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丑三つ時。
王城の一角にあるゲストルーム(ルアーノの仮住まい)の廊下を、黒い影が這っていた。
「……フフフ。警備が甘いな。さすがのルアーノも、王城の中までは警戒していまい」
黒ずくめの服に身を包んだアレクセイは、ほくそ笑んでいた。
彼の狙いは、ルアーノの寝室にある金庫。
そこには、きっと『火竜ボイラーの設計図』や『スパイシージャムの秘伝レシピ』、あるいは『ギルバートの弱味』が入っているに違いない。
それらを奪えば、借金帳消しどころか、再び主導権を握れる。
「待っていろ、ルアーノ。お前の全てを奪い尽くしてやる……!」
アレクセイは音もなく扉に近づき、ピッキングツール(どこで手に入れたのか)を鍵穴に差し込んだ。
カチャリ。
意外にもあっさりと鍵が開く。
「チョロいもんだ」
アレクセイは忍び込んだ。
部屋の中は真っ暗だ。
ベッドには、膨らみがある。ルアーノが寝ているのだろう。
彼は慎重に机の方へ向かった。
そこに目当ての金庫があるはずだ。
一歩、足を踏み出したその時だった。
『――侵入者を検知。警戒レベル5。迎撃システム、起動(アクティベート)』
無機質な合成音声が響いた。
「え?」
バシュッ!!
部屋の四隅から、白い煙が噴射された。
瞬く間に視界が奪われる。
「な、なんだ!? 毒ガスか!?」
「いいえ。ただの『催涙成分入りミントスプレー』です」
闇の中から、聞き覚えのある冷徹な声がした。
明かりがパッと灯る。
そこには、優雅にナイトガウンを羽織り、ガスマスクを装着したルアーノが座っていた。
そして、その隣には――パジャマ姿で、殺る気満々のギルバートが立っている。
「ゲホッ、ゲホッ! め、目がぁぁぁ! スースーするぅぅぅ!」
アレクセイはのたうち回った。
ルアーノ製ミントの刺激は強力だ。
目と鼻と喉が同時に焼けるような清涼感に襲われている。
「……やはり来ましたか、殿下。ミーナ様から通報がありましたよ。『あのバカがまた何か企んでるから気をつけて』と」
「う、裏切り者ぉぉぉ!」
「リスク管理の基本です。さて、ギルバート様。捕獲をお願いします」
「御意」
ギルバートが指を弾く。
アレクセイの足元が凍りつき、さらに氷の蔦が伸びて彼を拘束した。
完全にミノムシ状態である。
「は、離せ! これは誤解だ! 私はただ、ルアーノの寝顔を見に来ただけで……!」
「嘘ですね」
ルアーノは懐から小型の録音魔導具を取り出した。
「廊下での独り言、バッチリ録れてますよ。『全てを奪い尽くしてやる』と仰っていましたね?」
「ぐっ……!」
「これは『住居侵入罪』および『窃盗未遂罪』です。王族特権で免除されるレベルを超えています」
ルアーノはマスクを外し、哀れな元婚約者を見下ろした。
「殿下。貴方はどこまで落ちるおつもりですか? 畑仕事で少しは更生したかと思っていましたが……残念です」
「う、うるさい! 元はと言えば、お前が私をこき使うからだ! 私は王太子だぞ! なぜ芋を掘らなきゃならんのだ!」
アレクセイが泣き叫ぶ。
「それに、そいつだ! ギルバート! お前がルアーノをたぶらかしているからだ! きっとお前が、黒幕なんだろう!」
アレクセイは苦し紛れに矛先を変えた。
「そうだ、思い出したぞ! 私はこいつに脅されていたんだ! 『ルアーノの部屋から書類を盗んでこい、さもなくば命はない』と! 私は被害者だ!」
あまりに苦しい嘘。
ルアーノは呆れて溜息をつこうとしたが、その前に室温が急激に下がった。
「……ほう」
ギルバートが、アレクセイの目の前にしゃがみ込んだ。
その瞳は、深海のように暗く、冷たい。
「俺が、ルアーノを裏切るような真似をさせたと?」
「ひっ……!」
「俺がどれほどこの女性(ひと)を尊重し、崇拝し、愛しているか……その俺が、彼女の利益を損なうような真似をするとでも?」
ギルバートの手から、バリバリと音を立てて冷気が溢れ出す。
アレクセイの髪の毛が凍りつき、真っ白になる。
「訂正しろ。俺への侮辱は許すが、俺の『愛』への侮辱は万死に値する」
「あ、あばばばば……! ご、ごめんなさい! 嘘です! 私がやりました!」
