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「……ルアーノ様。本気でその格好で行かれるのですか?」
王城の一室。
今夜開催される『国家復興記念祝賀会』の準備中、メイドが震える声で尋ねた。
鏡の前に立つルアーノが身につけているのは、煌びやかなドレス……ではなく、動きやすさを重視したシックなパンツスーツ(燕尾服の女性版)だった。
アクセサリーは最小限。
唯一の装飾は、胸元に光る社章(ヴァレンティ商会のロゴ入りバッジ)のみ。
「何か問題でも? 今夜の私の目的は『踊ること』ではなく『営業』です。ドレスの裾は機動力を下げるだけですわ」
ルアーノは手元のリスト(カモになりそうな貴族名簿)をチェックしながら答える。
「しかし、アレクセイ殿下とのファーストダンスが予定されておりますが……」
「キャンセルしました。ダンスのステップを踏んでいる間に、商談を3件まとめられますから」
ルアーノは髪をキリッとまとめ上げ、戦闘準備(メイク)を完了させた。
「さあ、行きますよ。今夜のターゲットは、南方の貿易商と北の鉱山主です。根こそぎ契約を取ります」
***
会場となる大広間は、異様な熱気に包まれていた。
数日前まで暴動が起きていたとは思えないほどの豪華さだが、それもそのはず。
このパーティの費用は全て、アレクセイの私財(と借金)で賄われているからだ。
「……あ、アレクセイ殿下、おめでとうございます」
「国難を乗り越えられたこと、感服いたしました……」
貴族たちが口々に祝いの言葉を述べるが、その目は笑っていない。
彼らの視線は、アレクセイの後ろ――会場の中心で、電卓片手に貴族たちと談笑するルアーノに注がれていた。
「やあやあ、ヴァレンティ嬢! 例の『火竜ボイラー』、我が領地にも導入したいのだが!」
「お嬢様! あの『スパイシージャム』、次の入荷はいつですかな!?」
「ぜひ我が商会とも提携を!」
ルアーノの周りには人だかりができている。
彼女は笑顔で名刺(クーポン付き)を配りまくっていた。
「ええ、ええ。後ほど見積もりを送らせていただきます。……あ、そちらの件はオプション料金がかかりますがよろしいですね? ありがとうございます、毎度あり!」
完全なる独壇場。
アレクセイは壁の花……ならぬ、壁のシミになっていた。
「……くそっ。なぜだ。今日の主役は私のはずだぞ……」
アレクセイはグラスを握りしめる。
彼は今日、起死回生のプランを用意していた。
この晴れ舞台でルアーノと踊り、華麗に「復縁」を宣言する。
そうすれば、彼女の手柄も財産も、再び「王太子妃のもの」として自分の管理下におけるはずだ。
「……おい、ルアーノを呼べ! ダンスの時間だ!」
アレクセイは側近に命じ、強引に音楽を変えさせた。
優雅なワルツが流れ始める。
アレクセイは人混みをかき分け、ルアーノの元へ歩み寄った。
そして、キザな仕草で手を差し出す。
「ルアーノ。待ちくたびれたぞ。さあ、踊ろうか」
会場が静まり返る。
注目が集まる中、ルアーノは商談の手を止め、冷ややかな視線を向けた。
「……お断りします」
「は?」
「今は商談中です。それに、殿下と踊るメリットが計算できません。私の靴が汚れるリスクと、変な噂が立つリスクしかありませんので」
バッサリ。
公開処刑である。
周囲から「ぷっ」と失笑が漏れた。
アレクセイの顔が赤から青、そして紫へと変わる。
「き、貴様……! ここまでコケにするか! 私は王太子だぞ! 王命だ、踊れ!」
「業務時間外です。王命の適用範囲外です」
「屁理屈を言うな!」
激昂したアレクセイが、ルアーノの手首を掴んだ。
強く、痛いほどに。
「いっ……」
ルアーノが小さく眉をひそめる。
「離しませんか、殿下。これは暴行罪に当たりますよ」
「うるさい! お前は私のモノだ! 婚約破棄など認めん! 書類上のことなど、私が王になればどうとでもなる! 一生私の側で、金と知恵を出し続ければいいんだ!」
アレクセイが本性を露わにする。
醜い独占欲と、依存心。
貴族たちがドン引きする中、ルアーノは冷静に――しかし内心では(護身用スタンガンを使うべきか)計算していた。
その時だった。
パキィィィィン……!!
