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公爵邸のテラスには、氷河期が訪れていた。
原因は、テーブルの上に置かれた一枚の手紙――ジュリアン王太子からの「復縁要請(という名の命令書)」である。
アレクセイ公爵は、美しい顔に能面のような無表情を貼り付け、静かに言った。
「……メリーナ」
「はい、閣下」
「この手紙を持ってきた急使は、まだそこにいるか?」
視線の先には、直立不動で震えている王城の従僕がいた。
彼は公爵の放つ冷気(殺気)に当てられ、生まれたての子鹿のように膝をガクガクさせている。
「は、はひっ! お、お返事を……殿下が、お返事を待てと……!」
従僕は涙目で訴えた。
彼に罪はない。ただ、上司が愚かだっただけだ。
アレクセイ公爵は、ゆったりとカップを置いた。
その動作だけで、従僕が「ヒィッ」と悲鳴を上げる。
「よかろう。返事を書く前に、この素晴らしい手紙の内容を精査しようではないか」
公爵は手紙を指先で摘み上げた。まるで汚物でも扱うかのように。
「まず、ここだ。『君のような地味な女が、堅物の兄上と暮らすのは辛いだろう』……ほう?」
公爵の声が、絶対零度まで下がる。
「私は堅物か? メリーナ」
「いえ。閣下は『仕事熱心』で『合理的』なだけです。それに、おやつのセンスは王太子の百倍あります」
私が即答すると、公爵の表情がふっと緩んだ。
「そうだな。お前はよく分かっている」
「それに、『地味な女』という表現も失礼です。今日の私は、閣下が選んでくださった最高級のドレスを着ているのに」
私は胸を張って、ダイヤモンドの粉末が織り込まれたドレスを見せつけた。
公爵は満足げに頷く。
「ああ。地味どころか、今の王城の全財産を売っても買えない価値がある。……ジュリアンめ、眼球が腐っているのか?」
公爵の毒舌が止まらない。
彼は再び手紙に目を落とした。
「次だ。『側仕えとして置いてやってもいい』……これが最大の謎だ」
公爵は心底理解できないという顔で、首を傾げた。
「なぜ、次期公爵夫人であり、私のパートナーであるお前が、王太子の愛人の『下働き』にならねばならんのだ? 給料は下がる、地位は落ちる、福利厚生は皆無。……何のメリットがある?」
「殿下の中では、『王太子のそばにいられること』が、この世で最も価値ある報酬なのでしょう」
私は冷静に分析した。
「彼は本気で信じているのです。『メリーナは僕に捨てられて泣いている』『僕が声をかければ、尻尾を振って戻ってくる』と」
「……頭がおめでたいな」
「お花畑ですから」
私たちが淡々と会話していると、従僕が恐る恐る口を挟んだ。
「あ、あのぅ……。殿下は、『メリーナは強がっているだけだ。素直になれば許してやる』と仰ってまして……。その、お菓子を持ってくれば、水に流すと……」
ドゴォン!!
突然、テーブルが揺れた。
アレクセイ公爵が、拳を叩きつけた音だ。
「……水に流す、だと?」
公爵が立ち上がる。
その背後に、どす黒いオーラが立ち上るのが見えた(気がした)。
「どちらがだ。水に流してやるのはこちらの方だぞ。数々の未払い賃金、冤罪による名誉毀損、そして精神的苦痛。……それらを棚に上げて、『許してやる』だと?」
「ひぃぃぃッ!! お、お許しをぉぉ!!」
従僕がその場に土下座する。
「まあまあ、閣下。落ち着いてください」
私は優雅にマスカットをつまみながら、公爵を宥めた。
「怒るだけ無駄です。言葉が通じる相手なら、最初からこんな手紙は書きません」
「……チッ。そうだったな」
公爵は舌打ちをして座り直した。
「だが、腹の虫が治まらん。メリーナ、お前はどう思う?」
彼は真剣な眼差しで私を見た。
「万が一、億が一だが……お前は、戻りたいか?」
「は?」
私は素っ頓狂な声を出した。
「戻る? 私が? 王城へ?」
「ああ。ジュリアンは腐っても王太子だ。将来の王妃(側室だが)という立場に、未練はないか?」
公爵の瞳が、僅かに揺れている。
これは……もしや、嫉妬だろうか?
