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Chapter_2:コーズ&エフェクト
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【フェニコプテラス】地下にある、下町と上町を繋ぐ【アクアトンネル】にて1人の豪傑な女性が歩いている。惑星連合諜報員の【カリナ】である。
何もない自分だけの空間、美しい水流と色彩をゆっくりと堪能する。長く、直線的な道を退屈せずに楽しむ。
「……何もない。人も、魚も、機械さえも……もの寂しいが、趣があるな。“族のない水族館”と称するだけあって、これはこれで面白い。」
上に明光、下に暗闇。透き通る水中を心ゆくまで楽しんだ。しかし、下を眺めてある違和感を催す。
「……いるな。下から機体が……それも何台も、大量に……」
目視で確かめる。下に列を成して、【ファーストステップ】へ向かう潜水機体がいた。この静かな空間に邪魔して、カリナの機嫌を損ねていた。
_____
姉弟とライラは【第1中央塔】35階の展望台に来て、必要な作業を行っていた。レオとライラが事情聴取、サドが証拠集めを担う。
ライラはサドに付いていった少女の子守りを請け負い、彼と共に2人で責任を持つ。
少女はサドの服を引っ張りながら歩く。
「……わたし【オルガ】。地球だとパパが立派な、スラヴのお貴族様なんだ!」
「へぇ!すごい!……んじゃあ、“オルガ様”って呼んだ方がいいかな?」
「特別に“オルガちゃん”って呼んでもいいよ!本名はもっと長いし、ライラお姉ちゃんを守ってくれたお礼!」
「分かった。……早速だけどオルガちゃん、ライラさんの所に戻ってもいいかな?もしもの事があると危ないから……」
「やだ!」
「後でも……」
「やだ!」
どうしても離してくれない。突き放すのも乱暴なので、このまま行くことにした。
ライラはサドに話しかける。
「……苦しい思い……させちゃったね。」
「いえ、別に。」
「私はあんな奴ら、知らないから。初対面のくせに偉そうに、好きなわけないし、あんなのが正解だなんて思いたくもない!
そもそも……殺生も略奪もしておいて、世界平和なんてありえない。また新しい暴力が生まれるだけ……
報復だけじゃない、もっと恐ろしいもの……それを生みかねないのよ。」
「もっと……“恐ろしいもの”?」
「おそろしいもの?」
サドとオルガはライラの発言に疑問を持つ。まるで彼女が詳細を知っているかのような口振りであった。
3人は扉の前にいる。最初の扉、先ほど見つけた扉を含めて計3つ見つけた。例に倣ってサムターンがこちら側にある。
サドは扉を開けて、中を確認する。こちらと増援が向かった後で誰もいない。一旦この部屋の全体を撮る。
そして、この部屋を分析する。何かの痕跡が部屋に散見される。
「オルガちゃん。嫌な予感がする。ライラさんの所で待っていてくれないかな?」
「サド兄ちゃんが危ないでしょ。」
「……んじゃあ、ライラさんを守ってくれる?兵士さんが来ないように、大事なお姉ちゃんを守ってほしい。」
「しょうがないな~。」
「……頼んだよ。」
サドだけが中に入る。周囲に、特に隅々にて白く変色した痕跡が分かる。そして、強く甘い臭いが部屋に残っていた。
写真を撮ったり、簡単な資料を作ったりする中で、部屋の外のライラに尋ねる。
「“もっと恐ろしいもの”って何ですか?僕には分からないです。教えてもらっても……よろしいでしょうか?」
ライラはオルガの顔を一回見て、2人にその真意を伝える。
「私の……故郷の星、地球は国同士が隣り合わせなことが多かったの。この星のように、国境の無い世界じゃない。
だから歩いてその国に行けるから、紛争になりやすい環境だったの。海や空を渡るのに、燃料が必要だったの。」
ライラはオルガの手を強く握る。
