溺愛魔王は優しく抱けない

今泉 香耶

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婚姻の儀

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「リーエン様……なんと、なんとお美しい……!」

 と、何故か親でもなんでもないのに感極まって泣きそうになっているのはコーバスだ。

 あれからリーエンは5つめの巡礼再チャレンジを行なって、つつがなく巡礼を終え、石扉の向こう側のことも「正しく忘れて」戻って来た。

 アルフレドが強引に彼女を抱いたため、翌日リーエンは使い物にならなくて巡礼の日程をずらした。最後の予備日を使うことになってしまったのは、リーエンにとっては誤算ではあった。おかげで、ヴィンスが「リーエン様にプレッシャーを与えてどうするんですか!」とアルフレドを怒り、また、禊の儀を行う魔族達には「魔王妃候補を魔王が抱き潰したせいで予定延期になった」という、間違ってもいない噂が流れてリーエンが恥ずかしい思いをしたため、また彼女は1人の時に「アルフレド様のバカ!」と怒ることにもなった。

 だが、そんなこんなで予定通り巡礼を終えたということで、あっという間に今日、結婚式を迎える。

「コーバス先生、ありがとうございます。先生の今日の装いもとても素敵ですね」

「ありがとうございます。立会人ともなると、それなりの恰好が求められましてね」

 結局、古い魔族語を問題なく使いこなせて、宣誓の文言をすぐに間違いなく読み上げられる高位魔族――高位ではない魔族は儀式をとりしきる側になる権利がない――というとそう多くなく、そのうちの何人かは「面倒くさい」だとか「魔王の結婚に興味がない」だとか「報酬次第」などと言い出すいかにも魔族らしい年寄連中だったため、あっけなくコーバスに決定したのだ。

「失礼いたします。リーエン様、花をお持ちしました」

 本来魔界の結婚式にブーケを持つという風習はなかったが、唯一リーエンが我儘を言って作ってもらった白い花束が届いた。魔界にしか咲かない花と人間界にも咲く花を半々に混ぜてもらい、彼女のドレスと似たミントグリーンのリボンで束ねてある。また、結い上げた髪にも花はあしらわれており、女中たちは「こんなに可憐な装いは見たことがない」とみな大喜びをしていた。

 余談だが、魔界でも社交界的なものがあってドレスを装うこともあるが、高位魔族の女性は基本的にサキュバスのように体のラインが出て露出が多めのドレスを選ぶことが多い。リーエンは知らないが、魔界のファッションリーダー的なものはやはりサキュバスなのだ。レーヴァンいわく「あいつらどうせ脱いだ方がすごいし、どうせファッションリーダーになってくれるなら、もっと布面積多めでお高く売れるドレスを着て欲しい」とのことだが、あまり装飾が好きではないリーエンが魔王妃になってしまうため、それに対しても「もっと金動かすような派手な女を魔王妃にして欲しかった」とぼやいている。

「これですべてご用意出来ましたね。少し時間はありますが、アルフレド様と合流して待ちましょう」

「わかりました……ふふ、先生、いつもより尻尾がピカピカな気がします」

「はい、普段はそんな手入れをしませんが、今日は特別なので」

 こんな会話が出来るほど、リーエンが魔界に慣れて来たことを実感して、コーバスは終始笑顔で彼女をアルフレドの元へ連れて行くのだった。 



 アルフレドは手早く準備を終えて――いつもより少しだけ立派な服に着替えるだけなので――参列者からの挨拶を受けていた。参列者の一部はもともと魔王城によく出入りしている者達だが、遠方から駆け付ける者も多い。特に、今回は「もしかしたら参列の高位魔族からも魔力を抽出をしていた可能性がある」という仮説が突然立てられたため、結婚式の数日前に突然「実験を兼ねるため出席してくれないか」という打診を多くの高位魔族に出し、参列者を増やした。おかげで、何十人もアルフレドが待機している執務室――こんな日なのにアルフレドもジョアンも待機の傍らやることが大量にあるのだ――にやって来ては声をかけて結婚式の間に行く……ということを繰り返している。

「アルフレド様。リーエン様をお連れしました」

「……!」

 恥ずかしそうに執務室に入って来るリーエンの姿を見て、アルフレドはぐっと言葉を一瞬堪えた。コーバスはそれを見て「可愛いだとか綺麗だとか咄嗟に言おうとしてしまったのだろう」と察した。実のところアルフレドの感情の振り切れ方はコーバスの予測を超えており、彼は「好きだ」と言いそうになったのを我慢していたのだが。

「リーエン、凄く、凄く似合っているぞ。綺麗でもあるし、可愛らしくもある。ああ、なんだ、本当に……もっと、こういうドレスを作ろう。いつもの装いも可愛らしいが、白いレースが似合う……それに、図書室で髪をまとめていた時も思ったが、後ろに束ねるのも可愛らしいな」

 あまりに具体的に褒められて、リーエンは困りながら

「ありがとうございます。あの、白いレースは……汚してしまうので……普段着にはちょっと……」

「そうか。それなら仕方ないな……いや、汚したら新しいものを作ればいいだろう……?」

「毎日選ぶのが大変なほどご用意していただいていますので、折角のご提案ですが今はお許しください。でも、次にドレスをオーダーする機会があれば、ちょっと白いレースを取り入れさせてもらいますね」

「そうしてくれ……うん。是非とも」

 アルフレドと共に執務室にいたジョアンは、その2人の会話を聞きながら「なんだこれは」とコーバスを見た。が、コーバスはただただリーエンを可愛らしく仕上げてもらったことへの喜びが持続しているようだ。にこにことその様子を眺めており、間抜けな会話を完全にスルーしている。

「アルフレド様も今日の装いはとても素敵ですね。わたしが今まで見た中で、一番華やかで……凛々しいお顔立ちに良くお似合いです。式には翼など出さないままで……本当のお姿でなくてもよろしいのですか?」

「ああ。あの姿でいるには服は邪魔なのでな」

 と話していると、また1人アルフレドにご挨拶を、と魔族がやって来たようだ。リーエンは椅子を用意してもらってアルフレドの隣に座り、初めて魔界での「公務」に似た形で高位魔族と会うことになった。これまでに会ったことも想像したこともない造形の魔族も多かったが、リーエンは幼い頃から母や姉の代わりに父に連れまわされた経験を活かして、そつなく笑顔で、だが、時々彼女らしい失敗をちょっとだけ交えつつ、結婚式までの時間を過ごした。



 結婚式の間にアルフレドとリーエンが入ると、参列者の視線が一気に集まった。ああ、なるほどヴェールがあればこの視線も少しは気にならないものなのかもしれない、花嫁がヴェールを被るという概念が魔界にはないようだったからやめたが、ヴェールをしたいと我儘を言えばよかったな……リーエンはそんなことを思いながら歩く。2人はただ並んで歩いて、祭壇前の階段の下で一度立ち止まる。

 祭壇には立会人であるコーバスと、式全体を取り仕切る高位魔族が立っている。それは禊の儀に参加していた魔族だったので、リーエンからすればまるで「いつも通り」の儀式にいるような気持ちになる。

「魔王アルフレド様の婚姻の儀を開始する。ここに集まるすべての者は魔界に対する忠誠と魔王アルフレド様への忠誠を心の中で誓うこと」

 実際は誓ってなんかいないんだけどな、と、儀式の説明を受けた時にアルフレドが他人事のように言っていたことを思い出して、リーエンは顔が緩みそうになるが必死に堪えた。

 進行役の魔族がいくつかの行為を参列者に求め、それに魔族達が従う間アルフレドとリーエンはただ黙って彼らに背を向けて立っている。重たいドレスにしなくてよかった、とリーエンが思う頃、ようやく「魔王アルフレド様と魔王妃候補リーエンは壇上に」と声がかかった。そこでも特にアルフレドがエスコートをするようなことはなかったが、彼はリーエンの歩調に合わせている。

「お2人の宣誓を」

 リーエンは自分の指にある、妖精界の王妃が作り出した指輪をちらりと見た。アルフレドにもリーエンにも、僅かな緊張が生まれる。

 立会人としてそこにいるコーバスは、小声で「いきますよ」と2人に囁いてから、古い魔族語でアルフレドが復唱をする文言を歌うように紡ぎだす。その文言を聞いて、それまで静かだった参列席がざわついた。古い魔族語を聞いたことがない者も多いはずだし、知っている者もまさかここでそれを聞くとは思っていなかったに違いない。

 アルフレドは流暢に文言を復唱する。次にコーバスはリーエンのための文言を読み上げた。練習のために何度も聞いたコーバスのその文言は1つもそれまでと違うことなく、この場だからと声を張り上げず、非常にいつも通りだった。リーエンはそれを嬉しく思いながら、彼女もまたいつも通り、彼と練習を繰り返した時のように文言を復唱する。その復唱後に立会人からの「宣誓を間違いなく受け取った」という文言、それから今後の魔界の繁栄を祈る文言が続いた。

「んっ!?」

 突然、参列者の1人が小さく声をあげた。が、周囲に「シッ」と嗜められる。それが、誰よりも魔力の流れに敏感な者から発された声だとわかれば、アルフレドもリーエンも「魔石に魔力が注入されたのだ」と理解しただろうが、残念ながら彼らはそれに気付かず、コーバスの言葉に集中をしていた。

「以上で、婚姻の儀は終了いたします。アルフレド様、リーエン様、ご退室を」

 2人はまたそれぞれ壇上から降りるはずだったのだが、アルフレドはリーエンに手を差し出す。リーエンは驚いて彼を見上げたが、すぐに小さく笑って素直に彼の手に自分の手を預けた。肘を差し出されるような人間界にあるエスコートをされたわけではないが、リーエンは充分に喜びを噛み締めながら一歩ずつ階段を下りた。

 魔族達はみな何を言うわけでもなく2人の退室を見守るだけだが、少なくとも人間型の魔族達の表情は柔らかいと感じてリーエンはほっとした。扉の前に設置された魔法陣の上に立ち、2人は参列者を振り返る。アルフレドは立場上そこで頭は下げず、彼に手をとってもらっているリーエンだけが参列者に頭を下げた。リーエンはあえて人間界での挨拶をしたが、幼い頃から体に叩き込まれていたその所作は美しく、あまりそういうことにうるさくない魔族達も「古き魔族語も流暢だったし、何より品が良さそうな魔王妃だ」とそれだけで噂になったと言う。



 さて、結婚式後着替えたリーエンは改めて居住エリアの魔族達に挨拶をし、正式に魔王妃になった報告をした。アルフレドは何をしているかといえば、参列した魔族達をもてなす場に顔を出し、面倒だが挨拶を受けていた。遠方から呼び寄せられた魔族も多いので、そういう者達に魔王城側からそれぞれにあった転移石が配布する場にもなっているという。

 アルフレドは既に多くの高位魔族当主と魔界召集の時に顔を合わせていたものの、今日はそれぞれの当主ではなく代理として引退した年寄連中が来ている場合もあって、若干そこは気を遣う。出入り自由で勝手に帰っても良いような気楽な場だったが、中には仕事の話も持ち出すものもいて、アルフレドは結局最後の1人が帰るまで付き合うことになってしまった。

「お疲れ様です」

 ようやくアルフレドがリーエンの元に来たのは夜。もしかしたらこのまま今日は会えないかもしれないと聞いていたリーエンは、すっかりいつでも眠れる状態でくつろいでいるところだった。魔界にはもともと結婚式という概念もなく、婚姻に関しては種族で考え方等も違うらしい。それゆえ、婚姻の儀を行ったその夜を初夜として特別視することもあまりないため、周囲も「アルフレド様は今日はお会い出来ないかも」と当然のように言っていた様子だ。

「遅くなった。きちんと夕食は食べたか」

「はい。もう、何もかもいつも通りです」

「そうだな。終わってしまえばどうということはない」

 アルフレドも既に湯あみを終えたようで、リーエンの夢で交わった時のように肩の力が抜けた格好だ。彼はソファに座るリーエンの隣に座って、小さな箱を見せた。

「あんなことがなければ本来交換する予定だった指輪だ。儀式で使えなかったが、これから持っていてくれると嬉しい」

 箱を開ければ、なんということのないシンプルなペアリングが光っている。石もなく、とりたててこれといったデザインもない。あのバングルのように、そういうシンプルな方が常に身に着けられるし良いだろう、とリーエンは思う。もともと彼女は宝石類で飾り立てることがあまり得意ではないし、シンプルであれば母の形見の指輪と共につけていても邪魔にならないとも思う。

「お揃いですね」

「ああ。そんなものをもったことはないが、そういうものなのだろう?」

「ふふ、そうですね。とても、人間界らしいです」

 アルフレドはリーエンの手をとって「どの指を測った?」と今更のことを言う。本当に魔界にはない風習を、魔界召集に来た女性のために取り入れたのだな、と思ってなんだかリーエンはそれを嬉しく思い、自分の薬指にはめてもらったリングを見ながら口端を緩めた。お返しに、とアルフレドの指に通せば、彼も満更でもなさそうに微かに微笑んだ。

「これで、ようやくお前は本当に俺の妻になって、俺はお前の夫になった。これからもよろしく頼む」

「こちらこそ。よろしくお願いいたします」

「明日、妖精界に行って例の指輪の魔石を確認してもらう。普段妖精界とはそう簡単に行き来出来るわけではないが、この時ばかりは例外なので、明日のうちにはさっさと戻ってこられるだろう。お前は明日はゆっくり休んで、明後日から少しばかり魔王妃の公務について引き続きコーバスに教えてもらうことになる」

