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レティシア15歳 輝く未来へ
第145話 対抗戦二日目
しおりを挟む幸先の良いスタートを切ったレティシアのクラス、1年1組はその後も快進撃を続ける。
対抗戦2日目では……『武術対抗戦』では男女ともに勝利し各予選ブロックのトーナメントを勝ち進む。
1回戦では昨年の準優勝者と対戦したルシェーラだが、2回戦の相手はそれよりも格下であった。
そうであっても彼女はまったく油断することは無かったが、1回戦とは違い様子見することも無く一気に決着をつけた。
そしてシフィルが魔法競技の第1回戦に臨む。
男女ペアの『マギ・ボール』という競技であり、魔法でボールを撃ち合って相手陣地のゴールに入れるというものだ。
レティシアとしては、テニスとサッカーを合わせたような感覚で、コートの大きさはテニスのそれの倍くらい。
ゴールの大きさはサッカーのものより一回り小さいくらいか。
シフィルたちの対戦相手は1年2組で、女子はメリエルであった。
対抗戦では一部のクラスで人数が足りないため複数競技に出場する者がいるが、彼女は魔法競技と魔法対抗戦の二つに出場することになっていた。
そして試合が始まると、競技用の魔導杖によって威力が抑えられた数々の魔法が飛び交い、それに合わせてボールが両陣営を忙しなく行き来する。
高度な技の応酬、一進一退の攻防、白熱した互角の戦いに観客たちの応援にも熱が入る。
前世ではスポーツ観戦はそれなりに好きだったレティシアも、あらん限りの声を張り上げてシフィルたちを応援していた。
そしてお互いにマッチポイントで迎えた最後の攻防。
それを征したのは……シフィルたち1年1組ペアであった。
対抗戦2日目のその他の競技における1組1組の戦績は……
チェスに出場したクラス長のユーグは、惜しくも3回戦で敗退。
相手は昨年優勝の現生徒会長であり、ほぼ互角だったという。
普段冷静な彼が感情をあらわにして悔しがる姿を、レティシアはやや意外に感じたが、『やっぱり男の子なんだねぇ~』とも思った。
そのほか、各種陸上競技では総合優勝こそ無かったものの上位入賞を果たしていた。
その結果……
「現在ウチのクラスは……おお!全クラス中2位!1年では断トツだね!」
校内に張り出された順位表を確認し、レティシアはガッツポーズを取りながら喜びの声を上げた。
一緒にいるカティア、シフィル、ステラも歓喜に沸く。
「1位は……3年1組?」
「ええ。ほとんどの競技で勝ち残ってるみたいですわ。武術対抗戦では男女ともに昨年の優勝者を擁してます」
「だけど、そこまで離されてないから……ウチのクラスも十分に優勝を狙えるわよ!」
(むむむ……これは私も頑張らないと!)
戦闘には自信が持てない彼女も、せっかくのクラスの勢いに水を差したくないと、気合が漲ってくる。
「明日は私達全員に出番があるわね」
やはりやる気に満ちた表情でステラが言う。
彼女の言う通り、対抗戦3日目は彼女たち全員が何らかの競技に出場することになるのだ。
ルシェーラは武術対抗戦の第3回戦。
シフィルは魔法競技の第2、3回戦。
カティア、ステラのサバイバル。
そして、レティシアの魔法対抗戦の第1回戦だ。
2組のメリエルは魔法競技は敗退したものの、今度は魔法対抗戦に出場する予定だ。
ますます大きな盛り上がりを見せるクラス対抗戦。
レティシアたちは大切な青春のひとときを過ごしていた。
……しかし。
平和なはずの学園を脅かす存在が水面下で蠢いている事には……まだ誰も気が付かない。
その波乱の幕開けは対抗戦3日目より始まる。
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