「地球には今でも、知られていない紛争がまだあるの。そのほとんどが属性による報復や、外交戦略の失態、国家運営の不備として、簡単に政府にまとめられちゃうんだけどね……。
紛争にはロボみたいな兵器も多く出てきた。それで多くの人を……“正義”の名のもとに堂々と攻め込んでくる。
人をなぎ倒して、建物を壊して……過去を消して略奪する。そして負けた相手を犯罪者として名を“付ける”の。」
サドは何かを発見して、写真に納めてからライラの所に戻る。
「……僕、分かったと思う。」
「本当に?」
サドはオルガにタブレットを渡す。
「オルガちゃん。スラヴのお貴族様としてお願いを聞いてほしいんだけど……」
「うん!」
「僕達が話している間、この文章……解読してもらってもいいかな?」
「分かった!」
オルガは快く引き受ける。サドはライラの話を続ける。
「その兵器の後に、また新しい兵器を……その犯罪者側で行われる……そして成功するまで終わらない。それは僕もあなたも知っている。
問題は、その兵器が進化すること。犠牲も大きくなって復讐心も更に大きくなる。これが答えですか?」
ライラは真面目な表情で頷く。
「……その通りよ。その結果が莫大な恐怖を生み出して、罪の無い人達が逃げることになる。
そして逃げる人達の弱みに付け込んで、自分の正解を押し付けて……自分の行動を正当化する。他の人の意見も聞かないままにね。
……今の私達がそうなのよ。」
ライラはオルガの事を見つめる。小さな子供さえも、その犠牲になりうる。
「……分かった!」
オルガが解読を終えた。成果を聞く。
「どう?」
「これは……水星の人達が書いたもの!色んな人の名前が書かれているんだ!」
(……やっぱりな。マークⅢも水星語の判定だったし、ここに他の被害者もいた。)
「ありがとう!」
「人助けは当然のことです!えっへん!」
サドは再び部屋の中を確認して、他の痕跡を探る。その時の事であった。
「人の弱みに付け込む……ですか。僕がたくさんやってきたことですね。」
サドが答えた。ライラは彼の答えに動揺しながら更に問う。
「え?いや、あなたは……私達のために、今もたくさん頑張っているのに?」
「……今やっているのは、貴族達による拉致についての情報を探すことです。そしてエンダー家を止めるために、情報を渡すのです。
貴族達の弱みを握り、付け込む手段として情報拡散すること…僕も彼らと同じことをやっているだけです。」
サドはタブレットを通して、何かを見つめている。その最中でも話を続ける。
「僕が思うに……弱さは“罪”です。」
「!?」
「弱い心、弱い立場、弱い力……現に勝っている人達は、相手の弱点を徹底的に突くものです。
僕はそのような事を何度もやりましたし、何度もやられました。だから負けたときの、守れなかったときの……怖さは知っています。」
ライラは彼の答えに戸惑いを隠せなかった。オルガは彼女を見つめて言う。
「ねぇ……サド兄ちゃんって、悪い人なの?あの人達と同じなの?」
「わ、悪い人なわけ……そんな……少なくともあんな奴らよりかは……」
サドが作業を終えてライラの正面に立つ。
「彼らからしたら……僕は“邪悪”です。」
「それはあいつらの話よ!少なくとも、私達は助けようとしてくれる人としてあなたを見ている。悪い人って……言えるわけないでしょ。」
ライラが話したとき、オルガがサドに近づいて話しかけてきた。サドが止める。
「部屋に入らない。この部屋は汚いから。」
「入る!今度はサド兄ちゃんを守る番!」
「オルガちゃん!」
ライラが肩を掴んで止める。オルガは無言で彼女の隣に戻った。
「サド君……私達が攫われたのは、弱いからって言いたいの?」
「紛争による疲弊、避難民という立場、武装していない人達……敵の立場として、上物を得る絶好の機会だから狙うのです。これは間違いありません。
