===とある乞食の少女が謳う幸福論===

金銭の単位と同じ名《めい》を名付けられたその少女は、街中を徘徊する乞食であった。

――ある日少女は、葦の群生地に溜まった水たまりで身を清めているところ、一人の身なりの良い貴族とばったり顔を突き合わせる。

貴族は非礼を詫び立ち去ったが――どういうわけか、その後も貴族は少女が水浴びをしているところへ、人目を忍び現れるようになった。

そしてついに、ある日のこと。
少女は貴族の男に誘われ、彼の家へ招かれることとなった。

貴族はどうやら、少女を家族として迎え入れるつもりのようだが――貴族には四人の妻がいた。

反対、観察、誘い、三者三様の反応で少女に接する妻たち。

前途多難な暗雲が漂う少女の行く先だが――暗雲は予想外の形で屋敷に滴れた。

騒然となる屋敷内。

明らかな他者による凶行。
屋敷内で、殺人が発生したのだ――。

被害者は、四人の妻の一人。
――果たして、少女の辿る結末は……?
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