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王都の夜空を、花火が彩る。
今宵は、王家主催の建国記念パーティ。
国内の全貴族が招待される、一年で最も華やかで、かつ最も面倒くさいイベントである。
王城の正門前には、着飾った貴族たちを乗せた馬車の列が長蛇をなしていた。
その中の一台。
漆黒の車体に、銀の装飾が施されたヴァン・ルーク公爵家の馬車の中で、私は死んだ魚のような目をしていた。
「……帰りたいです」
「まだ着いてもいないぞ」
向かいに座るアレクセイ公爵は、今日も完璧な美貌で微笑んでいる。
夜会服を隙なく着こなした彼は、まさに「歩く芸術品」だ。
対する私はというと。
「重い……。このネックレス、肩が凝ります。ドレスの腰回りもきついし……」
「文句を言うな。そのドレスは、王都のトップデザイナーが徹夜で仕上げた最高傑作だ。それに、そのネックレスのダイヤは、私の鉱山で採れた中でも最大級のものだぞ」
「換金したらいくらになるかしら……」
「売るな」
公爵に即座に釘を刺された。
今日の私は、彼の宣言通り「ジュリアンが直視できないほど眩しい女」に仕立て上げられていた。
ドレスは、真夜中の海を思わせるディープブルー。
そこに散りばめられた宝石が、照明を浴びるたびに星屑のように煌めく。
化粧も、いつもの地味なナチュラルメイクではなく、プロの手によって妖艶さと気品を兼ね備えた「勝負メイク」が施されていた。
「いいか、メリーナ。今夜のミッションは二つだ」
公爵は私の手を取り、真剣な眼差しを向けた。
「一つ。ジュリアンとリラに、お前がどれほど素晴らしい女性かを見せつけ、彼らを絶望の縁に叩き落とすこと」
「性格が悪いですね」
「二つ。国王陛下に、お前が私の『不可侵領域』であることを認識させ、二度と手出しをさせないこと」
「それは重要ですね。頑張ります」
私が頷くと、馬車が停止した。
どうやら、正面玄関に到着したようだ。
「行くぞ。……背筋を伸ばせ。お前は今夜、この会場の誰よりも美しい」
彼は私の耳元で甘く囁くと、馬車の扉を開けた。
◇
「ヴァン・ルーク公爵閣下、ならびに……アシュフォード公爵令嬢、ご到着ー!!」
衛兵の声が響き渡る。
ざわめいていた大広間が、一瞬で静まり返った。
誰もが固唾を飲んで入り口を見つめる。
それもそうだろう。
数日前の婚約破棄騒動。
そして、「氷の公爵」による突然の婚約発表。
噂が噂を呼び、今の社交界は私たちの話題で持ちきりなのだ。
『メリーナ様、やつれているんじゃないかしら……』
『無理やり連れてこられたという噂よ』
『可哀想に、ジュリアン殿下に未練たらたらで泣き腫らしているのでは……』
そんな、同情と好奇の視線が突き刺さる中。
巨大な扉が、ゆっくりと開かれた。
私は大きく息を吸い込み、アレクセイ公爵の腕に手を添えた。
「(……よし、仕事モード、オン!)」
カツン、カツン。
ヒールの音と共に、私たちは光あふれるホールへと足を踏み入れた。
その瞬間。
「…………ッ!!」
会場の空気が、凍りついたのではない。
爆発したかのように、どよめきが走った。
「な、なんだあの美女は!?」
「メリーナ様……? 嘘でしょう!?」
「あんなに美しかったか!? まるで女神じゃないか!」
人々の視線が、私に釘付けになる。
やつれている? 泣き腫らしている?
