妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

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「改めて自己紹介しますね。私は……第二王子のサンダーです」

サンダーの名を聞いて、ホールデン様は改めて驚愕した。

「あなたが……あの御高名なサンダー様でいらっしゃるのですか！！！」

御高名なサンダー様……私は初めて聞いた。サンダー様がどうして有名なのか……私はホールデン様に質問してみた。

「サンダー様は……非常に人徳のある方として有名なのだ……。困窮者に手を差しのべることでな……」

困窮者に手を差しのべる……こう言う話を聞いて、私は少し安心した。こう言う優しい人に好かれるって言うのが、自慢じゃないけど、私自身の人徳の賜物なのではないかって……そんなふうに考えるようになったのだった。

「それで……サンダー様。あなた様がこちらにいらっしゃったのは……何か特別な意味がございましょうや？？？」

「ああ、それなのですが……私はこう言う性格でございますから、中々新しい運命を自分で切り開くのが難しいと思うわけでございましてね……そこにあなたが現れたというわけなのですよ……」

そう言って、サンダー様は私の方を真っすぐ指さした。

どうして私……そんなことを考えたが、大したことではなかった。素直に喜べば良かっただけのこと。私にも選ぶ権利があるってことなんだ……。