会場中のグラスが一斉にひび割れた。
シャンデリアの灯りが揺らぎ、室温が急激に低下する。
吐く息が白くなるほどの寒気。
「……ひぃっ!?」
アレクセイが震え上がる。
その背後に、死神のような影が立っていた。
「……離せ」
地獄の底から響くような低音。
ギルバート・クライヴだった。
彼は今夜、正装の軍服に身を包んでいたが、その美貌は怒りで鬼神の如き形相になっている。
「ギ、ギルバート……? 貴様、また邪魔を……」
「聞こえなかったか? その汚い手を離せと言ったんだ」
ギルバートが一歩踏み出す。
床が、カチンと音を立てて凍りついた。
氷は生き物のように走り、アレクセイの足元を捕らえる。
「うわぁぁぁ!?」
アレクセイは悲鳴を上げてルアーノの手を離し、尻餅をついた。
ギルバートはルアーノの前に立ち、彼女の赤くなった手首をそっと取った。
先ほどまでの殺気が嘘のように、その手つきは優しく、壊れ物を扱うようだ。
「……痛むか?」
「いえ、かすり傷です。全治1分。治療費を請求するほどでもありません」
ルアーノが気丈に答えると、ギルバートは痛ましげに顔を歪めた。
「……バカが。君の価値を傷一つ分でも下げた罪は重いぞ」
ギルバートはアレクセイに向き直った。
その瞳は、絶対零度。
「アレクセイ殿下。以前、辺境で忠告したはずだ。『俺の雇い主に触れるな』と」
「ぐ、ぐぬぬ……! たかが魔術師風情が! ルアーノは私の婚約者だったんだぞ! 未練があるに決まっている!」
「未練?」
ギルバートは鼻で笑った。
「寝言は寝て言え。彼女が見ているのは、君のような過去の遺物じゃない。未来の利益と、自分自身の人生だ」
ギルバートは会場を見渡し、高らかに宣言した。
「それに、彼女のこれからの時間は、全て俺が『独占契約』する予定だ。割り込む隙間などないと思え」
「なっ……!?」
「ど、独占契約だと!?」
会場がどよめく。
それは実質的な、公衆の面前でのプロポーズ(予約宣言)だった。
ルアーノだけが、「独占契約? まだ条件交渉もしてないのに?」と首を傾げている。
ギルバートはルアーノに向き直り、恭しく手を差し出した。
先ほどのアレクセイとは違う、洗練された、相手を尊重する仕草で。
「……ルアーノ嬢。商談の邪魔をしてすまないが、一曲だけ俺に時間を売ってくれないか?」
「……おいくらで?」
ルアーノがいつものように切り返す。
ギルバートはニヤリと笑い、懐から一枚の紙を取り出した。
それは以前、ルアーノが渡した『肩叩き券』だった。
「これでどうだ。有効期限内のはずだ」
「……っ!」
ルアーノは目を丸くし、そして吹き出した。
まさか、こんな大事な場面で、あのふざけた券を使ってくるとは。
「……ふふっ。あはは! 最高です、ギルバート様。その交渉術(センス)、金貨100枚以上の価値がありますわ」
ルアーノはその券を受け取り、彼の手に自分の手を重ねた。
「商談成立(ディール)です。ただし、私のリードについてこられるかしら?」
「君こそ、俺の氷のステップに滑って転ぶなよ」
音楽が再開する。
二人は滑るように踊り出した。
ギルバートの足元から微量な冷気が放たれ、まるで氷上のフィギュアスケートのように優雅で、スピーディーなダンス。
「す、すごい……」
「なんてお似合いなんだ……」
周囲の貴族たちは、ため息交じりに見惚れるしかなかった。
そこには、愛も信頼も、そして対等なパートナーとしての絆も見える。
アレクセイが入り込む余地など、最初から1ミリもなかったのだ。
「……くそぉぉぉぉ!!」
アレクセイは床を叩いて悔しがった。
その横で、いつの間にか大量の料理を皿に盛ったミーナが、モグモグと食べながら呟いた。
「んぐんぐ……諦めなさいよ、殿下。勝負あったわね」
「ミ、ミーナ! お前、食べてばかりいないで……!」
「だってぇ、ここのローストビーフ、うちの店の新商品の参考になりそうなんだもん。……あ、お姉様たち、いい感じねぇ。ヒューヒュー!」
ミーナは空気を読まずに囃し立てる。
ダンスの最中。
至近距離で見つめ合うルアーノとギルバート。
「……みんな見てますよ、ギルバート様。あんな宣言をして、後で引っ込みがつきませんよ?」
「引っ込めるつもりはない。……覚悟しておけ。パーティが終わったら、本格的な『契約交渉』に入るぞ」
「……お手柔らかにお願いします。私の査定は厳しいですよ?」
「望むところだ」
