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第42話 注意喚起
「しかし怪しい。本当にモルジフト国の者と確認は出来ましたか?」
お父様の質問にカルロス様は苦笑した。
「残念ながら、裏を取る前にその者達は全て死んでしまった」
王家の尋問官はプロだ、その彼らが誤って殺すとは思えない。
という事は自殺かしら。
「だからこそ厄介だ。あの国とは因縁があるし調査もするが、もしかしたら他国の企てで、そちらへの調査を遅らせるための嘘かもしれない。疑えばキリがないが確証がないのだ。それまで黙っていた者達がその言葉だけを吐き、理由も意図も告げず死んでしまったから、モルジフト国が首謀したと確定するには弱く、だからこそ悩ましいのだ」
裏を取る前に死んでしまい、国王も判断に困ってしまったそうだ。
「今はとにかく更なる証拠がないか、調査するしかない。あの日あの時を狙ったのも偶然なのか、そういう事も調べ上げなくては」
あの時の私達はいつもと全く違う行動をしていた、それも調査を困難にしているのもあるわね。
人目も少ない場所で、護衛の一部もはぐれ、とても狙いやすい状態だったけれど、そのタイミングを狙われたのは、あまりにも都合が良すぎない?
「あの日出かけたのはローシュ様に誘われたからですし、あの場所にいたのもローシュ様の先導があったからです。偶然ではないでしょうか?」
リヴィオの言う通り、ローシュ様の気まぐれ……基お父様たちに怒られたから私を仕方なしに誘ったのであって、偶然だとは思うのだけれど。
彼もまた殺されかけたのだし、狙ってあの場所に行ったとは考えにくいのよね。
だってあの者達は明確にローシュ様を狙っていたの、私が庇わなければ間違いなく死んでいたはずだわ。
死にたかったなら別だけど、私を盾にしたのだからそんな気はないでしょうね。
「そう考えるのが自然か。そうなると奴らはずっと機会を伺っていたのだろうな、全く気づかなかったが」
いつからそんな風に狙われていたのかわからないけれど、本当に不思議ね。
(ローシュ様は時折市井に行っていたはずだわ、その時を狙われなかったのは何故?)
その時と襲撃時の違いなんて、何があるかしらね。
共に遊んでいたのは下位貴族の者達ばかりだったはず。
(まぁ下位とはいえ貴族だものね。王家の護衛がいただろうけど、他の者の護衛も数多くいたのでしょうね)
殆どの貴族は一人で出歩くなどしない。
数人と連れ立っていたとしたらその倍以上の人が周囲におり、ターゲットに近づきにくい。
腕前はどうであれ、人が多ければ狙いづらいものよね。
「今後はあのようなところに行かないようと約束して欲しい。幸いにもあの襲撃以降あなたもローシュも、家と学園の往復くらいしかしていないから大丈夫だとは思うが、相手方が再び襲いに来ないとも限らない。尋問にも数日耐え、そして自害を行うような者達の主など、ただのごろつきなはずがない。再度襲撃に来る可能性は大いにあるだろう」
大掛かりな襲撃や、油断を誘った後に伏兵に襲わせるという手口。
そして尋問を長引かせて時間を稼ぎ、不安を煽るような言葉を吐いての自決という用意周到さを考えると、ただの物取りとは思えない。
カルロス様の言う通りそういう仕事を専門に行なっているプロの集団で間違いないだろう、そして黒幕がいるはずだ。
無目的でこんな事をするとは思えない。
「そう構え過ぎても精神的に良くないだろうが、万が一の為必ず誰かと連れ立って歩くようにしてほしい。ローシュにも話をしておく」
カルロス様はそう言ってリヴィオに目を向ける。
「リヴィオ、俺が言うのも烏滸がましいが、エカテリーナ嬢を是非守ってくれ。本来であれば王家がもっと大手を振って彼女の身の安全を図りたいのだが」
ローシュ様の婚約者ではなくなった私に対して表立って出来ることは、もうそこまでないだろう。
今は盛り上がっているがほとぼりが冷めれば、何時までも関係の切れた女に国のお金を使うのは良くないと言われかねない。
慰謝料はたんまりと貰ったし、こうしてリヴィオが隣にいるから私としては満足しているのでもう良いのだけれど。
「殿下、あまり気になさらずに。侯爵家の護衛を充分につけますので、心配は不要です」
お父様が話に割り込んでくる。
「父の言う通りです。王家からの手配は入りません。エカテリーナの事は俺達が守りますので。そちらはぜひローシュ殿下をお願いします」
お兄様もそんな事を言ってくれるわ。とても優しい家族だけれど、折角のカルロス様の配慮を断って良いのかしら?
