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「……黒字。今月も完全なる黒字ですわ」
ヴァレンティ商会の執務室。
ルアーノは決算書を前に、恍惚の表情を浮かべていた。
『公爵令嬢の目覚め(ミントパウダー)』は相変わらずバカ売れ。
『貴婦人の溜息(香油)』は高利益率を維持。
さらに、ミーナの店からの『コンサル料』と『材料卸売利益』も安定して入ってくる。
「辺境万歳。この世の楽園は、ここにあったのですね」
「……楽園かどうかは知らんが、俺の魔力(MP)が資本になっていることだけは確かだな」
ソファで寝転がっているギルバートが、氷の彫刻(ルアーノの形をした貯金箱)を作りながらボヤく。
「感謝しています。今度、ボーナスとして『最高級羽毛枕』を支給しますから」
「……物はいいから、休暇をくれ」
平和な午後だった。
そう、あの男が来るまでは。
バンッ!!
乱暴にドアが開け放たれ、見知らぬ男が土足で踏み込んできた。
小太りで、脂ぎった顔。
高価だが趣味の悪い服を着ている。
王都の官僚特有の、「自分は偉い」と勘違いしている顔つきだ。
「おい、ここの責任者は誰だ! ルアーノ・ヴァレンティはどこにいる!」
ルアーノはゆっくりと顔を上げた。
眉間に、カッターナイフのような鋭い皺が寄る。
「……アポイントメントのない訪問はお断りしておりますが。どちら様で?」
「ふん! 私は王室財務省から派遣された、特別徴税官のガメッツだ!」
男――ガメッツは、懐から王家の紋章が入った身分証をちらつかせた。
「徴税官?」
「そうだ! 貴様、ここで随分と派手に商売をしているようだな? 王都でも噂になっているぞ。『辺境でボロ儲けしている悪役令嬢がいる』とな!」
「……ええ、おかげさまで。それが何か?」
ルアーノが涼しい顔で答えると、ガメッツはニヤリと卑しい笑みを浮かべた。
「単刀直入に言おう。追加納税だ」
「はい?」
「貴様は王太子殿下に婚約破棄された身。本来なら修道院に行くべきところを、温情で辺境暮らしを許されているのだ。その『感謝税』と、これまでの『売上に対する特別復興税』、合わせて金貨一万枚を支払え!」
「金貨一万……?」
ルアーノは瞬きをした。
法外どころの話ではない。
国家予算の数%に匹敵する額だ。
「根拠となる法律の条文は?」
「はっ! 法律だと? 王太子殿下の言葉こそが法律だ! 殿下は仰せだ。『ルアーノの金は俺の金。さっさと回収してこい』とな!」
どうやら王都の財政難は、ルアーノの想像以上に深刻らしい。
なりふり構わず、金のあるところから巻き上げようという魂胆か。
「……お断りします」
ルアーノは即答した。
「納税は国民の義務ですが、それは適正な法的手続きに基づいた場合に限ります。貴方の要求は、ただの『カツアゲ』です」
「な、なんだとぉ!? 貴様、王家の命令に逆らう気か!?」
「不当な命令には従いません。そもそも、この領地は『辺境特別開発区域』に指定されており、向こう5年間は法人税が免除されています。ここに、国王陛下の署名入り勅許状もありますが?」
ルアーノは引き出しから羊皮紙を取り出し、ビシッと突きつけた。
ガメッツが狼狽える。
「ぐっ……そ、そんな古い紙切れ! 今の王都を取り仕切っているのはアレクセイ殿下だ!」
「殿下が即位されたとは聞いておりませんが? 現行法では陛下の勅許が優先されます」
「えぇい、うるさい! 生意気な女だ! そんなに金が惜しいなら、現物支給でもいいぞ!」
ガメッツは執務室を見回し、そしてソファに座るギルバートに目をつけた。
「ほう……そこにいるのは『氷の魔術師』ギルバート卿ではないか」
ギルバートは無視して氷の彫刻を削り続けている。
「彼を王都へ連れ戻す! それができれば、今回の税は少し負けてやってもいい。殿下は魔術師がいなくて困っておられるからな」
「……お断りします。彼は私の商会の重要な『設備』ですので」
「設備扱いかよ」
ギルバートが小さく突っ込むが、その目は笑っていない。
ガメッツに向けられた殺気は、すでに致死量に達している。
「黙れ! この『傷モノ』の分際で! 婚約破棄された女が、いつまでも調子に乗るなよ! お前のような可愛げのない女は、社会のゴミなんだよ!」
ガメッツが激昂し、ルアーノの胸ぐらを掴もうと手を伸ばした。
その時だ。
「――ちょっとぉ! 何してるのよ、ハゲ親父!」
パーン!!
