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ヴァン・ルーク公爵邸の執務室。
そこは、私の知る限り、この国で最も「温度」が低い場所だった。
物理的な気温の話ではない。
調度品は黒と銀で統一され、余計な装飾は一切なし。
壁一面の本棚には、実用書と法令集がびっしりと並んでいる。
そして、部屋の中央にある巨大な黒檀の机には、私の天敵である「書類の塔」が三本ほど建設されていた。
「座れ」
アレクセイ公爵は、革張りのソファを顎で示した。
私は大人しく座る。
逃げ出そうにも、ドアの前には屈強な騎士が立っているし、窓は二階だ。
「紅茶だ。毒は入っていない」
彼が指を鳴らすと、影のように現れた執事が湯気の立つカップを置いていった。
漂ってくるのは、最高級茶葉として名高い『南方の黄金』の香り。
(……くっ、いい匂い)
私は警戒しつつも、一口だけ口をつけた。
美味しい。
悔しいけれど、王城で出されるぬるい紅茶とは雲泥の差だ。
「さて、メリーナ嬢」
公爵は私の対面のソファに腰を下ろし、長い足を組んだ。
その威圧感は凄まじい。
まるで、これから国の運命を決める重大な会議が始まるかのようだ。
「単刀直入に言おう」
彼は真剣な眼差しで、私を射抜いた。
「私と結婚しろ」
「お断りします」
間髪入れず、私は即答した。
コンマ一秒の迷いもない。
食い気味の拒絶に、さすがの公爵も片眉をピクリと跳ねさせる。
「……即答か。理由を聞こう」
「理由は山ほどあります」
私は指を折りながら、淡々と並べ立てた。
「第一に、私は今日、婚約破棄されたばかりの『傷物』です。公爵家の品位に関わります」
「気にするな。私が選んだのなら、それが最上のブランドになる」
「第二に、私は王族や高位貴族の面倒くさいしきたりにうんざりしています。二度と夜会で作り笑いをしたくありません」
「安心しろ。私も夜会は嫌いだ。必要最低限以外は欠席する」
「第三に!」
私は声を強めた。
「これが一番重要ですが、私はもう働きたくないのです!!」
私はソファから身を乗り出し、切実な思いを訴えた。
「私の夢は、誰にも邪魔されず、縁側で猫を撫でながら日向ぼっこをすることなんです! 公爵夫人なんて激務の代名詞、死んでも御免です!」
公爵夫人の仕事量は、王太子妃に次ぐ多さだ。
領地経営の補佐、社交、慈善事業、使用人の管理。
『氷の公爵』と呼ばれる彼の妻になれば、さらに冷徹で完璧な業務遂行を求められるに決まっている。
「ほう。働きたくない、か」
アレクセイ公爵は、なぜか楽しそうに口元を歪めた。
「あの完璧な請求書を作り、私の追跡をかわすために三時間で荷造りをした女が、働きたくないと言うか」
「能力があることと、労働意欲があることは別です!」
「その通りだ。だが、その能力を腐らせるのは、国家的な損失だ」
彼はサイドテーブルから、一枚の羊皮紙を取り出した。
「これを見ろ」
「……何ですか、これ」
私は怪訝な顔で受け取った。
そこには、『雇用契約書(案)』と書かれていた。
「え……雇用?」
「求婚と言ったが、実質的にはヘッドハンティングだ」
彼は淡々と説明を始めた。
「私は現在、王太子の不始末、国王陛下の公務代行、そして自領の経営を一手に引き受けている」
「……働きすぎでは?」
「否定はしない。だが、私の基準で仕事をこなせる人間が部下にいないのだ。どいつもこいつも、私の指示の意図を理解するのに半日かかる」
彼は深い溜息をついた。
その目の下には、うっすらとクマがある。
ああ、この人もまた、優秀すぎるがゆえの孤独な社畜なのだ。
少しだけ同情心が湧くが、それとこれとは話が別だ。
「そこで、お前だ」
彼は私をビシッと指差した。
「お前は、あの馬鹿な弟(ジュリアン)の尻拭いを十年間、完璧にこなしてきた。お前の作った書類を見たが、あれは芸術だ。無駄がなく、論理的で、かつ相手を言いくるめるための罠が巧妙に仕掛けられている」
「……褒め言葉として受け取っておきます」
