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第10章 セントラル魔法学院
第189話 黒椿
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クリスの発言はその場にいる者達に大きな衝撃を与えた。何故ならば、優勝した直後に試合の感想を言うのではなく、全く関係のない自分達の今後について語ったからだ。それも学院を辞めて、冒険者に転向するという大胆不敵な内容だった。ちなみに学院に通いながらでも冒険者をすることは可能である。ではどうして学院を辞めることが分かったかというとその後に続く司会の質問により、発覚したのだった。
「ぼ、冒険者…………?学院の代表として来ているのに随分、大胆な発言ですね~……………一応お聞きしますがまさか、学院をお辞めになるなんてことは………………」
「はい、辞めますよ。これからは冒険者のみの活動をしていきたいと考えております」
「な、な、なんと!?せっかく優勝して学院の良いイメージアップに繋がるかと思いきや、大誤算!セントラル魔法学院にとって、これは大きな痛手ですな!」
司会がセントラル魔法学院の他のチームへと目を向けると皆、黙って悔しげな顔をしていた。おそらく、心中穏やかではないだろう。だが、彼らは黙ることしかできない。正々堂々と行われた勝負において、敗者に誰かを批判する権利などあろうはずがない。ましてや、同じ学院の勝者に向かってなど言語道断である。クリス達の主張を止めたいのなら、戦って勝てば良かっただけの話なのだ。まぁ、彼らにはその実力も資格もなかったのだが……………これは余談だがセントラル魔法学院の俺達以外の2チームは全員貴族である。
「痛手?そんなことはないでしょう。むしろ逆ですよ。仮に僕達がセントラル魔法学院は良いところだと嘘のアピールをすれば、それにすっかりと騙されて入学してしまった新入生や転校生が厳しい現実に打ちのめされてしまうかもしれません。そんなことになれば、学院のイメージは下がってしまいます」
「厳しい現実?それは一体なんでしょうか?」
「カンパル王国から近隣国へと流出する生徒の増加に伴う学院実績の低下、邪神災害による生徒の学ぶ姿勢の消極化、そして、これが最も根深い問題なのですが……………」
そこで一旦言葉を区切ったクリスは5秒ほど間を空けてから、再び口を開いた。
「学院内の貴族出身者による平民出身者への差別です」
「っ!?」
その瞬間、会場中が静まり返り、皆息を呑んでいた。優勝という輝かしい舞台において、まさか学院の膿の部分の話をされるとは誰もが思ってもみないことだった。そして、それは当然セントラル魔法学院の他の2チームもそうであり、観客達の目がそこへ向けられると彼らは全員、バツが悪そうにそっぽを向くことしかできなかった。
「差別は確かにあります。ですが、それは何もセントラル魔法学院だけに限ったことではありません。それがたとえ学院でなくても家族間で友人間でまたは同業者の間でもしかしたら存在しているかもしれません」
静かな会場にクリスの言葉が響く。それは皆が彼の言葉にしっかりと耳を傾けている証拠だった。
「しかし、それが仕方のないことだと諦め受け入れてはいけません。貴族だとか平民だとか関係ない。学院で同じクラスになった瞬間、同志なんです。40人がそのクラスに配属されたのは何か意味があるはずなんです。選別の方法が実力だとか運だとかももちろん関係ありません。たまたまこの広い世界のどこかで生まれ、こうして出会ったのは奇跡としか言いようがないんです。だから、貴族や平民なんていう、つまらないくくりで評価していないでちゃんとその人自身を見て下さい。絶対に分かり合える人がいるはずです」
気が付けば、そこはクリスの独壇場だった。皆が口を開けっ放しにして、驚き固まっている。だが、司会だけはそのプロ根性から、再起動を果たすと引き続き質問をしていった。
「仰ることはごもっともだとは思いますが、その発言は結局、学院のイメージを下げているだけでは?今のを聞いて、セントラル魔法学院に入学したいなんていう物好きはいませんよ」
「差別はどこの学院でもありますよ。それこそ、ここに参加している学院の皆さんに聞いてみて下さい。一体、何人がしっかりと目を見て、"そんなものはない"と断言できるのでしょうか?」
