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第11章 軍団戦争
第208話 締結
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「はい……………以上で同盟の締結が完了
致しました。そして最後に再確認とはな
りますが、この書類にサインして頂いた
時点で相互扶助・領土不可侵といった内
容に違反する恐れのある行動または裏切
り行為を同盟相手に行った場合、魔法に
よる拘束力が働き、その場から1歩も動
けなくなるくらいの激痛が襲いかかりま
す。それによっては最悪の場合、死に至
るケースも。なのでお気を付け下さい。
まぁ、シンヤさんに至ってはそのような
こと、万に一つもないとは思いますが」
「了解。お前もご苦労さん」
「いえいえ。僕のしたことなどそこまで
大したことではございません」
「いや、これほどの数のクランを回って
書類にサインしてもらったんだろ?随分
と大変だったんじゃないか?」
「確かにシンヤさんと同盟を結ばせて頂
くクランは僕のところだけではありませ
ん。しかし、ほとんどが僕の顔馴染みの
信頼できるクランで話はすんなりと通り
ましたし、それ以外のクランにしてもし
っかりと信用できるかどうか判断してか
ら、サインしてもらったのですが時間は
そんなに掛かっていません。なにせ皆さ
ん、"むしろこちらからお願いしたいく
らいだ"と口を揃えて仰っていましたか
ら」
「そうか。お前が代表者として来てくれ
て良かった」
「お褒めに預かり光栄です。まぁ、それ
にしても驚きましたよ。結局、同意して
頂けるんですもん」
「同じだよ」
「はい?」
「お前が俺を試していたように俺も"俺
を試すお前"を試していたんだ」
「これは……………恐れ入りました。し
て、結果は?」
「……………聞かなくても分かるだろ?」
――――――――――――――――――
「お、王様!至急、お伝えしたきこと
が!」
「何だ、騒々しい!今、やっと軍の編成
が終わり、これから我が兵士を亡き者に
した化け物とやらの正体を暴こうという
時に!」
「そ、その化け物なのですが……………」
「ん?何だ」
「ただいま王城前に現れ、"自分こそが
兵士を亡き者にし、ファンドランの暴虐
から勇者を助けた張本人だ"と宣言しな
がら、城を斬りつけ一部を破壊しまし
た」
「何!?ノコノコと自分の方から来たの
か!?」
「はい」
「ん?今、"自分こそ"と言ったか?ま
さか、敵は1人ではあるまいな?」
「はい」
「それはそうだろう。いくらなんでもた
った1人で国家へ喧嘩は売るまい」
「2人です」
「…………は?」
「け、決して虚言は申しておりません!
敵は2人で来ていて、うち1人が先程の
内容を宣言したのです」
「そんな馬鹿な話があるか!兵士に手を
かけ国家の宝である勇者を攫ったのだ
ぞ!そんな大それたことをたった1人で
したと言うのか!」
「そうみたいです」
「呆れるわ。それが嘘か本当かどっちに
しても大物に間違いはない……………ん?
ちょっと待て。2人のうち1人がその大
物であるとするのなら、もう1人は一体
何者なんだ?」
「それは分かりかねますが」
「お前、先程その現場にいたのか?」
「はい」
「ではそのもう1人とやらが何か不審な
行動は取っていなかったか?ほんの些細
なことでもいい。思い出してくれ」
「………………あ。いや、でも」
「思い出したか?どんなに小さなことで
もいい。申してくれ。何がヒントになっ
て人物の特定に繋がるか分からないから
な。」
「り、了解致しました。ではご報告致し
ます」
「申してみよ」
「1人が"自分が犯人だ"と宣言してい
る中、もう1人は」
「ふむふむ」
「眠たそうに欠伸をしていました」
「………………さ、些細すぎるわ!どんな
ことでもとは言ったが限度があるだろ!