あるいは、私が「やっぱり殿下が好き!」と言い出す可能性を、0.1%くらい危惧しているのだろうか。
私は呆れて溜息をついた。
そして、ニッコリと、今日一番の輝く笑顔を見せた。
「閣下。私の辞書に『無給労働』という言葉はありません」
「……」
「それに、今の私は『定時退社』と『おやつ食べ放題』の特権を持っています。これを手放してまで、あのブラック職場に戻る理由が、地球上のどこに存在するというのです?」
私の揺るぎない「現金な」答えに、公爵は一瞬呆気にとられ、それから楽しそうに笑い出した。
「くく……ははは! そうか、そうだったな!」
彼は私の手を取り、甲に口づけを落とした。
「愚問だった。お前は愛よりも実利を取る女だったな」
「愛も大事ですよ? ですが、相手によります」
私は公爵の手を握り返した。
「私は、私を正当に評価し、大切にしてくれる(美味しいお菓子をくれる)雇用主様の方が、ずっと好きです」
「……ほう」
公爵の目が、怪しく光る。
「『好き』か。その言葉、契約書に追加しておこう」
「あ、今のなしで。言質を取らないでください」
「もう遅い」
公爵は上機嫌で立ち上がると、震えている従僕を見下ろした。
「聞いたな? 这が彼女の答えだ」
「は、はいっ! 確かに聞きました! 『王太子殿下より、公爵閣下のほうが条件が良い』と!」
「少し違うが、まあいい」
公爵は私に向き直った。
「さて、メリーナ。感動的な返信を書いてやろう。殿下が二度と『復縁』などという寝言を言えないような、強烈な一撃を」
「ええ。任せてください」
私は執事が用意した最高級の便箋ではなく、その辺にあったメモ用紙を取り出した。
「丁寧な手紙を書く時間も、私の時給に含まれますので。こんな無駄な要件には、メモ書きで十分です」
私はペンを取り、サラサラと文字を走らせる。
ジュリアン殿下の「上から目線」を、地面の底から見上げるような「現実」で叩き潰すために。
これから書くのは、たったの三行。
しかし、その三行には、私の十年間の恨みと、現在の充実した生活(マウント)が凝縮されている。
「さあ、書き終わりました」
私がペンを置くと、公爵がそれを覗き込み、そして吹き出した。
「ぶッ……! 容赦ないな、お前」
「事実ですので」
「いいだろう。これをそのまま封筒に入れろ。封蝋は……そうだな、アシュフォード家の紋章ではなく、私の『ヴァン・ルーク家』の紋章を使え」
「よろしいのですか?」
「ああ。これは『私の婚約者に手を出すな』という、私からの意思表示でもある」
公爵は楽しそうに、自らの印章を押した。
「さあ、持っていけ!」
公爵が従僕に手紙(メモ入り)を投げる。
「これをジュリアンに渡せ。『アシュフォード公爵令嬢はすでに私のものだ。不用品回収は受け付けていない』とな」
「は、はいぃぃぃッ!!」
従僕は脱兎のごとく逃げ出した。
テラスに再び静寂が戻る。
しかし、先ほどまでの冷たい空気はない。
あるのは、共犯者たちのあたたかな(そして少し黒い)笑い声だけだった。
「……あー、すっきりした」
私は伸びをした。
「さて、お茶の続きをしましょうか、閣下」
「そうだな。タルトがまだ残っている」
私たちは再び優雅なティータイムに戻った。
一方、その手紙を受け取るであろう王太子たちが、どんな顔をするか。
それを想像するだけで、マスカットの味がさらに甘く感じられるのだった。
原因は、テーブルの上に置かれた一枚の手紙――ジュリアン王太子からの「復縁要請(という名の命令書)」である。
アレクセイ公爵は、美しい顔に能面のような無表情を貼り付け、静かに言った。
「……メリーナ」