僕がさっき話せなかったのも……僕が弱かったからです。周囲の重圧、抹消の対象、そして未熟さも……だから……」
サドはライラに笑顔を見せる。
「レオと……
……あなたが守ってくれたときは、とても嬉しかったです。
……ありがとうございます。」
ライラは“守る”実感を得ていた。仲間の弱さを守ることで得た、サドからの感謝を…強く旨に秘めた。
オルガは彼女と手を繋ぐ。サドは【特級展望台】に帰ろうとする。
「さてあらかた終わりましたし、みんなの所に戻りましょう。」
「うん!サド兄ちゃんも……」
オルガが手を差し出そうとしたとき、突然倒れてしまった。
「オルガちゃん!」
「体が……赤くなって……すぐに戻るんだ!」
ライラがオルガを担いで、サドと共に急ぐ。
_____
レオは年長のテリーサと共に、聞き込みに回る。あまり良い収穫は得られなかった。どうやら情報が断たれているらしい。
仕方ないので2人を待って、テリーサと話をする。
「そういえば、昼とかは食ってんのか?シャワーとか、ベッドとか……」
「そろそろお昼ご飯のお時間ですね。いつも兵士の皆様が持って来られるのですよ。
シャワーに関しては、他の施設で受けられるはず……逃げても断崖絶壁ですけどね……。
それと……ベッドではなく寝袋です。ほらあちらに……」
「まあ、揃ってるって感じか。」
ちゃんと子供の分まで揃えている。レオは今朝の顛末と比べてしまう。
(今朝のベッドより気持ちよさそうだな……。)
「床が柔らかい奴で良かったじゃん。固い奴だとマジでキツかったし……」
「私もぐっすり寝られます。こんな場合でなければの話、ですけども。
そちらはオルガさんの寝袋になります。幼気な少女……」
レオが寝袋を見ていたときに、サドとライラがやってきた。ライラがテリーサに、逐一に言う。
「オルガちゃんが!オルガちゃんが!」
「何て事!」
「……高熱です。それも唐突な……。」
サドはオルガの反応に見覚えがある。唐突な発熱、少女にはとても刺激の強いものだった。
何もない自分だけの空間、美しい水流と色彩をゆっくりと堪能する。長く、直線的な道を退屈せずに楽しむ。
「……何もない。人も、魚も、機械さえも……もの寂しいが、趣があるな。“族のない水族館”と称するだけあって、これはこれで面白い。」
上に明光、下に暗闇。透き通る水中を心ゆくまで楽しんだ。しかし、下を眺めてある違和感を催す。
「……いるな。下から機体が……それも何台も、大量に……」
目視で確かめる。下に列を成して、【ファーストステップ】へ向かう潜水機体がいた。この静かな空間に邪魔して、カリナの機嫌を損ねていた。
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姉弟とライラは【第1中央塔】35階の展望台に来て、必要な作業を行っていた。レオとライラが事情聴取、サドが証拠集めを担う。
ライラはサドに付いていった少女の子守りを請け負い、彼と共に2人で責任を持つ。
少女はサドの服を引っ張りながら歩く。
「……わたし【オルガ】。地球だとパパが立派な、スラヴのお貴族様なんだ!」
「へぇ!すごい!……んじゃあ、“オルガ様”って呼んだ方がいいかな?」
「特別に“オルガちゃん”って呼んでもいいよ!本名はもっと長いし、ライラお姉ちゃんを守ってくれたお礼!」
「分かった。……早速だけどオルガちゃん、ライラさんの所に戻ってもいいかな?もしもの事があると危ないから……」
「やだ!」
「後でも……」
「やだ!」
どうしても離してくれない。突き放すのも乱暴なので、このまま行くことにした。
ライラはサドに話しかける。
「……苦しい思い……させちゃったね。」
「いえ、別に。」
「私はあんな奴ら、知らないから。初対面のくせに偉そうに、好きなわけないし、あんなのが正解だなんて思いたくもない!
