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それは一輪の花のように
出来る?
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「それって、つまり……!」
「つまりそういうことなんだよねー」
テラーは髪を、風に靡かせながら笑う。笑ったと思えば瞳から光を消し、数えきれない量の氷の槍を私へ向かって飛ばしてくる。
「シエルトっ!」
なんとかシエルトで防ぐが、周りには他にも強い敵はたくさんいる。このままではきりがない。
「っ……はは、私たちはもう結構、『核』を奪われちゃってさー。ここまで話せるのも、個性の塊's補正? だから、普通じゃないの」
「テラー」
「ファイヤウェーブエクステンド」
「っ! フローズンウォール!」
氷の壁は瞬間的に溶かされていく。そして、ただの水となるのだ。それでもこの一瞬が、ここを乗りきるためには必要な時間であり、活用しなくてはならないものなのだ。
「で、Unfinishedを待ってたって訳。私たちだけじゃ、もうどうしようもなくてさ。――あいつを相手にするのは、正直限界」
テラーが視線をやった先にあるのは『何か』だ。黒い空に浮かぶ、さらに真っ黒な存在。それは私たちを見下ろし、そして、手のひらをこちらへ向けた。
「耐えてねアリアさん……!」
テラーは魔方陣を無数に産み出し、そこから多彩な攻撃を仕掛けていく。
炎、氷、水、土、風、雷、光、闇…………。
すべてが吸い込まれていく。全てが無に帰っていく。私でも読み取れるようなテラーの絶望や恐怖、焦りに身震いした。
「……とにかく、Unfinishedはお互いを探して。私たちはそのサポートすら危ういんだから。もしかしたらジュノンは……まだ大丈夫かもしれないけどっ」
テラーはそういいながら、私にいくつか万能薬を投げる。これでどうにか繋げと言うことだ。
「さてアリアさん? 君らUnfinishedの目的は……あの中だよ」
黒いなにか。それはすなわち、闇で。闇の中に、彼は囚われているというわけで。
「…………ディラン」
「さて、これからアリアさんにミッションを与えましょう。Unfinishedのメンバーを探して、メアスグランと詠唱すること」
「メアスグラン……? なんだ、それは」
「パーティーで唱えられる無属性魔法、かな。ま、言えばわかるよ。悪いようにはしない」
テラーは淡く光る瞳をこちらに向け、小さく尋ねる。
「出来る?」
「…………」
「私たちは敵になるかもしれない。もしも手に負えないようなら、私たちを殺してでも先に進むこと。全てを裏切ってでも先に進むこと。Unfinishedだけを信じて先に進むこと」
「そんな……っ」
「出来るよね?」
「……っ」
「……アリアさん、答えて。出来るよね?」
そうするしかないのか。これが地獄か。でも……ここに来るまでにも、たくさんのものを犠牲にした。今さら……いや、犠牲が大きすぎる。命だ。それが誰の命であろうと、命は平等。奪うのは……。
「……ま、個性の塊'sに? そう簡単に敵うとは思わないんでほしいんだけどね」
テラーは笑いながら短刀を取りだし、私に向かって襲いかかってくる。しかしそれは、私を安心させるためのものだ。本気ではない。それは、今まで個性の塊'sの戦いを見てきた私たちには、よく分かることだった。
「出来るでしょ?」
私は、その短剣を、剣で受けた。そして、しっかりと前を見据える。
「……やってみせるよ、テラー」
「それでこそマルティネス・アリア、Unfinishedの片腕って感じ?」
どこかからかうように笑いつつも、テラーは確かに私たちを信頼してくれていた。
「行って。他の場所で、他のメンバーも、同じことを言われてるはず。早く探して、手遅れになるまえに」
私は……走り出した。どちらへ? ……声がする方へ。仲間が呼ぶ声は、いつでも聞き取れる。
後ろからはテラーが追いかけてくる。無論それは『敵』として。……個性の塊'sがUnfinishedを信じたように、Unfinishedも、個性の塊'sを信じようじゃないか。
「王国の加護! セイントエレキテルッ!」
光魔法の威力をあげる。そして放った雷は、普通の人間ならばまぁ、かなり堪えるだろう。しかし、相手にしているのは個性の塊'sだ。この程度でくたばることなど……あるはずがない。
「……さっすが、不屈の精神の持ち主」
◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈
同じようなやり取りは、他の場所でもされていた。
「ってわけなんだぁー、だからね、私を倒していってほしいのー!」
「あ、アイリーンを倒すなんて、おいらたちにできるのかよ!」
「ポロンくんとスラちゃんなら出来るよー! 頑張ってー!」
また別の場所でも。
「わ、私とドラくん二人で……ですか?」
「いけるだろ! 少年少女!」
「我は少年という年でもないんだが……」
「行ってもらわなきゃ困るんだよねぇお姉さん。はい、行くの!? 行かないの!? イエス、オア、シュアー!」
そして一人は、それを眺めていた。