「はい、閣下」
「この手紙を持ってきた急使は、まだそこにいるか?」
視線の先には、直立不動で震えている王城の従僕がいた。
彼は公爵の放つ冷気(殺気)に当てられ、生まれたての子鹿のように膝をガクガクさせている。
「は、はひっ! お、お返事を……殿下が、お返事を待てと……!」
従僕は涙目で訴えた。
彼に罪はない。ただ、上司が愚かだっただけだ。
アレクセイ公爵は、ゆったりとカップを置いた。
その動作だけで、従僕が「ヒィッ」と悲鳴を上げる。
「よかろう。返事を書く前に、この素晴らしい手紙の内容を精査しようではないか」
公爵は手紙を指先で摘み上げた。まるで汚物でも扱うかのように。
「まず、ここだ。『君のような地味な女が、堅物の兄上と暮らすのは辛いだろう』……ほう?」
公爵の声が、絶対零度まで下がる。
「私は堅物か? メリーナ」
「いえ。閣下は『仕事熱心』で『合理的』なだけです。それに、おやつのセンスは王太子の百倍あります」
私が即答すると、公爵の表情がふっと緩んだ。
「そうだな。お前はよく分かっている」
「それに、『地味な女』という表現も失礼です。今日の私は、閣下が選んでくださった最高級のドレスを着ているのに」
私は胸を張って、ダイヤモンドの粉末が織り込まれたドレスを見せつけた。
公爵は満足げに頷く。
「ああ。地味どころか、今の王城の全財産を売っても買えない価値がある。……ジュリアンめ、眼球が腐っているのか?」
公爵の毒舌が止まらない。
彼は再び手紙に目を落とした。
「次だ。『側仕えとして置いてやってもいい』……これが最大の謎だ」
公爵は心底理解できないという顔で、首を傾げた。
「なぜ、次期公爵夫人であり、私のパートナーであるお前が、王太子の愛人の『下働き』にならねばならんのだ? 給料は下がる、地位は落ちる、福利厚生は皆無。……何のメリットがある?」
「殿下の中では、『王太子のそばにいられること』が、この世で最も価値ある報酬なのでしょう」
私は冷静に分析した。
「彼は本気で信じているのです。『メリーナは僕に捨てられて泣いている』『僕が声をかければ、尻尾を振って戻ってくる』と」
「……頭がおめでたいな」
「お花畑ですから」
私たちが淡々と会話していると、従僕が恐る恐る口を挟んだ。
「あ、あのぅ……。殿下は、『メリーナは強がっているだけだ。素直になれば許してやる』と仰ってまして……。その、お菓子を持ってくれば、水に流すと……」
ドゴォン!!
突然、テーブルが揺れた。
アレクセイ公爵が、拳を叩きつけた音だ。
「……水に流す、だと?」
公爵が立ち上がる。
その背後に、どす黒いオーラが立ち上るのが見えた(気がした)。
「どちらがだ。水に流してやるのはこちらの方だぞ。数々の未払い賃金、冤罪による名誉毀損、そして精神的苦痛。……それらを棚に上げて、『許してやる』だと?」
「ひぃぃぃッ!! お、お許しをぉぉ!!」
従僕がその場に土下座する。
「まあまあ、閣下。落ち着いてください」
私は優雅にマスカットをつまみながら、公爵を宥めた。
「怒るだけ無駄です。言葉が通じる相手なら、最初からこんな手紙は書きません」
「……チッ。そうだったな」
公爵は舌打ちをして座り直した。
「だが、腹の虫が治まらん。メリーナ、お前はどう思う?」
彼は真剣な眼差しで私を見た。
「万が一、億が一だが……お前は、戻りたいか?」
「は?」
私は素っ頓狂な声を出した。
「戻る? 私が? 王城へ?」
「ああ。ジュリアンは腐っても王太子だ。将来の王妃(側室だが)という立場に、未練はないか?」
公爵の瞳が、僅かに揺れている。
これは……もしや、嫉妬だろうか?
