発情期アルファ王子にクッキーをどうぞ
リーベント国第五王子ロイは庶民出身の第二公妾の母を持つ貧乏王子。リーベント国は農業が盛んで豊かな国。平和だが貴族や王族の権力争いが絶え間ない。ロイと母は、貴族出身の正妃と第一公妾、その王子王女たちに蔑まれて過ごしていた。ロイの唯一の支えは、いつか国を脱出し母と小さな洋菓子店を開き暮らすこと。ある日、ロイが隣国アドレアに友好のため人質となることが決定される。国王の決定には逆らえず母をリーベントに残しロイは出国する。
一方アドレア国では、第一王子ディモンがロイを自分のオメガだと認識したためにロイをアドレアに呼んでいた。現在強国のアドレアは、百年前は貧困の国だった。当時の国王が神に救いを求め、卓越した能力を持つアルファを神から授かることで急激な発展を実現した国。神の力を持つアルファには獣の発情期と呼ばれる一定の期間がある。その間は、自分の番のオメガと過ごすことで癒される。アルファやオメガの存在は国外には出せない秘密事項。ロイに全てを打ち明けられないまま、ディモン(ディー)とロイは運命に惹かれるように恋仲になっていく。
ロイがアドレアに来て二年が過ぎた。ロイは得意の洋菓子でお金稼ぎをしながら、ディーに守られ幸せに過ごしていた。そんな中、リーベントからロイの母危篤の知らせが入る。ロイは急いで帰国するが、すでに母は毒殺されていた。自身も命を狙われアドレアに逃避しようとするが、弓矢で射られ殺されかける。生死をさ迷い記憶喪失になるロイ。アドレア国辺境地集落に拾われ、シロと呼ばれ何とか生きて行く。
ディーの必死の捜索により辺境地でロイが見つかる。生きていたことを喜び、アドレア主城でのロイとの生活を再開するディー。徐々に記憶を取り戻すロイだが、殺されかけた記憶が戻りパニックになる。ディーは慈しむような愛でロイを包み込み、ロイを癒す。
ロイが落ち着いた頃、リーベント国への友好訪問をする二人。ディーとリーベント国王は、王室腐敗を明るみにして大掛かりな粛清をする。これでロイと幸せになれる道が開けたと安堵する中、信頼していた親代わりの執事にロイが刺される。実はロイの母を殺害したのもこの執事だった。裏切りに心を閉ざすロイ。この状態ではアルファの発情期に耐えられないと思い、発情期を一人で過ごす決意をするディー。アルファの発情期にオメガが居なければアルファは狂う。ディーは死を覚悟するが、運命を共にしようと言うロイの言葉を受け入れ、獣の発情期を共にする。狂ったような性交のなかにロイの愛を感じ癒されるディー。これからの人生をロイと過ごせる幸福を噛みしめ、ロイを守るために尽くすことを心に誓う。
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