そもそも……殺生も略奪もしておいて、世界平和なんてありえない。また新しい暴力が生まれるだけ……
報復だけじゃない、もっと恐ろしいもの……それを生みかねないのよ。」
「もっと……“恐ろしいもの”?」
「おそろしいもの?」
サドとオルガはライラの発言に疑問を持つ。まるで彼女が詳細を知っているかのような口振りであった。
3人は扉の前にいる。最初の扉、先ほど見つけた扉を含めて計3つ見つけた。例に倣ってサムターンがこちら側にある。
サドは扉を開けて、中を確認する。こちらと増援が向かった後で誰もいない。一旦この部屋の全体を撮る。
そして、この部屋を分析する。何かの痕跡が部屋に散見される。
「オルガちゃん。嫌な予感がする。ライラさんの所で待っていてくれないかな?」
「サド兄ちゃんが危ないでしょ。」
「……んじゃあ、ライラさんを守ってくれる?兵士さんが来ないように、大事なお姉ちゃんを守ってほしい。」
「しょうがないな~。」
「……頼んだよ。」
サドだけが中に入る。周囲に、特に隅々にて白く変色した痕跡が分かる。そして、強く甘い臭いが部屋に残っていた。
写真を撮ったり、簡単な資料を作ったりする中で、部屋の外のライラに尋ねる。
「“もっと恐ろしいもの”って何ですか?僕には分からないです。教えてもらっても……よろしいでしょうか?」
ライラはオルガの顔を一回見て、2人にその真意を伝える。
「私の……故郷の星、地球は国同士が隣り合わせなことが多かったの。この星のように、国境の無い世界じゃない。
だから歩いてその国に行けるから、紛争になりやすい環境だったの。海や空を渡るのに、燃料が必要だったの。」
ライラはオルガの手を強く握る。
「地球には今でも、知られていない紛争がまだあるの。そのほとんどが属性による報復や、外交戦略の失態、国家運営の不備として、簡単に政府にまとめられちゃうんだけどね……。
紛争にはロボみたいな兵器も多く出てきた。それで多くの人を……“正義”の名のもとに堂々と攻め込んでくる。
人をなぎ倒して、建物を壊して……過去を消して略奪する。そして負けた相手を犯罪者として名を“付ける”の。」
サドは何かを発見して、写真に納めてからライラの所に戻る。
「……僕、分かったと思う。」
「本当に?」
サドはオルガにタブレットを渡す。
「オルガちゃん。スラヴのお貴族様としてお願いを聞いてほしいんだけど……」
「うん!」
「僕達が話している間、この文章……解読してもらってもいいかな?」
「分かった!」
オルガは快く引き受ける。サドはライラの話を続ける。
「その兵器の後に、また新しい兵器を……その犯罪者側で行われる……そして成功するまで終わらない。それは僕もあなたも知っている。
問題は、その兵器が進化すること。犠牲も大きくなって復讐心も更に大きくなる。これが答えですか?」
ライラは真面目な表情で頷く。
「……その通りよ。その結果が莫大な恐怖を生み出して、罪の無い人達が逃げることになる。
そして逃げる人達の弱みに付け込んで、自分の正解を押し付けて……自分の行動を正当化する。他の人の意見も聞かないままにね。
……今の私達がそうなのよ。」
ライラはオルガの事を見つめる。小さな子供さえも、その犠牲になりうる。
「……分かった!」
オルガが解読を終えた。成果を聞く。
「どう?」
「これは……水星の人達が書いたもの!色んな人の名前が書かれているんだ!」
(……やっぱりな。マークⅢも水星語の判定だったし、ここに他の被害者もいた。)
「ありがとう!」
「人助けは当然のことです!えっへん!」
サドは再び部屋の中を確認して、他の痕跡を探る。その時の事であった。
「人の弱みに付け込む……ですか。僕がたくさんやってきたことですね。」
サドが答えた。ライラは彼の答えに動揺しながら更に問う。
「え?いや、あなたは……私達のために、今もたくさん頑張っているのに?」
