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15.ある事件
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――それから数日後。
俺のデスクに、一通の封筒が置かれていた。
差出人の名前はない。
中には、一枚の紙。
『気持ち悪い。その髪と目、本当に無理。
会社にそんな見た目の奴がいるなんて恥ずかしい。
しかも社長と付き合ってる?
どうせ見た目で媚び売ったんでしょ』
手が震えた。
久しぶりだ。こんな言葉を投げつけられるのは。
でも、大丈夫……。
俺は深呼吸した。
翔が、俺のことを認めてくれてる。
それだけで十分だから。
俺は紙をゴミ箱に捨てた。
でも、それで終わらなかった。
翌日も、また封筒。
三日目、四日目……毎日、匿名の手紙が届く。
『社長に捨てられればいいのに』
『化け物』
『見てるだけで不快』
俺は誰にも言えなかった。
翔には心配かけたくない……。
そして、一週間が経った金曜日の夜。
「颯真」
翔の家に行ったとき、翔が俺をじっと見つめていた。
「最近、元気ないけど。何かあった?」
「……何も」
俺は笑顔を作ったけど、翔は黙って俺を見ていた。
その鋭い視線から、逃げられない。
「嘘つくなよ」
翔の声が、低く響いた。
「っ……」
「何があった? 言って」
命令口調。
でも、その目には心配が滲んでいる。
「……実は……匿名の手紙が、届いてて……」
「内容は?」
翔の声が、さらに低くなった。
「俺の見た目のこと……それと、翔と付き合ってるのは見た目で媚びたからだって……」
翔の顎に力が入った。
「どうしてすぐに言わなかった」
「翔に、心配かけたくなくて……」
「ダメだろ」
翔は俺を抱き寄せた。
「一人で抱え込まないで。俺が守る」
その言葉に、涙が出そうになった。
翌週月曜日。
翔は人事部長とセキュリティ担当を呼んだ。
「藤堂のデスクに匿名の嫌がらせ文書が届いている。すぐに調査してください」
翔の声は冷たく、有無を言わせない迫力があった。
「承知しました」
――数日後、犯人が判明した。
営業部の女性社員、山本ゆかり。
以前、翔にアプローチして断られた女性だった。
「山本を呼んで」
翔は会議室で待っていた。
俺も同席していた。
そして、山本が入ってくる。
「座りなさい」
翔の声が会議室に響く。山本は俯いていた。
「藤堂への嫌がらせ、認めるか?」
「……はい」
「理由は?」
「だって……社長は私のこと見てくれなくて……」
山本の目に涙が浮かぶ。
「あんな見た目の人が社長と付き合ってるなんて……」
「黙りなさい」
翔の声が鋭く響いた。山本が息を呑む。
「彼の見た目を侮辱するな」
翔は立ち上がった。
「髪も瞳も、全部……綺麗だろ?」
翔の目が、冷たく光る。
「それに、藤堂は見た目だけじゃない。誠実で、優しくて、一生懸命だ」
翔は山本を見下ろした。
「彼を傷つけたこと、許さない」
「……っ」
「人事部長、処分を」
「承知しました。懲戒処分及び異動とします」
山本は泣き崩れた。
翔は冷たい目で見ていた。
俺のデスクに、一通の封筒が置かれていた。
差出人の名前はない。
中には、一枚の紙。
『気持ち悪い。その髪と目、本当に無理。
会社にそんな見た目の奴がいるなんて恥ずかしい。
しかも社長と付き合ってる?
どうせ見た目で媚び売ったんでしょ』
手が震えた。
久しぶりだ。こんな言葉を投げつけられるのは。
でも、大丈夫……。
俺は深呼吸した。
翔が、俺のことを認めてくれてる。
それだけで十分だから。
俺は紙をゴミ箱に捨てた。
でも、それで終わらなかった。
翌日も、また封筒。
三日目、四日目……毎日、匿名の手紙が届く。
『社長に捨てられればいいのに』
『化け物』
『見てるだけで不快』
俺は誰にも言えなかった。
翔には心配かけたくない……。
そして、一週間が経った金曜日の夜。
「颯真」
翔の家に行ったとき、翔が俺をじっと見つめていた。
「最近、元気ないけど。何かあった?」
「……何も」
俺は笑顔を作ったけど、翔は黙って俺を見ていた。
その鋭い視線から、逃げられない。
「嘘つくなよ」
翔の声が、低く響いた。
「っ……」
「何があった? 言って」
命令口調。
でも、その目には心配が滲んでいる。
「……実は……匿名の手紙が、届いてて……」
「内容は?」
翔の声が、さらに低くなった。
「俺の見た目のこと……それと、翔と付き合ってるのは見た目で媚びたからだって……」
翔の顎に力が入った。
「どうしてすぐに言わなかった」
「翔に、心配かけたくなくて……」
「ダメだろ」
翔は俺を抱き寄せた。
「一人で抱え込まないで。俺が守る」
その言葉に、涙が出そうになった。
翌週月曜日。
翔は人事部長とセキュリティ担当を呼んだ。
「藤堂のデスクに匿名の嫌がらせ文書が届いている。すぐに調査してください」
翔の声は冷たく、有無を言わせない迫力があった。
「承知しました」
――数日後、犯人が判明した。
営業部の女性社員、山本ゆかり。
以前、翔にアプローチして断られた女性だった。
「山本を呼んで」
翔は会議室で待っていた。
俺も同席していた。
そして、山本が入ってくる。
「座りなさい」
翔の声が会議室に響く。山本は俯いていた。
「藤堂への嫌がらせ、認めるか?」
「……はい」
「理由は?」
「だって……社長は私のこと見てくれなくて……」
山本の目に涙が浮かぶ。
「あんな見た目の人が社長と付き合ってるなんて……」
「黙りなさい」
翔の声が鋭く響いた。山本が息を呑む。
「彼の見た目を侮辱するな」
翔は立ち上がった。
「髪も瞳も、全部……綺麗だろ?」
翔の目が、冷たく光る。
「それに、藤堂は見た目だけじゃない。誠実で、優しくて、一生懸命だ」
翔は山本を見下ろした。
「彼を傷つけたこと、許さない」
「……っ」
「人事部長、処分を」
「承知しました。懲戒処分及び異動とします」
山本は泣き崩れた。
翔は冷たい目で見ていた。
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