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コツンと足音がして目線を向ければ、美しい動作でパパが礼をし、その横でママがカーテシーをしていた。
それに気づいたアレス王子様が穏やかな笑みを取り戻し声をかける。
「ルイズ殿、レイラ殿、本日はお招きいただきありがとう。」
アレス様は先程迄の砕けた態度から一変、姿勢を正し王族のオーラを纏う。
「親愛なるアレス第一王子様、キュアネ第一王女様、本日は我が娘ミュラの為にご足労いただき誠にありがとうございます。」
パパは深々とお辞儀をしたままだ。
「面を上げよ。父上は公務があり来られなかったが、ミュラ嬢に会えぬ事を非常に残念がっておったぞ。なんでも、登城要請を断られ続けているとおっしゃっていてな…」
「…申し訳ございません。近々ミュラと一緒にお伺いさせていただきます。」
「うむ。父上に伝えておこう。しかしなぁ…ルイズ殿、ミュラ嬢のこの力を報告していないのは問題であるぞ。」
「ミュラの力については…まだ確証が無く…。」
パパは苦い顔で言い淀む。私の力…??
「何を申しておる!」
キュアネ王女様が大きな声で割って入る。
「ミュラの力は聖女をも超えるのではないか?膨大な魔力と愛らしい容姿を兼ね備えているのじゃ、他国からも狙われかねないのじゃぞ。本来なら王宮で身柄を守る必要があるくらいじゃ。こんな無防備で…。我は心配じゃ。」
キッとパパを睨んだまま、キュアネ王女様は一気にまくし立てた。
「…登城時に国王様にもご報告させていただきます。現時点ではミュラ本人にも自覚が無く、どのように魔法を使っているのか解らないのです。ミュラの安全についてはロレイル家の総力をあげて必ず守ります。」
パパは真剣な眼差しを真っ直ぐ向けたままハッキリと言いきる。
「まぁまぁ、キュアネも落ち着きつきなさい。そんなに恐い顔をしたらミュラ嬢が泣いてしまうぞ。」
アレス王子が嗜めるようにキュアネ王女様の肩を撫でると、キュアネ王女様がハッとして私の顔を覗き込んだので、私は反射的にニコッと笑い大丈夫を伝えると、ぎゅっと抱き締められた。
「ルイズ殿、キュアネがすまないね。今日のパーティーで邪魔者も多く出来てしまったみたいだし…次の約束を取り付けられたから今日はこれで失礼するよ。」
アレス王子様はチラリと後方のお客様へ視線を流した後スッと私に向きなおり、未だキュアネ王女様に抱き締められたままの私の左手を取る。
「ミュラ嬢、近い内にまたな…」
チュッと手の甲に、そしてくるりと手を返されて手首の内側にゆっくりと唇を落とされた。
瞬間、ゾクリと熱が頬に集まる。
「兄上ずるいのじゃ!」チュッとキュアネ王女様には頬にキスをされる。
「チッ!」
「はぁ…」
「コロス…」
その光景にカイ兄様の盛大な舌打ちと、ロイお兄様のため息と…え?ラナンお兄様今何て言った?!
それに気づいたアレス王子様が穏やかな笑みを取り戻し声をかける。
「ルイズ殿、レイラ殿、本日はお招きいただきありがとう。」
アレス様は先程迄の砕けた態度から一変、姿勢を正し王族のオーラを纏う。
「親愛なるアレス第一王子様、キュアネ第一王女様、本日は我が娘ミュラの為にご足労いただき誠にありがとうございます。」
パパは深々とお辞儀をしたままだ。
「面を上げよ。父上は公務があり来られなかったが、ミュラ嬢に会えぬ事を非常に残念がっておったぞ。なんでも、登城要請を断られ続けているとおっしゃっていてな…」
「…申し訳ございません。近々ミュラと一緒にお伺いさせていただきます。」
「うむ。父上に伝えておこう。しかしなぁ…ルイズ殿、ミュラ嬢のこの力を報告していないのは問題であるぞ。」
「ミュラの力については…まだ確証が無く…。」
パパは苦い顔で言い淀む。私の力…??
「何を申しておる!」
キュアネ王女様が大きな声で割って入る。
「ミュラの力は聖女をも超えるのではないか?膨大な魔力と愛らしい容姿を兼ね備えているのじゃ、他国からも狙われかねないのじゃぞ。本来なら王宮で身柄を守る必要があるくらいじゃ。こんな無防備で…。我は心配じゃ。」
キッとパパを睨んだまま、キュアネ王女様は一気にまくし立てた。
「…登城時に国王様にもご報告させていただきます。現時点ではミュラ本人にも自覚が無く、どのように魔法を使っているのか解らないのです。ミュラの安全についてはロレイル家の総力をあげて必ず守ります。」
パパは真剣な眼差しを真っ直ぐ向けたままハッキリと言いきる。
「まぁまぁ、キュアネも落ち着きつきなさい。そんなに恐い顔をしたらミュラ嬢が泣いてしまうぞ。」
アレス王子が嗜めるようにキュアネ王女様の肩を撫でると、キュアネ王女様がハッとして私の顔を覗き込んだので、私は反射的にニコッと笑い大丈夫を伝えると、ぎゅっと抱き締められた。
「ルイズ殿、キュアネがすまないね。今日のパーティーで邪魔者も多く出来てしまったみたいだし…次の約束を取り付けられたから今日はこれで失礼するよ。」
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チュッと手の甲に、そしてくるりと手を返されて手首の内側にゆっくりと唇を落とされた。
瞬間、ゾクリと熱が頬に集まる。
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「チッ!」
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