二人の視線が絡み合い、火花と氷の粒が散る。
それは恋の始まりというよりは、互いの人生を賭けた真剣勝負の幕開けだった。
こうして、祝勝パーティは「ヴァレンティ商会の宣伝」と「ギルバートの公開求婚」という、二つのビッグイベントによって幕を閉じた。
アレクセイの復縁計画は、木っ端微塵に粉砕(フリーズ)されたのである。
王城の一室。
今夜開催される『国家復興記念祝賀会』の準備中、メイドが震える声で尋ねた。
鏡の前に立つルアーノが身につけているのは、煌びやかなドレス……ではなく、動きやすさを重視したシックなパンツスーツ(燕尾服の女性版)だった。
アクセサリーは最小限。
唯一の装飾は、胸元に光る社章(ヴァレンティ商会のロゴ入りバッジ)のみ。
「何か問題でも? 今夜の私の目的は『踊ること』ではなく『営業』です。ドレスの裾は機動力を下げるだけですわ」
ルアーノは手元のリスト(カモになりそうな貴族名簿)をチェックしながら答える。
「しかし、アレクセイ殿下とのファーストダンスが予定されておりますが……」
「キャンセルしました。ダンスのステップを踏んでいる間に、商談を3件まとめられますから」
ルアーノは髪をキリッとまとめ上げ、戦闘準備(メイク)を完了させた。
「さあ、行きますよ。今夜のターゲットは、南方の貿易商と北の鉱山主です。根こそぎ契約を取ります」
***
会場となる大広間は、異様な熱気に包まれていた。
数日前まで暴動が起きていたとは思えないほどの豪華さだが、それもそのはず。
このパーティの費用は全て、アレクセイの私財(と借金)で賄われているからだ。
「……あ、アレクセイ殿下、おめでとうございます」
「国難を乗り越えられたこと、感服いたしました……」
貴族たちが口々に祝いの言葉を述べるが、その目は笑っていない。
彼らの視線は、アレクセイの後ろ――会場の中心で、電卓片手に貴族たちと談笑するルアーノに注がれていた。
「やあやあ、ヴァレンティ嬢! 例の『火竜ボイラー』、我が領地にも導入したいのだが!」
「お嬢様! あの『スパイシージャム』、次の入荷はいつですかな!?」
「ぜひ我が商会とも提携を!」
ルアーノの周りには人だかりができている。
彼女は笑顔で名刺(クーポン付き)を配りまくっていた。
「ええ、ええ。後ほど見積もりを送らせていただきます。……あ、そちらの件はオプション料金がかかりますがよろしいですね? ありがとうございます、毎度あり!」
完全なる独壇場。
アレクセイは壁の花……ならぬ、壁のシミになっていた。
「……くそっ。なぜだ。今日の主役は私のはずだぞ……」
アレクセイはグラスを握りしめる。
彼は今日、起死回生のプランを用意していた。
この晴れ舞台でルアーノと踊り、華麗に「復縁」を宣言する。
そうすれば、彼女の手柄も財産も、再び「王太子妃のもの」として自分の管理下におけるはずだ。
「……おい、ルアーノを呼べ! ダンスの時間だ!」
アレクセイは側近に命じ、強引に音楽を変えさせた。
優雅なワルツが流れ始める。
アレクセイは人混みをかき分け、ルアーノの元へ歩み寄った。
そして、キザな仕草で手を差し出す。
「ルアーノ。待ちくたびれたぞ。さあ、踊ろうか」
会場が静まり返る。
注目が集まる中、ルアーノは商談の手を止め、冷ややかな視線を向けた。
「……お断りします」
「は?」
「今は商談中です。それに、殿下と踊るメリットが計算できません。私の靴が汚れるリスクと、変な噂が立つリスクしかありませんので」
バッサリ。
公開処刑である。
周囲から「ぷっ」と失笑が漏れた。
アレクセイの顔が赤から青、そして紫へと変わる。
「き、貴様……! ここまでコケにするか! 私は王太子だぞ! 王命だ、踊れ!」
「業務時間外です。王命の適用範囲外です」
「屁理屈を言うな!」
激昂したアレクセイが、ルアーノの手首を掴んだ。
強く、痛いほどに。
「いっ……」
ルアーノが小さく眉をひそめる。
「離しませんか、殿下。これは暴行罪に当たりますよ」
「うるさい! お前は私のモノだ! 婚約破棄など認めん! 書類上のことなど、私が王になればどうとでもなる! 一生私の側で、金と知恵を出し続ければいいんだ!」
アレクセイが本性を露わにする。
醜い独占欲と、依存心。
貴族たちがドン引きする中、ルアーノは冷静に――しかし内心では(護身用スタンガンを使うべきか)計算していた。
その時だった。
パキィィィィン……!!