「そ、それは……………でも、一体何故そのようなことを」
「僕は貴族です」
「っ!?そ、それはどういう…………」
「とは言っても僕はかなりの変わり者かもしれません。なんせ幼少の頃から今に至るまで一度も生まれで人を差別したことがないのですから。あ、言っておきますがこれは自慢でもなんでもありませんよ。当然のことだと思っています。そんなことで優劣がつくのがおかしいと常々、疑問に感じていました。だから、何かキッカケが欲しかった。そんな時、僕達の元に特別講師の先生方がいらしたんです」
クリスが俺達へと目を向けると皆がつられるようにこっちを見てきた。クリスはその状態でこう続けた。
「こうして優勝し、なおかつこんな発言まで飛び出すぐらい成長できたのは全て先生方のおかげです……………最後になりましたが、ご紹介させて頂きます。僕達、"黒椿"の特別講師を務めて下さった、冒険者クラン"黒天の星"の方々です!!」
その時、会場全体がその日一番の盛り上がりを見せた。最後の最後までクリスのペースで進み、去り際に
「"黒天の星"の皆さんを迎え入れて下さったのは学院の理事長を務めるネバダ・クォーターです。ここまで好き勝手に言いましたが、最後にこれだけは言っておきます。彼が運営する学院は本来、とても素晴らしいものです。興味のある方は是非見学にでもいらして下さい」
と付け加えてから、舞台を降りていった。俺はといえば、クリスの成長に嬉しいものを感じると共に最後の部分に関しては完全に予想外だった為、やれやれという気持ちも湧いていた。クランメンバーを見てみると皆、一様に嬉しそうな顔をしていた。やはり、生徒の成長がとても心地よいのだろう。一方、生徒達もやりきった表情で次々に舞台を降りていった。観客も興奮冷めやらぬ中、帰り支度を始めていく。こうして、俺達にとって初めての竜闘祭が幕を閉じた。そして、ここから後日談に入る。あの後、"トレード"のギルドマスターから是非自分のところで冒険者登録をしてくれと打診があったらしく、クリス達はそれを快諾した。その際にクリス達の実力、それと器の大きさを鑑みて、全員をBランクにしてくれたらしい。その後すぐにクランを設立して、俺達の傘下にして欲しいと懇願された為、それを了承。ちなみにリーダーはクリスでクラン名は"黒椿"だ。学院側にも変化はあったらしく、それは後で聞くことになっている……………ともかく、みんなお疲れ様だ。
「ぼ、冒険者…………?学院の代表として来ているのに随分、大胆な発言ですね~……………一応お聞きしますがまさか、学院をお辞めになるなんてことは………………」
「はい、辞めますよ。これからは冒険者のみの活動をしていきたいと考えております」
「な、な、なんと!?せっかく優勝して学院の良いイメージアップに繋がるかと思いきや、大誤算!セントラル魔法学院にとって、これは大きな痛手ですな!」
司会がセントラル魔法学院の他のチームへと目を向けると皆、黙って悔しげな顔をしていた。おそらく、心中穏やかではないだろう。だが、彼らは黙ることしかできない。正々堂々と行われた勝負において、敗者に誰かを批判する権利などあろうはずがない。ましてや、同じ学院の勝者に向かってなど言語道断である。クリス達の主張を止めたいのなら、戦って勝てば良かっただけの話なのだ。まぁ、彼らにはその実力も資格もなかったのだが……………これは余談だがセントラル魔法学院の俺達以外の2チームは全員貴族である。
「痛手?そんなことはないでしょう。むしろ逆ですよ。仮に僕達がセントラル魔法学院は良いところだと嘘のアピールをすれば、それにすっかりと騙されて入学してしまった新入生や転校生が厳しい現実に打ちのめされてしまうかもしれません。そんなことになれば、学院のイメージは下がってしまいます」
「厳しい現実?それは一体なんでしょうか?」
「カンパル王国から近隣国へと流出する生徒の増加に伴う学院実績の低下、邪神災害による生徒の学ぶ姿勢の消極化、そして、これが最も根深い問題なのですが……………」
そこで一旦言葉を区切ったクリスは5秒ほど間を空けてから、再び口を開いた。
「学院内の貴族出身者による平民出身者への差別です」
「っ!?」