乾いた音が響いた。
ガメッツの手が弾かれる。
そこに立っていたのは、ピンク色のエプロンをつけたミーナだった。
手には、揚げたての『冒険者の拳(ドーナツ)』が握られている(凶器として)。
「ミ、ミーナ様?」
「な、なんだこの小娘は!」
ミーナは仁王立ちでガメッツを睨みつけた。
「あんたねぇ! お姉様の悪口言っていいのは、世界で私だけなんだからね!」
「はぁ!?」
「それにね、お姉様は『傷モノ』なんかじゃないわ! 『超・優良物件』よ!」
ミーナの謎の擁護に、ルアーノもギルバートもぽかんとする。
「この人はね、私の店が潰れそうになった時、徹夜でメニューを考えてくれたの! 口は悪いし、お金に細かいし、性格もねじ曲がってるけど……約束は絶対に守るし、働いた分はちゃんと評価してくれるのよ!」
ミーナが息を巻く。
彼女の中で、アレクセイ(「愛してる」と言うだけで何もしない男)と、ルアーノ(文句を言いながらも助けてくれる女)の評価が逆転しつつあったのだ。
「それに比べて、あんたは何!? 殿下の威光を借りて威張り散らして、ダサい服着て! マカロン100個食べても直らないくらい性格ブサイクね!」
「な、ななな……!」
ガメッツは顔を真っ赤にして震え出した。
「き、貴様ら……反逆罪だぞ! ただで済むと思うなよ!」
「騒がしいな」
ヒュオッ。
それまで静観していたギルバートが、指を一本立てた。
瞬間、ガメッツの足元から腰までが、カチンコチンに凍りついた。
「ひぃっ!?」
「俺の雇い主(ルアーノ)と、その取引先(ミーナ)に手を出すなら、次は心臓まで凍らせるぞ」
ギルバートがゆらりと立ち上がる。
その背後には、絶対零度の冷気が渦巻いている。
本気の魔術師の威圧感。
小役人が耐えられるものではない。
「あ、あわわ……! お、覚えてろよぉぉぉ!」
ガメッツは上半身だけを必死に動かし、氷の塊と化した下半身を引きずりながら、芋虫のように廊下を這って逃げていった。
「……セバス。塩を撒いておいてください」
「承知いたしました」
嵐が去った執務室。
ルアーノはふぅ、と息を吐き、ミーナに向き直った。
「……ミーナ様。助かりました」
「ふ、ふん! 勘違いしないでよね! あんたが連れていかれたら、私の店のコンサルがいなくなって困るから助けただけなんだから!」
ミーナはそっぽを向くが、その耳は赤い。
典型的なツンデレである。
「そうですか。では、助けていただいたお礼に、今月のロイヤリティを1%まけてあげましょう」
「えっ、たった1%!? ケチ!」
「1%を笑う者は1%に泣くのです。……でも、ドーナツは美味しそうですね」
ルアーノがミーナの手にあるドーナツを見ると、ミーナは少し照れくさそうにそれを差し出した。
「……食べる? 新作の『激辛ミントチョコ味』なんだけど」
「なぜ混ぜたのですか」
「冒険者が『刺激が欲しい』って言うから……」
平和な空気が戻ってくる。
だが、ルアーノの頭の中では、電卓とは別の警報が鳴っていた。
(……王家が、ここまでなりふり構わず徴税に来るなんて異常だわ)
アレクセイの無能さは知っていたが、これは国庫が底をつきかけている証拠だ。
おそらく、ルアーノがいた頃に構築した『物流システム』や『関税撤廃協定』を、アレクセイが何も考えずに破棄したのだろう。
「……ギルバート様」
「ん?」
「忙しくなりそうです。工場の防衛設備を強化しましょう。次は小物ではなく、大物(バカ)が直接来るかもしれません」
「大物……アレクセイか?」
「ええ。金と人材に困った彼が考えることは一つ。『元に戻せばいい』という短絡的な思考です」
ルアーノは窓の外、王都の方角を睨んだ。
「ですが、お断りです。私はもう、あの泥舟に乗るつもりはありません。これからは、私の城(商会)を守る戦いです」
「頼もしいな。……まあ、俺がいる限り、城壁一枚傷つけさせんよ」
ギルバートがルアーノの肩を抱く。
ミーナも「私も戦うもん! 揚げ油で!」と謎の闘志を燃やしている。
こうして、辺境の『ヴァレンティ商会』は、来るべき王太子襲来に備え、要塞化(と金儲け)を加速させていくのだった。
ヴァレンティ商会の執務室。
ルアーノは決算書を前に、恍惚の表情を浮かべていた。
『公爵令嬢の目覚め(ミントパウダー)』は相変わらずバカ売れ。
『貴婦人の溜息(香油)』は高利益率を維持。
さらに、ミーナの店からの『コンサル料』と『材料卸売利益』も安定して入ってくる。
「辺境万歳。この世の楽園は、ここにあったのですね」
「……楽園かどうかは知らんが、俺の魔力(MP)が資本になっていることだけは確かだな」
ソファで寝転がっているギルバートが、氷の彫刻(ルアーノの形をした貯金箱)を作りながらボヤく。
「感謝しています。今度、ボーナスとして『最高級羽毛枕』を支給しますから」
「……物はいいから、休暇をくれ」
平和な午後だった。
そう、あの男が来るまでは。
バンッ!!
乱暴にドアが開け放たれ、見知らぬ男が土足で踏み込んできた。
小太りで、脂ぎった顔。
高価だが趣味の悪い服を着ている。
王都の官僚特有の、「自分は偉い」と勘違いしている顔つきだ。
「おい、ここの責任者は誰だ! ルアーノ・ヴァレンティはどこにいる!」
ルアーノはゆっくりと顔を上げた。
眉間に、カッターナイフのような鋭い皺が寄る。
「……アポイントメントのない訪問はお断りしておりますが。どちら様で?」
「ふん! 私は王室財務省から派遣された、特別徴税官のガメッツだ!」
男――ガメッツは、懐から王家の紋章が入った身分証をちらつかせた。
「徴税官?」
「そうだ! 貴様、ここで随分と派手に商売をしているようだな? 王都でも噂になっているぞ。『辺境でボロ儲けしている悪役令嬢がいる』とな!」
「……ええ、おかげさまで。それが何か?」
ルアーノが涼しい顔で答えると、ガメッツはニヤリと卑しい笑みを浮かべた。
「単刀直入に言おう。追加納税だ」
「はい?」
「貴様は王太子殿下に婚約破棄された身。本来なら修道院に行くべきところを、温情で辺境暮らしを許されているのだ。その『感謝税』と、これまでの『売上に対する特別復興税』、合わせて金貨一万枚を支払え!」
「金貨一万……?」
ルアーノは瞬きをした。
法外どころの話ではない。
国家予算の数%に匹敵する額だ。
「根拠となる法律の条文は?」
「はっ! 法律だと? 王太子殿下の言葉こそが法律だ! 殿下は仰せだ。『ルアーノの金は俺の金。さっさと回収してこい』とな!」
どうやら王都の財政難は、ルアーノの想像以上に深刻らしい。
なりふり構わず、金のあるところから巻き上げようという魂胆か。
「……お断りします」
ルアーノは即答した。
「納税は国民の義務ですが、それは適正な法的手続きに基づいた場合に限ります。貴方の要求は、ただの『カツアゲ』です」
「な、なんだとぉ!? 貴様、王家の命令に逆らう気か!?」
「不当な命令には従いません。そもそも、この領地は『辺境特別開発区域』に指定されており、向こう5年間は法人税が免除されています。ここに、国王陛下の署名入り勅許状もありますが?」
ルアーノは引き出しから羊皮紙を取り出し、ビシッと突きつけた。
ガメッツが狼狽える。
「ぐっ……そ、そんな古い紙切れ! 今の王都を取り仕切っているのはアレクセイ殿下だ!」
「殿下が即位されたとは聞いておりませんが? 現行法では陛下の勅許が優先されます」
「えぇい、うるさい! 生意気な女だ! そんなに金が惜しいなら、現物支給でもいいぞ!」
ガメッツは執務室を見回し、そしてソファに座るギルバートに目をつけた。
「ほう……そこにいるのは『氷の魔術師』ギルバート卿ではないか」
ギルバートは無視して氷の彫刻を削り続けている。
「彼を王都へ連れ戻す! それができれば、今回の税は少し負けてやってもいい。殿下は魔術師がいなくて困っておられるからな」
「……お断りします。彼は私の商会の重要な『設備』ですので」
「設備扱いかよ」
ギルバートが小さく突っ込むが、その目は笑っていない。
ガメッツに向けられた殺気は、すでに致死量に達している。
「黙れ! この『傷モノ』の分際で! 婚約破棄された女が、いつまでも調子に乗るなよ! お前のような可愛げのない女は、社会のゴミなんだよ!」
ガメッツが激昂し、ルアーノの胸ぐらを掴もうと手を伸ばした。
その時だ。
「――ちょっとぉ! 何してるのよ、ハゲ親父!」
パーン!!
乾いた音が響いた。
ガメッツの手が弾かれる。
そこに立っていたのは、ピンク色のエプロンをつけたミーナだった。
手には、揚げたての『冒険者の拳(ドーナツ)』が握られている(凶器として)。
「ミ、ミーナ様?」
「な、なんだこの小娘は!」
ミーナは仁王立ちでガメッツを睨みつけた。
「あんたねぇ! お姉様の悪口言っていいのは、世界で私だけなんだからね!」
「はぁ!?」
「それにね、お姉様は『傷モノ』なんかじゃないわ! 『超・優良物件』よ!」
ミーナの謎の擁護に、ルアーノもギルバートもぽかんとする。
「この人はね、私の店が潰れそうになった時、徹夜でメニューを考えてくれたの! 口は悪いし、お金に細かいし、性格もねじ曲がってるけど……約束は絶対に守るし、働いた分はちゃんと評価してくれるのよ!」
ミーナが息を巻く。
彼女の中で、アレクセイ(「愛してる」と言うだけで何もしない男)と、ルアーノ(文句を言いながらも助けてくれる女)の評価が逆転しつつあったのだ。
「それに比べて、あんたは何!? 殿下の威光を借りて威張り散らして、ダサい服着て! マカロン100個食べても直らないくらい性格ブサイクね!」
「な、ななな……!」
ガメッツは顔を真っ赤にして震え出した。
「き、貴様ら……反逆罪だぞ! ただで済むと思うなよ!」
「騒がしいな」
ヒュオッ。
それまで静観していたギルバートが、指を一本立てた。
瞬間、ガメッツの足元から腰までが、カチンコチンに凍りついた。
「ひぃっ!?」
「俺の雇い主(ルアーノ)と、その取引先(ミーナ)に手を出すなら、次は心臓まで凍らせるぞ」
ギルバートがゆらりと立ち上がる。
その背後には、絶対零度の冷気が渦巻いている。
本気の魔術師の威圧感。
小役人が耐えられるものではない。
「あ、あわわ……! お、覚えてろよぉぉぉ!」
ガメッツは上半身だけを必死に動かし、氷の塊と化した下半身を引きずりながら、芋虫のように廊下を這って逃げていった。
「……セバス。塩を撒いておいてください」
「承知いたしました」
嵐が去った執務室。
ルアーノはふぅ、と息を吐き、ミーナに向き直った。
「……ミーナ様。助かりました」
「ふ、ふん! 勘違いしないでよね! あんたが連れていかれたら、私の店のコンサルがいなくなって困るから助けただけなんだから!」
ミーナはそっぽを向くが、その耳は赤い。
典型的なツンデレである。
「そうですか。では、助けていただいたお礼に、今月のロイヤリティを1%まけてあげましょう」
「えっ、たった1%!? ケチ!」
「1%を笑う者は1%に泣くのです。……でも、ドーナツは美味しそうですね」
ルアーノがミーナの手にあるドーナツを見ると、ミーナは少し照れくさそうにそれを差し出した。
「……食べる? 新作の『激辛ミントチョコ味』なんだけど」
「なぜ混ぜたのですか」
「冒険者が『刺激が欲しい』って言うから……」
平和な空気が戻ってくる。
だが、ルアーノの頭の中では、電卓とは別の警報が鳴っていた。
(……王家が、ここまでなりふり構わず徴税に来るなんて異常だわ)
アレクセイの無能さは知っていたが、これは国庫が底をつきかけている証拠だ。
おそらく、ルアーノがいた頃に構築した『物流システム』や『関税撤廃協定』を、アレクセイが何も考えずに破棄したのだろう。
「……ギルバート様」
「ん?」
「忙しくなりそうです。工場の防衛設備を強化しましょう。次は小物ではなく、大物(バカ)が直接来るかもしれません」
「大物……アレクセイか?」
「ええ。金と人材に困った彼が考えることは一つ。『元に戻せばいい』という短絡的な思考です」
ルアーノは窓の外、王都の方角を睨んだ。
「ですが、お断りです。私はもう、あの泥舟に乗るつもりはありません。これからは、私の城(商会)を守る戦いです」
「頼もしいな。……まあ、俺がいる限り、城壁一枚傷つけさせんよ」
ギルバートがルアーノの肩を抱く。
ミーナも「私も戦うもん! 揚げ油で!」と謎の闘志を燃やしている。
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