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~三神の物語~
しおりを挟むこの世界には、世界と生命を守護する三神がいると云われている。
始めに、この世界を創造したという気まぐれで奇跡を与える黄金目の赤猫神。
次に、この世界に生命と秩序を授けたという信念で宿命を科す青目の白猿神。
最後に、この世界に力と心を教えたという情熱で自由を許す赤目の黒鷹神。
赤猫が世界を創造して直ぐに姿を消すと、後の二つの神が世界を管理していた。
しかし、白猿と黒鷹はよく相対していたという。
白猿が与えたものとは正反対のものを黒鷹は教えたとされた。
光を与えれば闇を教え、知恵を与えれば力を与える。
悲しみを与えれば喜びを、幸福を与えれば絶望を。
対立する二つの神が世界を巻き込む大戦争を起こすまでに、時は掛からなかった。
人は白猿と黒鷹、どちらを味方するかで二分した。
白猿を崇拝する人、黒鷹を崇拝する人。
黒鷹は自分を崇拝する者たちに自らの力を分け与えたという。
嘴、蹄、翼―――屈強な肉体。そして神の力である奇奇怪怪な能力。
片や白猿も対抗し、文明を発展させる力と知恵を教えたという。
そうして大戦は長く長く続いた。
結果として、対立していた二つの神は最後に和解したのだという。
二つの神は人々に世界を託し、遥か空の向こう―――天の国から見守ることにした。
残された人々は対立していた相手と手を取り合い、授かった力を使い、世界再生を目指した。
そうした中で黒鷹の力を授かった人たちは、その後も黒鷹の助言を受けていたという。
次第に彼らは『天からの使い』―――【天使】と呼ばれるようになった。
人と【天使】。当初は互いの長所を生かし、短所を助け合っていた。
しかし、彼らは外見と思想の違いから後々、再び対立。
長い長い争いを続けることとなる―――。
現在となっては、『赤猫』は古代神として文献やお伽噺でしか語られない。
『黒鷹』は【天使】を作り出した騒乱の邪神であるとされている。
唯一、『白猿』が人々を守護する秩序の神として崇められているのだ。
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