そして還るもの

ローダンセと次の夢

Eternal Emotion

   お昼過ぎ、果南に連れられてやって来た喫茶店で私は東さんに会った。
ウェーブの掛かった柔らかいロングヘアーと、やや垂れ目が印象的な子だった。名前は聞いたことがあったけど、実物を見るのは初めて。しかも、同世代だったと初めて知った。
「あの鈴原さんと果南が知り合いだったなんて～不思議な縁もあるんですね～」どうやら言動も緩やかみたいだ。

「有名なスクールアイドルだってことは聞いていたけど、こんなに可愛い子だったなんて…」
「私をおだてても、出てくるのはサインくらいですよ～。あ、私にも鈴原さんのサインくださーいな～」
「いいよ。後ででいいかな？」
「あー！莉子、沙羅、私にもプリーズ！」
「もちろーん、ってそろそろ本題に入っていかないとね～。あのね…」

　※  ※  ※
私はとあるお願いをされた。期限は秋まで。

「沙羅、あんまり莉子を困らせないでね？」
「知ってるよ～、今、最強の3人衆で何かやってるんでしょ～？」
「最強？最高って言ったでしょう？それに、なにかって、昨日電話したよね？」
「聞いてた～知ってる～」
「もう！」
　こんなにおっとりした感じのこの子だけど、スクールアイドルの今井沙羅になると、性格まで変化してかなり熱い性格になって、動きにキレがかなり出るらしい。1年生ながらいきなりセンターに抜擢ばってきされて、有名になったのだとか。さらに近々行われるスクールアイドルの頂点を決める大会の優勝候補に既に今井さんたちの学校は挙げられているとかいないとか。

「果南の知り合いって、すごい人しかいないイメージだよね」
「そう？」
「人脈どうなってるの？」
「うーん、よくわかんない」
「もう…」
「私にとっては、莉子の才能と手際の良さの方が怖いけどね？」
「怖いって思ってたの？」
「怖いっていうか、なんか恐れ多く感じるんだよね～」
「もっと親近感持ってよ～！」

　夕方、自宅に帰った。持って帰って来た(持たされた) 服とか下着とかを見て両親には驚かれた。無理もないよね。
しかし、果南曰く、「まだまだ服のストックがあるからね」と言っていた。次があるとしたらまた持って帰ることになるよ、きっと。