妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟

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もちろん、私は冗談のつもりだった。と言うよりも、ホールデン様がそんなことを気にするだなんて、全く思っていなかったのだ。

「君は……一応は私の婚約者なのだから、そこは私を選んでくれないと困るんじゃないのかな???」

「そうなんですか???」

私はもちろん、意外だった。

「そうなんですかって……君は私の婚約者であるという……自覚がないのかな???」

「ええ、ありませんわ。そんなのは……」

私がこう答えると、ホールデン様は余計にがっくり来たようだった。


でも、もっと意外なことが起きた。私には予想もできなかったこと。誰も分からなかったこと。でも、その未来は確実に私の傍へ歩み寄って来たのだ。

*****************************************

「おーい……マリアはいるか???」

この声は……どこかで聞いた感じだった。

「誰だろう……」

ホールデン様は声の主の方を見た。すると……ホールデン様はもう驚きを隠すことができないくらい、大変なことになっていた。

「どうして……王子様が……いらっしゃるのですか!!!!!」

王子様……それは、もう一人の王子様だった。

「やあ……マリア殿はこちらにいらっしゃるのかな???」

その穏やかな口ぶりは……どこかで聞き覚えがあった。その通り、私があの時会った彼だった。

「あれっ……ということは、彼も王子様なのかしら???」

彼は私の前にやって来て、改めて自己紹介をした。

「初めまして……覚えているかな???」

その人懐っこい笑顔と、その声を聞いて……私は懐かしくなるとともに、まさか、彼が私を訪ねてやって来たことを知り、大いに驚いたのだった。
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