取り込まれずにいられた唯一の人間は、彼らを見下ろしながら、そっと息を吐いた。
「ほんと、頼むからね」
「つまりそういうことなんだよねー」
テラーは髪を、風に靡かせながら笑う。笑ったと思えば瞳から光を消し、数えきれない量の氷の槍を私へ向かって飛ばしてくる。
「シエルトっ!」
なんとかシエルトで防ぐが、周りには他にも強い敵はたくさんいる。このままではきりがない。
「っ……はは、私たちはもう結構、『核』を奪われちゃってさー。ここまで話せるのも、個性の塊's補正? だから、普通じゃないの」
「テラー」
「ファイヤウェーブエクステンド」
「っ! フローズンウォール!」
氷の壁は瞬間的に溶かされていく。そして、ただの水となるのだ。それでもこの一瞬が、ここを乗りきるためには必要な時間であり、活用しなくてはならないものなのだ。
「で、Unfinishedを待ってたって訳。私たちだけじゃ、もうどうしようもなくてさ。――あいつを相手にするのは、正直限界」
テラーが視線をやった先にあるのは『何か』だ。黒い空に浮かぶ、さらに真っ黒な存在。それは私たちを見下ろし、そして、手のひらをこちらへ向けた。
「耐えてねアリアさん……!」
テラーは魔方陣を無数に産み出し、そこから多彩な攻撃を仕掛けていく。
炎、氷、水、土、風、雷、光、闇…………。
すべてが吸い込まれていく。全てが無に帰っていく。私でも読み取れるようなテラーの絶望や恐怖、焦りに身震いした。
「……とにかく、Unfinishedはお互いを探して。私たちはそのサポートすら危ういんだから。もしかしたらジュノンは……まだ大丈夫かもしれないけどっ」
テラーはそういいながら、私にいくつか万能薬を投げる。これでどうにか繋げと言うことだ。
「さてアリアさん? 君らUnfinishedの目的は……あの中だよ」
黒いなにか。それはすなわち、闇で。闇の中に、彼は囚われているというわけで。
「…………ディラン」
「さて、これからアリアさんにミッションを与えましょう。Unfinishedのメンバーを探して、メアスグランと詠唱すること」
「メアスグラン……? なんだ、それは」
「パーティーで唱えられる無属性魔法、かな。ま、言えばわかるよ。悪いようにはしない」
テラーは淡く光る瞳をこちらに向け、小さく尋ねる。
「出来る?」
「…………」
「私たちは敵になるかもしれない。もしも手に負えないようなら、私たちを殺してでも先に進むこと。全てを裏切ってでも先に進むこと。Unfinishedだけを信じて先に進むこと」
「そんな……っ」
「出来るよね?」
「……っ」
「……アリアさん、答えて。出来るよね?」
そうするしかないのか。これが地獄か。でも……ここに来るまでにも、たくさんのものを犠牲にした。今さら……いや、犠牲が大きすぎる。命だ。それが誰の命であろうと、命は平等。奪うのは……。
「……ま、個性の塊'sに? そう簡単に敵うとは思わないんでほしいんだけどね」
テラーは笑いながら短刀を取りだし、私に向かって襲いかかってくる。しかしそれは、私を安心させるためのものだ。本気ではない。それは、今まで個性の塊'sの戦いを見てきた私たちには、よく分かることだった。
「出来るでしょ?」
私は、その短剣を、剣で受けた。そして、しっかりと前を見据える。
「……やってみせるよ、テラー」
「それでこそマルティネス・アリア、Unfinishedの片腕って感じ?」
どこかからかうように笑いつつも、テラーは確かに私たちを信頼してくれていた。
「行って。他の場所で、他のメンバーも、同じことを言われてるはず。早く探して、手遅れになるまえに」
私は……走り出した。どちらへ? ……声がする方へ。仲間が呼ぶ声は、いつでも聞き取れる。
後ろからはテラーが追いかけてくる。無論それは『敵』として。……個性の塊'sがUnfinishedを信じたように、Unfinishedも、個性の塊'sを信じようじゃないか。
「王国の加護! セイントエレキテルッ!」
光魔法の威力をあげる。そして放った雷は、普通の人間ならばまぁ、かなり堪えるだろう。しかし、相手にしているのは個性の塊'sだ。この程度でくたばることなど……あるはずがない。
「……さっすが、不屈の精神の持ち主」
◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈◈
同じようなやり取りは、他の場所でもされていた。
「ってわけなんだぁー、だからね、私を倒していってほしいのー!」
「あ、アイリーンを倒すなんて、おいらたちにできるのかよ!」
「ポロンくんとスラちゃんなら出来るよー! 頑張ってー!」
また別の場所でも。
「わ、私とドラくん二人で……ですか?」
「いけるだろ! 少年少女!」
「我は少年という年でもないんだが……」
「行ってもらわなきゃ困るんだよねぇお姉さん。はい、行くの!? 行かないの!? イエス、オア、シュアー!」
そして一人は、それを眺めていた。
取り込まれずにいられた唯一の人間は、彼らを見下ろしながら、そっと息を吐いた。
「ほんと、頼むからね」
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