1 / 1
とろけた声も、あなたにならば
しおりを挟むぎしり、ぎし。夜、月明かりが光源の全てを占める中。宿のベッドが2人の動きに合わせて音を立てて揺れていた。
「あっ、あ♡、ゃ、こえ、……っ」
きもちのいいところばかりをぐりぐりとあつい彼の熱で刺激されて、いつもは我慢している声が口から溢れてしまう。恥ずかしくて、じわり、と目の縁から涙が滲んだ。こんな声、いつもなら絶対出さないのに。今日は何故だか、声が我慢できない。
「きか、ないでっ、♡ おねが、♡ こんな、こえ、あっ♡♡ ぁっ、ぅ、っ?!♡」
彼のことだから意図してはいないだろうが、ぐりっ、と抉るようにきもちもいいところを突かれて、どうしようもなくとろけた声が出た。
「ぁ……♡ きもちぃ……、♡」
快楽の中、ふわふわとした頭で彼の顔を引き寄せて、キスをねだる。求めるようにちゅぅ、ちゅ、と何度もキスをして、舌を絡めたくてどうにか伸ばしていると、理解したように彼もそっと絡めてくれた。
「ん~、♡ ん♡ ぁ……♡ ~~、♡」
びくん、びく、と身体が勝手に跳ねて、きゅぅきゅぅと中を締め付けてしまっている気がする。そのまま優しくとんっ、とそこを突かれて、彼の背中に手を回して、頭が真っ白になって、自身の熱からとろとろときもちよさそうに溢れていくなにかがあることを感じ顔が熱くなった。
「すこし、とめますね」
「ん、……っは、……、は、♡ おれの、こえ、すき……? こんな、ふうに、あえいでて、ぁ、♡ やじゃ、ない……?」
萎えていないところを見ると、萎えるほど嫌ではないようなのはわかるが、こんなだらしなく、はしたなく喘いでいて彼は本当に嫌ではないのだろうか。少し不安で、窺うように彼の目を覗く。すると、思っていたのとは違う、……余裕のなさそうな、きもちがよくて仕方のないような、愛おしいものをみるような、そんな目でこちらを見ていて、どくんと心臓が跳ねた。
「いやじゃないです。むしろ……、……。いえ、あなたが嫌でなければ、……ええと、なんていえば……ううん。あなたの声は、どんな声でもすきです」
「ん……、♡ ぁ……♡」
そんな風に言われると、もう声だけできもちがよくて、きゅぅ、と中を甘く締め付けてしまう。こんな風に中を何度も締め付けてしまっているのに、好き勝手に動かさずに俺の快楽ばかりを優先してくれる彼に、もっと余裕をなくさせたくて、自分らしくはないが……、誘ってみようかな、と思い口を開いた。
「ねぇ、……」
「はい……、?」
ゆっくり、彼の唇に口付けて。今度はそっと彼の耳元で、囁く。
「あなたに奥までそそがれたい」
「っ、……!」
あなたって人は、とよく言われるけれどよく意味がわからない台詞を吐かれた後、またとんとん♡とそこを突かれた。でもまだ優しくて、もっと余裕を失ってしまえばいいのに、と思い、きもちよさに何度も喘ぎながらも腰を動かす。
「ぁっ♡ あっ♡ イ、ってる♡ そこ♡ とんとん、ってされ、♡ すき♡ あ♡」
とん、とんっ、とそこを刺激されるのが頭がおかしくなるくらいきもちがいい。触られてもいないのに、胸の先とか、自分の熱とか、いろんな場所があつくなってきてきもちがよくて、縋るようにして手を握った。
「あっ、♡ も、♡ なんども、イっ♡ イって、♡♡ きもちい♡ きもち、っ♡」
「よかった、……おく、いれますね」
「えっ、うそ、♡ ここ、もうおくじゃ、♡ あっ?!♡♡ ~~っ、?♡、……、っ?♡」
ずぶ、と一番奥だと思っていた場所よりもっと奥にいれられて、それだけで何度か絶頂する。身体がびくびく、と跳ねて、涙が溢れて、彼をこんなに奥まで感じることはできてうれしくて、しあわせで、きもちよくて、もう。
「あ、すみません……、はいっちゃいました。……は、だいじょうぶですか?」
「……?♡、……ぅ、ぇ、♡ ぁ……?♡ おく、はいり、ました……、?♡」
「はい。くるしく……、ないですか?」
「くるしく、な、きもちい……♡ ねぇもっと、♡ もっとほし……♡♡ あなたがもっとほしぃ……♡」
腰を揺らして、見せつけるように彼の指をゆっくりなめて、耳元で「あなたでいっぱいにして」と囁いて。ごり、と奥をつよく抉られて、何度も何度もイった。
「ああっ、♡ あ♡ はぁ、あっ♡♡ ~~っ♡ ~~ッ♡ ぁ、っ♡♡ ……っ、ぁ、あ……、~~っ!♡♡」
彼のあつい熱を注がれるのを感じ、あまりにうれしくてキスをして、離れるのが嫌できゅうきゅうと中を締め付けて、足を背中に回して抱き付いた。
「も、っと……♡」
夜はまだ、終わりそうにない。
94
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
学園の卒業パーティーで卒業生全員の筆下ろしを終わらせるまで帰れない保険医
ミクリ21
BL
学園の卒業パーティーで、卒業生達の筆下ろしをすることになった保険医の話。
筆下ろしが終わるまで、保険医は帰れません。
俺の指をちゅぱちゅぱする癖が治っていない幼馴染
海野
BL
唯(ゆい)には幼いころから治らない癖がある。それは寝ている間無意識に幼馴染である相馬の指をくわえるというものだ。相馬(そうま)はいつしかそんな唯に自分から指を差し出し、興奮するようになってしまうようになり、起きる直前に慌ててトイレに向かい欲を吐き出していた。
ある日、いつもの様に指を唯の唇に当てると、彼は何故か狸寝入りをしていて…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
この盛りすぎない♡喘ぎが圧倒的大優勝すぎるー!!!😇健気受け可愛すぎてお気に入り入れちゃいました😭✨ありがとうございます🙇✨
ありがとうございます🙏🙏 そうなんですよ……! 我慢しようとしてるんですけど、それでも漏れ出てしまう♡喘ぎ…えっちですね…😇 読んで&お気に入りしていただいて、しかも感想までくださってありがとうございました!!