺れた。やばっ!
「うるさい! 黙れ黙れ!」
「うるさいばっかり。まあ浮気男と結婚なんてしたくないから良いけどさー。それにしても出来るの? 婚約破棄って。こう言うのって本で読んだけど家同士の何とかあるんじゃないの??」
ヨハン王子はまた詰まった。え? 何にも考えてないの? えーー!
772
あなたにおすすめの小説
殿下に婚約破棄されたわたくしに、新しい婚約者を教育してほしい? 良いですよ、全く頑張りませんけれど
kieiku
恋愛
つまり月給制で、アンジュ様が嫌だと言ったらその日はそれで終了。そういうことですよね。楽な仕事だわぁ。
駆け落ち後、後悔して元婚約者とよりを戻そうとしたが、自分だとわかって貰えなかった男の話
kieiku
恋愛
「愛した人の顔を忘れるはずがありません。あなたはザーシュとは似ても似つかない」
「そ、それはマリアに騙されて平民以下の暮らしをさせられたから!」
「そこが一番おかしいわ。ザーシュはマリアさんと真実の愛で結ばれていたの。たとえマリアさんが誰にでもわかるような嘘をついても、ザーシュは騙されていた。あれこそ愛よ。マリアさんがどんなあばずれでも、卑怯者でも、顔以外いいところのない女性でも、ザーシュは全て受け入れて、真実の愛を捧げたの」
「なっ……!?」
「おまえのような年増とは婚約破棄だ」と言われましたが、あなたが選んだ妹って、実は私より年上なんですよね
kieiku
恋愛
わたくしより若いって言いますけれど、何年生まれか言ってみてくださいな? ……あら、おかしいですわね?
婚約者だと思っていた人に「俺が望んだことじゃない」と言われました。大好きだから、解放してあげようと思います
kieiku
恋愛
サリは商会の一人娘で、ジークと結婚して商会を継ぐと信じて頑張っていた。
でも近ごろのジークは非協力的で、結婚について聞いたら「俺が望んだことじゃない」と言われてしまった。
サリはたくさん泣いたあとで、ジークをずっと付き合わせてしまったことを反省し、解放してあげることにした。
ひとりで商会を継ぐことを決めたサリだったが、新たな申し出が……
婚約破棄された悪役令嬢はヒロインの激昂を目の当たりにする
蛇娥リコ
恋愛
婚約発表するはずの舞踏会で婚約破棄された悪役令嬢は冤罪で非難される。
婚約破棄したばかりの目の前で、プロポーズを始めた王子に呆れて立ち去ろうとした悪役令嬢だったが、ヒロインは怒鳴り声を上げた。
一回書いてみたかった悪役令嬢婚約破棄もの。
酔って婚約破棄されましたが本望です!
神々廻
恋愛
「こ...んやく破棄する..........」
偶然、婚約者が友達と一緒にお酒を飲んでいる所に偶然居合わせると何と、私と婚約破棄するなどと言っているではありませんか!
それなら婚約破棄してやりますよ!!
悪役令嬢に相応しいエンディング
無色
恋愛
月の光のように美しく気高い、公爵令嬢ルナティア=ミューラー。
ある日彼女は卒業パーティーで、王子アイベックに国外追放を告げられる。
さらには平民上がりの令嬢ナージャと婚約を宣言した。
ナージャはルナティアの悪い評判をアイベックに吹聴し、彼女を貶めたのだ。
だが彼らは愚かにも知らなかった。
ルナティアには、ミューラー家には、貴族の令嬢たちしか知らない裏の顔があるということを。
そして、待ち受けるエンディングを。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる