22 / 37
第3部 元勇者の苦悩
再びの白骨宮殿
しおりを挟む
ラウドラウ迷宮第12層。
白骨宮殿。
そこは名ほどおぞましい場所ではない。
確かに骨を思わせるような白い曲線を描く構造物が、無数に組み合わさった壮大な建築物ではあるが、むしろ、安全地帯としてさらに深部を目指す冒険者にとっては、休憩場所になっていた。
変異種のジャイアントスパイダーが、巣を作るまでは。
立体的に複雑な構造の「白骨宮殿」はたしかに、蜘蛛型の魔物とは相性がよかったのだろう。
何組かのパーティが犠牲者を出し、ついにギルドも本腰を入れてこれに討伐を行った。
B級、次にA級。
いずれも失敗した。
さらに言えば、このときギルドは過ちを犯している。蜘蛛は、自ら学習し強大化することのできる進化能力を備えていたのだ。
順繰りの上のパーティを当てることで、ジャイアントスパイダーは冒険者相手の経験を積み、さらに賢く、さら強くなっていった。
S級・・・当時の最強ともくされた勇者パーティ「狼と踊る」までが失敗した。
(これは何度も触れているが、彼らが間抜けすぎたせいたっだ。途中に仮眠を含むビバークが何度か必要な12層に対し、食糧も水も用意せずに出発した彼らは現地にたどり着くことさえできなかったのだ)
事態を重く見たギルドは、白骨宮殿を危険区域として指定し、形ばかりの懸賞金をジャイアントスパイダーに対して賭けた。
冒険者たちはなけなしの報酬で、命を賭けるよりも白骨宮殿を迂回する道を選んだ。
かくして。
ラウドウラ迷宮は、今日も繁盛している。
「愚者たちは踊る」のメンバーをもう一度紹介しておこう。
まずリーダーは、サリア・アキュロン。C級冒険者だ。赤茶けた髪はぼさぼさしている。顔立ちは、見るものが見れば「美人」と言えるだろう。だが、大きな眼鏡をかけていることが多い。これは視力矯正ではなく、周りの魔素濃度、対峙した相手の魔力量を「見る」ことができるマジックアイテムだ。
彼女は、迷宮の攻略を専門にしている。魔物の生態や迷宮の行動、その変化などおそらく近隣の迷宮に彼女ほど詳しいものはいないだろう。「迷宮研究家」と揶揄されてはいるものの、その知識は、一部から頼りにされたりしているため、経済状況はC級冒険者にしては悪くない。
オルフェは元「勇者」だ。
女癖は極めて悪く、またプライドが高く、かつては幼なじみのルークの言うこと以外は耳を貸さないほどだった。
髪は一時期、勇者の伝承にあわせて金髪に染めていたがいまは、くすんだ褐色に戻っている。理容師にはとんと無縁になった現在は適当短く刈った髪に無精髭がトレードマークだ。もともとは勇者に相応しいバスターソードを振り回していたが、勇者の加護を失った結果、通常サイズの長剣を得物にしている。
S級からC級まで降格したスピードの国内記録保持者だ。
元「蛙」のメンバー。
優秀な斥候モールは十代の少女。すばしこく、またマッピングも正確だ。武器は吹き矢とスリングショット。
剣士のルモウドは、伊達男だ。常にキザたらしいセリフを吐く。剣の腕は確かで、使う長剣はなにがしかの付与が、かかった業物だ。
女魔術師はドルモという。色気のある唇が印象的な黒髪の魔術師は炎熱系の魔法を得意としている。最大出力だけならすぐにでもSクラスで活躍できそうだ。
もうひとり、僧侶のルーモも女性である。冷静沈着で、腕のいい治療師だった。
ただし「蛙」のメンバーは一人ずつしか出現することができない。「出入り」は瞬時なのだが、誰かに「観測」されているとできないとのことだった。
これにリティシア嬢が加わる。バロンド伯爵リティシア。
勘違いしてもらっては困るが、伯爵令嬢でも伯爵夫人でもない。れっきとした伯爵である。
美形で剣、魔法ともに王都でも屈指の達人として知られる。美貌と奇行でも名高いこの貴族は行く先々でトラブルを巻き起こすのが常であった。ついでに言ってしまうとオルフェと同じくらいに女癖が悪い。
サリアは思う。
王都の三奇人のうちふたりが同じパーティにいるというのは、奇跡的に間違っている。
「奇跡的」の使い方も間違っているが、そもそも「三奇人」も違っていた。
彼女の知っている三奇人は、ルークが国を救った英雄となり、第三王女の婚約者となる前のもの。
英雄であり、次期公爵のルークを奇人変人呼ばわりするのは、差し障りがあるので、三人めは別の人物に置き換わっている。
すなわち、「迷宮研究家」サリア・アキュロン。
つまり、このメンバーは王都の誰もが認める奇人変人が寄り集まったものであり、その意味では、メンバーにオルフェがいても、ああやっぱりね、で済まされてしまう、そんな面子なのであった。
---------------
サリアは、かつての勇者チームのような過ちは犯さなかった。
オルフェ自身も、反省とか学習のという言葉を知っていたとみえて、大きな背荷物に10日は持ちそう食力を下げてきたもので、むしろ一部を降ろさせた。
十二層までは、予定通り二回の睡眠を含む休憩で到着出来た。
この迷宮は、ここまではほぼ、「狩り尽くされた」迷宮であったため、優秀な斥候である彼らは、むしろ戦いを避けることすら用意であった。
十二層もまた、「白骨宮殿」意外は、ほぼマッピングが終わっている。
冒険者たちの関心は、むしろ、十三層より下にあった。
「懐かしきかな、白骨宮殿。」
立ち入り禁止の看板を、オルフェは感慨深げに見ていた。
「ここからが、俺のケチのつき始めだったんだな。」
「抜かせ、偽勇者。」
リティシアが罵った。
「おまえらが、そもそもこの層まで、たどり着くことも出来なかったことは、もう街中に知れている。」
オルフェは苦笑いを浮かべて、封印の鎖を超えた。
白骨宮殿までは、まだ距離がある。
うっかりそちら方面に迷い込まないための、立て札であり、鎖だった。
もう糸が張られている。
そう、最初に気がついたのはモールだった。
何も見えない空中で、彼女はぐるぐると手を回した。
何をしているのかと、一同が覗き込むと、手に僅かに半透明の糸が付着していた。
今、いく本もまとめて絡めたから、そう分かるだけで、一本一本はとても視認できるものではない。
目に見えない。体にへばりついてもそれ程違和感のない細い細い糸は、気がついたときには、四肢の自由を奪うほどになっている。
そういう、巧妙さをもって張り巡らされた細かい糸に、気がついたのは、白骨宮殿よりかなり手前であった。
「まず、わたしが行って様子を見てきます。」
と、モールが言った。
それは、斥候の役目でもあるのだが、リティシアが反対した。
蜘蛛の糸は、相手を絡めとるだけが、目的ではない。糸に触れたものの接近を察知する役目もある。
すでに、彼らのパーティの侵入は、察知された可能性が高かった。
それも「あり」ではあった。
彼らは、まだコンビネーションに確立できていない新米パーティであり、蜘蛛の勢力範囲が、実は白骨宮殿を超えて侵食していることが発見できただけでも、それはそれで一つの成果として、ギルドに報告を優先すべき事項である。
モールとリティシアの目が、同時に、サリアを見た。
これもリーダーの役目なのだろうが、サリアはいままでそんなことはしたことはない。
「あ、ええっと・・・どうしようかな。みんなの意見は・・・」
「わたしが先行します。」
「危ないから引き返そう。ギルトへの報告が先だ。」
「俺はどっちでもいいぞ。」
サリアは、苦悶にみちた表情をうかべ、モールを振り向いた。
「頼む。もう少し奥の様子が知りたい。その、できるだけ、危険のない方法で。」
「もちろんです!」
明るく答えて、モールは、通路の奥へと侵入していった。軽快な足取りではあるがそれだけに、装備は軽い。
足などはすね当てだけで、太もものかなりのところまで、肌をさらしていた。
「あれでいいのか、わたしは間違っていは」
サリアが苦悩の表情でそれを見送る。
「間違ってると思うぞ。」
意見を聞き入れてもらえなかったレディシアが、憤然とサリアを睨む。
「俺はどっちかわからん。」
元勇者はのほほんと、通路の奥に目をやっていた。
そのまま、半時間ほども過ぎただろうか。
斥候にでたモールは、息も絶え絶えに戻ってきた。
着ているものは、ボロボロ。露出した皮膚はなんともおぞましいミミズ脹れに覆われている。
熱もあるのか、焦点の合わない目をして、座り込む。と同時に、巨大な蜘蛛の頭部をユカに投げ出した。
「治療を・・・」
リティシアが頷いて治癒魔法を使おうとするのをモールが、とめた。
「ルモウドかドルモと交替させてください。治療は『中』でします。それよりも報告を。」
そう言った舌ももつれていた。
なんらかの毒に冒されていることは、間違いなかった。
「白骨宮殿の手前、王の戴冠通りまで行くと、もう巣で真っ白です。視界が確保出来ません。
切り払おうとしたとたんに、蜘蛛に襲われました。」
床においた蜘蛛の頭は、牛の頭部ほどの大きかがある。つまり蜘蛛は、牛なみの大きさがあるのだろう。
「で、それを、倒したんだな?
よくやった。これで任務達成ってわけだ。」
オルフェは、もちろん冗談でそう言っている。
「あの、白骨宮殿のなかに、このクラスの蜘蛛が何匹、何百匹いるのか、」
モールの息が荒くなってきた。喉が苦しそうにひゅうひゅうとなった。
「できれば引き換えして現状を報告し・・・・」
「全員、目を閉じて。」
サリアが命じた。
白骨宮殿。
そこは名ほどおぞましい場所ではない。
確かに骨を思わせるような白い曲線を描く構造物が、無数に組み合わさった壮大な建築物ではあるが、むしろ、安全地帯としてさらに深部を目指す冒険者にとっては、休憩場所になっていた。
変異種のジャイアントスパイダーが、巣を作るまでは。
立体的に複雑な構造の「白骨宮殿」はたしかに、蜘蛛型の魔物とは相性がよかったのだろう。
何組かのパーティが犠牲者を出し、ついにギルドも本腰を入れてこれに討伐を行った。
B級、次にA級。
いずれも失敗した。
さらに言えば、このときギルドは過ちを犯している。蜘蛛は、自ら学習し強大化することのできる進化能力を備えていたのだ。
順繰りの上のパーティを当てることで、ジャイアントスパイダーは冒険者相手の経験を積み、さらに賢く、さら強くなっていった。
S級・・・当時の最強ともくされた勇者パーティ「狼と踊る」までが失敗した。
(これは何度も触れているが、彼らが間抜けすぎたせいたっだ。途中に仮眠を含むビバークが何度か必要な12層に対し、食糧も水も用意せずに出発した彼らは現地にたどり着くことさえできなかったのだ)
事態を重く見たギルドは、白骨宮殿を危険区域として指定し、形ばかりの懸賞金をジャイアントスパイダーに対して賭けた。
冒険者たちはなけなしの報酬で、命を賭けるよりも白骨宮殿を迂回する道を選んだ。
かくして。
ラウドウラ迷宮は、今日も繁盛している。
「愚者たちは踊る」のメンバーをもう一度紹介しておこう。
まずリーダーは、サリア・アキュロン。C級冒険者だ。赤茶けた髪はぼさぼさしている。顔立ちは、見るものが見れば「美人」と言えるだろう。だが、大きな眼鏡をかけていることが多い。これは視力矯正ではなく、周りの魔素濃度、対峙した相手の魔力量を「見る」ことができるマジックアイテムだ。
彼女は、迷宮の攻略を専門にしている。魔物の生態や迷宮の行動、その変化などおそらく近隣の迷宮に彼女ほど詳しいものはいないだろう。「迷宮研究家」と揶揄されてはいるものの、その知識は、一部から頼りにされたりしているため、経済状況はC級冒険者にしては悪くない。
オルフェは元「勇者」だ。
女癖は極めて悪く、またプライドが高く、かつては幼なじみのルークの言うこと以外は耳を貸さないほどだった。
髪は一時期、勇者の伝承にあわせて金髪に染めていたがいまは、くすんだ褐色に戻っている。理容師にはとんと無縁になった現在は適当短く刈った髪に無精髭がトレードマークだ。もともとは勇者に相応しいバスターソードを振り回していたが、勇者の加護を失った結果、通常サイズの長剣を得物にしている。
S級からC級まで降格したスピードの国内記録保持者だ。
元「蛙」のメンバー。
優秀な斥候モールは十代の少女。すばしこく、またマッピングも正確だ。武器は吹き矢とスリングショット。
剣士のルモウドは、伊達男だ。常にキザたらしいセリフを吐く。剣の腕は確かで、使う長剣はなにがしかの付与が、かかった業物だ。
女魔術師はドルモという。色気のある唇が印象的な黒髪の魔術師は炎熱系の魔法を得意としている。最大出力だけならすぐにでもSクラスで活躍できそうだ。
もうひとり、僧侶のルーモも女性である。冷静沈着で、腕のいい治療師だった。
ただし「蛙」のメンバーは一人ずつしか出現することができない。「出入り」は瞬時なのだが、誰かに「観測」されているとできないとのことだった。
これにリティシア嬢が加わる。バロンド伯爵リティシア。
勘違いしてもらっては困るが、伯爵令嬢でも伯爵夫人でもない。れっきとした伯爵である。
美形で剣、魔法ともに王都でも屈指の達人として知られる。美貌と奇行でも名高いこの貴族は行く先々でトラブルを巻き起こすのが常であった。ついでに言ってしまうとオルフェと同じくらいに女癖が悪い。
サリアは思う。
王都の三奇人のうちふたりが同じパーティにいるというのは、奇跡的に間違っている。
「奇跡的」の使い方も間違っているが、そもそも「三奇人」も違っていた。
彼女の知っている三奇人は、ルークが国を救った英雄となり、第三王女の婚約者となる前のもの。
英雄であり、次期公爵のルークを奇人変人呼ばわりするのは、差し障りがあるので、三人めは別の人物に置き換わっている。
すなわち、「迷宮研究家」サリア・アキュロン。
つまり、このメンバーは王都の誰もが認める奇人変人が寄り集まったものであり、その意味では、メンバーにオルフェがいても、ああやっぱりね、で済まされてしまう、そんな面子なのであった。
---------------
サリアは、かつての勇者チームのような過ちは犯さなかった。
オルフェ自身も、反省とか学習のという言葉を知っていたとみえて、大きな背荷物に10日は持ちそう食力を下げてきたもので、むしろ一部を降ろさせた。
十二層までは、予定通り二回の睡眠を含む休憩で到着出来た。
この迷宮は、ここまではほぼ、「狩り尽くされた」迷宮であったため、優秀な斥候である彼らは、むしろ戦いを避けることすら用意であった。
十二層もまた、「白骨宮殿」意外は、ほぼマッピングが終わっている。
冒険者たちの関心は、むしろ、十三層より下にあった。
「懐かしきかな、白骨宮殿。」
立ち入り禁止の看板を、オルフェは感慨深げに見ていた。
「ここからが、俺のケチのつき始めだったんだな。」
「抜かせ、偽勇者。」
リティシアが罵った。
「おまえらが、そもそもこの層まで、たどり着くことも出来なかったことは、もう街中に知れている。」
オルフェは苦笑いを浮かべて、封印の鎖を超えた。
白骨宮殿までは、まだ距離がある。
うっかりそちら方面に迷い込まないための、立て札であり、鎖だった。
もう糸が張られている。