「私はお前を、私の『共同経営者(パートナー)』として迎えたい。名目上は妻だが、実態は私の右腕だ」
「ですから、嫌ですってば。私は田舎でカブを育てたいんです」
「カブ?」
「はい。甘くて大きなカブです」
私が真顔で答えると、公爵は少し考え込み、そしてニヤリと笑った。
「いいだろう。条件を提示する」
彼は契約書案を指でトントンと叩いた。
「まず、給与。王城時代の『未払い分』も含め、年俸制で金貨〇〇枚を約束する」
「……ッ!?」
私は思わず目を見開いた。
その額は、私が一生かけてカブを育てても届かない金額だ。
「次に、勤務時間。基本は朝九時から夕方五時まで。残業は原則禁止だ。私は効率の悪い長時間労働を嫌う」
「……定時退社?」
「当然だ。そして、休日。週休二日制を完全導入する。さらに、年二回の長期休暇も保証しよう」
「……長期休暇……」
私の心が、グラリと揺れた。
王城では「休み? 何それ美味しいの?」状態だったのだ。
週休二日という響きが、あまりにも甘美すぎる。
「さらに」
彼は畳み掛けるように、とどめの一撃を放った。
「当家の専属シェフは、元宮廷料理長だ。お前の好きな菓子職人も引き抜いてある。毎日、三時のお茶には最高級のスイーツを用意させよう」
「……!」
「田舎に行けば、自分で飯を作らねばならんぞ? ここにいれば、上げ膳据え膳。掃除も洗濯も使用人がやる。お前はただ、その明晰な頭脳を使って、私の横で書類に判を押すだけでいい」
悪魔の囁きだ。
この男は、私の欲望のツボを完全に把握している。
「カブを育てたければ、庭師に命じて一角を畑にすればいい。最高級の肥料を用意させよう」
「……ぐぬぬ」
私は唸った。
自由な田舎暮らしか。
高待遇の公爵夫人ライフか。
冷静に考えれば、田舎暮らしは理想だが、現実には虫も出るし、水汲みも大変だし、冬は寒い。
対して、公爵邸は快適な住環境、美味しい食事、そして何より……。
「……本当に、残業はないんですね?」
「私が保証する。お前の能力なら、定時内に終わるはずだ」
「夜会は? 下らないお茶会は?」
「私が全て断る。お前は私の横で、ふんぞり返っていればいい」
「……ふんぞり返って」
そのイメージ図を想像する。
悪くない。
いや、むしろ最高ではないか?
ジュリアン殿下の時は「私が頭を下げて回る」役だったが、アレクセイ公爵となら「二人で高圧的に見下ろす」ことができる。
「どうだ、メリーナ。悪い話ではないだろう?」
彼は勝利を確信したように、契約書とペンを私の前に差し出した。
私はゴクリと喉を鳴らす。
「……一つだけ、条件を追加しても?」
「言ってみろ」
「『私の安眠を妨害しないこと』。朝は七時まで寝かせてください」
「許可する」
「……契約、成立です」
私は震える手でペンを取り、契約書にサインをした。
ああ、さようなら私のスローライフ。
でも、こんにちは高額年俸と週休二日。
書き終えた瞬間、アレクセイ公爵は満足げに頷き、私の手からペンを奪い取ると、自分も署名した。
「交渉成立だな」
彼は立ち上がり、私の前に手を差し出した。
「よろしく頼む、私の『妻』よ」
「……お手柔らかにお願いします、私の『雇用主』様」
私はため息交じりにその手を取った。
その手は、大きくて、温かかった。
こうして。
私は婚約破棄からわずか半日で、次なる職場(婚約先)へと再就職を決めてしまったのである。
だが、この時の私は甘かった。
「定時退社」という言葉が、あくまで「業務が終われば」という前提条件付きであることを、まだ理解していなかったのだ。
そして、目の前の書類の塔が、実は氷山の一角でしかないことも。
「では早速だが、メリーナ」
握手をした手を離さないまま、公爵は爽やかに言った。
「明日からと言わず、今から少し働けるか? ジュリアンがやらかした隣国とのトラブルが、今にも爆発しそうなのだ」
「……詐欺だ! この契約は無効です!」
「クーリングオフ期間はない。諦めて働け」
私の悲鳴が、氷の城にこだました。