とんでもない。
公爵邸での快適な睡眠と、最高級の栄養(お菓子)により、今の私の肌はゆで卵のようにツヤツヤだ。
さらに、アレクセイ公爵の見立てたドレスが、私の隠されていたプロポーションを完璧に引き立てている。
そして何より。
隣に立つアレクセイ公爵が、私をエスコートしながら、周囲に凄まじい「ドヤ顔」を振りまいているのだ。
『見ろ。これが俺の婚約者だ。美しいだろう? だが触るな。見ることすら有料にしたいレベルだ』
そんな心の声が聞こえてきそうなほど、彼の態度は堂々としていた。
「(……注目されすぎて、胃が痛い)」
私が小声で呟くと、彼はニヤリと笑った。
「堂々としていろ。お前が歩く道が、そのままレッドカーペットになる」
私たちは人混みを割り、会場の中央へと進んだ。
モーゼの十戒のように、貴族たちが左右に分かれていく。
「ごきげんよう、メリーナ様……! その、とても素敵ですわ!」
「公爵閣下とお似合いです!」
今まで私を「地味で堅苦しい女」と敬遠していた令嬢たちが、掌を返したように媚びた笑顔を向けてくる。
私は営業スマイルで優雅に会釈を返した。
「ありがとう。皆様もお美しいわ」
心の中では「現金な人たちね」と毒づきながら。
と、その時だった。
人垣の向こうから、明らかにオーラの違う集団――いや、どんよりとした空気を纏った二人組がこちらを見ていた。
金髪が乱れ、目の下にクマを作ったジュリアン王太子。
そして、以前着ていたのと同じドレス(しかもシワが寄っている)を着た、リラ男爵令嬢。
彼らは、シャンパングラスを持ったまま、私たちを見て石化していた。
「あ……」
リラが掠れた声を出す。
「メ、メリーナ……様……?」
ジュリアンもまた、信じられないものを見る目で私を凝視している。
「嘘だ……。あれが、あの地味なメリーナだと……?」
彼らの知る私は、常に眉間にシワを寄せ、地味な色のドレスを着て、書類を抱えて走り回っていた。
今の、宝石のように輝き、国一番の美男子に愛されている私とは、まるで別人のように見えたのだろう。
「やあ、ジュリアン」
アレクセイ公爵が、わざとらしく明るい声で声をかけた。
「久しぶりだな。……随分と顔色が悪いようだが、何か悩み事でも?」
白々しい。
悩み事の原因(請求書と三行の手紙)を作った張本人が言うセリフではない。
ジュリアンはハッとして、悔しげに顔を歪めた。
「あ、兄上……! よくもぬけぬけと……! メリーナを返せ!」
彼は叫びながら詰め寄ろうとしたが、アレクセイ公爵の一睨みで足を止めた。
「返せ? 誰に向かって口を聞いている」
公爵の声が低くなる。
「彼女は私の正式な婚約者だ。お前が捨て、私が拾い、磨き上げた。……所有権は完全に私にある」
公爵は私の肩を抱き寄せ、見せつけるように髪にキスをした。
「きゃっ!?」
会場から黄色い悲鳴が上がる。
ジュリアンは顔を真っ赤にして、ワナワナと震え出した。
「ぐ、ぐぬぬ……! 父上! 父上はどこだ! こんな不当な婚約、認められるはずがない!」
彼は周囲を見回し、壇上に座っている国王陛下に助けを求めた。
しかし。
国王陛下は、私たちの方を見て、さっと視線を逸らした。
そして、額に脂汗をかきながら、侍従に何やら耳打ちをしている。
『(……目を合わせるな。あいつらに関わると、また請求書が来るぞ……)』
そんな王の声が聞こえてきそうだ。
ジュリアンは孤立無援だった。
周囲の貴族たちも、すでに勝敗は決したと悟り、冷ややかな目で王太子を見ている。
「可哀想な殿下……」
「逃がした魚は大きすぎたわね」
そんな囁きが聞こえる中、私はジュリアンとリラに向き直り、ニッコリと微笑んだ。
「ごきげんよう、殿下、リラ様。本日のパーティ、楽しんでいらっしゃいますか?」
余裕の笑み。
それは、かつて彼らが私に向けた「勝ち誇った笑み」の、百倍返しの輝きを持っていた。
「くっ……!」
ジュリアンは言葉を失い、リラは涙目で俯く。