そう、最初に気がついたのはモールだった。
何も見えない空中で、彼女はぐるぐると手を回した。
何をしているのかと、一同が覗き込むと、手に僅かに半透明の糸が付着していた。
今、いく本もまとめて絡めたから、そう分かるだけで、一本一本はとても視認できるものではない。
目に見えない。体にへばりついてもそれ程違和感のない細い細い糸は、気がついたときには、四肢の自由を奪うほどになっている。
そういう、巧妙さをもって張り巡らされた細かい糸に、気がついたのは、白骨宮殿よりかなり手前であった。
「まず、わたしが行って様子を見てきます。」
と、モールが言った。
それは、斥候の役目でもあるのだが、リティシアが反対した。
蜘蛛の糸は、相手を絡めとるだけが、目的ではない。糸に触れたものの接近を察知する役目もある。
すでに、彼らのパーティの侵入は、察知された可能性が高かった。
それも「あり」ではあった。
彼らは、まだコンビネーションに確立できていない新米パーティであり、蜘蛛の勢力範囲が、実は白骨宮殿を超えて侵食していることが発見できただけでも、それはそれで一つの成果として、ギルドに報告を優先すべき事項である。
モールとリティシアの目が、同時に、サリアを見た。
これもリーダーの役目なのだろうが、サリアはいままでそんなことはしたことはない。
「あ、ええっと・・・どうしようかな。みんなの意見は・・・」
「わたしが先行します。」
「危ないから引き返そう。ギルトへの報告が先だ。」
「俺はどっちでもいいぞ。」
サリアは、苦悶にみちた表情をうかべ、モールを振り向いた。
「頼む。もう少し奥の様子が知りたい。その、できるだけ、危険のない方法で。」
「もちろんです!」
明るく答えて、モールは、通路の奥へと侵入していった。軽快な足取りではあるがそれだけに、装備は軽い。
足などはすね当てだけで、太もものかなりのところまで、肌をさらしていた。
「あれでいいのか、わたしは間違っていは」
サリアが苦悩の表情でそれを見送る。
「間違ってると思うぞ。」
意見を聞き入れてもらえなかったレディシアが、憤然とサリアを睨む。
「俺はどっちかわからん。」
元勇者はのほほんと、通路の奥に目をやっていた。
そのまま、半時間ほども過ぎただろうか。
斥候にでたモールは、息も絶え絶えに戻ってきた。
着ているものは、ボロボロ。露出した皮膚はなんともおぞましいミミズ脹れに覆われている。
熱もあるのか、焦点の合わない目をして、座り込む。と同時に、巨大な蜘蛛の頭部をユカに投げ出した。
「治療を・・・」
リティシアが頷いて治癒魔法を使おうとするのをモールが、とめた。
「ルモウドかドルモと交替させてください。治療は『中』でします。それよりも報告を。」
そう言った舌ももつれていた。
なんらかの毒に冒されていることは、間違いなかった。
「白骨宮殿の手前、王の戴冠通りまで行くと、もう巣で真っ白です。視界が確保出来ません。
切り払おうとしたとたんに、蜘蛛に襲われました。」
床においた蜘蛛の頭は、牛の頭部ほどの大きかがある。つまり蜘蛛は、牛なみの大きさがあるのだろう。
「で、それを、倒したんだな?
よくやった。これで任務達成ってわけだ。」
オルフェは、もちろん冗談でそう言っている。
「あの、白骨宮殿のなかに、このクラスの蜘蛛が何匹、何百匹いるのか、」
モールの息が荒くなってきた。喉が苦しそうにひゅうひゅうとなった。
「できれば引き換えして現状を報告し・・・・」
「全員、目を閉じて。」
サリアが命じた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
20
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる