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「……足りませんわ」
辺境の屋敷。
執務室で帳簿とにらめっこしていたルアーノが、重々しく呟いた。
その向かいのソファで、優雅に紅茶(自社製品のミントティー)を啜っていたギルバートが、嫌な予感に眉をひそめる。
「何がだ? まさか、また俺の魔力か?」
「いいえ、魔力は十分です。貴方のおかげで、製粉工場(元・馬小屋)は24時間フル稼働ですから」
「馬小屋を工場と呼ぶのはやめろ。俺が徹夜で氷の断熱材を張り巡らせた、最新鋭のラボだぞ」
「感謝しております。おかげで生産効率は前週比300%。……ですが、圧倒的に『人手』が足りません」
ルアーノはペンを置いた。
『公爵令嬢の目覚め(ミントパウダー)』の大ヒットは、嬉しい誤算だった。
当初は行商人向けに細々と売る予定だったが、その効果(と、美形魔術師の宣伝効果)が噂を呼び、今や隣の領地からも注文が殺到しているのだ。
「梱包、発送、在庫管理。猫の手も借りたい状況ですが、あいにく猫は請求書を書けません」
「それで? 俺に分身しろとでも?」
「まさか。貴方にはもっと重要な任務があります。……領民を雇用しましょう」
「雇用?」
「はい。この領地はこれまで、冬の間は出稼ぎに行く者が多かった。ですが、うちの工場で雇い入れれば、彼らに安定した収入を提供しつつ、私は労働力を確保できる。まさにWin-Winです」
ルアーノの瞳が、野心に輝く。
領地の経済を底上げし、自分の懐も潤す。
完璧な計画だ。
その時だった。
ドンドンドンドン!
屋敷の玄関を激しく叩く音が響いた。
ルアーノとギルバートが顔を見合わせる。
「……お客様かしら? アポなし訪問は非効率でお断りしているのですが」
「俺が出る。変な輩なら凍らせて追い返す」
ギルバートが立ち上がり、ルアーノと共に玄関へ向かう。
扉を開けると、そこには泥だらけで息を切らせた、王宮の制服を着た男が立っていた。
「はぁ、はぁ……! ルアーノ・ヴァレンティ公爵令嬢ですね!?」
男は倒れ込みそうになりながら叫んだ。
「王都からの急使です! アレクセイ王太子殿下より、至急の親書をお預かりしてきました!」
「……親書?」
ルアーノの表情が、スッと冷めた。
まるで腐った魚を見るような目だ。
「受け取り拒否はできますか?」
「で、できません! 王命に等しいものです! どうかお受け取りを!」
使者は半泣きで、金色の封蝋がされた分厚い封筒を差し出した。
ルアーノは仕方なく、指先だけでつまむようにそれを受け取った。
「……ご苦労様です。セバス、彼に水を。あとで領境まで送り返してあげなさい」
「は、はい……」
屋敷に戻ったルアーノは、暖炉の前でその封筒を眺めた。
ギルバートが背後から覗き込む。
「なんだ、あのバカ王子からか。復縁でも迫ってきたか?」
「まさか。あのプライドの高い殿下が、自分から頭を下げるわけがありません。おそらく、文句か嫌味でしょう」
ルアーノはペーパーナイフで乱雑に封を切った。
中から出てきたのは、香水の匂いがキツイ、何枚もの便箋だった。
『親愛なる(と書くのも業腹だが)ルアーノへ』
冒頭からイラッとさせる書き出しである。
ルアーノは無表情で読み進める。
『お前が辺境に引きこもってから、二週間が経った。王都は相変わらず煌びやかだが、少しばかり問題が起きている』
『ハッキリ言って、お前の引継ぎ資料は不十分だ! 財務省の書類がどこにあるのか分からないし、来月の祭典の招待客リストも見当たらない! ミーナに探させているが、彼女は「文字が多くて目が回る」と言って泣き出してしまった。可哀想だと思わないのか!』
ルアーノの眉間に、深い皺が刻まれる。
「……引継ぎ資料は、全てインデックスを付けて棚の1段目に置いてきました。文字が読めないなら、幼稚園からやり直すべきですわ」
『それに、お前がいなくなってから、なぜか私の執務室のコーヒーが不味い。書類の決裁も遅々として進まない。部下たちは「ルアーノ様なら3分で終わった」などと陰口を叩いている。不敬罪で処刑してやりたい気分だ』
『要するにだ。お前がいないと、私の優秀さが発揮できない環境になっているのだ。これは国家的な損失である』
ギルバートが横で吹き出した。
「くっ……! すごいな、ここまで自分の無能さを棚に上げられるとは」
「感心している場合ではありません。続きがあります」
『よって、特別に王都への帰還を許可する。今すぐ戻ってきて、溜まった書類を片付けろ。そうすれば、婚約破棄を「一時凍結」してやってもいい。ミーナの側室という形なら、側に置くことを許そう』
『追伸:戻る際は、土産としてそちらの特産品を持ってくるように』
読み終わった瞬間。
部屋の温度が急激に下がった気がした。
ギルバートの魔力ではない。
ルアーノから発せられる、絶対零度の殺気だ。
「……ギルバート様」
「なんだ?」
「この紙、材質は悪くないですね。パルプの質が高い」
「……そうだな」
「よく燃えそうです」
ルアーノは無造作に手紙を丸めると、燃え盛る暖炉の中に放り込んだ。
ボッ!
一瞬で炎が上がり、アレクセイの稚拙な文章は灰へと変わった。
「あ」
ギルバートが声を上げる。
「返事は書かないのか?」
「書く紙とインク代が勿体無いです。それに、返事を書けば『まだ自分に気がある』と勘違いさせるリスクがあります。無視(スルー)が最も効果的かつ低コストな対応です」
ルアーノはパンパンと手を払った。
「そもそも、私はもう民間人です。王家の業務を手伝う義務はありません。業務委託契約も結んでいないのに『タダ働き』を強要するなど、労働基準法違反ですわ」
「ははは! その通りだ」
ギルバートは愉快そうに笑い、ルアーノの頭にポンと手を置いた。
「安心しろ。もしあいつが無理やり連れ戻そうとしたら、王都ごと氷漬けにしてやる」
「……それは過剰防衛ですのでやめてください。でも、お気持ちだけは受け取っておきます」
ルアーノは少しだけ目を細めた。
以前なら、王太子の命令は絶対だった。
理不尽な要求にも、家のために耐えるしかなかった。
だが今は違う。
隣には最強の魔術師がいて、自分の手には事業という武器がある。
「さて、気を取り直して仕事に戻りましょう。下らない手紙を読んだせいで、3分もロスしました」
「切り替えが早いな」
「時間は資産です。……そうだ、ギルバート様」
「ん?」
「先ほどの手紙で一つだけ、有益な情報がありました」
ルアーノはニヤリと笑った。
「『王都のコーヒーが不味い』……つまり、王宮には嗜好品に対する不満が溜まっているということです」
「まさか……」
「チャンスです。次の新商品は『リラックス効果のあるハーブティー』にしましょう。ストレスフルな王宮官僚たちに売り込めば、飛ぶように売れるはずです!」
「……転んでもただでは起きないな、君は」
「敵の失言すら商機に変える。それがルアーノ・ヴァレンティ流です」
ルアーノは再び電卓を叩き始めた。
元婚約者からの復縁要請(命令)は、彼女にとって新たなビジネスチャンスのヒントに過ぎなかったのだ。
暖炉の中で、王太子の手紙の燃えかすが、パチリと音を立てて崩れ落ちた。
それは、ルアーノの過去との決別を告げる音のようでもあった。
***
一方、その頃。
王都の王太子執務室にて。
「くそっ、なぜ戻ってこない!? もう手紙は届いているはずだぞ!」
アレクセイは書類の山に埋もれながら、イライラと貧乏ゆすりをしていた。
隣には、泣きべそをかいているミーナがいる。
「殿下ぁ……この漢字、なんて読むんですかぁ……?」
「知らん! いちいち聞くな! ……ああ、ルアーノなら、この程度の書類、無言で片付けていたのに!」
彼はまだ気づいていなかった。
自分が手放したものが、単なる「便利な婚約者」ではなく、「国の屋台骨」そのものであったことに。
そして、その屋台骨が今、辺境で着々と力をつけ、いずれ自分を脅かす存在になることにも。
「……おい、コーヒーのお代わりはまだか! あとなんか甘いもの持ってこい!」
アレクセイの怒号が虚しく響く。
彼の破滅へのカウントダウンは、着実に進んでいた。
辺境の屋敷。
執務室で帳簿とにらめっこしていたルアーノが、重々しく呟いた。
その向かいのソファで、優雅に紅茶(自社製品のミントティー)を啜っていたギルバートが、嫌な予感に眉をひそめる。
「何がだ? まさか、また俺の魔力か?」
「いいえ、魔力は十分です。貴方のおかげで、製粉工場(元・馬小屋)は24時間フル稼働ですから」
「馬小屋を工場と呼ぶのはやめろ。俺が徹夜で氷の断熱材を張り巡らせた、最新鋭のラボだぞ」
「感謝しております。おかげで生産効率は前週比300%。……ですが、圧倒的に『人手』が足りません」
ルアーノはペンを置いた。
『公爵令嬢の目覚め(ミントパウダー)』の大ヒットは、嬉しい誤算だった。
当初は行商人向けに細々と売る予定だったが、その効果(と、美形魔術師の宣伝効果)が噂を呼び、今や隣の領地からも注文が殺到しているのだ。
「梱包、発送、在庫管理。猫の手も借りたい状況ですが、あいにく猫は請求書を書けません」
「それで? 俺に分身しろとでも?」
「まさか。貴方にはもっと重要な任務があります。……領民を雇用しましょう」
「雇用?」
「はい。この領地はこれまで、冬の間は出稼ぎに行く者が多かった。ですが、うちの工場で雇い入れれば、彼らに安定した収入を提供しつつ、私は労働力を確保できる。まさにWin-Winです」
ルアーノの瞳が、野心に輝く。
領地の経済を底上げし、自分の懐も潤す。
完璧な計画だ。
その時だった。
ドンドンドンドン!
屋敷の玄関を激しく叩く音が響いた。
ルアーノとギルバートが顔を見合わせる。
「……お客様かしら? アポなし訪問は非効率でお断りしているのですが」
「俺が出る。変な輩なら凍らせて追い返す」
ギルバートが立ち上がり、ルアーノと共に玄関へ向かう。
扉を開けると、そこには泥だらけで息を切らせた、王宮の制服を着た男が立っていた。
「はぁ、はぁ……! ルアーノ・ヴァレンティ公爵令嬢ですね!?」
男は倒れ込みそうになりながら叫んだ。
「王都からの急使です! アレクセイ王太子殿下より、至急の親書をお預かりしてきました!」
「……親書?」
ルアーノの表情が、スッと冷めた。
まるで腐った魚を見るような目だ。
「受け取り拒否はできますか?」
「で、できません! 王命に等しいものです! どうかお受け取りを!」
使者は半泣きで、金色の封蝋がされた分厚い封筒を差し出した。
ルアーノは仕方なく、指先だけでつまむようにそれを受け取った。
「……ご苦労様です。セバス、彼に水を。あとで領境まで送り返してあげなさい」
「は、はい……」
屋敷に戻ったルアーノは、暖炉の前でその封筒を眺めた。
ギルバートが背後から覗き込む。
「なんだ、あのバカ王子からか。復縁でも迫ってきたか?」
「まさか。あのプライドの高い殿下が、自分から頭を下げるわけがありません。おそらく、文句か嫌味でしょう」
ルアーノはペーパーナイフで乱雑に封を切った。
中から出てきたのは、香水の匂いがキツイ、何枚もの便箋だった。
『親愛なる(と書くのも業腹だが)ルアーノへ』
冒頭からイラッとさせる書き出しである。
ルアーノは無表情で読み進める。
『お前が辺境に引きこもってから、二週間が経った。王都は相変わらず煌びやかだが、少しばかり問題が起きている』
『ハッキリ言って、お前の引継ぎ資料は不十分だ! 財務省の書類がどこにあるのか分からないし、来月の祭典の招待客リストも見当たらない! ミーナに探させているが、彼女は「文字が多くて目が回る」と言って泣き出してしまった。可哀想だと思わないのか!』
ルアーノの眉間に、深い皺が刻まれる。
「……引継ぎ資料は、全てインデックスを付けて棚の1段目に置いてきました。文字が読めないなら、幼稚園からやり直すべきですわ」
『それに、お前がいなくなってから、なぜか私の執務室のコーヒーが不味い。書類の決裁も遅々として進まない。部下たちは「ルアーノ様なら3分で終わった」などと陰口を叩いている。不敬罪で処刑してやりたい気分だ』
『要するにだ。お前がいないと、私の優秀さが発揮できない環境になっているのだ。これは国家的な損失である』
ギルバートが横で吹き出した。
「くっ……! すごいな、ここまで自分の無能さを棚に上げられるとは」
「感心している場合ではありません。続きがあります」
『よって、特別に王都への帰還を許可する。今すぐ戻ってきて、溜まった書類を片付けろ。そうすれば、婚約破棄を「一時凍結」してやってもいい。ミーナの側室という形なら、側に置くことを許そう』
『追伸:戻る際は、土産としてそちらの特産品を持ってくるように』
読み終わった瞬間。
部屋の温度が急激に下がった気がした。
ギルバートの魔力ではない。
ルアーノから発せられる、絶対零度の殺気だ。
「……ギルバート様」
「なんだ?」
「この紙、材質は悪くないですね。パルプの質が高い」
「……そうだな」
「よく燃えそうです」
ルアーノは無造作に手紙を丸めると、燃え盛る暖炉の中に放り込んだ。
ボッ!