アレクセイは失禁寸前で白状した。
本気の魔術師の殺気は、心臓を止めるには十分すぎた。
「ギルバート様、そこまでに」
ルアーノが静かに声をかける。
「凍死させると、死体処理(清掃費)がかかります。非効率です」
「……チッ。命拾いしたな」
ギルバートは舌打ちをして立ち上がった。
ルアーノは電卓を取り出し、パチパチと計算を始めた。
「今回の件で、殿下の信用スコアはマイナスに振り切れました。よって、ペナルティを課します」
「ペ、ペナルティ……?」
「はい。現在残っている借金金貨二万枚に加え、今回の『精神的苦痛への慰謝料(深夜手当含む)』として金貨五千枚を追加します」
「ご、五千……!?」
「さらに、王位継承権の『一時停止』を陛下に進言します。素行不良にも程がありますから、更生プログラムが完了するまで、王族としての権限を凍結させていただきます」
「そ、そんな! 王位まで奪うのか!?」
「奪うのではありません。『管理』するのです。貴方には運用能力がありませんから」
ルアーノは冷徹に宣告した。
「明日から、作業現場を変更します。芋畑ではなく、北の鉱山で『魔石採掘』に従事していただきます。あそこなら逃げ場もありませんし、給金もいいですよ。……100年ほど働けば返せる計算です」
「北の鉱山……あの、極寒の監獄……!」
「防寒具は支給します(有料で)。達者で暮らしてくださいね」
「いやだぁぁぁ! 助けてくれぇぇぇ!」
アレクセイの絶叫が夜の王城にこだました。
騒ぎを聞きつけた近衛兵たちが駆けつけ、氷漬けの王太子はそのまま引きずられていった。
***
静寂が戻った部屋。
ルアーノはふぅ、と息を吐き、ベッドに腰を下ろした。
「……お騒がせしました。ギルバート様も、お休みのところ申し訳ありません」
「構わない。むしろ、君の寝室に入る口実ができて良かった」
ギルバートは冗談めかして言うが、その目は真剣にルアーノの顔を覗き込んだ。
「……怖くはなかったか?」
「アレクセイ殿下がですか? まさか。想定内のリスクです」
「そうじゃない。……俺のことだ」
ギルバートは少し自嘲気味に笑った。
「さっき、俺は本気でキレていた。君のためなら、国の一つや二つ、平気で滅ぼしかねない。……そんな男が側にいるのは、怖くないか?」
彼は気にしていたのだ。
自分の愛が重すぎて、ルアーノを引かせてしまっていないかと。
ルアーノは少し驚き、そして電卓をサイドテーブルに置いた。
彼女は立ち上がり、ギルバートの正面に立った。
「……計算しました」
「え?」
「貴方のその『重すぎる愛』と、私の『合理的すぎる思考』。この二つが組み合わさった時のリスクとリターンを」
ルアーノは、そっとギルバートの手を握った。
ひんやりとした、大きな手。
「リスクはあります。貴方が暴走すれば、周囲に甚大な被害(コスト)が出るでしょう。……ですが」
ルアーノは上目遣いに彼を見つめた。
「それを制御(マネジメント)できるのは、世界で私一人だという結論が出ました」
「……!」
「貴方の暴走を止めるストッパーとして、また、その強大な力を正しく運用するパートナーとして。……私以上の適任者はいないと判断します」
それは、彼女なりの精一杯のデレであり、信頼の証だった。
「ですから、怖くはありません。むしろ……独占できて、お得だと思っています」
ギルバートは目を見開き、そして破顔した。
氷が溶けるような、温かく、優しい笑顔。
「……敵わないな。君の計算には」
彼はルアーノの手を引き寄せ、強く抱きしめた。
「ああ、俺の制御キーは君に預ける。好きにしてくれ。……一生、離さないでくれよ」
「……はい。契約期間は『死が二人を分かつまで』で更新しておきます」
ルアーノもまた、彼の背中に手を回し、そっと身を委ねた。
ミントの香りと、彼の体温。
それはどんな高級な香水よりも、心を落ち着かせてくれる香りだった。
「……ところで、ギルバート様」
「ん?」
「抱きしめるのはいいのですが、心拍数が高すぎて眠れません。明日の業務に支障が出ます」
「……すまん。嬉しくてな」
「あと、このパジャマ、私の趣味じゃありません。次はもっと機能性の高いものを支給します」
「……はいはい、社長」
夜明け前の部屋で、二人の甘い(?)会話はいつまでも続いた。
外では、ドナドナされていくアレクセイの馬車の音が、悲しく響いていたという。
王城の一角にあるゲストルーム(ルアーノの仮住まい)の廊下を、黒い影が這っていた。
「……フフフ。警備が甘いな。さすがのルアーノも、王城の中までは警戒していまい」
黒ずくめの服に身を包んだアレクセイは、ほくそ笑んでいた。
彼の狙いは、ルアーノの寝室にある金庫。
そこには、きっと『火竜ボイラーの設計図』や『スパイシージャムの秘伝レシピ』、あるいは『ギルバートの弱味』が入っているに違いない。
それらを奪えば、借金帳消しどころか、再び主導権を握れる。
「待っていろ、ルアーノ。お前の全てを奪い尽くしてやる……!」
アレクセイは音もなく扉に近づき、ピッキングツール(どこで手に入れたのか)を鍵穴に差し込んだ。
カチャリ。
意外にもあっさりと鍵が開く。
「チョロいもんだ」
アレクセイは忍び込んだ。
部屋の中は真っ暗だ。
ベッドには、膨らみがある。ルアーノが寝ているのだろう。
彼は慎重に机の方へ向かった。
そこに目当ての金庫があるはずだ。
一歩、足を踏み出したその時だった。
『――侵入者を検知。警戒レベル5。迎撃システム、起動(アクティベート)』
無機質な合成音声が響いた。
「え?」
バシュッ!!
部屋の四隅から、白い煙が噴射された。
瞬く間に視界が奪われる。
「な、なんだ!? 毒ガスか!?」
「いいえ。ただの『催涙成分入りミントスプレー』です」
闇の中から、聞き覚えのある冷徹な声がした。
明かりがパッと灯る。
そこには、優雅にナイトガウンを羽織り、ガスマスクを装着したルアーノが座っていた。
そして、その隣には――パジャマ姿で、殺る気満々のギルバートが立っている。
「ゲホッ、ゲホッ! め、目がぁぁぁ! スースーするぅぅぅ!」
アレクセイはのたうち回った。
ルアーノ製ミントの刺激は強力だ。
目と鼻と喉が同時に焼けるような清涼感に襲われている。
「……やはり来ましたか、殿下。ミーナ様から通報がありましたよ。『あのバカがまた何か企んでるから気をつけて』と」
「う、裏切り者ぉぉぉ!」
「リスク管理の基本です。さて、ギルバート様。捕獲をお願いします」
「御意」
ギルバートが指を弾く。
アレクセイの足元が凍りつき、さらに氷の蔦が伸びて彼を拘束した。
完全にミノムシ状態である。
「は、離せ! これは誤解だ! 私はただ、ルアーノの寝顔を見に来ただけで……!」
「嘘ですね」
ルアーノは懐から小型の録音魔導具を取り出した。
「廊下での独り言、バッチリ録れてますよ。『全てを奪い尽くしてやる』と仰っていましたね?」
「ぐっ……!」
「これは『住居侵入罪』および『窃盗未遂罪』です。王族特権で免除されるレベルを超えています」
ルアーノはマスクを外し、哀れな元婚約者を見下ろした。
「殿下。貴方はどこまで落ちるおつもりですか? 畑仕事で少しは更生したかと思っていましたが……残念です」
「う、うるさい! 元はと言えば、お前が私をこき使うからだ! 私は王太子だぞ! なぜ芋を掘らなきゃならんのだ!」
アレクセイが泣き叫ぶ。
「それに、そいつだ! ギルバート! お前がルアーノをたぶらかしているからだ! きっとお前が、黒幕なんだろう!」
アレクセイは苦し紛れに矛先を変えた。
「そうだ、思い出したぞ! 私はこいつに脅されていたんだ! 『ルアーノの部屋から書類を盗んでこい、さもなくば命はない』と! 私は被害者だ!」
あまりに苦しい嘘。
ルアーノは呆れて溜息をつこうとしたが、その前に室温が急激に下がった。
「……ほう」
ギルバートが、アレクセイの目の前にしゃがみ込んだ。
その瞳は、深海のように暗く、冷たい。
「俺が、ルアーノを裏切るような真似をさせたと?」
「ひっ……!」
「俺がどれほどこの女性(ひと)を尊重し、崇拝し、愛しているか……その俺が、彼女の利益を損なうような真似をするとでも?」
ギルバートの手から、バリバリと音を立てて冷気が溢れ出す。
アレクセイの髪の毛が凍りつき、真っ白になる。
「訂正しろ。俺への侮辱は許すが、俺の『愛』への侮辱は万死に値する」
「あ、あばばばば……! ご、ごめんなさい! 嘘です! 私がやりました!」
アレクセイは失禁寸前で白状した。
本気の魔術師の殺気は、心臓を止めるには十分すぎた。
「ギルバート様、そこまでに」
ルアーノが静かに声をかける。
「凍死させると、死体処理(清掃費)がかかります。非効率です」
「……チッ。命拾いしたな」
ギルバートは舌打ちをして立ち上がった。
ルアーノは電卓を取り出し、パチパチと計算を始めた。
「今回の件で、殿下の信用スコアはマイナスに振り切れました。よって、ペナルティを課します」
「ペ、ペナルティ……?」
「はい。現在残っている借金金貨二万枚に加え、今回の『精神的苦痛への慰謝料(深夜手当含む)』として金貨五千枚を追加します」
「ご、五千……!?」
「さらに、王位継承権の『一時停止』を陛下に進言します。素行不良にも程がありますから、更生プログラムが完了するまで、王族としての権限を凍結させていただきます」
「そ、そんな! 王位まで奪うのか!?」
「奪うのではありません。『管理』するのです。貴方には運用能力がありませんから」
ルアーノは冷徹に宣告した。
「明日から、作業現場を変更します。芋畑ではなく、北の鉱山で『魔石採掘』に従事していただきます。あそこなら逃げ場もありませんし、給金もいいですよ。……100年ほど働けば返せる計算です」
「北の鉱山……あの、極寒の監獄……!」
「防寒具は支給します(有料で)。達者で暮らしてくださいね」
「いやだぁぁぁ! 助けてくれぇぇぇ!」
アレクセイの絶叫が夜の王城にこだました。
騒ぎを聞きつけた近衛兵たちが駆けつけ、氷漬けの王太子はそのまま引きずられていった。
***
静寂が戻った部屋。
ルアーノはふぅ、と息を吐き、ベッドに腰を下ろした。
「……お騒がせしました。ギルバート様も、お休みのところ申し訳ありません」
「構わない。むしろ、君の寝室に入る口実ができて良かった」
ギルバートは冗談めかして言うが、その目は真剣にルアーノの顔を覗き込んだ。
「……怖くはなかったか?」
「アレクセイ殿下がですか? まさか。想定内のリスクです」
「そうじゃない。……俺のことだ」
ギルバートは少し自嘲気味に笑った。
「さっき、俺は本気でキレていた。君のためなら、国の一つや二つ、平気で滅ぼしかねない。……そんな男が側にいるのは、怖くないか?」
彼は気にしていたのだ。
自分の愛が重すぎて、ルアーノを引かせてしまっていないかと。
ルアーノは少し驚き、そして電卓をサイドテーブルに置いた。
彼女は立ち上がり、ギルバートの正面に立った。
「……計算しました」
「え?」
「貴方のその『重すぎる愛』と、私の『合理的すぎる思考』。この二つが組み合わさった時のリスクとリターンを」
ルアーノは、そっとギルバートの手を握った。
ひんやりとした、大きな手。
「リスクはあります。貴方が暴走すれば、周囲に甚大な被害(コスト)が出るでしょう。……ですが」
ルアーノは上目遣いに彼を見つめた。
「それを制御(マネジメント)できるのは、世界で私一人だという結論が出ました」
「……!」
「貴方の暴走を止めるストッパーとして、また、その強大な力を正しく運用するパートナーとして。……私以上の適任者はいないと判断します」
それは、彼女なりの精一杯のデレであり、信頼の証だった。
「ですから、怖くはありません。むしろ……独占できて、お得だと思っています」
ギルバートは目を見開き、そして破顔した。
氷が溶けるような、温かく、優しい笑顔。
「……敵わないな。君の計算には」
彼はルアーノの手を引き寄せ、強く抱きしめた。
「ああ、俺の制御キーは君に預ける。好きにしてくれ。……一生、離さないでくれよ」
「……はい。契約期間は『死が二人を分かつまで』で更新しておきます」
ルアーノもまた、彼の背中に手を回し、そっと身を委ねた。
ミントの香りと、彼の体温。
それはどんな高級な香水よりも、心を落ち着かせてくれる香りだった。
「……ところで、ギルバート様」
「ん?」
「抱きしめるのはいいのですが、心拍数が高すぎて眠れません。明日の業務に支障が出ます」
「……すまん。嬉しくてな」
「あと、このパジャマ、私の趣味じゃありません。次はもっと機能性の高いものを支給します」
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