そこは、私の知る限り、この国で最も「温度」が低い場所だった。
物理的な気温の話ではない。
調度品は黒と銀で統一され、余計な装飾は一切なし。
壁一面の本棚には、実用書と法令集がびっしりと並んでいる。
そして、部屋の中央にある巨大な黒檀の机には、私の天敵である「書類の塔」が三本ほど建設されていた。
「座れ」
アレクセイ公爵は、革張りのソファを顎で示した。
私は大人しく座る。
逃げ出そうにも、ドアの前には屈強な騎士が立っているし、窓は二階だ。
「紅茶だ。毒は入っていない」
彼が指を鳴らすと、影のように現れた執事が湯気の立つカップを置いていった。
漂ってくるのは、最高級茶葉として名高い『南方の黄金』の香り。
(……くっ、いい匂い)
私は警戒しつつも、一口だけ口をつけた。
美味しい。
悔しいけれど、王城で出されるぬるい紅茶とは雲泥の差だ。
「さて、メリーナ嬢」
公爵は私の対面のソファに腰を下ろし、長い足を組んだ。
その威圧感は凄まじい。
まるで、これから国の運命を決める重大な会議が始まるかのようだ。
「単刀直入に言おう」
彼は真剣な眼差しで、私を射抜いた。
「私と結婚しろ」
「お断りします」
間髪入れず、私は即答した。
コンマ一秒の迷いもない。
食い気味の拒絶に、さすがの公爵も片眉をピクリと跳ねさせる。
「……即答か。理由を聞こう」
「理由は山ほどあります」
私は指を折りながら、淡々と並べ立てた。
「第一に、私は今日、婚約破棄されたばかりの『傷物』です。公爵家の品位に関わります」
「気にするな。私が選んだのなら、それが最上のブランドになる」
「第二に、私は王族や高位貴族の面倒くさいしきたりにうんざりしています。二度と夜会で作り笑いをしたくありません」
「安心しろ。私も夜会は嫌いだ。必要最低限以外は欠席する」
「第三に!」
私は声を強めた。
「これが一番重要ですが、私はもう働きたくないのです!!」
私はソファから身を乗り出し、切実な思いを訴えた。
「私の夢は、誰にも邪魔されず、縁側で猫を撫でながら日向ぼっこをすることなんです! 公爵夫人なんて激務の代名詞、死んでも御免です!」
公爵夫人の仕事量は、王太子妃に次ぐ多さだ。
領地経営の補佐、社交、慈善事業、使用人の管理。
『氷の公爵』と呼ばれる彼の妻になれば、さらに冷徹で完璧な業務遂行を求められるに決まっている。
「ほう。働きたくない、か」
アレクセイ公爵は、なぜか楽しそうに口元を歪めた。
「あの完璧な請求書を作り、私の追跡をかわすために三時間で荷造りをした女が、働きたくないと言うか」
「能力があることと、労働意欲があることは別です!」
「その通りだ。だが、その能力を腐らせるのは、国家的な損失だ」
彼はサイドテーブルから、一枚の羊皮紙を取り出した。
「これを見ろ」
「……何ですか、これ」
私は怪訝な顔で受け取った。
そこには、『雇用契約書(案)』と書かれていた。
「え……雇用?」
「求婚と言ったが、実質的にはヘッドハンティングだ」
彼は淡々と説明を始めた。
「私は現在、王太子の不始末、国王陛下の公務代行、そして自領の経営を一手に引き受けている」
「……働きすぎでは?」
「否定はしない。だが、私の基準で仕事をこなせる人間が部下にいないのだ。どいつもこいつも、私の指示の意図を理解するのに半日かかる」
彼は深い溜息をついた。
その目の下には、うっすらとクマがある。
ああ、この人もまた、優秀すぎるがゆえの孤独な社畜なのだ。
少しだけ同情心が湧くが、それとこれとは話が別だ。
「そこで、お前だ」
彼は私をビシッと指差した。
「お前は、あの馬鹿な弟(ジュリアン)の尻拭いを十年間、完璧にこなしてきた。お前の作った書類を見たが、あれは芸術だ。無駄がなく、論理的で、かつ相手を言いくるめるための罠が巧妙に仕掛けられている」
「……褒め言葉として受け取っておきます」
「私はお前を、私の『共同経営者(パートナー)』として迎えたい。名目上は妻だが、実態は私の右腕だ」