一瞬で炎が上がり、アレクセイの稚拙な文章は灰へと変わった。
「あ」
ギルバートが声を上げる。
「返事は書かないのか?」
「書く紙とインク代が勿体無いです。それに、返事を書けば『まだ自分に気がある』と勘違いさせるリスクがあります。無視(スルー)が最も効果的かつ低コストな対応です」
ルアーノはパンパンと手を払った。
「そもそも、私はもう民間人です。王家の業務を手伝う義務はありません。業務委託契約も結んでいないのに『タダ働き』を強要するなど、労働基準法違反ですわ」
「ははは! その通りだ」
ギルバートは愉快そうに笑い、ルアーノの頭にポンと手を置いた。
「安心しろ。もしあいつが無理やり連れ戻そうとしたら、王都ごと氷漬けにしてやる」
「……それは過剰防衛ですのでやめてください。でも、お気持ちだけは受け取っておきます」
ルアーノは少しだけ目を細めた。
以前なら、王太子の命令は絶対だった。
理不尽な要求にも、家のために耐えるしかなかった。
だが今は違う。
隣には最強の魔術師がいて、自分の手には事業という武器がある。
「さて、気を取り直して仕事に戻りましょう。下らない手紙を読んだせいで、3分もロスしました」
「切り替えが早いな」
「時間は資産です。……そうだ、ギルバート様」
「ん?」
「先ほどの手紙で一つだけ、有益な情報がありました」
ルアーノはニヤリと笑った。
「『王都のコーヒーが不味い』……つまり、王宮には嗜好品に対する不満が溜まっているということです」
「まさか……」
「チャンスです。次の新商品は『リラックス効果のあるハーブティー』にしましょう。ストレスフルな王宮官僚たちに売り込めば、飛ぶように売れるはずです!」
「……転んでもただでは起きないな、君は」
「敵の失言すら商機に変える。それがルアーノ・ヴァレンティ流です」
ルアーノは再び電卓を叩き始めた。
元婚約者からの復縁要請(命令)は、彼女にとって新たなビジネスチャンスのヒントに過ぎなかったのだ。
暖炉の中で、王太子の手紙の燃えかすが、パチリと音を立てて崩れ落ちた。
それは、ルアーノの過去との決別を告げる音のようでもあった。
***
一方、その頃。
王都の王太子執務室にて。
「くそっ、なぜ戻ってこない!? もう手紙は届いているはずだぞ!」
アレクセイは書類の山に埋もれながら、イライラと貧乏ゆすりをしていた。
隣には、泣きべそをかいているミーナがいる。
「殿下ぁ……この漢字、なんて読むんですかぁ……?」
「知らん! いちいち聞くな! ……ああ、ルアーノなら、この程度の書類、無言で片付けていたのに!」
彼はまだ気づいていなかった。
自分が手放したものが、単なる「便利な婚約者」ではなく、「国の屋台骨」そのものであったことに。
そして、その屋台骨が今、辺境で着々と力をつけ、いずれ自分を脅かす存在になることにも。
「……おい、コーヒーのお代わりはまだか! あとなんか甘いもの持ってこい!」
アレクセイの怒号が虚しく響く。
彼の破滅へのカウントダウンは、着実に進んでいた。
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