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第17話 意味不明
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昼食を取るためにと四人で移動していたところ、一人の女生徒に声を掛けられる。
「エカテリーナ様、いつ生徒会に戻られるのです?」
「あなたはどちら様ですか?」
いや本当に誰?
以前の記憶にもないし、復学してからも話した記憶もないのだけれど。
こんなに気安く話しかけられるなんて、本当は知り合いかしら。
やだ、私ったら本物の記憶喪失になったのかも。
「君は誰だ。エカテリーナ様に気安く近寄るな」
リヴィオも知らないなら、本当に知らない人だわね。
良かった、最近平和な日々を送ってるから気が緩み過ぎていたわね。
ローシュのお世話もしないでいいから、この自由が楽しすぎて緊張感が抜けていたわ。
侯爵家の者としてしっかりしないと。
ペイルもポエットも私を庇いように前に出てくれたので、安心する。
「あなた、どちらの方かしら? ブルックリン侯爵令嬢に挨拶もなく話しかけるなんて、きちんと教育をうけているのか怪しいわね。礼儀がなっていないわ」
ペイルが私の代わりに答え、見知らぬ令嬢に何が悪いのかも丁寧に説明してくれている。
なんて頼もしいのかしら。
「私はフロルと申します。エカテリーナ様にお話があって来たのです、あなた方は関係ありません。それでいつ生徒会に戻るのですか? もう滞りなく学園生活を送れているのに」
「えっと、あなたは生徒会の人なのでしょうか?」
私がいない内に役員が変わったのかしら。
「いいえ、違います」
違うの?!
違うのに仕事しろって言いに来たなんて、凄い度胸だわ。
「私はローシュ様が余りにも生徒会の仕事に追われていて可哀そうだから、エカテリーナ様に進言しに来たのです。早く生徒会にお戻りください、ローシュ様はあなたの分の仕事までして、毎日お疲れなのですから」
「そうなのね。でも悪いけれどまだ戻れるほどではないのよ、ところどころ記憶はないし、授業も追いついていないもの」
学園の生徒会の仕事はこのような状態で出来るものではない。
この学園の行事などを取り仕切ったり、先生と生徒の橋渡しをしたり、時には外部の者と連絡をとってイベントごとを行なうのだ。
それを記憶のないものにさせようなんて、あの仕事の内容を知っているものならさせようとするわけがない。
「フロル嬢。それはローシュ様から頼まれたのか?」
リヴィオがむすっとした顔でそう問う。
私のために怒ってくれていて嬉しいなんて、今の状況では言えないけど。
「いいえ。でもローシュ様は、エカテリーナがいればここまで大変にならないのに、といつも言っているわ。という事はあなたが戻ればローシュ様は解放されるでしょ?」
さり気なく呼び捨てにしないでくれるかしら。
しかも記憶喪失の婚約者に再び仕事を押し付けようと考えているのかしら、あの男って。
そんな事を言われて戻るわけがないでしょうが。
「エカテリーナ様、いつ生徒会に戻られるのです?」
「あなたはどちら様ですか?」
いや本当に誰?
以前の記憶にもないし、復学してからも話した記憶もないのだけれど。
こんなに気安く話しかけられるなんて、本当は知り合いかしら。
やだ、私ったら本物の記憶喪失になったのかも。
「君は誰だ。エカテリーナ様に気安く近寄るな」
リヴィオも知らないなら、本当に知らない人だわね。
良かった、最近平和な日々を送ってるから気が緩み過ぎていたわね。
ローシュのお世話もしないでいいから、この自由が楽しすぎて緊張感が抜けていたわ。
侯爵家の者としてしっかりしないと。
ペイルもポエットも私を庇いように前に出てくれたので、安心する。
「あなた、どちらの方かしら? ブルックリン侯爵令嬢に挨拶もなく話しかけるなんて、きちんと教育をうけているのか怪しいわね。礼儀がなっていないわ」
ペイルが私の代わりに答え、見知らぬ令嬢に何が悪いのかも丁寧に説明してくれている。
なんて頼もしいのかしら。
「私はフロルと申します。エカテリーナ様にお話があって来たのです、あなた方は関係ありません。それでいつ生徒会に戻るのですか? もう滞りなく学園生活を送れているのに」
「えっと、あなたは生徒会の人なのでしょうか?」
私がいない内に役員が変わったのかしら。
「いいえ、違います」
違うの?!
違うのに仕事しろって言いに来たなんて、凄い度胸だわ。
「私はローシュ様が余りにも生徒会の仕事に追われていて可哀そうだから、エカテリーナ様に進言しに来たのです。早く生徒会にお戻りください、ローシュ様はあなたの分の仕事までして、毎日お疲れなのですから」
「そうなのね。でも悪いけれどまだ戻れるほどではないのよ、ところどころ記憶はないし、授業も追いついていないもの」
学園の生徒会の仕事はこのような状態で出来るものではない。
この学園の行事などを取り仕切ったり、先生と生徒の橋渡しをしたり、時には外部の者と連絡をとってイベントごとを行なうのだ。
それを記憶のないものにさせようなんて、あの仕事の内容を知っているものならさせようとするわけがない。
「フロル嬢。それはローシュ様から頼まれたのか?」
リヴィオがむすっとした顔でそう問う。
私のために怒ってくれていて嬉しいなんて、今の状況では言えないけど。
「いいえ。でもローシュ様は、エカテリーナがいればここまで大変にならないのに、といつも言っているわ。という事はあなたが戻ればローシュ様は解放されるでしょ?」
さり気なく呼び捨てにしないでくれるかしら。
しかも記憶喪失の婚約者に再び仕事を押し付けようと考えているのかしら、あの男って。
そんな事を言われて戻るわけがないでしょうが。
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