「ですから、嫌ですってば。私は田舎でカブを育てたいんです」
「カブ?」
「はい。甘くて大きなカブです」
私が真顔で答えると、公爵は少し考え込み、そしてニヤリと笑った。
「いいだろう。条件を提示する」
彼は契約書案を指でトントンと叩いた。
「まず、給与。王城時代の『未払い分』も含め、年俸制で金貨〇〇枚を約束する」
「……ッ!?」
私は思わず目を見開いた。
その額は、私が一生かけてカブを育てても届かない金額だ。
「次に、勤務時間。基本は朝九時から夕方五時まで。残業は原則禁止だ。私は効率の悪い長時間労働を嫌う」
「……定時退社?」
「当然だ。そして、休日。週休二日制を完全導入する。さらに、年二回の長期休暇も保証しよう」
「……長期休暇……」
私の心が、グラリと揺れた。
王城では「休み? 何それ美味しいの?」状態だったのだ。
週休二日という響きが、あまりにも甘美すぎる。
「さらに」
彼は畳み掛けるように、とどめの一撃を放った。
「当家の専属シェフは、元宮廷料理長だ。お前の好きな菓子職人も引き抜いてある。毎日、三時のお茶には最高級のスイーツを用意させよう」
「……!」
「田舎に行けば、自分で飯を作らねばならんぞ? ここにいれば、上げ膳据え膳。掃除も洗濯も使用人がやる。お前はただ、その明晰な頭脳を使って、私の横で書類に判を押すだけでいい」
悪魔の囁きだ。
この男は、私の欲望のツボを完全に把握している。
「カブを育てたければ、庭師に命じて一角を畑にすればいい。最高級の肥料を用意させよう」
「……ぐぬぬ」
私は唸った。
自由な田舎暮らしか。
高待遇の公爵夫人ライフか。
冷静に考えれば、田舎暮らしは理想だが、現実には虫も出るし、水汲みも大変だし、冬は寒い。
対して、公爵邸は快適な住環境、美味しい食事、そして何より……。
「……本当に、残業はないんですね?」
「私が保証する。お前の能力なら、定時内に終わるはずだ」
「夜会は? 下らないお茶会は?」
「私が全て断る。お前は私の横で、ふんぞり返っていればいい」
「……ふんぞり返って」
そのイメージ図を想像する。
悪くない。
いや、むしろ最高ではないか?
ジュリアン殿下の時は「私が頭を下げて回る」役だったが、アレクセイ公爵となら「二人で高圧的に見下ろす」ことができる。
「どうだ、メリーナ。悪い話ではないだろう?」
彼は勝利を確信したように、契約書とペンを私の前に差し出した。
私はゴクリと喉を鳴らす。
「……一つだけ、条件を追加しても?」
「言ってみろ」
「『私の安眠を妨害しないこと』。朝は七時まで寝かせてください」
「許可する」
「……契約、成立です」
私は震える手でペンを取り、契約書にサインをした。
ああ、さようなら私のスローライフ。
でも、こんにちは高額年俸と週休二日。
書き終えた瞬間、アレクセイ公爵は満足げに頷き、私の手からペンを奪い取ると、自分も署名した。
「交渉成立だな」
彼は立ち上がり、私の前に手を差し出した。
「よろしく頼む、私の『妻』よ」
「……お手柔らかにお願いします、私の『雇用主』様」
私はため息交じりにその手を取った。
その手は、大きくて、温かかった。
こうして。
私は婚約破棄からわずか半日で、次なる職場(婚約先)へと再就職を決めてしまったのである。
だが、この時の私は甘かった。
「定時退社」という言葉が、あくまで「業務が終われば」という前提条件付きであることを、まだ理解していなかったのだ。
そして、目の前の書類の塔が、実は氷山の一角でしかないことも。
「では早速だが、メリーナ」
握手をした手を離さないまま、公爵は爽やかに言った。
「明日からと言わず、今から少し働けるか? ジュリアンがやらかした隣国とのトラブルが、今にも爆発しそうなのだ」
「……詐欺だ! この契約は無効です!」
「クーリングオフ期間はない。諦めて働け」
私の悲鳴が、氷の城にこだました。
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