会場中のグラスが一斉にひび割れた。
シャンデリアの灯りが揺らぎ、室温が急激に低下する。
吐く息が白くなるほどの寒気。
「……ひぃっ!?」
アレクセイが震え上がる。
その背後に、死神のような影が立っていた。
「……離せ」
地獄の底から響くような低音。
ギルバート・クライヴだった。
彼は今夜、正装の軍服に身を包んでいたが、その美貌は怒りで鬼神の如き形相になっている。
「ギ、ギルバート……? 貴様、また邪魔を……」
「聞こえなかったか? その汚い手を離せと言ったんだ」
ギルバートが一歩踏み出す。
床が、カチンと音を立てて凍りついた。
氷は生き物のように走り、アレクセイの足元を捕らえる。
「うわぁぁぁ!?」
アレクセイは悲鳴を上げてルアーノの手を離し、尻餅をついた。
ギルバートはルアーノの前に立ち、彼女の赤くなった手首をそっと取った。
先ほどまでの殺気が嘘のように、その手つきは優しく、壊れ物を扱うようだ。
「……痛むか?」
「いえ、かすり傷です。全治1分。治療費を請求するほどでもありません」
ルアーノが気丈に答えると、ギルバートは痛ましげに顔を歪めた。
「……バカが。君の価値を傷一つ分でも下げた罪は重いぞ」
ギルバートはアレクセイに向き直った。
その瞳は、絶対零度。
「アレクセイ殿下。以前、辺境で忠告したはずだ。『俺の雇い主に触れるな』と」
「ぐ、ぐぬぬ……! たかが魔術師風情が! ルアーノは私の婚約者だったんだぞ! 未練があるに決まっている!」
「未練?」
ギルバートは鼻で笑った。
「寝言は寝て言え。彼女が見ているのは、君のような過去の遺物じゃない。未来の利益と、自分自身の人生だ」
ギルバートは会場を見渡し、高らかに宣言した。
「それに、彼女のこれからの時間は、全て俺が『独占契約』する予定だ。割り込む隙間などないと思え」
「なっ……!?」
「ど、独占契約だと!?」
会場がどよめく。
それは実質的な、公衆の面前でのプロポーズ(予約宣言)だった。
ルアーノだけが、「独占契約? まだ条件交渉もしてないのに?」と首を傾げている。
ギルバートはルアーノに向き直り、恭しく手を差し出した。
先ほどのアレクセイとは違う、洗練された、相手を尊重する仕草で。
「……ルアーノ嬢。商談の邪魔をしてすまないが、一曲だけ俺に時間を売ってくれないか?」
「……おいくらで?」
ルアーノがいつものように切り返す。
ギルバートはニヤリと笑い、懐から一枚の紙を取り出した。
それは以前、ルアーノが渡した『肩叩き券』だった。
「これでどうだ。有効期限内のはずだ」
「……っ!」
ルアーノは目を丸くし、そして吹き出した。
まさか、こんな大事な場面で、あのふざけた券を使ってくるとは。
「……ふふっ。あはは! 最高です、ギルバート様。その交渉術(センス)、金貨100枚以上の価値がありますわ」
ルアーノはその券を受け取り、彼の手に自分の手を重ねた。
「商談成立(ディール)です。ただし、私のリードについてこられるかしら?」
「君こそ、俺の氷のステップに滑って転ぶなよ」
音楽が再開する。
二人は滑るように踊り出した。
ギルバートの足元から微量な冷気が放たれ、まるで氷上のフィギュアスケートのように優雅で、スピーディーなダンス。
「す、すごい……」
「なんてお似合いなんだ……」
周囲の貴族たちは、ため息交じりに見惚れるしかなかった。
そこには、愛も信頼も、そして対等なパートナーとしての絆も見える。
アレクセイが入り込む余地など、最初から1ミリもなかったのだ。
「……くそぉぉぉぉ!!」
アレクセイは床を叩いて悔しがった。
その横で、いつの間にか大量の料理を皿に盛ったミーナが、モグモグと食べながら呟いた。
「んぐんぐ……諦めなさいよ、殿下。勝負あったわね」
「ミ、ミーナ! お前、食べてばかりいないで……!」
「だってぇ、ここのローストビーフ、うちの店の新商品の参考になりそうなんだもん。……あ、お姉様たち、いい感じねぇ。ヒューヒュー!」
ミーナは空気を読まずに囃し立てる。
ダンスの最中。
至近距離で見つめ合うルアーノとギルバート。
「……みんな見てますよ、ギルバート様。あんな宣言をして、後で引っ込みがつきませんよ?」
「引っ込めるつもりはない。……覚悟しておけ。パーティが終わったら、本格的な『契約交渉』に入るぞ」
「……お手柔らかにお願いします。私の査定は厳しいですよ?」
「望むところだ」
二人の視線が絡み合い、火花と氷の粒が散る。
それは恋の始まりというよりは、互いの人生を賭けた真剣勝負の幕開けだった。
こうして、祝勝パーティは「ヴァレンティ商会の宣伝」と「ギルバートの公開求婚」という、二つのビッグイベントによって幕を閉じた。
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