その瞬間、会場中が静まり返り、皆息を呑んでいた。優勝という輝かしい舞台において、まさか学院の膿の部分の話をされるとは誰もが思ってもみないことだった。そして、それは当然セントラル魔法学院の他の2チームもそうであり、観客達の目がそこへ向けられると彼らは全員、バツが悪そうにそっぽを向くことしかできなかった。
「差別は確かにあります。ですが、それは何もセントラル魔法学院だけに限ったことではありません。それがたとえ学院でなくても家族間で友人間でまたは同業者の間でもしかしたら存在しているかもしれません」
静かな会場にクリスの言葉が響く。それは皆が彼の言葉にしっかりと耳を傾けている証拠だった。
「しかし、それが仕方のないことだと諦め受け入れてはいけません。貴族だとか平民だとか関係ない。学院で同じクラスになった瞬間、同志なんです。40人がそのクラスに配属されたのは何か意味があるはずなんです。選別の方法が実力だとか運だとかももちろん関係ありません。たまたまこの広い世界のどこかで生まれ、こうして出会ったのは奇跡としか言いようがないんです。だから、貴族や平民なんていう、つまらないくくりで評価していないでちゃんとその人自身を見て下さい。絶対に分かり合える人がいるはずです」
気が付けば、そこはクリスの独壇場だった。皆が口を開けっ放しにして、驚き固まっている。だが、司会だけはそのプロ根性から、再起動を果たすと引き続き質問をしていった。
「仰ることはごもっともだとは思いますが、その発言は結局、学院のイメージを下げているだけでは?今のを聞いて、セントラル魔法学院に入学したいなんていう物好きはいませんよ」
「差別はどこの学院でもありますよ。それこそ、ここに参加している学院の皆さんに聞いてみて下さい。一体、何人がしっかりと目を見て、"そんなものはない"と断言できるのでしょうか?」
「そ、それは……………でも、一体何故そのようなことを」
「僕は貴族です」
「っ!?そ、それはどういう…………」
「とは言っても僕はかなりの変わり者かもしれません。なんせ幼少の頃から今に至るまで一度も生まれで人を差別したことがないのですから。あ、言っておきますがこれは自慢でもなんでもありませんよ。当然のことだと思っています。そんなことで優劣がつくのがおかしいと常々、疑問に感じていました。だから、何かキッカケが欲しかった。そんな時、僕達の元に特別講師の先生方がいらしたんです」
クリスが俺達へと目を向けると皆がつられるようにこっちを見てきた。クリスはその状態でこう続けた。
「こうして優勝し、なおかつこんな発言まで飛び出すぐらい成長できたのは全て先生方のおかげです……………最後になりましたが、ご紹介させて頂きます。僕達、"黒椿"の特別講師を務めて下さった、冒険者クラン"黒天の星"の方々です!!」
その時、会場全体がその日一番の盛り上がりを見せた。最後の最後までクリスのペースで進み、去り際に
「"黒天の星"の皆さんを迎え入れて下さったのは学院の理事長を務めるネバダ・クォーターです。ここまで好き勝手に言いましたが、最後にこれだけは言っておきます。彼が運営する学院は本来、とても素晴らしいものです。興味のある方は是非見学にでもいらして下さい」
と付け加えてから、舞台を降りていった。俺はといえば、クリスの成長に嬉しいものを感じると共に最後の部分に関しては完全に予想外だった為、やれやれという気持ちも湧いていた。クランメンバーを見てみると皆、一様に嬉しそうな顔をしていた。やはり、生徒の成長がとても心地よいのだろう。一方、生徒達もやりきった表情で次々に舞台を降りていった。観客も興奮冷めやらぬ中、帰り支度を始めていく。こうして、俺達にとって初めての竜闘祭が幕を閉じた。そして、ここから後日談に入る。あの後、"トレード"のギルドマスターから是非自分のところで冒険者登録をしてくれと打診があったらしく、クリス達はそれを快諾した。その際にクリス達の実力、それと器の大きさを鑑みて、全員をBランクにしてくれたらしい。その後すぐにクランを設立して、俺達の傘下にして欲しいと懇願された為、それを了承。ちなみにリーダーはクリスでクラン名は"黒椿"だ。学院側にも変化はあったらしく、それは後で聞くことになっている……………ともかく、みんなお疲れ様だ。
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