「お二人の言う通りです。今後エカテリーナ様は俺達が守ります。ですので、カルロス様の申し出は有り難いのですが、王家からの護衛は御断りさせて下さい」
頭を下げるリヴィオ。
皆これ以上王家との繋がりを持ちたくないようね。ローシュ様が居るのだから仕方ないけれど、それでもこうして話に来てくれたカルロス様を私は嫌いになれないわ。
こんな少数の護衛しか連れず危険を冒してまで侯爵家に話をしに来てくれたのだから、内密の話なのだろうというのは想像に難くない。
もしかしたら国王陛下にすら内緒で来たのかも。
カルロス様だけは多少信用してもいいかもしれないわね。
お父様の質問にカルロス様は苦笑した。
「残念ながら、裏を取る前にその者達は全て死んでしまった」
王家の尋問官はプロだ、その彼らが誤って殺すとは思えない。
という事は自殺かしら。
「だからこそ厄介だ。あの国とは因縁があるし調査もするが、もしかしたら他国の企てで、そちらへの調査を遅らせるための嘘かもしれない。疑えばキリがないが確証がないのだ。それまで黙っていた者達がその言葉だけを吐き、理由も意図も告げず死んでしまったから、モルジフト国が首謀したと確定するには弱く、だからこそ悩ましいのだ」
裏を取る前に死んでしまい、国王も判断に困ってしまったそうだ。
「今はとにかく更なる証拠がないか、調査するしかない。あの日あの時を狙ったのも偶然なのか、そういう事も調べ上げなくては」
あの時の私達はいつもと全く違う行動をしていた、それも調査を困難にしているのもあるわね。
人目も少ない場所で、護衛の一部もはぐれ、とても狙いやすい状態だったけれど、そのタイミングを狙われたのは、あまりにも都合が良すぎない?
「あの日出かけたのはローシュ様に誘われたからですし、あの場所にいたのもローシュ様の先導があったからです。偶然ではないでしょうか?」
リヴィオの言う通り、ローシュ様の気まぐれ……基お父様たちに怒られたから私を仕方なしに誘ったのであって、偶然だとは思うのだけれど。
彼もまた殺されかけたのだし、狙ってあの場所に行ったとは考えにくいのよね。
だってあの者達は明確にローシュ様を狙っていたの、私が庇わなければ間違いなく死んでいたはずだわ。
死にたかったなら別だけど、私を盾にしたのだからそんな気はないでしょうね。
「そう考えるのが自然か。そうなると奴らはずっと機会を伺っていたのだろうな、全く気づかなかったが」
いつからそんな風に狙われていたのかわからないけれど、本当に不思議ね。
(ローシュ様は時折市井に行っていたはずだわ、その時を狙われなかったのは何故?)
その時と襲撃時の違いなんて、何があるかしらね。
共に遊んでいたのは下位貴族の者達ばかりだったはず。
(まぁ下位とはいえ貴族だものね。王家の護衛がいただろうけど、他の者の護衛も数多くいたのでしょうね)
殆どの貴族は一人で出歩くなどしない。
数人と連れ立っていたとしたらその倍以上の人が周囲におり、ターゲットに近づきにくい。
腕前はどうであれ、人が多ければ狙いづらいものよね。
「今後はあのようなところに行かないようと約束して欲しい。幸いにもあの襲撃以降あなたもローシュも、家と学園の往復くらいしかしていないから大丈夫だとは思うが、相手方が再び襲いに来ないとも限らない。尋問にも数日耐え、そして自害を行うような者達の主など、ただのごろつきなはずがない。再度襲撃に来る可能性は大いにあるだろう」
大掛かりな襲撃や、油断を誘った後に伏兵に襲わせるという手口。
そして尋問を長引かせて時間を稼ぎ、不安を煽るような言葉を吐いての自決という用意周到さを考えると、ただの物取りとは思えない。
カルロス様の言う通りそういう仕事を専門に行なっているプロの集団で間違いないだろう、そして黒幕がいるはずだ。
無目的でこんな事をするとは思えない。
「そう構え過ぎても精神的に良くないだろうが、万が一の為必ず誰かと連れ立って歩くようにしてほしい。ローシュにも話をしておく」
カルロス様はそう言ってリヴィオに目を向ける。
「リヴィオ、俺が言うのも烏滸がましいが、エカテリーナ嬢を是非守ってくれ。本来であれば王家がもっと大手を振って彼女の身の安全を図りたいのだが」
ローシュ様の婚約者ではなくなった私に対して表立って出来ることは、もうそこまでないだろう。
今は盛り上がっているがほとぼりが冷めれば、何時までも関係の切れた女に国のお金を使うのは良くないと言われかねない。
慰謝料はたんまりと貰ったし、こうしてリヴィオが隣にいるから私としては満足しているのでもう良いのだけれど。
「殿下、あまり気になさらずに。侯爵家の護衛を充分につけますので、心配は不要です」
お父様が話に割り込んでくる。
「父の言う通りです。王家からの手配は入りません。エカテリーナの事は俺達が守りますので。そちらはぜひローシュ殿下をお願いします」
お兄様もそんな事を言ってくれるわ。とても優しい家族だけれど、折角のカルロス様の配慮を断って良いのかしら?
「お二人の言う通りです。今後エカテリーナ様は俺達が守ります。ですので、カルロス様の申し出は有り難いのですが、王家からの護衛は御断りさせて下さい」
頭を下げるリヴィオ。
皆これ以上王家との繋がりを持ちたくないようね。ローシュ様が居るのだから仕方ないけれど、それでもこうして話に来てくれたカルロス様を私は嫌いになれないわ。
こんな少数の護衛しか連れず危険を冒してまで侯爵家に話をしに来てくれたのだから、内密の話なのだろうというのは想像に難くない。
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