【R18】101回目の転生~天然無自覚少女は溺愛に気付かない~

しろ

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32.

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ついに私の1歳の誕生日。
朝目が覚めると、今日はカイ兄様だけじゃなくロイお兄様とラナンお兄様がベッドを囲んで私を見つめていた。

「ミュー、お誕生日おめでとう。」チュッ
「ミュラ、素敵な1年になるといいな」チュッ
「ミュリィ、ずっと一緒にいるよ」チュッ

お兄様達からお祝いの言葉と、頬、おでこ、瞼の順にキスを貰い、私は初めて誕生日を祝って貰った事に感動していた。
これまで101回の転生で、生まれてきた事を憎まれる事はあれど、お祝いしてもらうのは初めてだった。

「にーたん、しゅき」

私は感謝の気持ちを込めて「好き」を伝える。一人ずつ名前を呼ぶのはまだ口が上手く回らず自信がなかったので、まとめてお兄様と言ったつもりが「にーたん」になってしまった。恥ずかしい。本当に恥ずかしい。今年の目標は上手に喋れるようになることだなと早々に決めた。

「ミュー!僕も愛してる!!」
「俺も、ミュラが好きだよ。」
「ミュリィ、大好き!」

お兄様達からぎゅうぎゅう抱き締められて苦しかったけど、とても嬉しかった。

サーラの時もそうだったけど「好き」って伝えるとみんな喜んでくれる。やっぱり感謝の気持ちや嬉しい気持ち、相手を大切に思ってるって事は、言葉で伝えなくちゃいけないんだなぁ。
今までの人生では一度も言われた事がない言葉だったし、そういえば私も言った事がなかった。
よし、今回の人生では沢山の人に気持ちを伝えよう!

まだまだお兄様達から続くハグに痺れを切らしたサーラから「ミュラお嬢様のお支度がございますので、そろそろよろしいですか?」と笑顔だけどいつもより低い声で言われて、その場は解散になった。

今日はドレスを着付けたりサーラはいろいろ忙しいもんね。
サーラは本当に良くできた侍女だなぁ。
いつも本当にありがとう。
「しゃーら、しゅき」

「っく!!」
サーラは銃で撃たれたかの様な仕草で胸を押さえよろめく。やっぱりどこか体調が悪いんだろうか?この前も突然泣いていたし。
サーラの体調が心配だったけど、その後は元気そうに動いていたからとりあえず大丈夫なのかな?
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