神造人間の部品達

ハイビスカスティー

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神造眼・見島美夏

みしまコンタクト

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こんにちは。
隝長石市立西部しまながししりつせいぶ中学校二年生の見島美夏みしまみかです。女子です。
見つけた島に、美しい夏と書きます。…あ、これはいらないか。
あぁ、私の自己紹介がためにたった一行で二回もルビを使ってしまった。なんと恐れ多い。
と、おふざけはここまでにして。

一応今作の主人公を務めさせていただきます。
不甲斐ないと思いますがよろしくおねがいします。


さて、こういう物は基本自分の知り合いから説明していって今の私の現状を話して物語にもってく筈なんですが…。
何が哀しいのかわかんないんですが、私そこまで親しい友人が居なくてですね。
誤解しないでください。クラスで孤立してる訳じゃあないんです。浅く広い人間付き合いをしてきたんですよ。
だから、あまり友人の事は知らず、ここでペラペラ綴るのは何だか失礼な気がしまして。
しょうがないから私の話をします。

見島美夏。十三歳。隝長石市立西部中学校二年五組。飼育部所属。美化委員。習い事は塾を少々。
特技は遠くの物を見ることと、動物と過ごすこと。趣味はバードウォッチング。
自慢は視力がずば抜けていること。2.0はゆうに超えているんですよ。
性格は、自分で言うのも何ですがけっこうひねくれていますね。こうして敬語で書いているから丁寧な人間に思われるかも知れませんけど、いきなりタメで書くのはなんかなぁ…って思ったから敬語で書いてるだけで、けっこう言葉遣いも汚いですよ。母とはしょっちゅう喧嘩しますよ。軽いやつだけど。


そんな私は今日も七時四十分に学校に来て、荷物を教室に置いたら栽培委員の人にキャベツなどを受け取って飼育小屋の前に立ったわけですよ。ここまではいつもの日常だったんです。ごくごくありふれた私の日常だったんです。
だけど、今日はちょっと違った。
飼育小屋の前に男子生徒が立っていたんです。見覚え無い人が。髪の毛は黒くて、男の割に長くて、ぶっきらぼうにまとめてる。よく見たらヘアゴム輪ゴムだし。痛そ。
うちの制服だし、うちの学校の人なんだろうけど、知らない人。多分他の学年の人だよね。
私には気付いていないみたいでした。誰か探してるみたい。これは声を掛けるしかないのか。
持ち前の人見知りが発動しつつ(緊張するとどんどん真顔になって言葉が厳しくなっ淡々と喋ってしまうんです…)、ぎこちなく話しかけてみました。

「…あの。飼育部に何か御用ですか」

声を掛けると、彼はうわ、気付かなかったとでも言うようにビクッと振り返りました。

「うわっ、気付かなかった」

………ほんとに言われると心に来るんだけど。
彼は私が抱えているキャベツや人参の皮と、私の顔を交互に見つめて顔を少しほころばせました。まるでやっと見つけたとでも言うように。

「飼育部の…、見島美夏!
やっと見つけた!!」

……私は彼の言う言葉を予知する能力でもあるのかな?
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