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1章『村を作ろう』
6話『急な珍客①』
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神域での生活も半年を過ぎて大分慣れてきた頃、彼女は突然俺達の前に現れた。
その日俺は珍しく一人で一角馬に乗り大魔境の中を探索していた。
子煩悩ならぬ孫煩悩な創造神じいちゃんのお陰で手に入れた新たなスキル『創造』で新しく作った魔道具『立体型地図レーダー』を片手に大魔境を練り歩く俺だったが、突如、地図レーダーの端に今まで映し出されていなかった青色のマーカーが表示される。
青色のマーカーは俺に敵対心の無い又は敵対する可能性の無い者を表すマーカーである。
「青色のマーカーか。敵対心の無いこちらに友好的な者のようだけど、もう久しくあっていない人間だったりするのかな。……とりあえず行ってみるか」
俺は地図レーダー上の青マーカーが示す場所に向けて一角馬を走らせる。
件の場所に向かっている最中、片手に持っていた地図レーダー上の青色のマーカーの周囲に赤色のマーカーが群がりだしたことに気付く。
「まずいな。急がないと手遅れに成る可能性があるな。一角馬、出来るだけ急いでくれ!! 」
俺は一角馬の尻を思いっ切り叩いて一角馬を鼓舞し、進行速度を極限まで高める。
「やばいな。上手く生き延びていてくれよ!! 」
数分が経ち青色のマーカーが示していた場所の近くまでたどり着く。
しかし、青色のマーカーは最初に現れた場所から殆ど動いていない。
まさか、間に合わなかったなんて事ないよな。
俺は慎重に青色のマーカーへ近づいて行く。
そこには恐らく千年単位で生きているであろう大樹が堂々と立っていてその大樹の周りを囲む様に狼系の魔物達が何かに向かって吠えたり、攻撃を仕掛けたりしている。
俺は先ず、正面にいる数体の狼型魔物を殴り飛ばすと急いで魔物達が攻撃を加えていた場所に近づく。
そこには大樹の窪みがありその窪みの奥の方に身を抱えて丸まっている金髪の人らしきものが見えた。
「待ってろ!!今、助けるからな!! 」
「!?ふ、ふぇ~」
何だか窪みの方から間抜けな高い声が聞こえて来たが、今はそんなことはどうでも良い。
大樹の窪みを覆う様に『イージス』を発動し、その窪みを背に魔物たちに向かい拳を構える。
すると、狼型の魔物たちは俺の周囲を囲う様な配置を取り始める。
「この統率の取れた動きは……明らかに群れを指揮しているリーダー格の奴がいるな…………あいつか」
群れを警戒しながら慎重に群れを観察すると一体だけ他の狼型の魔物より一回り大きい個体がいる事に気付く。
「……あいつが、この群れのリーダーで間違いなさそうだな。『神眼』!! 」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(鑑定結果)
個体名:ガイアウルフ
等級:A級
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(鑑定結果)
個体名:アースウルフ
等級:B級
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その日俺は珍しく一人で一角馬に乗り大魔境の中を探索していた。
子煩悩ならぬ孫煩悩な創造神じいちゃんのお陰で手に入れた新たなスキル『創造』で新しく作った魔道具『立体型地図レーダー』を片手に大魔境を練り歩く俺だったが、突如、地図レーダーの端に今まで映し出されていなかった青色のマーカーが表示される。
青色のマーカーは俺に敵対心の無い又は敵対する可能性の無い者を表すマーカーである。
「青色のマーカーか。敵対心の無いこちらに友好的な者のようだけど、もう久しくあっていない人間だったりするのかな。……とりあえず行ってみるか」
俺は地図レーダー上の青マーカーが示す場所に向けて一角馬を走らせる。
件の場所に向かっている最中、片手に持っていた地図レーダー上の青色のマーカーの周囲に赤色のマーカーが群がりだしたことに気付く。
「まずいな。急がないと手遅れに成る可能性があるな。一角馬、出来るだけ急いでくれ!! 」
俺は一角馬の尻を思いっ切り叩いて一角馬を鼓舞し、進行速度を極限まで高める。
「やばいな。上手く生き延びていてくれよ!! 」
数分が経ち青色のマーカーが示していた場所の近くまでたどり着く。
しかし、青色のマーカーは最初に現れた場所から殆ど動いていない。
まさか、間に合わなかったなんて事ないよな。
俺は慎重に青色のマーカーへ近づいて行く。
そこには恐らく千年単位で生きているであろう大樹が堂々と立っていてその大樹の周りを囲む様に狼系の魔物達が何かに向かって吠えたり、攻撃を仕掛けたりしている。
俺は先ず、正面にいる数体の狼型魔物を殴り飛ばすと急いで魔物達が攻撃を加えていた場所に近づく。
そこには大樹の窪みがありその窪みの奥の方に身を抱えて丸まっている金髪の人らしきものが見えた。
「待ってろ!!今、助けるからな!! 」
「!?ふ、ふぇ~」
何だか窪みの方から間抜けな高い声が聞こえて来たが、今はそんなことはどうでも良い。
大樹の窪みを覆う様に『イージス』を発動し、その窪みを背に魔物たちに向かい拳を構える。
すると、狼型の魔物たちは俺の周囲を囲う様な配置を取り始める。
「この統率の取れた動きは……明らかに群れを指揮しているリーダー格の奴がいるな…………あいつか」
群れを警戒しながら慎重に群れを観察すると一体だけ他の狼型の魔物より一回り大きい個体がいる事に気付く。
「……あいつが、この群れのリーダーで間違いなさそうだな。『神眼』!! 」
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(鑑定結果)
個体名:ガイアウルフ
等級:A級
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(鑑定結果)
個体名:アースウルフ
等級:B級
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