「……今やっているのは、貴族達による拉致についての情報を探すことです。そしてエンダー家を止めるために、情報を渡すのです。
貴族達の弱みを握り、付け込む手段として情報拡散すること…僕も彼らと同じことをやっているだけです。」
サドはタブレットを通して、何かを見つめている。その最中でも話を続ける。
「僕が思うに……弱さは“罪”です。」
「!?」
「弱い心、弱い立場、弱い力……現に勝っている人達は、相手の弱点を徹底的に突くものです。
僕はそのような事を何度もやりましたし、何度もやられました。だから負けたときの、守れなかったときの……怖さは知っています。」
ライラは彼の答えに戸惑いを隠せなかった。オルガは彼女を見つめて言う。
「ねぇ……サド兄ちゃんって、悪い人なの?あの人達と同じなの?」
「わ、悪い人なわけ……そんな……少なくともあんな奴らよりかは……」
サドが作業を終えてライラの正面に立つ。
「彼らからしたら……僕は“邪悪”です。」
「それはあいつらの話よ!少なくとも、私達は助けようとしてくれる人としてあなたを見ている。悪い人って……言えるわけないでしょ。」
ライラが話したとき、オルガがサドに近づいて話しかけてきた。サドが止める。
「部屋に入らない。この部屋は汚いから。」
「入る!今度はサド兄ちゃんを守る番!」
「オルガちゃん!」
ライラが肩を掴んで止める。オルガは無言で彼女の隣に戻った。
「サド君……私達が攫われたのは、弱いからって言いたいの?」
「紛争による疲弊、避難民という立場、武装していない人達……敵の立場として、上物を得る絶好の機会だから狙うのです。これは間違いありません。
僕がさっき話せなかったのも……僕が弱かったからです。周囲の重圧、抹消の対象、そして未熟さも……だから……」
サドはライラに笑顔を見せる。
「レオと……
……あなたが守ってくれたときは、とても嬉しかったです。
……ありがとうございます。」
ライラは“守る”実感を得ていた。仲間の弱さを守ることで得た、サドからの感謝を…強く旨に秘めた。
オルガは彼女と手を繋ぐ。サドは【特級展望台】に帰ろうとする。
「さてあらかた終わりましたし、みんなの所に戻りましょう。」
「うん!サド兄ちゃんも……」
オルガが手を差し出そうとしたとき、突然倒れてしまった。
「オルガちゃん!」
「体が……赤くなって……すぐに戻るんだ!」
ライラがオルガを担いで、サドと共に急ぐ。
_____
レオは年長のテリーサと共に、聞き込みに回る。あまり良い収穫は得られなかった。どうやら情報が断たれているらしい。
仕方ないので2人を待って、テリーサと話をする。
「そういえば、昼とかは食ってんのか?シャワーとか、ベッドとか……」
「そろそろお昼ご飯のお時間ですね。いつも兵士の皆様が持って来られるのですよ。
シャワーに関しては、他の施設で受けられるはず……逃げても断崖絶壁ですけどね……。
それと……ベッドではなく寝袋です。ほらあちらに……」
「まあ、揃ってるって感じか。」
ちゃんと子供の分まで揃えている。レオは今朝の顛末と比べてしまう。
(今朝のベッドより気持ちよさそうだな……。)
「床が柔らかい奴で良かったじゃん。固い奴だとマジでキツかったし……」
「私もぐっすり寝られます。こんな場合でなければの話、ですけども。
そちらはオルガさんの寝袋になります。幼気な少女……」
レオが寝袋を見ていたときに、サドとライラがやってきた。ライラがテリーサに、逐一に言う。
「オルガちゃんが!オルガちゃんが!」
「何て事!」
「……高熱です。それも唐突な……。」
サドはオルガの反応に見覚えがある。唐突な発熱、少女にはとても刺激の強いものだった。
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