あるいは、私が「やっぱり殿下が好き!」と言い出す可能性を、0.1%くらい危惧しているのだろうか。
私は呆れて溜息をついた。
そして、ニッコリと、今日一番の輝く笑顔を見せた。
「閣下。私の辞書に『無給労働』という言葉はありません」
「……」
「それに、今の私は『定時退社』と『おやつ食べ放題』の特権を持っています。これを手放してまで、あのブラック職場に戻る理由が、地球上のどこに存在するというのです?」
私の揺るぎない「現金な」答えに、公爵は一瞬呆気にとられ、それから楽しそうに笑い出した。
「くく……ははは! そうか、そうだったな!」
彼は私の手を取り、甲に口づけを落とした。
「愚問だった。お前は愛よりも実利を取る女だったな」
「愛も大事ですよ? ですが、相手によります」
私は公爵の手を握り返した。
「私は、私を正当に評価し、大切にしてくれる(美味しいお菓子をくれる)雇用主様の方が、ずっと好きです」
「……ほう」
公爵の目が、怪しく光る。
「『好き』か。その言葉、契約書に追加しておこう」
「あ、今のなしで。言質を取らないでください」
「もう遅い」
公爵は上機嫌で立ち上がると、震えている従僕を見下ろした。
「聞いたな? 这が彼女の答えだ」
「は、はいっ! 確かに聞きました! 『王太子殿下より、公爵閣下のほうが条件が良い』と!」
「少し違うが、まあいい」
公爵は私に向き直った。
「さて、メリーナ。感動的な返信を書いてやろう。殿下が二度と『復縁』などという寝言を言えないような、強烈な一撃を」
「ええ。任せてください」
私は執事が用意した最高級の便箋ではなく、その辺にあったメモ用紙を取り出した。
「丁寧な手紙を書く時間も、私の時給に含まれますので。こんな無駄な要件には、メモ書きで十分です」
私はペンを取り、サラサラと文字を走らせる。
ジュリアン殿下の「上から目線」を、地面の底から見上げるような「現実」で叩き潰すために。
これから書くのは、たったの三行。
しかし、その三行には、私の十年間の恨みと、現在の充実した生活(マウント)が凝縮されている。
「さあ、書き終わりました」
私がペンを置くと、公爵がそれを覗き込み、そして吹き出した。
「ぶッ……! 容赦ないな、お前」
「事実ですので」
「いいだろう。これをそのまま封筒に入れろ。封蝋は……そうだな、アシュフォード家の紋章ではなく、私の『ヴァン・ルーク家』の紋章を使え」
「よろしいのですか?」
「ああ。これは『私の婚約者に手を出すな』という、私からの意思表示でもある」
公爵は楽しそうに、自らの印章を押した。
「さあ、持っていけ!」
公爵が従僕に手紙(メモ入り)を投げる。
「これをジュリアンに渡せ。『アシュフォード公爵令嬢はすでに私のものだ。不用品回収は受け付けていない』とな」
「は、はいぃぃぃッ!!」
従僕は脱兎のごとく逃げ出した。
テラスに再び静寂が戻る。
しかし、先ほどまでの冷たい空気はない。
あるのは、共犯者たちのあたたかな(そして少し黒い)笑い声だけだった。
「……あー、すっきりした」
私は伸びをした。
「さて、お茶の続きをしましょうか、閣下」
「そうだな。タルトがまだ残っている」
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