欠伸くらいワシだってするわ!もっと他
に気が付いたことはないのか!」
「いや、他の情報といいますと桃色の長
髪に頭上を黄色のリングが浮いている白
い翼の少女と紫色の短髪に頭から反り返
った角と先が鏃のようになっている尻尾
がお尻から生えている黒い翼の少女の2
人組であるということぐらいし
か……………」
「いや、思いっきり目立つ特徴があるじ
ゃないか!何故それを早く言わない!」
「すみません。今、思い出しました」
「もうよい!そんな特徴の人物といった
ら、あれしかおるまい。ちなみにそやつ
らの服装は?」
「黒衣を纏い、桃髪の方は大剣を装備し
ていました」
「やはりな。噂で聞いた通りの特徴じ
ゃ。それにしてもとんでもない相手が針
にかかったもんだ」
「いかが致しましょうか?」
「とりあえず、現場へ向かう。まだ奴ら
はそこにいるな?」
「おそらくは」
「ふんっ!今に見ておれ。ワシに喧嘩を
売ったことを後悔させてやる」
致しました。そして最後に再確認とはな
りますが、この書類にサインして頂いた
時点で相互扶助・領土不可侵といった内
容に違反する恐れのある行動または裏切
り行為を同盟相手に行った場合、魔法に
よる拘束力が働き、その場から1歩も動
けなくなるくらいの激痛が襲いかかりま
す。それによっては最悪の場合、死に至
るケースも。なのでお気を付け下さい。
まぁ、シンヤさんに至ってはそのような
こと、万に一つもないとは思いますが」
「了解。お前もご苦労さん」
「いえいえ。僕のしたことなどそこまで
大したことではございません」
「いや、これほどの数のクランを回って
書類にサインしてもらったんだろ?随分
と大変だったんじゃないか?」
「確かにシンヤさんと同盟を結ばせて頂
くクランは僕のところだけではありませ
ん。しかし、ほとんどが僕の顔馴染みの
信頼できるクランで話はすんなりと通り
ましたし、それ以外のクランにしてもし
っかりと信用できるかどうか判断してか
ら、サインしてもらったのですが時間は
そんなに掛かっていません。なにせ皆さ
ん、"むしろこちらからお願いしたいく
らいだ"と口を揃えて仰っていましたか
ら」
「そうか。お前が代表者として来てくれ
て良かった」
「お褒めに預かり光栄です。まぁ、それ
にしても驚きましたよ。結局、同意して
頂けるんですもん」
「同じだよ」
「はい?」
「お前が俺を試していたように俺も"俺
を試すお前"を試していたんだ」
「これは……………恐れ入りました。し
て、結果は?」
「……………聞かなくても分かるだろ?」
――――――――――――――――――
「お、王様!至急、お伝えしたきこと
が!」
「何だ、騒々しい!今、やっと軍の編成
が終わり、これから我が兵士を亡き者に
した化け物とやらの正体を暴こうという
時に!」
「そ、その化け物なのですが……………」
「ん?何だ」
「ただいま王城前に現れ、"自分こそが
兵士を亡き者にし、ファンドランの暴虐
から勇者を助けた張本人だ"と宣言しな
がら、城を斬りつけ一部を破壊しまし
た」
「何!?ノコノコと自分の方から来たの
か!?」
「はい」
「ん?今、"自分こそ"と言ったか?ま
さか、敵は1人ではあるまいな?」
「はい」
「それはそうだろう。いくらなんでもた
った1人で国家へ喧嘩は売るまい」
「2人です」
「…………は?」
「け、決して虚言は申しておりません!
敵は2人で来ていて、うち1人が先程の
内容を宣言したのです」
「そんな馬鹿な話があるか!兵士に手を
かけ国家の宝である勇者を攫ったのだ
ぞ!そんな大それたことをたった1人で
したと言うのか!」
「そうみたいです」
「呆れるわ。それが嘘か本当かどっちに
しても大物に間違いはない……………ん?
ちょっと待て。2人のうち1人がその大
物であるとするのなら、もう1人は一体
何者なんだ?」
「それは分かりかねますが」
「お前、先程その現場にいたのか?」
「はい」
「ではそのもう1人とやらが何か不審な
行動は取っていなかったか?ほんの些細
なことでもいい。思い出してくれ」
「………………あ。いや、でも」
「思い出したか?どんなに小さなことで
もいい。申してくれ。何がヒントになっ
て人物の特定に繋がるか分からないから
な。」
「り、了解致しました。ではご報告致し
ます」
「申してみよ」
「1人が"自分が犯人だ"と宣言してい
る中、もう1人は」
「ふむふむ」
「眠たそうに欠伸をしていました」
「………………さ、些細すぎるわ!どんな
ことでもとは言ったが限度があるだろ!
欠伸くらいワシだってするわ!もっと他
に気が付いたことはないのか!」
「いや、他の情報といいますと桃色の長
髪に頭上を黄色のリングが浮いている白
い翼の少女と紫色の短髪に頭から反り返
った角と先が鏃のようになっている尻尾
がお尻から生えている黒い翼の少女の2
人組であるということぐらいし
か……………」
「いや、思いっきり目立つ特徴があるじ
ゃないか!何故それを早く言わない!」
「すみません。今、思い出しました」
「もうよい!そんな特徴の人物といった
ら、あれしかおるまい。ちなみにそやつ
らの服装は?」
「黒衣を纏い、桃髪の方は大剣を装備し
ていました」
「やはりな。噂で聞いた通りの特徴じ
ゃ。それにしてもとんでもない相手が針
にかかったもんだ」
「いかが致しましょうか?」
「とりあえず、現場へ向かう。まだ奴ら
はそこにいるな?」
「おそらくは」
「ふんっ!今に見ておれ。ワシに喧嘩を
売ったことを後悔させてやる」
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