「わたしに務まるでしょうか」

「問題ない。そもそも、何もしない魔王妃が多いのだ。お前には能力があると俺もコーバスも思ったので、少し手伝ってもらった方が魔界に慣れるだろうと思うのでな」

 能力がある、と評価されたことが嬉しくてリーエンはわかりやすく笑顔を見せて「頑張ります」と返した。実際、彼女が任せられるのは完成しきっていない魔界の地図――過去の地割れ以降地形が変わっているのに反映されていない――の制作だ。もともとそういったものに魔族は無頓着過ぎるので、彼女がうってつけと言えたのだ。それを行うことで各地の高位魔族のことも知ることが出来るし、とはいえ、人間である彼女をあまり魔族と会わせるのもよくないため、間には他の魔族が入ってくれるのだと言う。

「ところで……俺の妻は、今日は俺に抱かれてくれるのだろうか?」

「はっ、はいっ、あの、アルフレド様が、よければっ……」

 初夜なぞない、と聞いてはいたものの、一応の心構えは持っていた。翌日妖精界に行くことは聞いていたが、アルフレドのことだしもしかしたら求められるかもしれない、と。

 リーエンは頬を紅潮させ、ぎゅっと膝上で拳を作って身をすくませている。いざ、こうやって面と向かって求められるとやはり恥ずかしい。いや、これが普通のはずなのだが……とぐるぐる思いながらアルフレドの次の言葉を待つ。

「やっと。やっとだ。自分が自分である状態で、お前に触れて、お前を抱くことが出来るなんて。しかも夢の中ではなく、現実で」

「あっ……」

「お前に触れていいか。口付けていいか」

「そ、ういうことは、聞かないでいただけますと……助かります……」

「そうか……? 許可も得ずに勝手に触れて口付けるのは……今まで自分がお前にそうしてきてしまったことは、粗野だと思ったのだが……」

 アルフレドは「優しいセックスをするにはお断りが必要なのでは?」といささか的外れなことを思ったが、リーエンがそう言うならと、それ以上は聞かずに彼女の唇を求めた。湯あみ後の優しい芳香が香る彼女の体を引き寄せれば、ほどよい柔らかさと庇護欲をかきたてる小ささ――決してリーエンは小柄というわけではなく標準的な体格なのだが――にアルフレドの心がぞわりと揺れる。

「んっ、あ……あ……」

 2度、3度と角度を変えて口付けて。あまり深くまで求めないうちに、アルフレドはリーエンの体を抱き上げた。

「お前の体は、ちょうどいい。お前をこうやって抱き上げているのが当たり前のように、しっくりくるな」

「え……そう、そうでしょうか。よくわからないのですが」

「何度でもこうやって抱き上げることを許せ……」

 そう言ってもう一度口付けるアルフレド。リーエンは少しだけそれに慣れたのか、彼の唇が離れる時に追いかけるように彼の下唇を自分から食んで、いたずらをした子供のように可愛らしく笑った。

「待て、待て、リーエンもう一度今の……」

 口付けを、彼女からしたことなぞ今までなかった。その上、追っかけて来るなんて可愛らしいではないか。アルフレドは彼らしくもない慌てぶりで目を軽く見開き、リーエンを抱き上げたままもう一度、と強請った。

「えっ、や、嫌です……その、してくれ、と言われてするのは……恥ずかしいですもの」

「そうか。そういうものか……いや、それでもいいからしてくれ」

 そういうと、アルフレドはリーエンの返事も待たずにもう一度彼女に口付けた。仕方ないな、とばかりにリーエンは彼の唇が離れる瞬間に集中をして、彼女なりに頑張って先程のように彼の唇を追いかけ、可愛らしいキスをしようとした。が、どうも「やってくれ」と言われて意識をしてすると難しい。結果、先程のようにさりげなく出来ず、大胆に彼の下唇を食べるように大袈裟に咥えてしまう。

 ぱくっと彼の下唇を咥えた瞬間、リーエンは「うまくいかなかった」と思いつつ放して良いのかわからなくなってそのまま止まり、アルフレドも「何か違うな」と思いつつ困ったようなリーエンを見る。視線が合った途端、2人は顔を離して笑い出した。

「はは、はっ、はは、駄目だ、笑わせないでくれ」

「アルフレド様のせいです! ふふ、ふふ、あははっ……わたし、ふふっ、アルフレド様のお口を、食べてしまいました……うふふ……」

 2人はどうしようもない笑い声をあげながら寝室に行き、アルフレドはリーエンをベッドに横たえると同時に自分も彼女に覆いかぶさり、お互いにもつれあうようにごろごろとシーツを乱した。巡礼を終えたこと、結婚式を終えたこと……指輪の魔力注入についてはまだわからないが、ともかく、それらによって彼らの肩の荷が一時的に下りて気持ちが楽になっている。その上、ここまでの様々な問題は彼らに戦友同士のような達成感をもたらしたようで、少しの間お互いよくわからぬまま抱き合ってごろごろと動いて笑いあっていた。
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