勝負あり。
入場からわずか数分で、私たちは完全勝利を収めた――かに見えた。
だが。
物語はここで終わらない。
追い詰められたネズミは、猫を噛むという。
窮地に立たされたリラが、震える声で、とんでもない爆弾発言を投下しようとしていたのだ。
「……ず、ずるいです!」
リラが突然叫んだ。
「メリーナ様だけ、そんな綺麗なドレスを着て……! それは王家の税金で作ったんでしょう!? 横領ですわ!」
会場が静まり返る。
横領。
それは、公爵令嬢に対して決して言ってはならない、致命的な侮辱だった。
アレクセイ公爵の目が、スッと細められる。
「……今、なんと?」
パーティ会場の気温が、一気に氷点下へと叩き落とされた。
今宵は、王家主催の建国記念パーティ。
国内の全貴族が招待される、一年で最も華やかで、かつ最も面倒くさいイベントである。
王城の正門前には、着飾った貴族たちを乗せた馬車の列が長蛇をなしていた。
その中の一台。
漆黒の車体に、銀の装飾が施されたヴァン・ルーク公爵家の馬車の中で、私は死んだ魚のような目をしていた。
「……帰りたいです」
「まだ着いてもいないぞ」
向かいに座るアレクセイ公爵は、今日も完璧な美貌で微笑んでいる。
夜会服を隙なく着こなした彼は、まさに「歩く芸術品」だ。
対する私はというと。
「重い……。このネックレス、肩が凝ります。ドレスの腰回りもきついし……」
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「換金したらいくらになるかしら……」
「売るな」
公爵に即座に釘を刺された。
今日の私は、彼の宣言通り「ジュリアンが直視できないほど眩しい女」に仕立て上げられていた。
ドレスは、真夜中の海を思わせるディープブルー。
そこに散りばめられた宝石が、照明を浴びるたびに星屑のように煌めく。
化粧も、いつもの地味なナチュラルメイクではなく、プロの手によって妖艶さと気品を兼ね備えた「勝負メイク」が施されていた。
「いいか、メリーナ。今夜のミッションは二つだ」
公爵は私の手を取り、真剣な眼差しを向けた。
「一つ。ジュリアンとリラに、お前がどれほど素晴らしい女性かを見せつけ、彼らを絶望の縁に叩き落とすこと」
「性格が悪いですね」
「二つ。国王陛下に、お前が私の『不可侵領域』であることを認識させ、二度と手出しをさせないこと」
「それは重要ですね。頑張ります」
私が頷くと、馬車が停止した。
どうやら、正面玄関に到着したようだ。
「行くぞ。……背筋を伸ばせ。お前は今夜、この会場の誰よりも美しい」
彼は私の耳元で甘く囁くと、馬車の扉を開けた。
◇
「ヴァン・ルーク公爵閣下、ならびに……アシュフォード公爵令嬢、ご到着ー!!」
衛兵の声が響き渡る。
ざわめいていた大広間が、一瞬で静まり返った。
誰もが固唾を飲んで入り口を見つめる。
それもそうだろう。
数日前の婚約破棄騒動。
そして、「氷の公爵」による突然の婚約発表。
噂が噂を呼び、今の社交界は私たちの話題で持ちきりなのだ。
『メリーナ様、やつれているんじゃないかしら……』
『無理やり連れてこられたという噂よ』
『可哀想に、ジュリアン殿下に未練たらたらで泣き腫らしているのでは……』
そんな、同情と好奇の視線が突き刺さる中。
巨大な扉が、ゆっくりと開かれた。
私は大きく息を吸い込み、アレクセイ公爵の腕に手を添えた。
「(……よし、仕事モード、オン!)」
カツン、カツン。
ヒールの音と共に、私たちは光あふれるホールへと足を踏み入れた。
その瞬間。
「…………ッ!!」
会場の空気が、凍りついたのではない。
爆発したかのように、どよめきが走った。
「な、なんだあの美女は!?」
「メリーナ様……? 嘘でしょう!?」
「あんなに美しかったか!? まるで女神じゃないか!」
人々の視線が、私に釘付けになる。
やつれている? 泣き腫らしている?
とんでもない。
公爵邸での快適な睡眠と、最高級の栄養(お菓子)により、今の私の肌はゆで卵のようにツヤツヤだ。
さらに、アレクセイ公爵の見立てたドレスが、私の隠されていたプロポーションを完璧に引き立てている。
そして何より。
隣に立つアレクセイ公爵が、私をエスコートしながら、周囲に凄まじい「ドヤ顔」を振りまいているのだ。
『見ろ。これが俺の婚約者だ。美しいだろう? だが触るな。見ることすら有料にしたいレベルだ』
そんな心の声が聞こえてきそうなほど、彼の態度は堂々としていた。
「(……注目されすぎて、胃が痛い)」
私が小声で呟くと、彼はニヤリと笑った。
「堂々としていろ。お前が歩く道が、そのままレッドカーペットになる」
私たちは人混みを割り、会場の中央へと進んだ。
モーゼの十戒のように、貴族たちが左右に分かれていく。
「ごきげんよう、メリーナ様……! その、とても素敵ですわ!」
「公爵閣下とお似合いです!」
今まで私を「地味で堅苦しい女」と敬遠していた令嬢たちが、掌を返したように媚びた笑顔を向けてくる。
私は営業スマイルで優雅に会釈を返した。
「ありがとう。皆様もお美しいわ」
心の中では「現金な人たちね」と毒づきながら。
と、その時だった。
人垣の向こうから、明らかにオーラの違う集団――いや、どんよりとした空気を纏った二人組がこちらを見ていた。
金髪が乱れ、目の下にクマを作ったジュリアン王太子。
そして、以前着ていたのと同じドレス(しかもシワが寄っている)を着た、リラ男爵令嬢。
彼らは、シャンパングラスを持ったまま、私たちを見て石化していた。
「あ……」
リラが掠れた声を出す。
「メ、メリーナ……様……?」
ジュリアンもまた、信じられないものを見る目で私を凝視している。
「嘘だ……。あれが、あの地味なメリーナだと……?」
彼らの知る私は、常に眉間にシワを寄せ、地味な色のドレスを着て、書類を抱えて走り回っていた。
今の、宝石のように輝き、国一番の美男子に愛されている私とは、まるで別人のように見えたのだろう。
「やあ、ジュリアン」
アレクセイ公爵が、わざとらしく明るい声で声をかけた。
「久しぶりだな。……随分と顔色が悪いようだが、何か悩み事でも?」
白々しい。
悩み事の原因(請求書と三行の手紙)を作った張本人が言うセリフではない。
ジュリアンはハッとして、悔しげに顔を歪めた。
「あ、兄上……! よくもぬけぬけと……! メリーナを返せ!」
彼は叫びながら詰め寄ろうとしたが、アレクセイ公爵の一睨みで足を止めた。
「返せ? 誰に向かって口を聞いている」
公爵の声が低くなる。
「彼女は私の正式な婚約者だ。お前が捨て、私が拾い、磨き上げた。……所有権は完全に私にある」
公爵は私の肩を抱き寄せ、見せつけるように髪にキスをした。
「きゃっ!?」
会場から黄色い悲鳴が上がる。
ジュリアンは顔を真っ赤にして、ワナワナと震え出した。
「ぐ、ぐぬぬ……! 父上! 父上はどこだ! こんな不当な婚約、認められるはずがない!」
彼は周囲を見回し、壇上に座っている国王陛下に助けを求めた。
しかし。
国王陛下は、私たちの方を見て、さっと視線を逸らした。
そして、額に脂汗をかきながら、侍従に何やら耳打ちをしている。
『(……目を合わせるな。あいつらに関わると、また請求書が来るぞ……)』
そんな王の声が聞こえてきそうだ。
ジュリアンは孤立無援だった。
周囲の貴族たちも、すでに勝敗は決したと悟り、冷ややかな目で王太子を見ている。
「可哀想な殿下……」
「逃がした魚は大きすぎたわね」
そんな囁きが聞こえる中、私はジュリアンとリラに向き直り、ニッコリと微笑んだ。
「ごきげんよう、殿下、リラ様。本日のパーティ、楽しんでいらっしゃいますか?」
余裕の笑み。
それは、かつて彼らが私に向けた「勝ち誇った笑み」の、百倍返しの輝きを持っていた。
「くっ……!」
ジュリアンは言葉を失い、リラは涙目で俯く。
勝負あり。
入場からわずか数分で、私たちは完全勝利を収めた――かに見えた。
だが。
物語はここで終わらない。
追い詰められたネズミは、猫を噛むという。
窮地に立たされたリラが、震える声で、とんでもない爆弾発言を投下しようとしていたのだ。
「……ず、ずるいです!」
リラが突然叫んだ。
「メリーナ様だけ、そんな綺麗なドレスを着て……! それは王家の税金で作ったんでしょう!? 横領ですわ!」
会場が静まり返る。
横領。
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